A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 110 幸福の泉

2010-07-16 23:44:02 | ことば
満足の人とは独立の人である。不平の人とは依頼の人である。神と自己とに頼って生存する人にはこの世ははなはだ愉快なるところである。しかるにこの明白なる原理を知らないで、他人に恩恵を求めてその与えられざるを怒り、常に世の無常を憤りながら憂き日月を送る者は実に愚かなる者である。幸福は常にわが腕と心とにある。これを他人の手に求めてわれらに来るものはただ失望と恥辱と不平とのみである。
(鈴木俊郎編『内村鑑三所感集 (岩波文庫 青 119-5)』岩波書店、1973年、p.83)

悩ましいかな、自分を「幸福」だと思えるほどには独立できていない。

散歩のとき何か食べたくなったのだ2

2010-07-13 23:23:37 | たべもの
品名:豚まん
購入日:2010年6月27日
購入店:551蓬莱 京都大丸店

 551蓬莱は昭和20年大阪・難波に誕生し、関西地区に店舗を展開する中華料理のレストラン・販売店。ちなみに、店名の「551」は、「ここがいちばん」、「蓬莱」は中国語で「桃源郷」を意味する。
 「551蓬莱」は豚まんの持ち帰りでよく知られ、関西圏では土産品として定着している。以前から一度食してみたかったが、冷凍品は扱っていないため、関西に来るたびにお土産で買うことを躊躇していた。
 だが、関西に拠点を移したこともあり、今回ようやく食べることができた。豚まんは見かけ以上にボリュームがあって、1個でかなり満腹になるおいしさであった。豚まんもいいが、個人的には焼売がジューシーでおいしかった。こちらもボリューム満点。書いてたら食べたくなってきた。今度、食べに行きませう。

Recording Words 109 患難と恩恵

2010-07-12 23:54:46 | ことば
患難は恩恵を離れて考うべからず、そは患難は恩恵の一部分なればなり。鹹味を和せずして甘味は甘味ならず、患難なくして恩恵は恩恵ならず。食に薬味の必要なるがごとくに人生に患難は必要なり。患難ありて始めて人生に香味は生ずるなり。
(鈴木俊郎編『内村鑑三所感集 (岩波文庫 青 119-5)』岩波書店、1973年、p.64)

患難ばかりの人生・・恩恵に恵まれません。





未読日記424 「kate paper vol.4 2010 summer」

2010-07-11 23:56:36 | 書物
タイトル:kate paper vol.4 2010 summer
Editor in Chief:Ken Fujieda
Senior Editor:Takamasa Yamamoto
Editor:Yukiko Takahashi, Mai Kono, Tomoko Ishikawa, Yurie Ikuta
Thanks:Eri Fujieda, Satoshi Fujieda
Design:Coa Graphics
発行:kate coffee
発行日:2010年
内容:
B5判、64p
long interview:鈴木成一、柏井万作(CINRA)

“Peek” presented by Kikk
「Swimy project 音叉onsa vol.3」文/角谷慶(いとへん)
 gallery Main 文/中澤有基
 日音色-hineiro- 文/鹿末陽子
 millibar GALLERY 文/奥山天堂
「2013年のフラワーズ・オブ・ロマンス」文/仲俣暁生
「ROBAROBAcafeをたずねて」文/しおいりあさこ
「あなたのあした」文/山崎ゆかり
「4月の卵焼き、5月の日の光」文/千木良悠子
「4月の四月のこと」文/會本久美子
「ギリシャ、初夏の雑記」文/升ノ内朝子
「曖昧な記憶を辿るおぼろげ日記 約10日分 vol.2」文/浜崎伸二(トラスムンド)
“Bakeo” works by iniii
「いじわるな眠り」文/しおいりあさこ 絵/イクタユリエ
「+」文:河野舞
「ある日のケイト・4」文/藤枝絵理
「漫画日和・3」文/藤枝智
「四角い本」文・しおいりあさこ 絵・イクタユリエ

頂いた日:2010年7月2日
頂いた場所:millibar GALLERY
東京・下北沢にあるkate coffeeが発行するフリーペーパー。
大阪のギャラリーに置いてあったわけは、今号でmillibar GALLERYが紹介されているためだろう。
それにしても、カフェが発行するフリーペーパー自体が新鮮だが、驚くのは全65ページの量と質の高さである。今号ではグラフィック・デザイナーの鈴木成一、CINRAの柏井万作のロングインタビューが掲載されているし、連載陣の多さ、多彩さも楽しい。
そして、ザラザラした紙質は温かさを感じさせ、デザインも品があって、ほとんどのページが白黒なのに色を感じるような明るさがある。今どき、こんな良心的で品のいい雑誌があるとは、時代もまだまだ捨てたものではない。こんど東京に行ったらカフェにも行ってみよう。

Recording Words 108 「健康」

2010-07-09 23:38:06 | 書物
君もし健康たろうと欲せば次の規則をまもりたまえ。
食いたくないのに食うなかれ、軽く食べよ。
よく噛め、攝取するものはじゅうぶん煮て、料理はかんたんに。
藥を飲むものは療法をあやまるもの。
立腹をやめて、淀んだ空氣をさけよ、食卓をはなれたときは、姿勢を正しくしたまえ。畫間うたたねしないように。
酒は適度に、少しずつ何囘も。
食事をはずさず、また空腹をかかえているなかれ。
便所は待つな、ためらうな。
體操するなら動きを少く。
腹を仰向け、頭を下げているな、夜は蒲團をよく着るよう。
頭は休め心は爽快にしていること。
肉欲をさけて食養生を守れ。

