A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 254 人間の考えることは、

2016-02-19 23:03:25 | ことば
 理解の早いあなたは、もうすっかりお分かりになったことと思いますが、人間の考えることは、ものごとを否定することと肯定することの、この二つしかありません。旨い、と思うことは肯定することです。どんなときにでも、ものごとを凡て肯定して決める習慣くらい、人間にとって幸福なものはない、と私は思うのですが、どうですか。
宇野千代『宇野千代の人生相談 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)』廣済堂出版、1992年、82頁。

 ここでの「旨い」というのは、朝食が旨くないと感じたが、「格好だけ、口をすぼめて、旨くて堪らないものを食べてるような風をした」ら、「ほんとうに旨いものを食べたときのような、満足した気持ちになった」というエピソードに由来する。
 何かと肯定より否定の感情の方が幅をきかせることが多いから、肯定する習慣を根づかせたい。


memorandum 253 世の中の凡ゆることは、

2016-02-18 23:10:36 | ことば
世の中の凡ゆることは、この、「忘れる」「思い出さない」と言うことで、解決されることが多いからです。
宇野千代『宇野千代の人生相談 (広済堂文庫―ヒューマン・セレクト)』廣済堂出版、1992年、65頁。

 「忘れる」「思い出さない」ことが容易にできないからこそ、人は悩んだり、余計な言動をしてしまう。かくいう私も、なかなかそれができないから、よく思い悩む。
 だが、「忘れる」「思い出さない」ことは、欠如や欠点のように思われがちだが、実は解決策になりうるということ、「忘れる」「思い出さない」ことに価値を見いだしてもいい。
 そういえば、星野源の『くだらないの中に』という曲の歌詞で「日々の恨み/日々の妬み/君が笑えば解決することばかり」という歌詞があったことを思い出した。

未読日記1139 『版画ニュースタンダード』

2016-02-17 23:51:13 | 書物
タイトル:版画ニュースタンダード
アートディレクション・編集・写真:岸雪絵
構成:吉田潤
表紙:本田このみ
発行:[京都] : 京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース
発行日:2015.3
形態:1冊 ; 21cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2015年2月10日(火)~2月21日(土)京都精華大学 本館1階 ラウンジ
    主催:京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース
内容:
舟田潤子、伊藤ナツキ、久保貴之、大八木夏生、右近あかね、須崎喜也、加藤千晴、本田このみ、松本良太、河脇紗耶、村上暁、狗田和志、島本彩、辻坂美咲、林拳五、土屋未久
Exhibition view
作家略歴・コメント
Greeting

頂いた日:2016年2月17日
 京都市美術館にて開催された「京都精華大学 芸術学部・デザイン学部卒業制作展」の会場にて無料配布していたので頂いた1冊。精華大はこうした配布物があってうれしい。



未読日記1138 『図説 写真小史』

2016-02-15 23:07:23 | 書物
タイトル:図説 写真小史 (ちくま学芸文庫)
別書名:Kleine Geschichte der Photographie
著者:ヴァルター・ベンヤミン
編訳者:久保哲司
カバーデザイン:神田昇和
発行:東京 : 筑摩書房
発行日:2005.5第6刷(1998.4第1刷)
形態:284p : 図版 ; 15cm
内容:
芸術から「いま―ここ」という一回性の「アウラ」が消滅する複製技術の時代にあって、写真はどのような可能性をはらみ、どのような使命を課せられなければならなかったのか?写真史を考えるとき、だれもが必ず引用する基本文献――ヴァルター・ベンヤミンの「写真小史」。初期写真から1930年代の作品までを通観したこの傑作エッセイに、そこで言及されているブロースフェルト、アジェ、ザンダーらの写真多数と、関連論文を加えて再編集。20世紀最高の批評家による写真論が目で見てわかる実証的な一冊。

目次
ヴァルター・ベンヤミン/写真小史
カール・ニーレンドルフ/カール・ブロースフェルト『芸術の原形』への序
カミーユ・レヒト/ウジェーヌ・アジェ『写真集』への序
アルフレート・デーブリーン/顔、映像、それらの真実について
訳者あとがき
解説 金子隆一
写真集資料所蔵一覧

購入日:2016年2月13日
購入店:日本の古本屋
購入理由:
 岐阜・frontにて開催される写真家・先間康博氏によるstudy meeting vol.4「写真の近代:アルフレッド・スティーグリッツとユジューヌ・アジェ」のための予習として購入。本書は写真の基本文献なのでずっと持っているかと思っていたが、図書館で借りて読んだのか、所有はしていなかったようだ。最近、別案件でベンヤミンの『パサージュ論』を読んでいるので、ベンヤミンの思想・思考を傍らに聴講してみたい。

未読日記1137 『光とあかり』

2016-02-14 23:49:04 | 書物
タイトル:光とあかり : light : 大阪市立科学館ミニブック
編集:長谷川能三、大倉宏
デザイン:永原達哉
発行:大阪 : 大阪市立科学館
発行日:2015.9
形態:42p ; 21cm
内容:
1.光の進み方
2.光を虹色に分ける
3.光と色の三原色
4.目のしくみ
5.青銅鏡
6.魔鏡
7.現代の鏡
8.近代照明の原点を訪ねる
9.LED
10.化学発光
11.生物発光
12.星の光
13.オーロラの光
14.光の正体~波動性と粒子性~
著者紹介

