A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 108 「健康」

2010-07-09 23:38:06 | 書物
君もし健康たろうと欲せば次の規則をまもりたまえ。
食いたくないのに食うなかれ、軽く食べよ。
よく噛め、攝取するものはじゅうぶん煮て、料理はかんたんに。
藥を飲むものは療法をあやまるもの。
立腹をやめて、淀んだ空氣をさけよ、食卓をはなれたときは、姿勢を正しくしたまえ。畫間うたたねしないように。
酒は適度に、少しずつ何囘も。
食事をはずさず、また空腹をかかえているなかれ。
便所は待つな、ためらうな。
體操するなら動きを少く。
腹を仰向け、頭を下げているな、夜は蒲團をよく着るよう。
頭は休め心は爽快にしていること。
肉欲をさけて食養生を守れ。

(杉浦明平訳『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 岩波文庫 青 550-1』岩波書店、1954年、pp.74-75)

何よりも健康がいちばんです。1人で生きているようで、多くの方に助けられています。

さて、レオナルドのこの格言は現代においても古びない倫理的教養的格言ですばらしい。
笑えるのは「便所は待つな、ためらうな」だろうか。意外と難しいのが「頭は休め心は爽快にしていること」だろう。14,5世紀にストレスは「発見」されていなかったのかもしれないが、私の場合、心が爽快な時が少ない。要するに、「健康」ではないということか・・。