A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記100 「ソドムとゴモラⅡ」

2007-09-18 22:05:24 | 書物
タイトル:失われた時を求めて8 
     第四篇 ソドムとゴモラⅡ
著者:マルセル・プルースト 鈴木道彦訳
装丁:木村裕治
カバー画:キース・ヴァン・ドンゲン
発行:集英社/集英社文庫ヘリテージシリーズ
発行日:2006年10月23日
内容:
ヴェルデュラン夫人が、連日のように晩餐会を開いている(第四篇Ⅱ 第二章・続)。語り手は運転手つきの自動車をやとって、アルベルチーヌとバルベック郊外を散策する。一方、シャルリュスは、ヴァイオリニストのモレルに会うために、ヴェルデュラン夫妻のサロンの常連になっている(第四篇Ⅱ第三章)。アルベルチーヌの同性愛への疑惑と嫉妬。彼女を隔離しなければならない。語り手は母親に、アルベルチーヌとの結婚を告げる(第四篇Ⅱ 第四章)。
エッセイ:菅野昭正

購入日:2007年9月15日
購入店:ブックファースト 渋谷店
購入理由:
同性愛を主題とした「ソドムとゴモラ」篇の第2巻。長丁場を読み進んでくると、さまざまな人物に愛着が湧いてくる。シャルリュス男爵などがそうだ。その正体がわかるにつれて、この人物が今後どのような振るまいを見せてくれるのか楽しみになってくる。そして、アルベルチーヌ。この魅力的な人物を語り手は疑惑と嫉妬によって、まるで輝くことを止めようとしているかのようだ。ゆるやかに抑制された語り口が、物語の全貌を一滴づつじらすように進行していく。だが、確実に時間は進んでいる。
約600頁のバルベックでの豊穣な時間。その時間をいまは大切にしたい。


最新の画像もっと見る

post a comment