オセンタルカの太陽帝国

私的設定では遠州地方はだらハッパ文化圏
信州がドラゴンパスで
柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

七王国の玉座。

2013年09月20日 00時38分03秒 | 小説・漫画


9月になってめっきりヒマになってしまったわたくしです。
10月11月はさらにもっとヒマになるだろう。

さて、ここ10日ほどわたくしが夢中になっていたのは、『氷と炎の歌』という小説のシリーズでした。
これは日本でも2006年ぐらいに翻訳が刊行されたという人気シリーズだそうで、わたくしも名前ぐらいは知っていたような気もしますが、一年ぐらい前に「改訳新版」が出まして、わたくしは半年ぐらい前にそれを買った。こやつがとてつもなく分厚い小説でして、私も半年間ぐらい少しずつちびちび読んでたんです。
で、10日ぐらい前にようやく第二部「王狼たちの戦旗」の上巻を読み終わりまして、ふと「他の人の感想も読んでみたい」と思ってネット検索してましたら、この小説の米国ドラマ版も発売されていることを知り、アマゾンで注文してみたんです。そしたら翌日の朝届いてビビった。



(※以降の文章は激しいネタバレを含みます)
小説の方は、わたくしは心の中で「米国のグイン・サーガ」と名付けていました。
原著でも第5部までしか出ていないそうで、長さとしたらあのグインサーガには果てしなく及びませんが、雰囲気が似てる。とくに「どうでもいい細部の描写にこだわって話が全然進まないダラダラとした感じ」が。第一部『七王国の玉座』は文庫本にして1200ページに及ぶ大部ですが、マイクル・ムアコックならばこのくらいの内容なら二章で書ききるでしょう。(もっとも栗本薫ならばこの描写と展開に35巻ぐらいかけたでしょう。)
主人公は数人いて、それぞれがてんでばらばらに自分の好きな事をやっています。狭い大陸の北や南や西や東に主人公がそれぞれいて、それぞれ別の物語が同時進行していて噛み合わず、それが交互に語られるという手法もグインサーガに似てる。
また、「作者は主人公級の登場人物には幸せな未来を与えるつもりがない」ことをあからさまに見て取れるところも共通しています。全員が不幸になり、冷静に考えて先の展望があまりありません。

私が買ったのはブルーレイ5枚組全10話の第一部で(それでも8000円弱の格安)、その頃小説の方は第二部の後半に取りかかっていたのですが、何をとち狂ったのか私は第二部の下巻と第三部の上巻を取り違えてしまって、ドラマ版を見ながらそれをちまちまと読み進めていました。第三部の冒頭には作者により「この巻のお話は、時間的に前巻につづいてない部分がたくさんある」と書かれていたので、わたしが読んだ時点からいきなり超展開になっているところがいくつかありました(だって第二部の下巻を読んでないんですから当たり前です)。しかし「作者め、手法を変えたんだな」と思うばかりで、自分の方が間違っているとはしばらく気付きませんでした。登場人物のほとんどがさらに不幸になっていまして、でも「当然この展開も予想できたね」と思うばかりでした。結局、自分が「どうも読んでない部分があるな」とうすうす気付いたのは第三部上巻を半分以上読み進めたあたりでございまして、慌てて第二部の下巻に戻って読み直し始めたものの、「こんなに分厚い(720ページ)のに話はあれしか進まないのかよ」とげんなりした気持ちに襲われました。そこから下巻を読み終えるのに5日もかかったんですよ(笑)
そういえば、十二国記でも『風の万里 黎明の空』を上巻よりも先に下巻を(半分ぐらい)読んでしまった事があります。意外と読んでいるときは勝手に頭の中でいろんなことを補完しながら読んでしまうものですよね。

