飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

立式力の指導

2023年02月10日 10時14分07秒 | 算数科
計算はできるが、文章問題ができない子がいる。
文章題をどのように指導するのか。
ある意味、教師にとっても都市伝説みたいになっている事柄だ。
ではどうするのか。
立式力を定着させるには自力解決できる手順を身に着けさせる必要がある。

まず、重要なことは文章題を3回読ませること。
なんだ、こんな単純なことかと考えるかもしれないが、意外と教室の中で行われていない。
文章題ができない子はそもそも文章題を正確に読んでいない。
内容を正確にイメージできていないのだ。
ものごとをきちんと手順よく処理する習慣がないことも要因だ。
いい加減に読んで、すぐにわからないと言ってみたり、わかったつもりになって答えて間違ってみたりする。

文章題をなめていて、心構えができていない。
まずその心を育てる必要がある。
自分の力で文章題を解く心構えをもたせる。
そのために桃太郎の話をする。

桃太郎の繰り返し
桃太郎の話を知っていますね。
桃太郎が歩いていたら、犬が出てきて、次にサルが出てきて、最後にキジが出てきます。
初めて、桃太郎の話を聞いた子は、犬のところで、へーそんな話なんだと想います。
次にサルのところでは、さっきの犬の話と同じだと感じます。
それから、キジが出てきます。
ここまで話を聴いていた子は、次は、吉備団子をあげて鬼退治にいくんだよねと理解する。

算数の文章題は桃太郎と同じです。
3回目のキジのときになると、自然ともうわかったとなります。
だから、昔から文章題に取り組むときには桃太郎のように、3回は繰り返して読むことがいちばん大切だと言われています。
みなさんも桃太郎のように3回読んで、文章題をときましょう。

視覚化のためには、一回読んだら文章題にところ一つ丸をかかせる。
○が3つついたら、文章題を解くという約束をしたほうがよいかもしれない。

次に文章題の仕組みを理解させる。
文章題の構造理解と言ってもいい。
文章題は基本的に「説明部分」と「問題部分」でできている。
例えば次のように。

説明部分
赤い花が4本あります。(算数1ー条件1)
白い花が3本あります。(算数2ー条件2)
問題部分
ちがいは何本ですか。(計算決定ー求答)

説明部分には、計算のもととなる内容が記されている。
通常2つあり、条件1と条件2あるいは、わかっていることなどと呼ばれる。
問題部分には、何算となるかを決める言葉が書かれている。
以上が、文章題における構造理解である。

文章題の文を読んだら質問をする。
○4本あるのはなんですか。
○白は何本ですか。
しっかりと読めていれば何の問題もない質問である。
黄色い花は何本ですかというような少し意地悪な質問と時にはいいかもしれない。

問題部分への質問。
○あわせて何本になりますかと聞かれたら、どんな式になりますか。
○全部で何本でしょうとかいたあったら、どんな式になりますか。
問題は、問題部分の言い回しと式がつながるように練習すること。

saitani

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