ラーメンはもうほとんど食べないのですが、たまに食べたときの記録。
未食の店ぐらいは元気なうちに巡っときたいですよね。
◎4月21日 僕家のらーめW おえかき(旧浜北市於呂)
天気が良かったので、森林公園に遊びに行った帰り、寄ってみました。
かつて笑喜家や林そばやしょうじんのあった跡地に1年前の5月に開店したお店ですけど、これまで来る機会が無かったのです。
14時ぐらいでしたが10人ぐらいの待つ人がいました。未だ凄い人気だなー。
ふわまるしょうゆらーめんのチャーシューメン(1000円)を注文してみました。
これだこれだ、このチャーシューを食べてみたかったのだ。
本などでこのラーメンの説明を読むたび、「この泡って何の意図があるのだろう」と思っていたのですけど、
とてもクリーミーっぽく甘そうだと思っていたのですが、一口目の印象は想像していた物とかなり違ったので意表を突かれました。そんなに濃厚に感じない! もっととろとろのクリームみたいな舌触り歯触りのあるスープを想像していたら、なんかスープの味は遠くの方に感じる。が、唇の入り口のあたりに泡がとどまっているおかげで不思議な感触があり、スープが最後まで熱々だったこともあって、結果的に口の前の方と奥の方で複層的に味を感じられるようになっているのかな。スープ本体の味はそれほどくどいものでもないです。むしろ上品。(無化調なんですってね)。泡の存在価値については、数日前に食べた「袋井たまごふわふわラーメン」の泡と似たような事を感じました。これはとても面白いラーメンですね。
店の奥に高そうな製麺機が見えるのですが、この麺はめちゃくちゃ好みの口触り。聞いたところによりますと、スープについては店主の修行先の物を浜松人の未熟な舌に合うように自由に組み替えているそうですが、麺については修業先の物と同じ物になるように(小麦粉の配合とか同じ製麺機とか)心を配りまくっているそうですね。
そしてチャーシュー。
見た目が完全にパストラミポークなんです。ただし、食べてみると塩味が付いてなく、肉の匂いはそれなりに生々しい。単体で食べたらお酒のつまみには向いてなさそうな味の無いハムなのですが、これを熱々のスープに浸して食べてみますと、なんとまあ! 肉なのに箸休め的な存在になる。肉の周辺についている黒胡椒が少しずつスープに落ちていって、スープの味がしまいに胡椒っぽい物に変わっていきますよ。面白いなあ。メンマもとても太くて美味しかったです。
とにかく変なお店でした。
店主はひとたりもにっこりともせず、「この人本当に楽しんでラーメン作っているのかなあ」と心配になってしまうほどでしたが、余計な詮索をする余地も無く今こそが楽しくて楽しくて仕方の無い時でしょうね。おかあさんはとてもいい人そうで、眺めていて癒やされました。とにかくのんびりとしたお店でした。
◎4月16日 ラーメンカフェ・ワコー(西区舘山寺町)
「行ったことのないお店に行こう」と決意を表明したのに、実際はめんどくさくて車を出すことが無いんですね。(暇はありあまっていますのに)
特に部署が変わって日直・残業がなくなってからは、錯覚ではなく無用に腹が出てきてしまい、(そもそもそんなに食べない方なんだけど)、やっぱり時間があると自炊は楽しすぎる、でも一人だとついつい作りすぎて食べ過ぎてしまうんだなあと、ちゃんと外食に出かけて歩かなければなんないなあ、とつくづく思いますわけで。
というわけで会社から徒歩2分のラーメンカフェ。
早朝5時半出勤生活になって、仕事が終わるのが大体16時前後なのですが(残念ながら新部署は毎日若干の超過勤務が生じるようです。私の仕事は純喫茶ですから極端に暇な日は早く上がれるみたいなんですが)、ちょうど仕事が終わる時間に開いているお店があるというのは非常に助かる。ワコーさんは通し営業を貫いてます。
ずっとやっていた改装工事が完了してました。
醤油のチャーシューメン(800円)を注文してみました。
このラーメンで一番好きなのは、香りです。なんとも「懐かしい」匂いかする。何が懐かしいのか自分でもよく分かんないんですけど、とても良い香りです。開店当初からこの色濃い香りを保ってるのは凄い。ずっと嗅いでいたいラーメンぽい匂いです。
