人間の悩みは尽きない。私は堪へきれない場合にはよく酒を呷つたものである(今でもさういふ悪癖がないとはいひきれないが)。酒はごまかす丈で救ふ力を持つてゐない。ごまかすことは安易だけれど、さらにまたごまかさなければならなくなる。さういふ場合には諸君よ、山に登りませう、林に分け入りませう、野を歩きませう、水のながれにそうて、私たちの身心がやすまるまで逍遥しませうよ。
種田山頭火『山頭火 一草庵日記・随筆 (山頭火文庫)』春陽堂、2011年、449頁。
一緒に逍遥しませう。
種田山頭火『山頭火 一草庵日記・随筆 (山頭火文庫)』春陽堂、2011年、449頁。
一緒に逍遥しませう。