くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

バッサーニオ様~

2007年08月28日 | 藤原竜也
今回は藤原バサーニオウォッチング~

その1 お衣装偏

オープニング、カーニバルでの変装が、白いフリルひらひら~の王子様風…。とっても少年な感じがするけど似合ってる。この衣装、ここだけじゃあ、もったいない。

普段は、ベージュのスーツ。こちらはいまいち、似合ってない。特にダブルになると七五三だよ~。

モロッコ王 くっ、黒い… アフロヘアー 一瞬、誰だかわかんな~い

アラゴン王 マント、ぼろぼろ~のヨボヨボじいちゃん。おひょいさん?いやいや志村けん??でも、このじいちゃん、好きだわ。座布団3枚!素晴らしい~

その2 キャラ偏

自分が浪費したくせに、金持ちのお嬢さんをゲットするために、パトロンに借金をおねだりするというとっても悪いやつ。その上、変装して、あらかじめ婿選びの箱の中身まで調べちゃう抜け目ないやつ。だけど、竜也バサーニオはそんなコズルさなんぞ、みじんも感じられないくらい無邪気なのだ。たぶん、天性のお調子もんなんだろうね。育ちも良さそうだしね。

バサーニオってイタリアの貴公子よね。イタリア男性といえば、とっても気障なちょい悪オヤジを連想しちゃうけど、竜也バサーニオはこれまた、下心なんぞまるでないように見えちゃう。アントーニオとの関係も、親子みたい。おホモ達って実際どうなのかよく知らないけど、もうちょっと、エロさとかセクシーさがあってもいいんでないかい?

打算的というより、子どものようなエゴイストで、「僕が幸せになるために、みんな言うことを聞いてよ~」と言うと、周りも「可愛いお前のためならいいよ~」と聞いてあげちゃうような感じがする。美貌と若さで世の中を、難なく渡っていけちゃうなんて許せない!でも、ひたすら、うらやましい~。

きっと、賢くて1枚も2枚も上手のポーシャにしっかり尻に敷かれながらも調子よく浮気するんだろうなあ。くれぐれも捨てられないように気をつけてね。

その3 台詞回し偏
これはお見事!絶対、噛まない。周りが間違えてもゆるがないしベテラン勢にも引けをとらない。緩急も強弱も自在だし、3役のキャラ立ちもしっかりしてて恐れ入った。傲慢なモロッコ公では、オレステスで身についた、野太い発声が生きている。留学して確実に引き出しが増えたね。

その4 カテコ偏
ついに、西岡さんがエスコートし始めたぞ。愛情が募ってきたかな。何気にちょっかいだされてこれまた嬉しそう。西岡ボトル、どんどん飲ませてもらえそうだね。出演者のチームワークの良さも垣間見れてこれからがますます楽しみ~。

エレンディラ

2007年08月26日 | 観劇
エレンディラ
作:ガルシア・マルケス
脚本:坂手洋二
演出:蜷川幸雄
出演:中川晃教、美波、嵯川哲朗ほか
さいたま芸術劇場

4時間を越える大作。もう壮大な一言。オープニング、赤い人面魚がふわふわと浮かんでいく様子はダリの絵のようだ。火事を出してしまったせいで、祖母に借りが出来、娼婦となる可愛そうな少女エレンディラと、ダイヤ入りオレンジを密輸する少年ウリセスとの純愛を軸に物語は幻想的に描かれる。

美波さんが、純粋無垢な薄幸の少女を熱演している。彼女は確か、野田マップの「罪と罰」でコミカルでテンションが高い妹役をやって子だよなあ。あの時は一瞬、濱田マリさんかと思ったが、今回は別人のようで存在自体が透き通っていた。けなげで、時に激しくて切なくなる。何かと話題の全裸シーンもまるで自然で違和感がない。まさに芸術だった。彼女にとっても転機となる作品になるだろう。

主演の中川君は劇団新幹線の「SHIROH」で観たことがあるが、抜群に歌が上手い。蜷川演出、およびストレート初挑戦だというが、ミュージカルで鍛えられてるからエネルギッシュだ。途中、美しい歌声も聞かせてくれた。中川くんも藤原君、小栗君たちと確か同世代だよね。それが17歳の天使のような少年になってる。これは、来年、藤原くんも身毒丸、十分いけるよ~って余計なことまで思ってしまったよ。

