A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記976 『文化誌が街の意識を変える展』

2015-01-04 23:02:08 | 書物
タイトル:文化誌が街の意識を変える展
編集:d47 Museum
アートディレクション:ナガオカケンメイ
デザイン:遠藤直人
発行:東京 : D&Department Project
発行日:2014.4
形態:66p ; 15cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2014年3月27日-6月15日:d47 Museum
内容:
文化誌が街の意識を変える展

北海道 ホッカイドウマガジン カイ
青森 在青手帖
岩手 てくり
宮城 ふきながし
秋田 Ag
山形 月刊 SPOON
福島 板木
茨城 mitonote
栃木 ミチカケ
群馬 上州風
埼玉 小江戸ものがたり
千葉 0470-
東京 TOmag
神奈川 フリーペーパー KAMAKURA
新潟 Niigata Interview Magazine LIFE-mag.
富山 itona
石川 そらあるき
福井 福井を楽しむ大人のタウン誌 福楽
山梨 ライフスタイルマガジン 晴耕雨読
長野 街並み
岐阜 飛騨
静岡 sizo:ka
愛知 KELLy
三重 小冊子 kalas
滋賀 La Collina
京都 キョースマ!
大阪 Meets Regional
兵庫 弁当と傘
奈良 naránto
和歌山 和歌山県総合情報誌 和-nagomi-
鳥取 鳥取県総合情報誌 とっとりNOW
島根 津和野時間 T-time
岡山 暮らしき
広島 TRANSIT via せとうち
山口 あおあお
香川 さぬき時間を楽しむ。 IKUNAS
愛媛 暖暖松山
高知 とさのかぜ
福岡 雲のうえ
佐賀 アリタノヒビキ
長崎 樂
熊本 くまもとくらす
大分 旅手帖 beppu
宮崎 綾時間
鹿児島 Judd.
沖縄 モモト

d47 MUSEUM FORUM 編集者に教わる「みつける、つたえる、つながる、こと。」
D&DERPARTMENT SHOP LIST

購入日:2015年1月2日
購入店:d47 design travel store
購入理由:
 47都道府県のタウン誌=文化誌を集めて展示・販売した企画展の図録。昨年につくるビルゼミで「美術雑誌なんかいらない」と題して、雑誌文化を考察した際に参考文献として欲しかった1冊だが、その時は品切れ・重版未定で入手できなかった。今回上京した際に店舗を覗いたら、重版されており入手できた。
 それにしても47都道府県すべてにタウン誌があるとは思いもしなかった。いつも思うが、日本は思っているより広い。あたりまえだが地域を対象に雑誌はつくれるし、情報や文化の価値はある。このリストを見て、私が知っている日本や地域はほんの少しだとわかる。だから地域性の薄い東京を飛び出てしまったというのもあるのだが。

追記
 本書を眺めて思うのは、美術界にはいまだに情報の発信・価値は、地方より都市にあると考えていることである。代表的な美術雑誌である美○手○や芸○新○を見ても、そこに地方の美術動向やレビューさえない。某ウェブマガジンの編集者とやり取りして驚いたのは、関西を拠点に活動していた作家の訃報を東京では知名度がないという理由で掲載見送りを考えていたり、巡回展の掲載は東京・関東だけで、地方巡回展は情報価値がないと考えていたりして唖然とした。地方や巡回展であっても作品や構成は異なるわけで、現場を取材し情報を発信していくのがジャーナリズムの仕事ではないかと思うのだが、場所に縛られないウェブ媒体でさえそんな体質である。行きたい場所に行き、会いたい人に話を聞きに行き、新しい才能を発掘するのがメディアに所属する者の特権だと思うのだが、いまの美術界にそのような気骨、気概をもった編集者やライターはいるのだろうか。