A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1184 『新編 美の法門』

2016-05-17 23:56:32 | 書物
タイトル:新編美の法門 (岩波文庫)
シリーズ名:岩波文庫; 青(33)-169-8
著者:柳宗悦
編者:水尾比呂志
発行:東京 : 岩波書店
発行日:2015.12第6刷(1995.11第1刷)
形態:290p ; 15cm
内容:
民藝美学の基盤を浄土思想に求めた柳宗悦(1889 - 1961)は,晩年独自の仏教美学の世界に到達した。本書には、仏教美学の四部作として知られる『美の法門』『無有好醜の願』『美の浄土』『法と美』を収めるとともに,この四部作への序ともいうべき「仏教美学の悲願」「仏教美学について」の2篇を併収。『南無阿弥陀仏』とならぶ晩年の傑作集。

凡例

仏教美学の悲願
仏教美学について

美の法門
無有好醜の願
美の浄土
法と美
解題(水尾比呂志)
解説ーー民藝美論から仏教美学へ(水尾比呂志)

購入日:2016年5月17日
購入店:丸善 京都本店
購入理由:
 先月、仏教に関心があり柳宗悦の『南無阿弥陀仏』を買い求めたが、続いて柳の仏教美学を知りたく本書を購入。
 大学に入り美術史・芸術学の勉強を始めた頃の素朴な疑問は、どうして西洋の思想ばかりで研究するのだろうということだった。何も知らない学生だったが、美術史や芸術学は西洋美術史や西洋芸術学だけではないはずで、東洋や日本にも美や芸術の思想や研究はあるはずなのに、それらの蓄積は美術史や芸術学、美術批評にはほとんど参照されていない。少なくとも私が大学で受けた講義にはほとんど出てこなかった。どうしてだろうと思った(その後、さまざまな論文や文献などに触れて、日本や東洋の研究蓄積を参照したものもたくさんあると知るが、一般的には少ない)。
 柳は本書で、「独自の美表現や美体験を持つ東洋人は、東洋で培われた思想から、美問題を取扱うべき時期に、達していると思われてなりません」と書いているが、これが書かれたのは1961年である。別に私は東洋や日本の思想だけで、「美問題を取扱うべき」だと言いたいわけではないが、まだ時期が来ていないのだろうか。





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