A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記761 『彫刻家・高村光太郎展』

2013-08-03 23:49:25 | 書物
タイトル:彫刻家・高村光太郎展 : 生誕130年
編集:藁科英也(千葉市美術館)、青木寛明(井原市立田中美術館)、土生和彦、鰐本悠子(碧南市藤井達吉現代美術館
デザイン:小島邦康(Artical inc.)
印刷:株式会社印象社
発行:[出版地不明] : 生誕130年 彫刻家・高村光太郎展実行委員会
発行日:2013.6
定価:1,800円
形態:222p(おもに図版) ; 30cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2013年6月29日-8月18日 : 千葉市美術館
   主催:千葉市美術館[ほか]、
   会期・会場: 2013年8月30日-10月20日 : 井原市立田中美術館
   主催:井原市立田中美術館
   会期・会場: 2013年11月1日-12月15日 : 碧南市藤井達吉現代美術館
   主催:碧南市藤井達吉現代美術館[ほか]
内容:
ごあいさつ
謝辞
「伯父光太郎 思ひ出すことなど」高村規
「高村光太郎の造型―立体感と詩精神―」北川太一

図版
Ⅰ 高村光太郎
Ⅱ 関連作家
Ⅲ 高村智恵子

「高村さんのこと」平櫛田中
「高村光太郎の彫刻」木本文平
「木彫家・高村光太郎」土生和彦

資料
高村光太郎自筆文献抄 藁科英也(編)
作家略歴
高村光太郎略年譜 小山弘明(編)
高村光太郎彫刻展覧会歴 小山弘明(編)
高村光太郎造型関係文献目録 小山弘明(編)
出品目録

購入日:2013年7月27日
購入店:千葉市美術館ミュージアムショップ
購入理由:
 高村光太郎と言えば、多くの人は詩集に関心があるのかもしれない。だが、私の関心は、彫刻である。なかでも、高村の木彫が見たかった。本展のチラシを見つけたとき、何より私の期待を高めたのが、タイトルに付された「彫刻家」の言葉とチラシ表面に大きくレイアウトされた木彫の蝉であった。この2点から私の関心のある高村光太郎作品が見れるのではないかと楽しみが増した。
 高村光太郎展は、過去には2004年に損保ジャパン東郷青児美術館ほかで開催された回顧展を見ているが、それ以来久しぶりにまとまって見ることができた。内容を書き始めるときりがないが、後半部の高村智恵子の紙絵を除けば光太郎の彫刻が展示の中心となっており、光太郎の彫刻をじっくり楽しめた。なかでも現存数が少ない木彫作品と佐藤朝山の作品を見れたのが何よりよかった。魂がこもっている。光太郎は父・光雲譲りの木彫の技術を持ちながら、木彫の作品を制作したのは約7年間ほどだったという。父と同じ道を避けたのだろうか。その真意は謎だが、彫刻刀はいつでも使えるように手入れをしていたという事実が光太郎の木彫への思いを伝える。