A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記40 「まぐろ」

2007-06-05 01:09:31 | 書物
タイトル:「旬」が まるごと 創刊号 特集:まぐろ
責任編集:小山薫堂
アートディレクター:菊地敦巳(Bluemark)
出版社:ポプラ社
発行日:2007年5月
内容:
『「旬」が まるごと』とは?
『「旬」が まるごと』は、食材を切り口にしたカルチャー誌。
毎号ひとつの食材を徹底的に解剖します。
そして「食べたい」「つくりたい」「知りたい」に応えます。
つまり、とっても新しい食の雑誌です。
『「旬」が まるごと』は、
日本人の「食生活」と「食のリテラシー」を
豊かにする雑誌になりたい。と願っています。
「旬」がまるごとホームページより

購入日:2007年6月3日
購入店:有隣堂アトレ恵比寿店
購入理由:
この雑誌のことは、『デザインの現場』(最新刊)で知った。菊地敦巳による『「旬」が まるごと』の創刊準備号のデザイン記事が出ていたのだ。シンブルでかわいい表紙だな、と感じた。内容も私好みであった。佐藤卓の「デザインの解剖」シリーズは大好きだし、博物誌的、辞典的な内容に私は弱いのだ。この雑誌は毎回ひとつの食材を徹底解剖すると言う。今回は、まぐろ。あらゆる植物的、料理的、経済的、自然的、文化的、生物的、歴史的、デザイン的にまぐろを徹底解剖する。ひとつの食材からこんなにもいろんなことがわかるとは。というより、ひとつのことは、いろんなことにつながっているのだが、それに気づかないだけなんだろう。気づくことは大事だ。
ちなみに、連載「商店街探訪」では、私もかつてたびたび足を運んだ武蔵小山商店街が取り上げられている。
変わった記事では、連載「ENJOY!トラクター」。この連載ではタイトル通りさまざまなトラクターが取り上げられていくらしい。今回は、日本ニューホランドのTS-110A。
また、買いたくなる雑誌の誕生である。

未読日記39 「書物の形態学vol.1」

2007-06-05 00:40:34 | 書物
タイトル:不明
     NATIONAL BEKAGRAPHIC 書物の形態学vol.1展配布リーフレット

贈呈日:2007年6月2日
贈呈場所:GALLERY MAKI
内容:
今福龍太コーディネイトによる「NATIONAL BEKAGRAPHIC 書物の形態学vol.1展」(2007年5月25日(金)~6月15日(金)GALLERY MAKI)会場にて手渡された冊子。
B4サイズの紙を2つ折りにして、ホッチキス留めされた冊子だが、折られたままの状態なので、読者が自身の手でカッターなどを使い、上と左右を切り開くことで「冊子」として完成する本。紙は手製と思われる和紙(?)にアナログな版画っぽい仕上がり。中身は、ドローイング、フェルナンド・ペソア、J・L・ボルヘスなどの引用が記されている。説明が悪くてなんのことかわからないと思うが、また、展覧会もやや頭でっかちでよくわからないのだが、書物に対する愛情は伝わってくる展覧会だ。

金銭上の理由から、最近本屋に行くことを控えているのだが、本屋に行かないからといって、欲しい本がなくなるわけではない。読んでいる本の中で、引用されているある書物の一節から、あるいは、参考文献、思いつきなどなど、読みたい本が増える瞬間は、実は本屋に行かなくとも、いつでも湧き上がってくるのだ。

「引用」。書物の中では当たり前のようにして、他者の文章が混ざり合う。その異なる「血」が、ひとつのテーマや物語を、より豊かに膨らまし、ときには優しく寄り添う。ひとつの書物を読むことは、実は、その後ろにあるだろう膨大な量の書物を感じることにある。実際は本だけではなく、美術、映画、音楽、スポーツなどなどあらゆる文化・自然・科学現象が折りたたまれているのかもしれない。
つづく

未読日記38 「花」

2007-06-05 00:10:56 | 書物
タイトル:特別展 花 FLOWER~太古の花から青いバラまで~[展覧会図録]
監修:岩科司、柴田道夫
デザイン・制作:ガッシュ
出版社:朝日新聞社
発行日:2007年3月24日
内容:*同名展覧会の展覧会図録
人の生活に欠かせない存在として愛され続けてきた花。その魅力を様々な角度から解き明かします。花の誕生の進化の過程や、多様性などを科学的に検証するとともに、世界一大きい花「ラフレシア」や、「ヒマラヤの青いケシ」など様々な珍しい世界の花々も紹介。あわせて最先端テクノロジーを駆使して生まれた「青いバラ」など最新の研究成果や、文化史、いけばなやフラワーアレンジメントまで「花と人とのかかわり」にも迫ります。美しい花の写真に彩られた花の知られざる世界にせまることのできる一冊です。 (ショップ・アサヒコムホームページより

購入日:2007年6月2日
購入店:国立科学博物館ミュージアムショップ
購入理由:
この展覧会図録に関しては、仕事用で購入という意味合いが大きい。いけばななんぞをやり始めてから、花や植物をキーワードに書籍、雑誌を購入したり、展覧会を見たりしてきて、ついに真打ちが来た!と、個人的には「花」ブームだった。がしかし、期待通りというべきか、あまりおもしろくない展覧会ではあったが、資料としては優れているので購入。
科学的に花や植物を解明・解説するのは、科学博物館だから当然なのだが、香り、匂い、色、花や植物の美しさ(あるいは醜さ?)を科学的に解明しても、私にはいまいちピンと来ない。説明にはなっても、理解にはならないというべきか。それは私が哲学的すぎるのかもしれない。断っておくが、雑学的な展覧会としてはけっこう楽しめる内容ではある。しかし、花や植物の存在や造形、その美しさについて考えてみたいなどという人は半分ぐらいしか楽しめないかもしれない。