(杉浦明平訳『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 岩波文庫 青 550-1』岩波書店、1954年、pp.74-75)

何よりも健康がいちばんです。1人で生きているようで、多くの方に助けられています。

さて、レオナルドのこの格言は現代においても古びない倫理的教養的格言ですばらしい。
笑えるのは「便所は待つな、ためらうな」だろうか。意外と難しいのが「頭は休め心は爽快にしていること」だろう。14,5世紀にストレスは「発見」されていなかったのかもしれないが、私の場合、心が爽快な時が少ない。要するに、「健康」ではないということか・・。


未読日記423 「風景画論」

2010-07-08 23:57:03 | 書物
タイトル:風景画論 (ちくま学芸文庫)
著者:ケネス・クラーク 佐々木英也訳
カバーデザイン:渡辺千尋
装画:アルブレヒト・デューラー『ピエタ』(部分)
発行:筑摩書房/ちくま学芸文庫
発行日:2007年1月10日
定価:1400円+税
内容:
神話や象徴の世界の表現から現実の表現へ。背景を描く際の便利なシンボルとしての風景は、ファン・エイク、ベリーニ、ボス、レオナルド、ロラン、クールベらを経て、光を描こうとした画家ターナーにより絵画の中心的なテーマへと引き上げられてゆく。中世末期から現代にいたるまでの画家たちの心象と製作意図を読み解き、風景画の変遷をたどる。西洋美術史の碩学がさまざまな画家や作品を縦横に語りつくし、西洋美術の奥底に潜む、信仰心、欲望、想像力を浮き彫りにした名著。
(本書カバー裏解説より)

購入日:2010年6月27日
購入店:ジュンク堂 京都店
購入理由:
吉田初三郎における鳥瞰図を見ていると、その描写が絵画的なことに気がつく。山や都市が立体的に描かれた様はさながら「風景画」である。では、「風景画」とは何なのか。今さらながら「風景画」について考える機会としてみたい。
思い返すと、2002年に「TAMA VIVANT 2002 風景から」展に関わった時、途中までケネス・クラークの『風景画論』を読んだことを思い出した。8年前に充分考えることができなかった「風景」の問題について、今また直面することになり、歴史の循環を感じる。そして、やはり「風景」について考えることはおもしろい。

未読日記422 「科学技術Xの謎」

2010-07-04 23:31:27 | 書物
タイトル:科学技術Xの謎
監修:京都大学総合博物館
編著者:塩瀬隆之、元木環、水町衣里、戸田健太郎
デザイン・イラストレーション:永田奈緒美、上田寛人[年表]
制作協力:奥村昭夫、山下俊介[写真、校正]、奥村元洋[写真]、大矢智子[校正]
発行:株式会社化学同人
発行日:2010年4月28日
定価:本体1800円+税
内容:
京都大学総合博物館にて開催された<科学技術Xの謎―天文・医療・文化財、あらゆるものの姿をあらわすX線にせまる―>(2010年4月28日~8月29日)の展覧会図録。
A4判、87p

0 X線ってなんだろう?
1 1896―日本のX線研究元年
2 X線ができること
3 X線でつながる―研究現場の舞台裏
4 研究者に聞くX線の魅力
5 出す/受けとる―X線技術の探究
X線分析結果一覧―小さなものから大きなものまで
この本ができるまで
わたしたちが出会った本など
この本にご協力くださったみなさま
付録 年表1896-2010
(本書目次より)

購入日:2010年6月27日
購入店:ジュンク堂 京都店
購入理由:
X線のさまざまな成果や研究状況を紹介する展覧会。本展を見ると、X線の科学史、技術史も興味深いが、X線「写真」を見て、あらためて「写真」とは何かを考える機会となった。だが、科学/化学の分野で使われている写真を、アート的に見てしまうのは現代美術の見過ぎだろうか・・。
 ちなみに、本展は良質な教養的科学展であり、文系の私にも充分楽しめた。遠方の方は展示数が少ないので、カタログを買うだけで充分楽しめるかもしれない。

未読日記421 「京都古地図案内」

2010-07-01 23:19:39 | 書物
タイトル:京都古地図案内 Kyoto in Old Maps: Map collections of Kyoto University
作成:上杉和央、岩崎奈緒子
デザイン:植淵知哉
発行:京都大学総合博物館
印刷:株式会社双林印刷社
発行日:2001年
内容:
A5判、20p
京都を刷る Kyoto in Printed Maps
京都を描く Kyoto in Drawing Maps

頂いた日:2010年6月27日
頂いた場所;京都大学総合博物館
 博物館受付に置いたあった1冊を頂いたもの。ありがとうございます。
京都と地図。自分が好きなものが合わさった冊子となれば頂かないわけにはいかない。冊子の内容は京都大学総合博物館所蔵の古地図コレクションから、いくつかをコンパクトに紹介したものである。いわゆるコレクションガイドといった内容だろうか。
 掲載されている現存最古の都市図である『都記』(1626)を見ると、京都は変わらずグリッドシティとして作られていることがわかり、現在にいたるまで基本的な構造が変わらないことに驚く。今見ても、寺社などが変わらぬ位置にあって、地図を見るのが楽しい。もっと京都散策がしたい。