水津へと向かう県道の途中に下久知へと向かう道と合流する地点がある。ここを右折してゆっくりと道路の両脇を眺めながら進んでみた。下久知八幡社を過ぎたあたりの民家の庭先に腰かけていたおじいさんに、「名木・古木を集めたホームページ」を印刷した物を見せて「久知河内の欅」の場所を尋ねてみた。おじいさんは「う~ん、この木ねえ~、ここから200メートルほど行くと道が二つに分かれている。そこを右折して500メートルほど行くと川に突き当たる。その橋の麓の左手に大きな欅の木がある。久知河内の欅と言ったらそれしかないから、多分それだろう」と教えてくれた。どうして佐渡の人はナビなど不要なくらい正確に場所を特定できるのだろうか?果たせるかな、教えられた場所には箒を逆さにしたような美しい樹形の欅の木があった。天然記念物には指定されていないので案内標柱などはない。この欅の木の近くには久知河内観音や長安寺などもあるようだった。
佐渡で史跡の道案内を請うと、皆さん例外なく親切に教えてくれる。たとえ農作業や畑作業で忙しい時でも手を休めて真剣に話を聞いてくれる。こうした地元の人々の優しさは通り一編の観光バスツアーでは味わえない貴重な体験である。
http://www.digibook.net/d/c414efd7815eac9533cf325788382f62/?viewerMode=fullWindow