怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

送還されてしまうアフガニスタン人

2016年09月14日 | カテゴリー分けするのに飽き
在独6年、推定年齢二十台半ばのアフガニスタン人男性Sさんは、私と出会ったときの挨拶に握手を求めてきた。
アフガニスタン人男性、あるいは多くのイスラムが国教の国からの男性は「ハロー」の呼びかけにも答えないことが多い。
ドイツ人女性に言わせると「彼らは女性をヒトと思っていないからよ」なのだが、私は別意見だ。
母国ではたいして親しくも無い女と挨拶を交わす習慣が無いのだろう。
実家付近だって、挨拶を交わさない近所の人々はたくさんいるし、ましてや知らない人とは全く挨拶しない。
ここはもう少し人間関係が楽で、知らない人とも気軽に挨拶をする頻度が高い。
若くしてドイツに移住してきたSさんは楽にこちらの習慣を身に付けることができたのだろう。
さて、そんな彼の弁当をごちそうになった。

大きすぎるタッパーの底の方に豆料理。
3年ほど付き合いのあるアフガニスタン人女性にもよくごちそうになっている。
彼は5年間料理人をしていたとかで、また、違ったおいしさがあった。
作り方は簡単。たまねぎと豆、油脂と塩、カレー粉で煮るだけ。
これにパンを添えて食べる。
Sさんは近所のパン屋でライ麦入りの大きなパンを一塊買って来た。
この豆料理はパン添えで食べるものだ。
アフガニスタンではライ麦入りのパンはないらしい。彼はすでにこちらの食生活にも慣れたのだろう。

さて、Sさん。
今日はミュンヘンの裁判所で滞在の許可を得られるか、の大きな試練の日らしい。
彼を支援するドイツ人女性(金持ち)に昨日聞いたんだ。
労働許可も無く、暮らすことができないので、目下このドイツ人女性の援助で暮している。
おそらく、彼も難民として入国。
労働許可どころか滞在の許可がでなければ、本国へ送還だ。

アフガニスタンの実際はどうなのだろう。
7月に帰省する、と言っていたアフガニスタン女性(ドイツ滞在、労働許可所持)は「決死の覚悟」だった。
運悪ければ、命を落とす環境という認識は在独アフガニスタン人の間では高い様子。

ドイツ人、あるいはドイツ在住外国人に言わせると、シリア人以外はドイツ滞在許可は無意味である、という意見が大半だ。

難民支援する女性によると「アフガニスタン人の送還が多くなってきている」と嘆いている。
うーん。
Sさんの家族はすでにアフガニスタンに住んでいない。
ドバイ、イラクなど外国に移住してしまっている。
いずれにせよ、一度外国に出てしまったアフガニスタン人が、母国に戻るのは死刑宣告のように聴こえるのかも。

S君の真面目で真摯な態度、ドイツ語力も抜群なところに一票を入れた私。
彼の今日の幸運を願いながらこれを書いている。