購入日:2015年2月13日
購入店:大阪市立科学館
購入理由:
 いつ知ったか記憶が曖昧だが、大阪市立科学館で企画展「光とあかり」(2015年10月10日~12月27日)
が開催されていると知り、光好きな身としては見に行きたかったのだが、残念ながら機会を失してしまった。ホームページを見たところ、ミニブックを刊行する旨の情報があった。参考に見てみたく、いつか大阪に行った際には手に入れたいと考えていたところ、この日に国際美に行く予定があり、立ち寄って購入。本書は図版も多く、文系の私でも理解しやすい。

未読日記1136 『結晶』

2016-02-13 23:50:56 | 書物
タイトル:結晶 : 大阪市立科学館ミニブック
編集:小野昌弘
デザイン:永原達哉
発行:大阪 : 大阪市立科学館
発行日:2014.11
形態:34p ; 21cm
内容:
1.結晶とは?
2.対称性と晶系
3.結晶の種類
4.結晶の歴史
5.鉱物の結晶
6.多形
7.雪の結晶
8.いろいろな結晶
9.結晶の関連商品

購入日:2016年2月13日
購入店:大阪市立科学館
購入理由:
 大阪市立科学館のミュージアムショップに昨年に開催された「光」の展覧会図録がないか探しに行ったところ、偶然本書を見つける。見本を立ち読みすると、結晶には雪をはじめ鉱物やダイヤモンド、塩までいろいろあることがわかり、興味をおぼえる。そういえば、つい先日に某展覧会プラン公募審査の際に水晶をテーマにしたプランがあったことを思い出す。このコンパクトさと情報量で200円は安い。



memorandum 251 慰めという概念は、

2016-02-12 23:09:16 | ことば
慰めという概念は、人々が通常これに意識的に与えているよりも遥かに広く深い意味を持っている。人間は、慰めを求める存在である。慰めは救いとは違う――救いは、動物もまたこれを求める。ところが、慰めは苦悩を存続させながら、謂わば苦悩を苦悩において否定するという注目すべき体験である。慰めは、害悪自身に関するものではなく、魂の奥底におけるその反映に関するものである。一般に、人間を救うことは出来ない。そのために、人間は慰めという不思議な範疇を作り上げたのである――慰めは、この目的のために人々が語る言葉からだけ生れるものではない。むしろ、人間は、世界の様々な現象の中からこれを引き出す。
ジンメル『愛の断想・日々の断想 (岩波文庫)』岩波書店、1980年、83頁。

人間は他者の言葉や世界の現象のなかから慰めを見い出す(求める)ことができること。この営みは慰めであり、このブログもまた慰めのたまものである。

未読日記1135 『unlimited』

2016-02-11 23:47:23 | 書物
タイトル:unlimited : Spring of the wind
著者:Ko, Jung-Nam(高正男)
発行:Korea : Ko, Jung-Nam
発行日:2016.1
形態:70p ; 24cm
内容:
Kwang-Su, Lee "endless flow of memory, there is no decided,"
biography

頂いた日:2016年2月10日
 韓国の写真家・高正男氏の写真集。著者の方よりご恵贈頂きました。どうもありがとうございます。
 兄の写真専門学校時代の同級生であり親友の写真家・高正男さんと初めて会ったのは、2010年か2011年の京都だった気がする。今回は高さんが講師をしている大学の学生さん(といっても50代の社会人学生)と一緒に来日され、久しぶりにお会いした。高さんのオープンマインドな人柄は相変わらずで、楽しい時間を過ごす。韓国人だからなのか、高さんの性格によるのかはわからないが、会うのは2回目なのに私を信頼して写真やアートの話をしてくれることがうれしい。
 今回の写真集は1月に韓国・Gallery Bressonで行われた個展の際に刊行されたもの。見返しが黄色の紙だったり、写真にうつるヴィヴィッドな色彩、人物の演劇的、不思議な佇まい、グラフィックな構図・構成など、魅力は尽きない。

【ご案内】つくるビルゼミ2月&つくるビルゼミコラムvol.17

2016-02-10 08:53:26 | お知らせ
2月のつくるビルゼミでは、ゲストに美術家・衣川泰典さんをお招きし、音楽を通じて「あの頃」を振り返ります(今回は事前課題がありますので、参加要項をご確認ください)。
京都は夜の七時。世の中にはスウィートやキャッチーがいっぱいあるはず!

今月の参加者特典はチョコレートかヨフカシさんのクッキーをご用意する予定です(数に限りがあるため先着順となります)。どうぞお気軽にご参加ください。

つくるビルゼミ2月
今夜はブギーバック 90′s-00′s 
スクラップブックのようなミュージックシーン
2016年2月15(月)19時~
つくるビル403号室
http://www.tukuru.me/?p=5259

先月の内容はこちらをご覧ください。
1月のゲスト・ファシリテーター山邊桜子さんと平田のコラム2本立てです。

つくるビルゼミコラム vol.17 美術夜話 第5夜
戦後70年特別展「人間らしく、戦争を生き抜く」&2015 戦後70年展を視る
http://www.tukuru.me/?p=5267