釜ケ崎人情(三音英次)唄 作詞:もず昌平 作曲:三山敏
http://youtu.be/4rxRjX8S9RQ
今日は無性にセンチな気分なのだ。
震災で仮設住宅暮らしの方々やホームレスの方々がこの寒空の下で・・・なんてなことを思い巡らしながら、若い頃に流行っていた「釜ヶ崎人情」という演歌を検索してたらこんな記事に行き着いた。かなり壮絶な人生模様があったんだね~・・・
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY201003010214.html
2010年3月1日14時28分もう天国とは歌えんねぇ
大阪のシンボル、通天閣から歩いて15分ほどいくと、日本最大の日雇い労働者の街がある。釜ケ崎(かまがさき)。1泊千円ほどの簡易宿泊所、ドヤがひしめく。野宿する人も多い。
43年前、「釜ケ崎人情」という演歌が誕生した。
人はスラムというけれど ここは天国 ここは天国 釜ケ崎
なぜ天国なのか。私は理由が知りたくて、この2月の午前、詞を書いたもず唱平(しょうへい)(71)、作曲した三山敏(みやま・びん)(75)を誘って街を歩いた。
2人がここを行くのは、40年ぶり。道の両側に露店が並ぶ景色は変わらない。だが、行き交う人は、ジャンパー姿の高齢者が多い。肩で風を切る地下足袋姿の労働者が減った。仕事にあぶれ、酒をあおって怒鳴る男たちもいない。2人がつぶやいた。「仕事も、やり直そうという活気もなくて寂しいね。今なら天国とは歌えんねぇ」

もず唱平さん(右)と三山敏さん。炊き出しに長い列ができていた
大阪のシンボル、通天閣から歩いて15分ほどいくと、日本最大の日雇い労働者の街がある。釜ケ崎(かまがさき)。1泊千円ほどの簡易宿泊所、ドヤがひしめく。野宿する人も多い。
43年前、「釜ケ崎人情」という演歌が誕生した。
人はスラムというけれど ここは天国 ここは天国 釜ケ崎
なぜ天国なのか。私は理由が知りたくて、この2月の午前、
◇
もずは大阪育ち。傷痍(しょうい)軍人の父は家に寄りつかず、母が家計を支えた。高校卒業後、職を転々とし、松竹新喜劇の演出助手に。芽が出ずに飛び出す。どうすりゃいいんや。悩んでいたもずは、歌手を目指す三音英次(みつね・えいじ)から歌づくりを頼まれる。極貧の少年期を送った三音は、気の合う飲み仲間だった。
「何か書いてくれまへんか」
「お前、どうやって食べてんねん」
「立ちん坊してますねん」
三音は釜ケ崎に立ち、日雇い仕事をもらってしのいでいた。
「そんなら、釜ケ崎のドキュメンタリーでいこか」
もずはドヤに泊まり、立ち小便のにおいがする街を歩いた。時代は高度成長のまっただ中。仕事を求め、日本中から男たちが流れ込んでいた。
露店には、軽トラックからパンツの古着まであった。飲み屋でのこと。もずは労働者に、思わず漏らした。「おれんち、ガキの頃から家庭崩壊でな。おやじは、おっちゃんみたいやねん」。「そりゃ災難やったなあ」。笑い飛ばしてくれた。
様々な重荷を背負った人がいた。肩書や役職もない。お互い名乗る必要もない。丸裸で本音の付き合いができた。足を踏み入れて半年後。もずは1日で詞を書き上げる。極限状態でも懸命に生きる人々にエールを込め、「ここは天国」と書いた。
もずから作曲を頼まれた三山も、岡山の貧しい山里で育った。大阪で作曲家を目指すが、鳴かず飛ばずだった。
1967年、「釜ケ崎人情」が発売された。
立ちん坊人生味なもの 通天閣さえ立ちん坊さ だれに遠慮がいるじゃなし じんわり待って出直そう
三音のだみ声は哀愁漂う曲に乗り、朗々と響いた。3人のデビュー曲は、60万枚のヒットに。三音は、何人ものおっちゃんに声をかけられた。「お前の歌で、あの日、助かったんや」
もずと三山のコンビは6年後、金田(かねだ)たつえ(61)の「花街の母」を世に送る。250万枚の大ヒットとなった。もずは今、大阪芸術大学の教授。三山も作曲を続けている。
歌い手の三音の人生は暗転した。つかんだ大金で、かけマージャンにのめり込む。廃業してタクシー運転手になるが、速度違反を撮影された警察車両に放火し、服役する。2003年、がんで逝った。もずが声を詰まらせる。「あいつ、病床でぼろぼろ泣いとった。僕は何度もいうたんです。泣くなって……」
◇
もずと三山、そして私は、釜ケ崎のど真ん中にある公園についた。どんぶり飯の炊き出しが行われている。寒空のもと、数百人の男たちが黙々とかき込む。若者の姿も多い。
「派遣切りで、働きたくても働けない人も来てるんやろな」。三山の言葉に、もずが続けた。「釜ケ崎は不安定就労の原点。日本の行く末を示しているかもしれんねぇ」
格差、貧困、非正規雇用、ホームレス。そんな言葉が氾濫(はんらん)する。でも、どっこい人は生きていく。様々な人生が交錯する、この街を歩く。(高島靖賢)
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http://youtu.be/q591NqMNDYE
(男唄を歌う清水節子さんが唄う「釜ケ崎人情」もとても魅力的です。)
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にほんブログ村・故三音英次氏のご冥福をお祈りします。(合掌)