一番印象に残るのは、嵯川さんのおばあちゃん。だって、かつて隠密同心(ふるっ)、ロミジュリの神父さま、俊徳のパパ、オレステスのおじい様といつも偉い役ばっかの嵯川さんが、孫娘を餌に娼婦館の業突張りババアになっちゃうんだよ。それも肉襦袢なんぞ着ちゃって。毒もられても、刺されてもなかなか死なない。その上、歌も歌っちゃう。何気に嵯川さん、はじけまくってませんか?確か、この作品が延期になる前は白石加代子さんがこの役をやる予定じゃなかったっけ。白石さんだったら、また全然違うものになっていただろうけど、嵯川さんしかできないような怪演ぶりに思わず鳥肌がたった。

私は、70年代に南米文学がブームになったなんて全然知らなかった。こういう世界もあるのね。色彩豊かで乾いていて、広大で。広い会場にこれでもかというくらい蜷川ワールドが炸裂している。

カーテンひらひら~、羽がひらひら~ → あわれ彼女は娼婦、タンゴ冬の終わりに

雨がザーザー → オレステス

娼婦小屋、異形の人々 → 身毒丸

らくだや車が走り、モダンダンサーや大道芸人が時にスローモーションで動く。もうてんこもりでお腹いっぱい。でも、なんか、パッチワークのようで、つながりがない気もした。南米の海なのに、なんで日本調なのさ。あれは歌舞伎かな?イメージがどんどん膨らんで収集つかなくなっちゃったなのかしら???

そんな中、流れるナイマンの音楽がとても良い。この作品のために書き下ろしたそうで、劇の盛り上がりとともに、心にずんときた。是非、CD化して欲しいなあ。

さてさて、新たに知った南米ワールド、原作を読んでみようっと。

エレンディラ (ちくま文庫)
ガブリエル ガルシア・マルケス,鼓 直,木村 栄一,G. ガルシア・マルケス
筑摩書房

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身毒丸~復活~

2007年08月26日 | 藤原竜也
ファンクラブからチケットの当落メールが!ドキドキで開いたら、初日を含む4公演ゲット!

マジうれしい~!!

チケットの神様ありがとう!

そして支払いの神様、助けて~!

かあさんっ、もう一度、僕を妊娠してください…

ついに生で聞けるのね…

クラブセブン

2007年08月25日 | 観劇
日頃、高っ~い、プレリザーブ料をお支払いしながらも、お世話になっているイープラスさんから得チケのお知らせメールが来た。何々、クラブセブン?玉野和紀さんの舞台?ゲストは早乙女太一くん?8500円が5000円?

はい、迷わずポチってしまいました。当日引き換えで銀座まで出かけていったら、後方だけどセンターで見やすい席だった。

島田歌穂さんの「ダウンタウンフォーリーズ」という作品で初めて玉野さんを観て、ものすごい、タップダンサーかつエンターティナーな人だなって驚いた。クラブセブンは、玉野さん自身が作・演出・振り付けを手がけた公演で今回で7回目になるらしい。初めて、テアトル銀座へ進出だ。

玉野さんと気心の知れた仲間たちが、ダンス、歌、コントと盛りだくさんの楽しいショーを繰り広げる。元、○ャニーズジュニアの人もいれば、○塚の人もいる。それなりに基礎が出来ている人達だから迫力もあり、バレエ、タップ、ジャズ等幅広くこなしていた。それにしても、どうして、ダンサーって踊るとかっこよくなるんだろう。見た目、ちょっと短足であろうと、背が低かろうと、年とっていようと、ひとたび踊り始めると別人の様。「ダンスは痩せますよ~」と玉野さん。割れてる腹筋がかっこいい。私ももっと筋トレがんばろうって思っちゃったよ。

圧巻は、50音順の歌。“あ”から始まって“ん”で終わるまで、アニメあり、お笑いあり、洋楽あり、スマップあり、サザンありで続くメドレー。よくもこんなことが思いつくもんだ。玉野さんってすごいなあ。

さて、もう一つのお目当ては、初+生早乙女太一くん。今日は、一座の人もこぞって駆けつけており、座長らしき人、兄弟らしき人がわんさかいたよ。浅草も近いし、大衆演劇の匂いがぷんぷんしてた。

1部は女形で登場、やっぱりきれいだわ~。2部は男役で剣舞と玉野さんのタップの共演。この振り付け、玉野さん難しかっただろうな。最後、クラブセブンのメンバーに入ってタップも披露。日本舞踊で鍛えられてるだけあって、軸がぶれない。ダンスも上手だった。でも、おじぎががに股でおっさんくさいのが気なったけど。

