A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記861 『擬礁―他者なき世界の地図作成法―』

2014-04-07 23:38:51 | 書物
タイトル:擬礁 : 他者なき世界の地図作成法
監修:前野智彦、三田健志
文責:冒険の別名・プロローグ・第一章・第二章 : 前野智彦、三田健志
   第三章 : 前野智彦
   第四章 : 酒井一有、前野智彦
   第五章 : 前野智彦、三田健志
   第六章 : 小林耕二郎、前野智彦
   第七章 : 大塩紗永、前野智彦、三田健志
   第八章 : 大塩紗永、前野智彦
   最終章・エピローグ : 前野智彦、三田健志
発行:[出版地不明] : 構想計画所
資料:大塩紗永、小林耕二郎、酒井一有、神宮巨樹、前野智彦、三田健志
装幀:前野智彦
組版:前野智彦
発行日:2014.3
形態:123p ; 21cm
内容:

冒険の別名
人物紹介
プロローグ 無人/島
第一章 冒険家 Uni
第二章 U氏コレクター Nha
第三章 ドラマシリーズ 無人/島
 第一話 “再生”
 第二話 “別名にて保存…”
 第三話 “記憶喪失”
 第四話 “群島”
 第五話 “同一性”
 第六話 “習慣”
 第七話 “統覚”
 第八話 “欲望”
 第九話 “秘密”
 第十話 “経験”
 第十一話 “死”
 最終話 “起源”
第四章 詩人/小説家 Ity
第五章 U氏研究者 Edi
第六章 彫刻家 Sla
第七章 画家 Oso
第八章 脳科学研究チーム Sae+Rit
最終章 擬礁―他者なき世界の地図作成法―
エピローグ あとがき 文学者S
参考図書等一覧

予約日:2014年4月5日(到着日失念)
購入理由:
 東京・gallery COEXIST-TOKYOにて開催された構想計画所による展覧会「疑存島―他者なき世界の地図作成法―」(2014.3.8-4.6)の会場にて購入した1冊。会場では品切中で、後日に増刷されて郵送して頂いた。
 
 構想計画所とは、2009年より始動した前野智彦が所長を務めるゆるやかな活動体。構成員は活動内容によって異なり、今回の展示は大塩紗永、小林耕二郎、酒井一有、前野智彦、三田健志で構成されている。

 内容はいまひとつ理解できていないので、ギャラリーウェブサイトを参照してほしいが、本書は展覧会カタログもかねた小説。小説だが、ドゥルーズや國分功一郎、千葉正也の思想、言説に脳科学などの知見を取り入れているとか。地図好きの私は、タイトルに魅かれて購入。サブタイトルはフェリックス・ガタリの『分裂分析的地図作成法』を想起させる。

 本書の難点は、文字が小さいことと小説の登場人物がイニシャル表記なので、覚えにくいことだろうか(内容はまだ未読なので触れない)。文章は1ページ2段落に分かれ、写真などが豊富に挟み込まれるので、誌面としては雑誌のような印象を受ける。また、カバーの折り返し部分が短く、持っている拍子にカバーが取れてしまうのが気にかかる。細かいことだが、文筆業の端くれ、装幀経験者の本好きとしてはこういう点がストレスになる。造本としては小説よりはアートブックである。本書同様、展覧会の異様なまでの作り込みには胸が高鳴った。関西でもいつかやってほしい。