オセンタルカの太陽帝国

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柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

歌劇『ロンバルディアの女王ロデリンダ』。

2010年06月04日 10時23分25秒 |   ヘンデル

私の持っているアントナッチのDVDはロデリンダ1枚だけなのですが、このDVDがとても素晴らしい。もう、全体的にすばらしいのですが、特に私は冒頭のところが大好きなので、はじめから数曲を探し出してきて、ここに掲げてみようと思います。
ここから4つの動画は、すべて私の持っているDVDと同一のもの。
す、すばらしいよう~~
画面を見て、前回紹介したアグリッピーナでのアントナッチ様が25歳ぐらいで今回のロデリンダはその15年後ぐらいの彼女とみなが思うと思うのですが、実際はロデリンダが1998年のグラインドボーン音楽祭、アグリッピーナの方が2003年のパリでの上演なのです。びっくり。役をここまで作り込めるなんて。

さて、せっかくなのでロンゴバルド王国の歴史についても詳しく調べようと思ったのですが、全然本が無いね(←私の本棚の中に)。なのでこのオペラの物語がどんな史実を元にしているのか、さっぱり分かりません。物語はかなり入り組んでいるのですが、ヘンデル御殿』さんがとても詳細に解説してくださっているので、そっちを見て 
イタリア半島を200年も支配したロンゴバルドの歴史はかなり波瀾万丈のようで、とても興味がありますなあ。アッティラやオドアケルや東ゴートと比べてみれば、ロンゴバルト族がどれだけ巧みだったかが分かる。ウィキペディアを見ると、ベルタリード王、グリムヴァルド王の死後にガリバルドという人物が1年だけ王位についているのですが、このガリバルド王はこのオペラの中のガリバルドと同一人物なのでしょうか?


<1曲目.“私は愛する夫を失った”Hò perduto il caro sposo>

『ロデリンダ』は序曲がやや陳腐なのが惜しいところですが、序曲が終わって満を持して始まるのが上の曲。夫が死んだというニュースを受け取って悲しみに沈むシーン。つまらない感じもするかとも思いますが、こういう悲痛な曲調で始まるのって実は少ないんですよ。(前作『タメルラーノ』もこんな感じだっけ)
続けて、次の曲。ロデリンダという人を良く表している曲だと思います。


<2曲目.“運命の邪悪な残酷さ”L'empio rigor del fato >

アントナッチ様最高
行動がかなり流れに流されやすい風なのに、音楽が力にみなぎっている、その差異がおもしろい。
ここでいやらしく彼女に言い寄っているのが、“もうひとりのロンゴバルド王”グリモアルド。あらすじを見ないとさっぱり意味が分かんないんですけど、このころロンゴバルド族には王が2人いたんですよね。アントナッチの夫のベルタリード(@ミラノを支配)とパヴィアを簒奪したグリモアルドと。ローマ帝国やフランク王国なんかでは国土の分割統治は良くやられていたんですが、ロンゴバルドの歴史ではこれが唯一の例みたいですね。どうなっているんだろ。(※ランゴバルドの領土は分断されていたので、公たちによる封建体制は良く整備されていた) で、ヘンデル御殿の解説を見ると、ベルタリード王の弟だったパヴィア王グンテベルドがグリモアルドに暗殺されてグリモアルドが王となったそうですが、上の動画を見る限り、ミラノ政府とパヴィア政府が敵対関係になった様子は見られない。グリモアルドって何者? (ネット上の情報だと、グンテベルトの妹(ってことはベルタリードの妹でありつまりはロデリンダにとって小姑になるのか?)のエドゥイージェの許嫁だったのがグリモアルドだったんだって。少なくとも王家の一員じゃないとすんなり王位に就けないと思うから、グリモアルドにも王家との血縁はあったと思うけど)
そうそう、ベルタリードとクンテベルドの兄弟仲はかなり悪かったようだ。(戦争するぐらい)。ベルタリードとエドゥイージェの兄妹仲はどうだったんでしょうね?

ところがその次の動画。
グリモアルドってただのエロオヤジかと思っていたら、ひどくいい声してるじゃん。
ここの連鎖で、わたくしはこのオペラにメロメロになってしまったのでした。
(※グリモアルドを歌っているのは、クルト・ストゥワートというテノール)

この歌を歌っている“ガリバルド”という人物は、まるでぬらりひょんのような役柄です。(この動画の歌手はウンベルド・チウーモ)。このへんてこな人物をここまで描ききったヘンデルは凄い。だかしかし、ガリバルドはずっと出ている印象があるんですが、ヘンデルが彼に歌わせたのはたった2曲しか無いんですって。なんと。こんなに個性的な役なのに。

コメント
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