サッカールーの何でもござれ

サッカーとオーストラリアに関するサッカールーのエッセイです

マンUvsフラム

2012-08-26 09:07:04 | Weblog

EPL第2節。FOXの試合前のこの試合の宣伝CMは何と稲本のゴールシーン。一体何年前の試合なんだろう。

オールドトッラフォードでの香川のリーグ公式戦のデビューである。ファギーは前節の敗戦を受けてスタメンを大幅にいじってきた。ルーニー、ナニ、スコールズ、ウエルベックの主力を引っ込めてファン・ペルシー、ヤング、アンダーソン、五輪で男を下げたラファエルなどが先発。ナニにいたってはベンチ外である。これだけのメンバーを変えてもまだ戦力的には劣らないわけだからほとんどターンオーバー制である。恐るべしマンU。

試合は前半2分でマンUがあっさりと失点。その後もDFがOGで失点している。この2試合で3失点。それもGKとDFの連係が悪いことに起因している。これをなんとかしない限りこの2試合で見せているマンUのDFの不安定さは変わらない。攻撃陣が充実しているのに比べDFの層が薄いのも気になる。フェルデイナンドの後継者になれるような強力なCBが欲しい。

マンUの戦術は昔から4-4-2であれ、4-2-3-1であれ、MFが大きくサイドに張り出しそこからクロスを入れることが多い。もちろんこれは選手個々の特徴によっても違ってくるが、昔のベッカムの正確なクロスが典型だ。

この傾向は今でも同じ印象を受けた。この試合だったら、右のバレンシア、左のエブラが張り出しそこのSBが絡み、真ん中に切り込むかFW目当てに放り込む。だから香川がドルトムントで見せていたような選手間どうしの距離を3-5メートルにしてパスを細かく回して、相手のDFラインを執拗に崩していくという、いわば時間をかけた丁寧な攻撃が少ない。

この結果ボランチ、左右のMFの間のボールはよく回るが、トップ下である香川にはあまりボールが来ない。この試合では香川がゴールを決めるまではほとんど香川にボールが来なかった。これは香川がまだチームメートと連係ができていないせいだろうし、スタメンが変わりすぎて違う選手がスタメンであればもっと香川を使うのかも知れない。

香川の加入によって4-2-3-1のトップ下を置いてはいるものの、もっと選手間の距離を短くしなければ香川は生きない。ルーニーは非常にクレバーな選手で他の選手とポジションチェンジを繰り返し、香川との連係もよかった。香川とナニとの連係もエブラよりはよかった。

さてファン・ペルシーのスーパーな同点ボレーゴールはすごかった。あんなゴールを決められるのは全盛期のアンリくらいだろう。しかしファン・ペルシーの場合はさほど動き回るタイプではないし、パス回しにもあまり参加できていないのでけっこう下がってボールをもらう場面も多かった。ゴール以外の場面ではまだまだ他の選手との連係がいまいち。

香川のゴールはGKがはじいたところを押し込んだだけのいわゆるごっつあんゴールである。しかしゴールはゴールだからこれで何とか結果を出せた。他にもGKの正面にいったシュート、ポストにあたったシュートもあり前節よりもシュートが多く、香川がボールを持てばシュートチャンスが生まれるという認識をチームメートに認識させることができたことでしょう。

ルーニーはスタメンをはずれ、しかも後半ロスタイムに負傷して全治4週間ほどの重症らしい。ふんだり蹴ったりだ。ルーニーには悪いがこれでしばらく香川のスタメンは続くでしょう。あるいは先発できなくてもベンチ外ということはない。

マンUのターンオーバー制はCLが始まればもっと顕著になるだろうから、まだ試合に出ていない選手との連係も含めて香川のプレースタイルがマンUに定着するには時間がかかるだろうし、CLが始まるまでにゴールとアシストをもっと決めれれば香川の立場も磐石になる。それにしてもポジション争いは本当に厳しい。ドルトムントのように水曜日に日本で代表戦に出て同じ週末に公式戦に先発なんてことはまずないでしょうね。


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