スープ自体は黒の色が濃く、来々軒のとよく似ているようなそうでもないような。味は「突出しないこと」を心がけているようで、「温泉街のラーメンとはこうあるべきである」という確固たる目的を感じるような。それなりな理想型です。私にはとてもおいしい。
麺が細くて、表現が間違っているのでしょうけど「素麺みたい」と感じる。味がとか食感がではなくて、麺の匂いが去年の夏、わたしが盛んに家で茹でていた各種素麺のそれと共通する何かがあるように感じるのです。(通風にそうめんのつゆが悪いそうなので、今年はもう素麺を頻食しないことに決めてますけどね)
チャーシューが前回の印象と違う気がしました。以前にも似た印象を感じたことがあります。同じチャーシューでも違う部位を使っているのでしょうか、またはチャーシューメンだと違う食感になるように試みているのかな。私の愛する弾力のある豚肉とは違い、脂身を中心としたとろけるような甘みのある豚肉になっていると感じました。
せっかく会社に近いのですから、暇なときに会社に泊まってここに居酒をしに来たいです。湾が目の前なのですごく好きな店です。
海辺ではぷーの人が釣りをしていました。
◎4月9日 蔵前家(旧細江町中川)
家から7分の蔵前家ですけど、めっきり来なくなってしまいました。
確かに、蔵前家は当初の頃と味が変わったと強く思うことがあります。
(それが来なくなった理由じゃありませんけどね。通風と貧乏が悪いのだ)
でも、開店して6年経ったというこのお店の何がどう変わったのか、今私はどう思うのかと言うことを、ちゃんと文章にしておかねば、という強い決意を持って来てみました。
木曜日の16時30分頃。
チャーシューメン(900円)に海苔トッピング(+100円)。「味濃いめ」で注文しました。
小さい兄さんは休憩中だったようで、怖い顔の店主が調理です。
さて、レンゲにスープを掬って啜ってみます。
あれ??? あれぇ・・・
私の最も理想とする蔵前家のスープがここにある!「味が変わった」なんて誰が言ったんや。(俺です)
まず啜る前からスープの上に馨る匂い。重みのある豚の香りです。そりゃ私の脳内にも「豚の香り」なんて定義は無いんですけど、「おいしそうな豚」といったら私は蔵前家のこのスープを思い出すことにしている。1年半ぐらい育てられたぷりぷりで貫禄も出てきた親の子豚が(いや豚のことは知らんですけど)一番の美味しさと薫りを一生懸命スープに混ぜてみました、みたいな感じの。蔵前家のスープの匂いが私は大好きだったのだと再認識するぐらいの。
やはりこのお店にはブレが大きくあって、表面の油が多かったりそうでなかったりするのですけど、この日は絶妙、多すぎない。これまた香りがかぐわしい。さすが店主です。バランスが最高なのです。「豚骨醤油」なのに醤油をそこまで強く感じることも無く、すっかり乳のようになった豚骨の味が、後を引くことも無く、インパクトが弱いことも無く、ぶぅぶぅとかわいらしく鳴きながら、絶妙な進撃の速度を持って脳内に侵入していきました。
これなのです、これなのです。私が最も好きだと思っていた蔵前家の味わいは。
最後の一口までとてもおいしい。一言で言えばとってもクリーミー。よくまざっている。そして大事なのはにおい。
蔵前家、さすがや。
要するに、このお店は味の振れ幅が大きいのでした。
前会社に勤めていた頃は早朝勤務があけた15時~16時頃にここを通ることが多かったのです。だからこの時間の蔵前家の味が身体に染みついているのだと思う。それが、会社が変わって、今は休みの日の夜にたまに来るくらいだから、なんか身体が違和感を感じたんでしょうか。いいですか、来るんでしたら平日の16時頃ですよ、俺。この時間が一番お客さんが少ないので、逆にいい感じに味とにおいが安定するのだと思う。
やっぱり蔵前家、大好きですわ。浜松で一番美味しいという認識は変わりませんでした。
改めて近いうちに別の時間に来て日記を書いてみますね。
考えてみたらわたくし、開店時間直後のこのお店に来たことが無いですよね。
関係ないですが、3月後半に部署異動があり、女の子が多い部署になってさらに宿直勤務から解放され、毎日家に帰られるばかりでなく残業も無くなった!と喜んでいた早々、また部署異動を通告され、朝5時出勤の部署に移ることになりました。とほほのほ。(女の子たちに嫌われたのかな。朝弱いのに)。この時間にこのお店に来る機会が増えればいいな。でも、また残業があるのかなあ。
