A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記748 『天皇の肖像』

2013-07-05 23:00:57 | 書物
タイトル:天皇の肖像 (岩波現代文庫)
著者:多木浩二
発行:岩波書店
発行年:2002.1
形態:ix, 232p ; 15cm
注記:岩波書店1988年刊の増補新編集版
   参考文献: p217-220
内容:
明治維新後の近代国家体制確立に向けて、天皇をどう見せるかという「権力の視覚化」は大きな問題だった。天皇は全国を巡幸することで民衆にとって見えるものとなり、さらに御真影がつくられる。理想の近代国家元首の肖像をつくりあげるためにどのような方法がとられたのか。日本の近代史研究に大きな衝撃を与えた画期的著作。(解説 大島洋)

はじめに
第一章 見えない天皇から見える天皇へ
 一 見えない天皇
 二 民衆の政治的経験としての錦絵
 三 東幸――鳳輦が行く
 四 社会の視線が近づいてくる
第二章 和魂洋才と明治維新
 一 日本に洋服が入ってきた時
 二 「風俗」と「国体」
 三 天皇の教育
第三章 巡幸の時代
 一 六代巡幸――天皇が見る
 二 錦絵のスーパースター
 三 肖像の独占管理
第四章 「御真影」の誕生
 一 最初の写真が撮られた頃
 二 三種類の写真
 三 写真にみる日本人の身体
第五章 理想の明治天皇像
 一 明治二十一年の肖像
 二 お雇い外国人の描いた肖像
 三 象徴としての身体
第六章 「御真影」の生みだす政治空間
 一 「ご真影」の下付
 二 写真の取り扱い
 三 社会の深層
おわりに
参考文献
解説 大島洋

購入日:2013年7月3日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 先日終わった発表で、吉田初三郎と昭和天皇との関係について触れたのだが、もっと文化と天皇との関係を調査せねばと思い購入。ご真影をめぐる問題も興味深い。
社会学や政治学についての知見が足りないなと思う今日この頃。研究の方は低レベルだが、まだまだ興味や意欲が尽きない点が救いかも。