以下順不同に気になったところを述べます。



物語の舞台となるのは「七王国」という場所です。「ウェスタロス大陸」という名前が付いています。
詳細な設定があるようですが、その設定書が未だ公開されていないので、全体像がいまいち不明瞭。(わたくしは設定マニアなのです)。ウェスタロス“大陸”と名付けられていながら、わたくしにはこの大陸がグレートブリテン島ぐらいの広さぐらいしか無いように思えてならない。(そもそも名前が「七王国」だし)。とはいえ北部と南部では全然気候が違ったり、「ウィンターフェル城から狼の森まで3日」とか「トライデント河からダリー城まで半日」とか「地峡を渡るのに12日かかる」とか「ウィンターフェル城の北部の森から灰色沼の物見城まで数千㎞ある」(まさか!)とかいう漠然とした描写はちらほらあるのですが、どうなんですかね、わざと地理が詳説されないという気もする。さらに主人公の一人、“失われた王国の女王”デナーリス・ターガリエンの活動の場は七王国の外の土地なのですが、海を越えた遙かな大地の地理は、読者には全くよくわからなくされています。

で、題名にもなっている「七王国」。
七王国と言いながら現在はひとつの王国に統一されています。この物語では各地方は「城」の名前で呼ばれるのですが、「この七王国とは具体的にどの7つだろう」とずっと頭を悩ませながら読んでいました。小説を読みながら漠然と考えたのは、“北の冬の王国”ウィンターフェル城と“王都”のある南東部のキングス・ランディング、それから西部にある“獅子の王国”キャニスター・ロック城、ウィンターフェルとキャニスターの磐山城の中間にある“河の王国”リヴァーラン城、東部にある“岩山の谷間の王国”アイリー城、そして南西部の“豊かな薔薇の王国”ハイガーデン城の6つは確かだとして、あとの1つは何? 南部にある“ドーン”という謎の大国がそうだと思いますが、なんか地図を見てもよそ者扱いされてるようなんですよね。意外と“簒奪王”ロバート1世の出身地・“嵐の王国”ストームエンド城がそうかもしれん。“鉄の王国”鉄諸島というのもあったな。
それが米国ドラマ版では、映像で地図が表示されていました。
えーーっ、なんだこれ。
これによると、「ストームエンド城」とドーンの「サンスピア宮」を合わせた領域が“第七の王国”とされているように見えます。(もっともこの地図ではストームエンドとドーンの間にある“ドーン海”が無い事になっているので信憑性が無いのでもありますが)
そもそも第二部・第三部で重要な拠点となる「ハレンの巨城」ばかりかその遙か南部のあたりまでがこの地図ではリヴァーラン城の領域となっていることになってるんですよね。物語の描写的にそれはかなりおかしい。また“狭い海の東側”の大陸も小説第三部に掲げられている地図といささか違う。このドラマ版は小説第三部の原著が出る前に制作が開始されたのかしら(まさかね)。どちらにせよ、ドラマを見ても「七王国のナゾ」が解明されるわけではありませんでした。
(※さらに、ブルーレイ同包の解説書では、七王国は“狼のスターク家”(ウィンターフェル城)、“鹿のバラシオン家”(王都キングスランディング)、“嗣子のラニスター家”(キャニスター・ロック城)、“鱒のタリー家”(リヴァーラン城)、“鷲のアリン家”(アイリー城)、“大烏賊のグレイジョイ家”(鉄諸島)、“三頭龍のターガリエン家”(旧王家→東大陸へ亡命)の七つとなっている。“薔薇のタイレル家”(ハイガーデン城)がないじゃん)
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どうまんせいまん!

2013年09月09日 11時34分03秒 |   北浜名湖暮らし


この動画、前にも貼ったな。

長かった夏が終わり、休日三昧となったわたくしです。
去年の長かった夏はラーメンばかり食べて乗り切った幸せな思い出がありますが、今年の夏はホームセンターで豆七輪を買ったこともありまして、卓上炭火焼きの日々で汗と涙の上に夏の活力を養うことになりました。そもそもすべからく七輪は一人用ですが、私の買った豆七輪(←本当に小さいんです)の便利さは卓越したものがあった。小さな卓の上ですべてが旨くなる魔術。でも部屋がかなり炭臭くなりそれにそろそろ飽きてきたので、これからの秋は別の魚介も頑張ることにしようと。

