![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/cb/2e50e1b1e20917b44cc9140447c02f32.jpg)
筆者が、オルガンの方に向かって歩きかけた途端、奥から「いらっしゃいませえ~」という声が聞こえてきた。しかし声はすれども一向にその姿が見えぬ。通常、この種の営業形態のお店ならば、店主がいち早く飛んできて笑顔で客を迎え入れるものなのだが。。筆者はやや戸惑い気味に歩を進めた。すると左手に4人掛けのテーブル席があったので素早くそこへと移動した。どうやらここが鉱山長の住まいのリビングルームだったようだ。畳敷きの居間だった部分は座敷席に改造され、テラスルームには二人掛けの応接椅子と一人掛けの勉強机・椅子を配置してあった。厨房の隣のダイニングルームはお土産コーナーへと変貌していた。
筆者が店内の様子を数枚写真撮影し終えたのを見定めたかのようなタイミングでようやく女主人が姿を現した。彼女はおしぼりとお水をテーブルの上に置きながら、能面のようにとは言わないまでもほとんど無表情のまま「いらっしゃいませ」とだけ言った後厨房へと戻って行った。筆者が彼女の背中に向かって「ワンプレートランチ(850円)、あのハンバーグが入ったやつね、それを御願いします」と告げたら、女主人は「かしこまりました」と答えた。そして、「お飲み物はいかがいたしましょうか?」と飲み物メニューを携えながら尋ねてきたので筆者はにこやかに微笑みながら「森の香りというハーブテイーにして下さい」と答えた。すると、「ハーブテイーはお食事とご一緒に?それともお食事の後にしましょうか?」と再度尋ねてきたので、「食事の後で」と答えたが、女主人は相も変らぬ無表情を貫いていた。だが、その目の中には「うちは愛想を売っているわけじゃなく、お料理の味で勝負していますからね」とでも言いたげな気迫がみなぎっていた。「お客さんのそのワンちゃん柄のソックス可愛いですね」とか、「そのピンクのキャンバストートバッグ素敵ですね」とか言ってくれれば会話のきっかけが掴めたのだが、この女主人はたとえ心の中でそう思ったとしても、客に媚を売るようなそんな姿勢を一切垣間見せる事はなかった。
ほどなくして、ご主人がお店にやってきた。筆者の顔を見て「いやどうも」と言って挨拶し、女主人に「ほい、これ」と言いつつ、昼飯のような物を手渡していた。そして「これから出かけるから」と言い置いて足早に立ち去った。女主人は「自転車それともランニング?でも2時までよ」とご主人に言葉をかけたが彼からの返答は無かった。訪問当日はパンコーナーのプチ改装のためお店の営業は午後2時で終了予定であった。女主人は無言のご主人に対し、「う~ん、も~お~」と言った感じでちょっとすねたような表情をした。そのやりとりを見た筆者は、微笑ましいと言おうか、あてられたと言おうか、何だかこちらが気恥ずかしくなるくらいの夫婦仲の良さを見せ付けられたような気がした。
筆者が店内の様子を数枚写真撮影し終えたのを見定めたかのようなタイミングでようやく女主人が姿を現した。彼女はおしぼりとお水をテーブルの上に置きながら、能面のようにとは言わないまでもほとんど無表情のまま「いらっしゃいませ」とだけ言った後厨房へと戻って行った。筆者が彼女の背中に向かって「ワンプレートランチ(850円)、あのハンバーグが入ったやつね、それを御願いします」と告げたら、女主人は「かしこまりました」と答えた。そして、「お飲み物はいかがいたしましょうか?」と飲み物メニューを携えながら尋ねてきたので筆者はにこやかに微笑みながら「森の香りというハーブテイーにして下さい」と答えた。すると、「ハーブテイーはお食事とご一緒に?それともお食事の後にしましょうか?」と再度尋ねてきたので、「食事の後で」と答えたが、女主人は相も変らぬ無表情を貫いていた。だが、その目の中には「うちは愛想を売っているわけじゃなく、お料理の味で勝負していますからね」とでも言いたげな気迫がみなぎっていた。「お客さんのそのワンちゃん柄のソックス可愛いですね」とか、「そのピンクのキャンバストートバッグ素敵ですね」とか言ってくれれば会話のきっかけが掴めたのだが、この女主人はたとえ心の中でそう思ったとしても、客に媚を売るようなそんな姿勢を一切垣間見せる事はなかった。
ほどなくして、ご主人がお店にやってきた。筆者の顔を見て「いやどうも」と言って挨拶し、女主人に「ほい、これ」と言いつつ、昼飯のような物を手渡していた。そして「これから出かけるから」と言い置いて足早に立ち去った。女主人は「自転車それともランニング?でも2時までよ」とご主人に言葉をかけたが彼からの返答は無かった。訪問当日はパンコーナーのプチ改装のためお店の営業は午後2時で終了予定であった。女主人は無言のご主人に対し、「う~ん、も~お~」と言った感じでちょっとすねたような表情をした。そのやりとりを見た筆者は、微笑ましいと言おうか、あてられたと言おうか、何だかこちらが気恥ずかしくなるくらいの夫婦仲の良さを見せ付けられたような気がした。