15歳にして芸歴10年の強者だけど、まだまだこれからだね。少年から青年へ、映画へいくのか、TVへいくのか、本格的舞台にいくのかチャレンジできることがたくさんある。演技的なものはどうかわからないけど、すごい感性を持っていると思う。踊れて殺陣が出来ることも強味だね。大衆演劇という枠にはおさまりきれない器であることは確かだろう。地に足をつけてがんばってほしいね。

天王洲通い

2007年08月23日 | 観劇
始発で出勤、深夜バスで帰宅~。猛暑の中、連ちゃんで天王洲通い。たまたまチケット取れちゃたんだもん。無駄にするものですか。初日はりんかい線で行ったけど、今度はモノレールで行ってみた。いつも行っている田町のピラティススタジオの前を通っていくのよね。品川起点に動いている私にとっては、大崎からだと先、浜松町からだと少し戻るようになるけど、モノレールの方が劇場前に着くから便利だ。会場で、お兄さんから交通手段のアンケートを聞かれたんで、「モノレールとりんかい線」って答えといた。

昨日は、休演日明けでなんとなく微妙さが漂ってたけど、今日は、とっても良かった!具体的にどこがどう大きく変わったという程でもないけど、後半もだれることなく笑えたし、少しずつ、こなれてきた感じがする。竜也バサーニオもますますはじけまくってたし。

カテコも昨日は2回で終わっちゃったけど、今日は3回あった。バサーニオとポーシャがニッコリと見つめ合ってたし、市村さんが手を振ってくれた。やっとヴェニスの商人の世界がわかった気がする。

ドーラン氏のシェイクスピアの解釈は実に面白いし深い。自身、同性愛者でもあるそうで、その辺の思い入れなんかもある。だけど、全体を通じて、大きな山場とかインパクトがない。蜷川シェイクスピアを見慣れていると、その辺、物足りなさもあるが、とても大人な演出な気もする。押し付けではなく、観る側が観るたびにいろいろな場面でメッセージを受け取れる。観客にゆだねられている感じが心地よい。オーソドックスだけど、音楽も照明も美しく清らかなのだ。もっと、いろいろな人がシェイクスピアを演出してくれるといいのにね。

ところで、ドーラン氏って今いずこへ。イギリスに帰っちゃったのかなあ???

お気に召すまま

2007年08月18日 | 観劇
As You Like It
「お気に召すまま」
演出:蜷川幸雄
出演:成宮寛貴、小栗旬、高橋洋、吉田鋼太郎さま~ 他
場所:静岡市民文化会館

東京公演は見事に落選。夏休みだし、そんなに遠くないし、まあいいかっということでこだま号に乗って静岡公演へ行ってきちゃった。9分9厘ミーハーです蜷川さんも言ってます「芸能です、猥雑です、きれいな若い男の子を見に来てくだい」と。ハイ、ハ~イ、見に来ましたよ~

これぞ、蜷川シェイクスピア、昨日のヴェニスとは違って、慣れ親しんでいる感じがする。主演はかわれど、脇役陣が、しっかり支える。吉田さん、高橋さん、月川さん。この常連俳優が蜷川組を支えているといっても過言ではない。

お言葉通り、きれいだった。成宮くんも小栗くんも。森で再生する人々。ファンタジックで切なくてドキドキして、名文句もたくさん出てくる。

「恋とは、溜息と涙でできてるもんだ」

小栗君を観て、ここかしこから「かっこいい~」って溜息がもれていた。みんな恋してるのね、小栗君に。私といえば、このところ、仕事では溜息ばかりだけど、人を恋して涙なんかしてないよ。恋に逡巡してみたいなあ。

このお話、最後にアポロンが登場するのね。シェイクスピアはギリシャ悲劇をパロってる~。オレステスのときはマジなアポロン様だったから、神々しい感じだったけど、パロったアポロン様は子どもの声でかわいい。本物のひつじさんとともに、なんともほんわかさせてくれたわ。

時々、コンサート会場のようにロックが鳴り響く。たぶん、初めてシェイクスピアを観るような若者層をかなり意識した演出でわかりやすくて楽しめた。やっぱり、勢いがあって上り調子の小栗くんは輝いている。声も台詞回しも格段に上達した。蜷川色がついてきったって気もする。対する、成宮くん、とても難しくて大変な女役に体当たりしている。彼も、幅広い分野で活躍し役者として成長している。座長としての意地と貫禄があった。