まず手始めに。
浜松に超してきて6年ですが、当初から垂涎していた“浜松の幻の味覚”浜名湖どうまんを食してみたいと思いました。



えへへ、まだ活きてる。
おっと、上の個体は私が買ったものでは無くて、お店に行ったときにいた中で2番目に大きく2番目に凶暴だった個体。値段は時価だが3800円ぐらいだという。ちょうどそこまで店のおっちゃんに聞いたとき、コヤツは自分を堅くがんじがらめにしていた縄から抜け出して巨大鋏を私に向かって振り向けた。ドウマンのハサミは非常に危険で、私の薬指など簡単に千切ってしまうくらいの力はあるので、おっちゃんは冷静にコヤツを蟹箱から取り出して「危ないから」と隣のアサリ箱に移した。(…?)

私が買ったのはコイツだ!



ふふふ、シロウトさんにはドウマン蟹の個体の見分けなどつかんでしょう。
前掲の“二番目に強かった個体”と“私の買った個体”は、大きさをくらぶるなれば、「タルボサウルス」と「メガロサウルス」ぐらいの違いがある。
パックには2800円の値札。中くらいの値段でしょう。でもいいのさ。これだってこじゃれた料理屋に持っていけば(=プロが調理すれば)、1まんえん超の値段が付けられる個体であるはず。こいつをこれから(自分で)蒸すぜ!



(↑)て書いたのは今日の朝の11時ぐらいだったのですが、それから蟹を茹でずに寝てしまった。(日々疲れていますからね)
今は23時頃。冷蔵庫に放り込んだ私の蟹はまだ生きてる! 可愛いヤツだぜ。



ここで危機発生。私の持ってる鍋ではこの蟹は入らない(笑)。
いえ、「写真に隙間があるじゃん、入るだろ」と浅子さんは思うと思いますが、それは写真上のトリックでして、私が半年前に買った蒸し金具は半ドーム状の物であり底にいたるほど狭くなっているので、要は蟹が大きすぎて浮いてしまうのです。そもそも料理下手男の一人暮らしなので、愛用してる鍋が小さいんですよね。…まぁ、いい、うだうだ言わずにこのまま蒸す!(笑)

聞いたところによりますと、ドウマンガニは「もともと味が濃厚」なので「何も味付けせずにそのまま蒸すだけで良い」とのことですが、ネットで検索してもどのくらいの火力でどのくらいの分数蒸せば良いか書いてあるところが見つかりませんでした。「つまり真っ赤になるまで蒸せばいいんだろ」と、ガスレンジを中火にして蒸す事30分。
…その間、これまでの日々を思い返す事しばし。長かった。私がドウマンガニを食べられることになるまでの軌跡は長かった。
私が子供時代はドウマンガニなんて蟹が浜名湖にいるなんて事、知りませんでした。大人になって超巨大最強動物が好きになったころ、ドウマンガニの存在を知りました。私が勤める事になった浜名湖畔の喫茶店ではドウマンガニを扱ってさえもいました。だがしかしその価格は一杯2まんえん!(わたくしの店は超ボッタクリの店なのでね)。
そして以後の6年間、わたくしは貧乏である事の方が多かったので、この蟹を実際に食する機会に恵まれなかったのです。だがしかし、半年前に気賀に引っ越してきて料理をする機を得たわたくしは、「自分で蟹を料理する」ことを夢見るようになりました。初めて家財道具を買いにホームセンターへ行ったとき、フライパンや鍋や包丁と一緒に買ったのは蒸し器です。(…いや、包丁は初めての時には買わずに、ペティさんだけ買って、初めて黒鯛をさばこうとして挫折を味わったあとに出刃さんと柳刃さんを揃えたんだっけ)
でも結局私の買った蒸し器は出番を得ず、(だって近所のスーパーにはドウマンは売ってはいず、近所の魚屋には売ってたがあからさまに高そうだったんだもん)、とうとう、「安そうな大ドウマンを恒常的に売っていそうな信頼できる店」として目を付けたのが、雄踏町にある「よらっせYUTO」であったのです。このお店については後ほど詳しく述べましょう。

