ぼくは 何をもっているのだ
やさしさなら お母さんがもっている
勇気なら お父さんが
すなおさなら ポチが
賢さなら 先生がもっている
がまん強さなら 冬のムギが
勤勉さなら 夏のアリが
そして 美しさなら
道ばたの一本のタンポポがもっている
で ぼくよ 何をもっているのだ
いつも後で しまったと思う
おっちょこちょいと
だれにも負けない いたずら心のほかに…
笑うなかれ!
希望だ…
やさしくて 勇気があって
すなおで 賢くて
がまん強くて 勤勉な
美しい心
に ぼくを少しでも近づけたいという…
笑うなかれ!
という ぼくよ
自分で笑っちゃ サマにならぬぞよ!
(伊藤英治編『まど・みちお全詩集
』理論社、2001.5、544頁。)
やさしさなら お母さんがもっている
勇気なら お父さんが
すなおさなら ポチが
賢さなら 先生がもっている
がまん強さなら 冬のムギが
勤勉さなら 夏のアリが
そして 美しさなら
道ばたの一本のタンポポがもっている
で ぼくよ 何をもっているのだ
いつも後で しまったと思う
おっちょこちょいと
だれにも負けない いたずら心のほかに…
笑うなかれ!
希望だ…
やさしくて 勇気があって
すなおで 賢くて
がまん強くて 勤勉な
美しい心
に ぼくを少しでも近づけたいという…
笑うなかれ!
という ぼくよ
自分で笑っちゃ サマにならぬぞよ!
(伊藤英治編『まど・みちお全詩集