A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記767 『陰影論』

2013-08-17 23:27:30 | 書物
タイトル:陰影論 : デザインの背後について
著者:戸田ツトム
装幀:戸田ツトム
発行:東京 : 青土社
発行日:2012.2
形態:253p ; 19cm
内容:
速度と効率最優先の資本主義とデザインが、自然と環境を廃墟へと導く。運動/静止、強さ/弱さ、表層/深層と、見失われた微妙な空間に潜む〈陰影〉の豊かなダイナミズムを、デザインは捕捉・蘇生し、新たな社会を構築できるか――。

目次
オオウバユリの時間
1 弱さを聴く
2 表面積の哲学
3 擦過傷
4 半諧調(ハーフトーン)を知る
5 影の運動
6 明るい街
7 消える形
8 触れる
9 Nowhere
10 宗達から光琳へ
11 山水の時間
12 諧調論
13 眼の震え

あとがき
引用書目
初出

購入日:2013年8月16日
購入店:ジュンク堂書店 名古屋店
購入理由:
 岡崎から京都への帰途、名古屋で途中下車。陰影についての参考文献として探していた本書を購入。私の関心はデザインというより、「陰影」をデザイナーがどのように考えているのかに興味がある。なかでも、山水について触れられているのが気になる。

 それにしても、戸田ツトムらしく装幀がすばらしい。とくにそれは、本書を開いて読み始めると実感する。表紙や見返し、紙を触った感触、文字組み、フォントまで、どれひとつとっても美しい佇まいである。