http://youtu.be/4rxRjX8S9RQ
今日は無性にセンチな気分なのだ。
震災で仮設住宅暮らしの方々やホームレスの方々がこの寒空の下で・・・なんてなことを思い巡らしながら、若い頃に流行っていた「釜ヶ崎人情」という演歌を検索してたらこんな記事に行き着いた。かなり壮絶な人生模様があったんだね~・・・
http://www.asahi.com/jinmyakuki/TKY201003010214.html
2010年3月1日14時28分もう天国とは歌えんねぇ
大阪のシンボル、通天閣から歩いて15分ほどいくと、日本最大の日雇い労働者の街がある。釜ケ崎(かまがさき)。1泊千円ほどの簡易宿泊所、ドヤがひしめく。野宿する人も多い。
43年前、「釜ケ崎人情」という演歌が誕生した。
人はスラムというけれど ここは天国 ここは天国 釜ケ崎
なぜ天国なのか。私は理由が知りたくて、この2月の午前、詞を書いたもず唱平(しょうへい)(71)、作曲した三山敏(みやま・びん)(75)を誘って街を歩いた。
2人がここを行くのは、40年ぶり。道の両側に露店が並ぶ景色は変わらない。だが、行き交う人は、ジャンパー姿の高齢者が多い。肩で風を切る地下足袋姿の労働者が減った。仕事にあぶれ、酒をあおって怒鳴る男たちもいない。2人がつぶやいた。「仕事も、やり直そうという活気もなくて寂しいね。今なら天国とは歌えんねぇ」

もず唱平さん(右)と三山敏さん。炊き出しに長い列ができていた
大阪のシンボル、通天閣から歩いて15分ほどいくと、日本最大の日雇い労働者の街がある。釜ケ崎(かまがさき)。1泊千円ほどの簡易宿泊所、ドヤがひしめく。野宿する人も多い。
43年前、「釜ケ崎人情」という演歌が誕生した。
人はスラムというけれど ここは天国 ここは天国 釜ケ崎
なぜ天国なのか。私は理由が知りたくて、この2月の午前、
◇
もずは大阪育ち。傷痍(しょうい)軍人の父は家に寄りつかず、母が家計を支えた。高校卒業後、職を転々とし、松竹新喜劇の演出助手に。芽が出ずに飛び出す。どうすりゃいいんや。悩んでいたもずは、歌手を目指す三音英次(みつね・えいじ)から歌づくりを頼まれる。極貧の少年期を送った三音は、気の合う飲み仲間だった。
「何か書いてくれまへんか」
「お前、どうやって食べてんねん」
「立ちん坊してますねん」
三音は釜ケ崎に立ち、日雇い仕事をもらってしのいでいた。
「そんなら、釜ケ崎のドキュメンタリーでいこか」
もずはドヤに泊まり、立ち小便のにおいがする街を歩いた。時代は高度成長のまっただ中。仕事を求め、日本中から男たちが流れ込んでいた。
露店には、軽トラックからパンツの古着まであった。飲み屋でのこと。もずは労働者に、思わず漏らした。「おれんち、ガキの頃から家庭崩壊でな。おやじは、おっちゃんみたいやねん」。「そりゃ災難やったなあ」。笑い飛ばしてくれた。
様々な重荷を背負った人がいた。肩書や役職もない。お互い名乗る必要もない。丸裸で本音の付き合いができた。足を踏み入れて半年後。もずは1日で詞を書き上げる。極限状態でも懸命に生きる人々にエールを込め、「ここは天国」と書いた。
もずから作曲を頼まれた三山も、岡山の貧しい山里で育った。大阪で作曲家を目指すが、鳴かず飛ばずだった。
1967年、「釜ケ崎人情」が発売された。
立ちん坊人生味なもの 通天閣さえ立ちん坊さ だれに遠慮がいるじゃなし じんわり待って出直そう
三音のだみ声は哀愁漂う曲に乗り、朗々と響いた。3人のデビュー曲は、60万枚のヒットに。三音は、何人ものおっちゃんに声をかけられた。「お前の歌で、あの日、助かったんや」
もずと三山のコンビは6年後、金田(かねだ)たつえ(61)の「花街の母」を世に送る。250万枚の大ヒットとなった。もずは今、大阪芸術大学の教授。三山も作曲を続けている。
歌い手の三音の人生は暗転した。つかんだ大金で、かけマージャンにのめり込む。廃業してタクシー運転手になるが、速度違反を撮影された警察車両に放火し、服役する。2003年、がんで逝った。もずが声を詰まらせる。「あいつ、病床でぼろぼろ泣いとった。僕は何度もいうたんです。泣くなって……」
◇
もずと三山、そして私は、釜ケ崎のど真ん中にある公園についた。どんぶり飯の炊き出しが行われている。寒空のもと、数百人の男たちが黙々とかき込む。若者の姿も多い。
「派遣切りで、働きたくても働けない人も来てるんやろな」。三山の言葉に、もずが続けた。「釜ケ崎は不安定就労の原点。日本の行く末を示しているかもしれんねぇ」
格差、貧困、非正規雇用、ホームレス。そんな言葉が氾濫(はんらん)する。でも、どっこい人は生きていく。様々な人生が交錯する、この街を歩く。(高島靖賢)
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http://youtu.be/q591NqMNDYE
(男唄を歌う清水節子さんが唄う「釜ケ崎人情」もとても魅力的です。)
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にほんブログ村・故三音英次氏のご冥福をお祈りします。(合掌)