A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 025 小休止

2011-11-21 23:44:38 | ことば
 人間は本能の不完全さゆえに、知覚から行動に移る間に、ためらいと模索のための小休止を必要とする。この小休止こそが理解、洞察、想像、概念の温床であり、それらが創造的プロセスの縦糸となり横糸となる。休止時間の短縮は、間化を促す。それは精神病患者の場合と同様に、高度に熟練した専門家や独善的なトゥルー・ビリーヴァー(確信者)についても当てはまる。
 鉄の規律も盲目的な信念も、行動を起こす前のためらいを排除しようとする。一方、人間化と文明化をもたらす規律は、衝動と実行との間隔を広げようとする。
 芸術は人間化をもたらす。なぜなら、芸術家は模索し、自らの道を見つけねばならず、終わりなき修練に従事しなければならないからだ。

(エリック・ホッファー『魂の錬金術―エリック・ホッファー全アフォリズム集』中本義彦訳、作品社、2003年、p.119)

 ためらいと模索の途中です