飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

ふるさとの木の葉の駅1 坂村真民

2024年08月28日 05時02分07秒 | 国語科
1993年12月3日 6年生での実践。

国語の授業で、年間いくつかの詩を扱う。
詩を読んでいくとき、情感豊かにう読み味わうことが目標のひとつにされている。
何度も何度も繰り返し読むことが、詩の読み取りの基本であることは言うまでもない。
しかし、授業で扱うからには、多人数で検討していくからには、最初と授業後では違った読みにならなければと思う。
それは感想の部分はもちろんだが、読解という部分においてでもある。
短い詩だからこそ、ひとつひとつの言葉にこだわり正確な読みをしていく必要がある。
この正確なよみの上に、初めて、情感豊かな読みが生まれてくるのである。

子どもたちに詩を提示した。
前時に時間があまったので黒板の詩を写しておくように言った。
その際には、
「行と行の間は、一行開ける。
 広く開いているところは二行あける。」
といった指示は4月当初からの約束になっている。

※以下教材文。

ふるさとの木の葉の駅   坂村真民

この駅で
いつも母が待っていてくれた

駅には赤いカンナの花が咲き
車窓にそれが近々と迫ってきた

母のいないさびしい駅を
わたしは 息をのんで過ぎていった

※教材文終わり

まず子どもたちに読ませた。
「ふるさとのきのはのえき さかむら…」
「先生、なんと読むんですか?」
「両方と読める漢字だと思います。
 その通りに読んでみてください。」
また読み始めた。
「坂村まみん このえきで…」
三人の子供に読ませたあと、読みを確認した。
真民…しんみん  木の葉…このは  車窓…しゃそう
さらに、「カンナ」という花も辞書をひかせた。

さらに最後の一行だけを数名の子に読ませた。
「今のちょっと違います。」
「今のはちょっといいです。」
というように評価していった。
子どもたちはその違いには気が付かなかった。
一文字文空いているところがあるのでそこは間を取る必要があるのだが、なかなか子どもたちは気が付かなかった。

指示 一度読んだら座ります。全員起立。
 ・各自で読ませて、読み終えたら座って黙読。

発問 題名は何ですか。
・ふるさとの木の葉の駅

発問 作者は誰ですか。
・坂上真民

発問「車窓」とあります。車の窓という意味です。「私」は何に乗っていますか。
・電車

発問 この電車は「木の葉の駅」にとまりましたか?
・とまっていない。
・とまっていると判断できる記述がない

発問 「母のいないさびしい駅を わたしは 息をのんで過ぎていった」
「息をのむ。」とはどんな気持ちが込められていますか。
・じっと耐える
・強い思いがこみあげる
・昔を思い出す

発問「わたしは 息をのんで過ぎていった」過ぎさる瞬間、どんな気持ちになっていると予想できますか。
・母親に会いたい
・もういない母親の姿をみているような気持ちになる
・つよい故郷への気持ち

発問 電車が走っています。
   視点が動いています。
   駅があります。
   はるか彼方から列車が来ます。
   視点が移動しています。
   その時、第一連をAとします。
   第二連をBとします。
   第三連をCとします。
   それぞれどのへんでABCを思ったのですか。

   駅のずっと手前     駅のホームの始まり     駅の中央     駅のホームの終わり          駅をずっと過ぎたところ
              ・「この駅で」・「赤いカンナの花」       ・「母のいないさびしい駅を」・「息をのんで過ぎていった」
                     ・「それが車窓に近々と迫ってきた」
指示 絵にかきなさい。
※簡単な絵を図示し、A、B、Cを書き込ませてもよい。

指示  黒板に絵をかいて、自分の考えを発表します。
   発表しなさい。(自由起立発表・討論)

指示 自分の感想をまとめます。

saitani



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