A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記423 「風景画論」

2010-07-08 23:57:03 | 書物
タイトル:風景画論 (ちくま学芸文庫)
著者:ケネス・クラーク 佐々木英也訳
カバーデザイン:渡辺千尋
装画:アルブレヒト・デューラー『ピエタ』(部分)
発行:筑摩書房/ちくま学芸文庫
発行日:2007年1月10日
定価:1400円+税
内容:
神話や象徴の世界の表現から現実の表現へ。背景を描く際の便利なシンボルとしての風景は、ファン・エイク、ベリーニ、ボス、レオナルド、ロラン、クールベらを経て、光を描こうとした画家ターナーにより絵画の中心的なテーマへと引き上げられてゆく。中世末期から現代にいたるまでの画家たちの心象と製作意図を読み解き、風景画の変遷をたどる。西洋美術史の碩学がさまざまな画家や作品を縦横に語りつくし、西洋美術の奥底に潜む、信仰心、欲望、想像力を浮き彫りにした名著。
(本書カバー裏解説より)

購入日:2010年6月27日
購入店:ジュンク堂 京都店
購入理由:
吉田初三郎における鳥瞰図を見ていると、その描写が絵画的なことに気がつく。山や都市が立体的に描かれた様はさながら「風景画」である。では、「風景画」とは何なのか。今さらながら「風景画」について考える機会としてみたい。
思い返すと、2002年に「TAMA VIVANT 2002 風景から」展に関わった時、途中までケネス・クラークの『風景画論』を読んだことを思い出した。8年前に充分考えることができなかった「風景」の問題について、今また直面することになり、歴史の循環を感じる。そして、やはり「風景」について考えることはおもしろい。