残業が全く無かったこの一ヶ月は、私には天国のような日々でしたよ。
◎4月5日 麺屋おおひろ(大浩)(東区笠井上町)
笠井にも新店があったことを思い出して、浜北の実家を訪れた折に行ってみました。
2014年の11月29日にオープンした店です。ここは以前、餃子の○福があった場所、創作ラーメンのジパングが目と鼻の先にあります。
ここは“浜松初”だという背脂ラーメンが目玉なんですって。
せっかくなので、その背脂ラーメン(750円)に炙りチャーシュートッピング(+180円)、ついでなので餃子(290円)も注文してみました。(価格は全て税別です)
うーーむ、本当に浜松で背脂の入ったラーメンって初めてなのだろうか。どこかになかったかな(思い出せない)。とにかく私は伊豆にいた10年前にこういうのは散々食べましたので(富士の東京ばんからラーメンとかラーメン大学石松とか)、すでにブームの去った物と思ってました。
背脂は具材としては全然害の無いものなのですよね。それなりにおいしくなり、記憶にはぎらぎらな印象が良く残るのに、実際にはそれほど油っこくも無いという。
みっちり背脂が敷きつめられ、スープ本体の色が見えません。やりますね。箸を入れて麺をまさぐると、やっぱりこんな麺でした。中太の歯応えあるワシワシした物が大好きな私には若干がっかりですが、浜松人はこういうのを愛しているのです。写真じゃよく分からないでしょうけど多加水でよくスープを吸い、ラーメンなのに柔らかくなったそうめんのような麺でした。
店内は家族連れが多いです。子供を連れてきやすい雰囲気。私も最初カウンター席に座ろうとしたけど、カウンター席には椅子が置いて無くて(笑)慌てて4人掛けの椅子テーブル席に座りましたもん。店員は4人いて、2人が若者、2人がおばちゃんで、おばちゃんは良く動きますが、若者の方は外国人みたいに見えました。
食べ始めると、なんか麺の量が多いように感じる。一般的な店の大盛りぐらいはあるような。それに、上に盛られたもやしと葱の千切りの量も意外と多いですぞ。満腹感は大きいのにそれほど腹もくちない。やっぱり家族連れ・学生さんをターゲットにしてるんでしょうかねえ。現在の所、ラーメンと餃子とチャーハンと夜のみ小品しかメニューに無くて、家族連れ指向でも無いようにも見えるんですけど、近いうちにラーメン中華屋を目指す気もする。夜吞みラーメン屋ならすぐ近くにジパングがありますからね。
だがしかし、背脂はとてもうまい。空腹の時にはこれを身体が欲するというのは分かる気がしました。(運良く今日の私はとても空腹でした)。スープは豚骨では無く、鶏ガラ豚ガラを主体にした醤油スープ。これを豚骨スープにしてしまうと、昨日食べたとんきぃのように濃すぎる感じになってしまうのですね。
総じて私には、「たまにはこういうのもいいんじゃないか」と思えるラーメンでした。おいしかったです。
餃子。
おおりっぱな浜松餃子だ。ところが味わいは見た目に反して皮の存在感が大きく、皮の歯ごたえがあって、食べ応えがあった。凄いね。
結局、ラーメンよりも餃子の方が印象強く感じたので、「以前あった餃子の名店○福が名前を変えて再営業した店なのかな」と思って店を出たのですけど(外にあった持ち帰り餃子の看板が以前のままでしたし)、家に帰って念のため調べてみたら、浜松経済新聞に以下のようなことが書いてありました。「店主の小田さんは中国南部出身」。
なんと! あの背の高いイケメンが店主だったのか。おばちゃん2人の方が目立つからさっぱりわかんなかったぜ。でも道理で鋭い目でこっちをよく眺めていると思ったよ。若い女性の方は話すのを聞かなかったけど奥さんなのかな。なんで中国出身の人が「背脂チャッチャ」などという、そんなのを選んだのか知りたい。そして、店主の名前が小田亮さんなのだとしたら、「大浩」ってなに?
◎4月1日 横浜家系ラーメン家系横濱ラーメン麺匠家ラーメン横浜家系(中区幸町)
今年の1月7日にオープンした家系ですって。
三九幸店のあった場所です。とすると、もう三九は完全消滅してしまったんでしょうか?
