A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 024 不十分

2011-11-16 23:30:10 | ことば
 人間の創造性の源泉は、その不完全さにある。人間は、自らの欠陥を補うために想像力を発揮する。人間は、特殊器官の欠如からホモ・ファーベル(武器や道具の製作者)に、生来の技術のなさからホモ・ルーデンス(演奏家、職人、芸術家)になり、動物がコミュニケーションの手段としているテレパシー能力のなさを補うために言葉を話すようになった。そして、本能の不十分さを補おうとして思索者になったのだ。
(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.118)

不完全であることを思い知らされる。

memorandum 023 不完全

2011-11-12 23:18:14 | ことば
 自然は完全なものだが、人間は決して完全ではない。完全なアリ、完全なハチは存在するが、人間は永遠に未完のままである。人間は未完の動物であるのみならず、未完の人間でもある。他の生き物と人間を分かつもの、それはこの救いがたい不完全さにほかならない。人間は自らを完全さへと高めようとして、創造者となる。そして、この救いがたい不完全さゆえに、永遠に未完の存在として、学びつづけ成長していくことができる。
(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.117)




未読日記566 「川西英コレクション」

2011-11-10 23:45:33 | 書物
タイトル:京都国立近代美術館 所蔵作品目録Ⅸ〈川西英コレクション〉
編集:山野英嗣、中尾優衣、池澤茉莉
作品調査協力:金井紀子(神戸市立博物館)、川井遊木、小野寺由佳
翻訳:小川紀久子、朴鈴子
撮影:四方邦熈
デザイン:西岡勉
印刷:野崎印刷紙業株式会社
発行:京都国立近代美術館
発行年:2011年11月
内容:
展覧会カタログ
「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」
2011年11月11日(金)~12月25日(日)
京都国立近代美術館

B5判、372ページ

ごあいさつ
Foreword
「〈川西英コレクション〉について」山野英嗣
「〈川西英コレクション〉と柳屋」中尾優衣
[図版・Plates]
Ⅰ:知られざる川西英、そして竹久夢二との出会い
  Kawanishi Hide's Hitherto Unknown Encounter with Takehisa Yumeji
Ⅱ:新しき「竹久夢二像」
  A New Image of Takehisa Yumeji
Ⅲ:川西英、竹久夢二と「前衛」美術家たちとの交流
  The Exchanges Among Kawanishi Hide, Takehisa Yumeji, and "Avant-Garde" Artists
Ⅳ:〈川西英コレクション〉のすべて
  The Entirety of the Kawanishi Hide Collection

"On the Kawanishi Hide Collection" Yamano Hidetsugu
主要作家紹介 川井遊木、山野英嗣・編
〈川西英コレクション〉所蔵目録
List of works: the Kawanishi Hide Collection of the National Museum of Modern Art, Kyoto

頂いた日:2011年11月10日
場所:京都国立近代美術館
 内覧会で頂いた1冊。どうもありがとうございます。本書は、展覧会「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」に際して刊行されたものだが、図録は所蔵品目録として刊行されたため「夢二とともに」というタイトルは付されていない。
 「夢二とともに」というのは、〈川西英コレクション〉の約3分の1が竹久夢二の作品で占められていることから付されたと思われる。夢二の『どんたく絵本』、絵葉書や書籍の装幀、ポスターなどは、今見ても充分に楽しめる。川西英が夢二を敬愛していたことがよくわかるコレクションの数々だ。


未読日記565 「堂本印象画集 伝統と創造」

2011-11-03 23:11:00 | 書物
タイトル:生誕120年記念 堂本印象画集 伝統と創造
編集:京都府立堂本印象美術館(島田康寛、山田由希代)
協力:株式会社アートワン
表紙デザイン:大向デザイン事務所
印刷・製本:株式会社サンエムカラー
発行:株式会社青幻舎
発行日:2011年1月10日
定価:2500円+税
内容:
B5判、176頁、並製

