面白いとは何だろう。おおかたは、以前は美しい(あるいは、良い)とは思われてはこなかったものごとを指して使われる。ニーチェの指摘どおり、病人は面白い。悪人も面白い。何かが面白いという場合は古い評価への挑戦という含みがある。この種の発言の裏には、不遜ないしはせめて独創的だとみなされたいという思いがある。「面白い」は、調和ではなく衝突を好む心情の後ろ盾となっており、「面白い」の反対語は「退屈」である。
スーザン・ソンタグ『同じ時のなかで』木幡和枝訳、NTT出版、2009年、pp.31-32
いまは「面白い」ものは多いが、「美しい」ものは少ないように思う。
スーザン・ソンタグ『同じ時のなかで』木幡和枝訳、NTT出版、2009年、pp.31-32
いまは「面白い」ものは多いが、「美しい」ものは少ないように思う。