とにかく私は家系の名の付く物が大好きなので、三太でも麺匠家でもいいから、この位置に家系っぽいのがあるのはとても有り難いことであります。このお店については事前情報が豊富で、なんでも松壱家(藤原北家良門流)の家系を引いていて(※「松壱」とは「浜松一」のことだと思われます)、浜松の名門いそのホテルグループが経営にかかわっているのだとか。これかな?(麺匠家は「豚の頭骨」をアピールしているので、それがどうなっているのか分かりませんけど)
駐車場は広いのに、なんと駐車場整理の係の人がいます。
混むときは混むんでしょうね。
豚骨醤油ラーメン(680円)のスペシャル盛り(+230円)を注文。
おお、(写真じゃ分からないかもしれませんけど)色が黄色い。
良く眺めてみますと、これはスープの表面を覆う分厚い油の色です。
この間食べたジェット家を思い起こしますけど、一口これをすすってみた感じはジェット家とは正反対な物でした。なんか、味が遠い。とてもマイルド。5口も食べると、この油がスープと混じり合ってとても心地よい味わいになってきます。私が最上とする吉田家は醤油の味とにおいでもって一口目にパンチする。初期の頃の蔵前家は豚骨のマイルドさと柔らかい醤油の混じり合いでやはり一口目が印象的な物でした。このラーメンは違いますね。中程から美味しくなりはじめる。私に惜しまれつつかなり前に無くなったとんこつ大学にやはり近いと思うのですけど、とんこつ大学もこんなに油の量は多くなかったと思いますね。
麺は堅めでとても良い感じ。チャーシューは不自然にぼろぼろ崩れ落ちるタイプの私の苦手な物でしたが、レンゲに詰めてたっぷりスープに浸して頬張ると、とてもおいしくいただけました。海苔はジェット家の物によく似ていて、スープによく溶けすぎてしまうタイプの物で、こういうのは食べ慣れてないので(蔵前家の海苔は形態維持能力が強固です)これはこれで美味しく感じました。写真じゃ見えませんけど、ちゃんとウズラの卵も入っていましたよ。海苔増量は5枚50円、うずら増量は5個100円だそうです。ネットで情報をあさると、開店当初はキャベチャがあったそうなのですが、今日はありませんでした。
卓上には調味料類がたくさん置いてあります。普段追加調味料は全く使わないわたくしですが、変な物を見つけたので振りかけてみました。
刻みタマネギですって。
説明書きに「タマネギはラーメンに入れると絶好調になります」と書いてあります。
生のタマネギはなんか珍しいな、と思ったので振りかけてみました。
すると、これが私にはとても好ましいトッピングでした。シャクシャクとして豚骨の醤油によく絡む。白ネギ・青ネギとも違う感じなんですね。凄いね。簡単なのにこんな組み合わせもまだまだあるんですね。家系の素敵なトッピング、関係者にはどんどん意欲的に考え出していっていただきたいと欲します。
調子に乗って、卓上にある物を次々と投入してみました。
おろしニンニク、刻み生姜。でも・・・ 生姜は魅惑なスープの味を台無しにしてしまいました。やっぱり調子に乗るのはダメですね。
一応、お店の推奨する各種素材の分量を掲示してあります。
厳密に言えば味の作りは全然違うんでしょうけど、とんこつ大学が帰ってきた気がして、とても嬉しい体験でした。
繰り返して言いますが、私は家系が大好きなので、選択肢が増えるのはとても嬉しいのです。どうしても豚骨醤油は何度も食べていると飽きてしまうので、東京や横浜ほど家系が溢れていたら私にとっては地獄でしょうが、実は浜松みたいな過疎は飽きっぽい私にとっては適度で良いのかもしれない。多すぎない、というのも重要なことですものね。
麺匠家は、味のインパクトをそんなに押し出さない、ややまろやかな、食べ飽きない風なものでした。私的にはとてもおいしい一杯でしたよ。また来よう。近いし!(夜1時までやっているのもありがたいですね)
関係ないですが、この日は昼に弁天島の浜菜坊で、黒鯛の塩焼き(900円)と縞アジの刺身(850円)を食べてました。やっぱり魚はウマいなあ。せっかく浜名湖のほとりに棲んでいるのに、(通風のせいで)美味しい物を食べる頻度が激減しています。自分が今いる気賀でこういうおいしいお魚のあるお店があるのかよく知らないので、調べなければと思っているのですが、黒鯛は自分で釣るのが一番早いのかしらね(まだまだ今の自分には「釣り」は手の届かない趣味ですけど)。縞アジはスーパーでも殆ど見ず(ウォットではよく見ますけどね)、高級魚といわれるのに自分にとっては味が不明な魚なので食べてみました。(浜名湖にはいない。遠州灘の魚です)。アジっぽくはない独特な歯ごたえです。さすが旨い。旨いんですけど、魚の味って文章でどう書き分けるもんでしょうかね。ラーメンの方が遙かに簡単で単純だ。弁天島・舞阪も近いのですから、できたらせっせこ出向きたいですね。