怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

タダで文具をもらえる

2016年09月08日 | カテゴリー分けするのに飽き
フードシェアリングの場所に、大量の子供用文具が置いてあった。
まもなく新学期。
もしかして、これらも自由に持っていっていい寄贈の品なのか?

すべて、某大型格安スーパーで販売されている品だ。
もしかして、そのスーパーから古い在庫を処分するために寄贈されたものなのかな、と思っていた。

しばらくすると、中年女性がやってきた。
「文具寄付に来ました」
と、言われて驚いた。
なるほど、個人の寄贈だったのね。
彼女に、どういうシステムなのか尋ねてた。
早口なのと、知らない単語、固有名詞がぞろぞろ出てきたことなのでちゃんと理解できなかったが、こうだ。
経済的に大変で、学校に通う子供に満足に文具を持たせられない家庭も多い。彼らを助けようというマリア何とかさんの呼びかけで開始されたそうな。
ここだけのできごとか、地域のものなのか、はたまたドイツ全土のものなのかよくわからない。
「ほら、見て御覧なさい、これらはけっして高価な文具ではないですよね。普通の人たちが寄付しているのですよ」

これらの文具をもらいにくる人はいるのだろうか。
そうした情報を得ることができる環境の人は、自力で買い揃えることができるような気がする。
実際、私の観察したところではここのフードシェアリング(期限切れ食品無料配布システム)(←ドイツ語ホームページ)に来る人たちは、難民でも生活困窮者のようでもない。
それをテーマに今後も観察を続けることにしたっ。

感心するのは、とても地道で実際的な寄付活動ってところだ。
街頭で寄付金集めよりも、単純明快でわかりやすい。
日本は寄付文化が根付かない、という日本の雑誌記事を読んだばかりだ。
そこには結構高額な現金寄付の話ばかり並んでいたけれど、それは一般の人にはハードル高すぎるのではなかろうか。

その後、10歳位の男児とフードシェアリングの食品を見に来たのは40歳位の外科医の女性。
外科医が生活に困窮しているとはとても思えない。
また、そういう人たちでも期限切れの食品を平気で食べること、寄贈の品を気楽に受取ることができるのはいいことと思う。
誰でも気軽に施しを受けたり与えたりする環境が作られているのかも。

その外科医女性は私の行っている縫い物コースに参加するのだそうな。
毎日皮膚や筋肉を縫っている彼女、たまには布を縫いたいのだろう!
冷蔵庫から取り出したしなびた野菜を持ってお母さんの後ろに立っていた男の子に「あなたもお医者さんになりたいですか」と尋ねたらブンブン首を横に振っていた。