30分待って。
おかしい。画像検索すると茹でドウマンはこれ以上無いぐらいまっかっかの綺麗な赤色になっているはずなのに、私のドウマンはいつまで経っても黒と赤のまだらだ。とうとう「こいつはこれ以上は赤くならない」と思い至って、鍋から上げました。



くそぅ、蒸し料理は初めてだから、私が料理がヘタなせいだな。プロだったらもっと燃えるような真っ赤にできたはずなのにィ、、、 と悔しく思いながら茹でられた蟹の甲をちょっと擦ってみると、黒色は少し落ちました。なんと、手練れな人はちゃんと洗ってから蒸すからあんなに見事な赤色になったんだな。もとより私は未熟者でしたから、まだ生きているあんなに凶暴な蟹をタワシ洗いする勇気なんて毛頭ありませんでした。いいもん、どうせ自分で食べるんだから甲羅が泥で汚れていたって。

茹でた後の蟹の切り裁きかたは、優しい動画がありました。



これは分かり易い。
この動画に従って切ってみたのがこちら。



おお、キレイにできた。





いゃん、カニミソがぎっしり!(上の動画のせいで、この時点では私はこのオレンジ色の事を“蟹味噌”だと思っていました)




…さて実食です。
あらかじめ申し上げておかなければなりませんが、わたくしはカニがそれほど好きではありません。
その理由は、わたくしは海老アレルギーであるのと同じように蟹アレルギーも持ち合わせているからです。(またかよ)
もちろんわたくしのささやかな海老アレルギーと同じように、わたくしのささやかな蟹アレルギーも「生で食べなければ」全然問題は無く、そもそも蟹は海老とは違って生で食べる頻度は格段に少ない食べ物なのですが、「杉の花粉も焼いて固めて煎餅のようにすれば食べられるよ」と言われても食べる気が全然起きないような心理的な葛藤が、わたくしの中にはあります。
海老のアレルギーと蟹のアレルギーは似たように見えますし、海老と蟹のアレルギーを双方持ち合わせている人も圧倒的に多いのですが、実質は違う物のようです。「蟹のアレルギーはあるが海老には全く無い」という幸運な人にも、何人も出会った事があります。(また、生のエビとカニは大丈夫だけれど、加熱したエビには強いアレルギーが出る、という変なお客さんを見た事があります。) わたくし個人の事を言えば、病院で調べてもらった結果、エビよりもカニの方がいささか数値が高い。それだけで私の生涯で蟹を食べる事を忌避せねばならぬ大きな原因となるのはお分かりいただけるかと思います。生の蟹なんて食べた事が無いので、未だ蟹に当たった経験も一度も無いんですけどもね。
だがしかし、“おかしな凶暴な生物”としてはわたくしは蟹にひときわ愛着を持っています。
かつて伊豆で淋しく一人暮らしをしていた頃、わたくしの唯一の愛玩動物だったのは、土肥の丸山城の前の道路で捕獲した凶暴な赫手蟹でしたし。(この蟹は「寂しいだろう」と思って仲間にするために赫手蟹や沢蟹を何度放り込んでも、その都度蹴り殺した)
そして、わたくしがそれほどアレルギーに悩まされていなかった若い頃は、それなりに蟹料理を楽しんでいた思い出もあるような気もする。N氏やその他の親しかった方々と行った函館旅行で、宿の部屋で食べた(N氏がそこらのスーパーで仕入れてきた)毛蟹はそれはそれは旨かった思い出がある。そういえばあの頃は確かに私は蟹が好きだったのでした。そういえば、蟹喰いデートもしばしばおこなっていたよ。

そんなことを走馬燈のように思い出しながら(ぉぃ)、ドウマンを食べて見ましょう。
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