A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1109 『引込線2015』

2015-11-18 23:00:21 | 書物
タイトル:引込線 2015
並列タイトル: Railroad siding
編集:櫻井拓
デザイン:小沼宏之
写真;加藤健
英訳:奥村雄樹
英訳校正:グレッグ・ウィルコックス
発行: 所沢 : 引込線実行委員会
形態:487p ; 挿図 ; 21cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2015年8月29日-9月23日:旧所沢市立第2学校給食センター
    主催: 引込線2015実行委員会
    タイトル関連情報: 美術作家と批評家による第5回自主企画展
    各作家の略歴あり
内容:
開催概要
ごあいさつ

展覧会
作家コメント
石井友人「植物・人間」
伊藤誠「2²」
遠藤利克「白キツネの憂鬱」に向けて
利部志穂「パンと彫刻」
喜納洋平「非構築/根源の行方」
構想計画所「Weather/-ing」
篠崎英介「体重計の上で」
白川昌生「首のない馬」
末永史尚「アンシャープ」
五月女哲平「午前5時」
多田佳那子「今年起ったこと、分かったこと」
津田道子「半歩さがる」
土屋貴哉「フィールドランニング」
戸田祥子「夏、移動と静止と」
冨井大裕「作品解説」
戸谷成雄「僕らがやりたい事」
中山正樹「知性としての身体」
保坂毅「拠り所」
水谷一「さあ、そろそろ楽しい話をしよう」
百瀬文「20150801」
吉川陽一郎「行為のような演技をすることに間違いはないだろう」

作品
出品作品リスト
[展示風景]
石井友人、伊藤誠、遠藤利克、利部志穂、喜納洋平、構想計画所、篠崎英介、白川昌生、末永史尚、五月女哲平、多田佳那子、津田道子、土屋貴哉、戸田祥子、冨井大裕、戸谷成雄、中山正樹、保坂毅、水谷一、百瀬文、吉川陽一郎

イベント
ゼミナール給食センター
その他パフォーマンスなど
引込線2015ガイドツアー[会場マップ・作品ガイド]
準備風景

批評
阿部真弓「近代の跡地(2)」
荒川徹「不純さの度合い――ドナルド・ジャッド、マーファのコンクリート作品」
粟田大輔「SPACE TOTSUKA '70における「地・型」」
石川卓磨「問うことを好めば即ち裕」
石崎尚「どこかからの知らせ――芸術家、集団、拠点」
井上幸治「《波のした、土のうえ》論」
梅津元 「Sound of the Real 3」
O JUN「飛び立つ鳩に、驚く私」
勝俣涼「ジョン・バルデッサリの修辞学」
住友文彦「Art for the Kitchen」
高嶋晋一「反応に反して、脱出を脱する(本編なき5つの挿話)」
高橋永二郎「ピッチインベーダーの身体」
田中功起「アーティスト・ノート――マイナーの読み変え、共同体の位置」
谷新「戦後美術の転換期としての1970年代――その“仮設/仮説”的表現状況と現在」
成相肇「××××様(穴二つ)」
能勢陽子「洞窟としての美術館」
橋本聡「この世にある文字」
平井亮一「目交いにおくものへの降りたち」
眞島竜男「二つのコンテンポラリー」
桝田倫広「「印刷絵画」再考のための言説整理」
峯村敏明「三木富雄論 第四章[連載第5回]――「断片・部分・全体」の問題系へ」
森啓輔「差異のジレンマ――1960年代後半の「環境」における作品受容の諸問題」

略歴
参加美術作家
イベント出演者
参加執筆者

引込線カタログバックナンバー収録内容、および論考タイトル一覧
引込線2015スタッフ

購入日:2015年11月18日
購入理由:
 美術作家と批評家による自主企画展「引込線」の展覧会カタログ&批評集。プレ展からすべて見ていて、図録も買い続けているので、引込線ファンと言ってもいいのかもしれない。京都から所沢に行くのはなかなか大変なのだが、それでも毎回興味をひく作品が見れる収穫はあるし、カタログでは新鋭からベテランまでの批評が読めるとあれば、やはり足を運んでしまう。このような作家と批評家が展覧会を共同で行う企画自体が関西ではありえない(できない)ので、やはり東京は層が厚い。個人的には、引込線カタログが峯村敏明氏の連載論考が読める唯一の本であり、予約購入すべく会場に行くというのが一番大きい理由ではあるが。

 引込線も5回目となり、出品作家もだいぶ固定化されてくるとさすがに清新さを感じにくい部分は否めないが、今回は末永史尚、百瀬文などがおもしろい。百瀬文は国立新美術館での「アーティスト・ファイル2015」が恐るべき傑作であった。
 
 批評集の執筆陣が固定化するのは批評家の数からすれば致し方ないにしても、アーティストが批評集に投稿するのはどうなのだろう。一人でも多くの書き手に執筆場所を提供するべきではないだろうか。アーティストはなにをしても「作品」になるからいいけど、批評家は「批評」を書いて発表しないことには「批評家」と認知されないのである。などと愚痴っぽくなったが、毎回楽しみにしている展覧会であることに変わりはない。


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