宿根木の特徴は、わずか1ヘクタールほどの敷地に家々が密集していることだ。そして街並みが実によく保存されており、どことなくイタリアのベニスを髣髴とさせる景観である。ベニスならば運河が縦横無尽に走っているが、ここ宿根木に於けるそれはさしずめ称光寺川であろう。この街並みの中に、世捨て小路と呼ばれる石畳がある。宿根木の集落のお葬式は集落の奥にある称光寺で行われる。遺体を納めた棺を寺まで運ぶのに通った小道ゆえ、これを限りに世を捨てるという意味で、世捨て小路と言い慣わされてきたのだという。この石畳の中央部はへこんでいる。多くの人々が歩いた証であろう。歴史の重みを感じさせるひとこまだ。この世捨て小路の云われには別の説がある。それは小木中学校作成のホームページに詳しく書かれているので、ここでは割愛する。
あまりにも有名な、塩の看板が掲げられた三角屋根のお家は、住居として使われていたが、持主が他所へ引っ越したため、佐渡市へ寄贈され、現在ではその内部が公開されている。宿根木の街を流れる称光寺川はときどき氾濫したという。しかし、この家は船の舳先のような形をしているゆえに、氾濫した水流は家の両脇へと分かれて流れていく。そのため、床下に浸水することはなかったと言う。村の古老がそう教えてくれた。この宿根木、初夏の頃に訪れたのだが、雪の降る頃に再訪し、番傘をさし、新雪を踏みしめながら石畳をそぞろ歩いてみるのもなかなかに風情がありそうだ。お酒のCMのワンシーンに使えそうなシチュエイションだと思った。
宿根木の更に詳しい観光情報については小木中学校が作成したHPをご覧下さい。
ご存じ三角屋根のお家
塩の看板
共同井戸
昔懐かしい汲み上げポンプ
上方の集落へと至る道路
重みで真中が擦り減っている
集落には
御覧のように
家がびっしりと建ち並んでいる
宿根木の公会堂が見える
柴田収蔵の生家
世捨て小路
中央部が擦り減っている
http://www.digibook.net/d/8a05a733901f0879f1093f30f428775a/?viewerMode=fullWindow