あたらしいことは、可能なかぎり、だれかがやらねばならぬ―堂本印象
およそ半世紀にわたる画業において、自らの衰えることなき創造への意欲と情熱の向かうままに画風を変容させ、あたらしい表現へと挑戦し続けた堂本印象。
伝統の桎梏を超え、印象が到達した絵画世界を存分に伝える作品集。
代表作125件を収録。
(帯より)

「美の狩人・堂本印象の歩み」島田康寛
図版
「芸術家・堂本印象の信念」山田由希代
堂本印象の言葉
主要作品解説
堂本印象年譜
作品リスト
京都府立堂本印象美術館のご案内

頂いた日:2011年11月3日
場所:立命館大学創思館1階カンファレンスルーム
 堂本印象生誕120年を記念するシンポジウム「マルチアーティスト・堂本印象」に参加した際に頂いた1冊。まさか画集を頂けるとは思わず驚いた。来場者全員に配布してるとは!どうもありがとうございます。
 正直に言って、これまで堂本印象についてそれほど関心があったわけではない。だが、シンポジウムに参加してさまざまな側面からの報告を聞くと、とても興味深い存在だと認識を改めることになった。とくに石川祐一氏(京都市文化財保護課主任文化財保護技師)の建築に関する報告は興味深かった。日本における建築家と美術家のコラボレーションの歴史をだれかまとめてくれないだろうか。

未読日記564 「2010年度 アート・コミュニケーション・プロジェクト報告書」

2011-11-01 23:57:32 | 書物
タイトル:2010年度 アート・コミュニケーション・プロジェクト報告書
責任編集:福のり子
編集:板井由紀、北野諒、北村英之、伊達隆洋、渡川智子
発行:京都造形芸術大学 アート・コミュニケーション研究センター
協力:京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース学科
発行日:2011年5月31日
印刷:㈱双林印刷社
表紙デザイン:東佑亮
内容:
A4、192p

巻頭文 福のり子
Ⅰ.基礎プロジェクト
 鑑賞者ボランティアの構成
 各グループ鑑賞作品の紹介
 参与観察者によるレポート
 研究員によるレポート
 学生アンケート集計・分析
 学生週間報告「今週の名言」
 学生最終レポート全回答
 カリン・デ・サンティスによる学生分析
Ⅱ.実践プロジェクト
 学生活動編
  [1]モネパズル in オープンキャンパス
  [2]瀬戸内国際芸術祭 田島征三プロジェクトボランティア レポート
  [3]京都大学総合博物館「科学技術Xの謎」ギャラリートーク
  [4]メガとがびアートプロジェクト2010 ギャラリートーク
 アート・コミュニケーション研究センター(ACC)活動編
  [1]岡山県立美術館ヴィジュアル・シンキング研修
  [2]アートで生きる in 京都
  [3]ITC京都クラブ講演会
  [4]大阪府立港南造形高等学校連携授業
  [5]ACC主催セミナー 佐藤宏道「見ることの諸相」
  [6]島根県教育委員会主催研修「対話型アート鑑賞の在り方」
  [7]第49回大学美術教育学会ポスター発表・学生発表
  [8]日本ミュージアム・マネージメント学会研究会講演
  [9]日本バプテスト看護専門学校連携授業
  [10]水戸芸術館現代美術センター(CAC)ギャラリートーカー研修
Ⅲ.連続セミナー ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー
Ⅳ.ACOP関連取材記事
Ⅴ.2011年度活動予定紹介
 連続セミナーVTS STEP2・STEP3
 横浜トリエンナーレ キッズ・アートガイド養成プログラム
 美術館調査「わたしたちがみた当世美術館事情」
 科学研究費基盤研究「コミュニケーションがつなぐ人とモノ」

頂いた日:2011年10月30日
場所:京都造形芸術大学
 某大学の某プロジェクトの説明会に参加して頂いた1冊(書籍内容を見れば、だいたいわかってしまうが・・)。どうもありがとうございます。
 大部な報告書の3分の2は、ACOP(Art Communication Project)の報告。全体を見るだけで、ACOPのナビを担当する学生たちの苦労がしみじみとわかる。