佐渡の翼

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りき寿司さわた再び、その3(佐渡市佐和田)      投稿者:佐渡の翼

2014年12月18日 05時55分55秒 | 佐渡グルメ美味しい食べ歩記

烏賊の次は、ひらめ、鰆、中とろと続いた。親方は江戸前寿司の基本を忠実に守りネタには必ず煮きりを塗る。ネタ全体に煮きりを塗る場合もあるし、ネタの後端部分だけにスポット的に煮きりを塗り、その前に塩を置いたりと、バラエテイに富む仕事ぶりである。新江戸前寿司に共通する特徴の一つは、寿司を口の中に入れた途端にはらりとほぐれるようにとシャリを硬めに炊く事である。水っぽい粘り気のあるシャリの寿司を出すお店が多い佐渡では異色の存在だ。そして新江戸前寿司に共通するもう一つの特徴は、親方が色々な寿司屋を食べ歩いて常に勉強している事だ。りきすしの親方も例外ではなく、東京の有名店を何軒か食べ歩いており、銀座の寿司屋事情に精通していた。親方曰く「ミシュランで★が付いた「さわた」のシャリは釜炊きするので、かすかに焦げた匂いが残るし、塩味が濃いため佐渡人には不向き。西麻布にある「あおき」へは週一日限りで、榎さんと言う有名な寿司職人が握りに来る。ミシュラン★★★の水谷は高いので有名。この間も水谷へ行って来たお客さんから3人で飲んで食べて24万も取られたと聞いた」等々である。ちなみに、この水谷はその高慢ちき経営が祟ったのかどうか、今年のミシュラン格付けでは★★★から★★に降格となった。

話を寿司の方に戻そう。中トロを握り終えた親方は、太いピンセット状の道具でさよりの小骨を丁寧に抜き始めた。そしてさよりの尻部分をくるりと巻いて握り、スポット状に、煮きりと塩をネタの上に付けた。ここまで来ると最早芸術作品であり、何だか食べるのが勿体ないようだ。更に握りは、甘海老、ばい貝の身、のどぐろの炙りと続き、いくらに移ると、それは軍艦巻きではなく、シャリの上に海苔を乗せその上にいくらを乗せて握ると言うりきすし流であった。そして雲丹がこれまた極上品で、煮アナゴ、親父さん譲りの卵焼きに至るまで一切の手抜きがなかった。最後に荒汁が出され、親方が失敗作だと謙遜した、ハモと海老のすり身を混ぜたカステラ風卵焼きで締めくくった。訪問当日は、一般客を断り予約客のみの営業であったが、握りコースにさしかかる頃に三人の子供を連れた三世代親子の団体さんがやって来た。どうやら地元の常連客のようで、東京からの帰省客を送り出した後の慰労会的雰囲気で食事を楽しんでいた。小上がりの畳の上で子供が騒ぎ出したので、親方は「うるさくてすいませんねえ~」と謝ったが、今日は子供の日だから大目に見よう。親方はこの団体の幹事役のおばあさんの求めに応じ、子供用の納豆巻きまで作成していた。最後は少々納豆の香りが漂うカウンターになったが、筆者はお代の7650円を支払い、いつ訪ねても美味しいりき寿司さわたを後にした。

ヒラメの握り



さより

甘海老

ばいがい

のどぐろの炙り

いくら

雲丹

煮穴子

卵焼き

荒汁

カステラ風卵焼き



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