3時間をゆうに超えるお芝居を観ると、本を1冊読んだのと同じくらい、いやそれ以上のものを得ることができる。心にも栄養が必要だね。



汗をかかない一日

2007年08月18日 | 日常あれこれ
ジムでエアロバイクをこぎながらTVを見ていたら、この暑さは太平洋高気圧だけのせいじゃないんだってね。うえからチベット高気圧っていうのが蓋をしちゃっているそう。日本列島、総サウナ状態、もしくは蒸し器の中って感じらしい。

そのがんばっていたチベットくんの力がようやく、衰え始めるそうだ。と、思ったら、昨夜から妙に涼しい。温度計も27度の下がっちゃったよ。32度あったのが5度も下がると、結構寒く感じるもんだな。

高気圧もお疲れなんでしょ。もうしばらく休んでいていいんだけど、また明日から暑くなるらしい。なにを、そんなにかっかしてるんでしょう…。

ヴェニスの商人初日!

2007年08月18日 | 藤原竜也
思い起こせば、ロープ大楽から6ヶ月半ぶりの生竜也くんです。なんかあまりに久々すぎたせいか、はたまた猛暑のせいか緊張してお腹が痛くなっちゃったよ~。

大崎で軽くご飯を食べて、りんかい線に乗って天王洲アイルへ。どこだ、どこだ?銀河劇場って。方向音痴な私は、ちょっとばかし探しちゃったよ~。奥まった場所にあるこじんまりとした劇場。でも初日とあって各方面からのお花がずらり。市村さん、寺島さんあてのお花が多い中、デスノートの金子修介監督から竜也くんへもしっかり届いていた、豪華なお花が。

ロビーでは、演出のグレゴリー・ドーランさん、プロデュサーのセルマ・ホルトさんらが和やかに歓談されていた。赤いドレスのセルマさんが華やかで、そのほかにも外国人がたくさんいて、なんかそこだけ異質な空間が広がっていた。

さて、お芝居の方は、なかなか楽しくて、竜也ファンにとっては嬉しい見所がたくさんあった。ヴェニスの商人ってシャイロックが主役よね。原作を一読した時はポーシャの印象が強かったけど、今回は竜也くん演じるバサーニオが中心にいる。内容のじゃなくてこの舞台の台風の目になっている。ホリプロ主催だから?セルマさんプロデュースだから?いやいや、ドーラン氏の中にあったもともとの構想よね、きっと。だって、ライフの時からプランはあったようだから、この日のために練ってきたのだろう。

私は、蜷川シェイクスピアしか観たことがなかったので、ドーラン氏の演出がまた新鮮に感じられた。蜷川演出が、濃い3Bぐらいの鉛筆でしっかり輪郭が描かれているような感じだとすると、ドーラン演出は2Hくらいでさらっと描いた感じがした。特にラストシーンのスケッチ画のようなバサーニオとポーシャのシーンがとても綺麗で素敵。程よく、品があって、これぞ、本場RSCというプライドもちらちらあって、この企画、結構面白いんじゃないかなあって思った。

主演役者陣は遜色ない。安心して見ていられる。何時にも増して、竜也くんはとてものびのびしていた。舞台に立てる喜びと、新たなものへの挑戦と。初日のカテコからあんなニコニコなのもめずらしくないかい?等身大の自分で勝負しようっていうのが伝わってきたよ。この際、どう評価されようと、蜷川さんに怒られようとどうでもいいじゃない。この調子でわが道を進んで欲しいなっ。

熱帯夜

2007年08月17日 | 日常あれこれ
文字から想像すると目の前をニモが通り過ぎていくような感じだけど、そんな優雅なもんじゃないね。お盆から、日に日に気温が上昇中!太平洋高気圧くん、なんだかヒステリックになりすぎじゃないの?1980円の扇風機は虚しく熱風をかき混ぜている。

またまた、確実に地球がおかしくなった今年。地震、台風、この猛暑。次は何が待っているんだろう。毎日、熱中症で死者がでるなんて尋常じゃない。

だけど、私の日常はそれでもいつもと変わりなく通り過ぎていく。だらだらと汗を流しながら…。


エイジ

2007年08月16日 | 日常あれこれ
先日、書店を見たら新潮文庫の100冊という黄色い帯がかけられいた。この本を読んで、宿題の読書感想文をかいている中学生がどこかにいるかもしれない。

ある日、突然、同級生が通り魔になってしまった少年が主人公。事件に対してさまざまな反応をし、自分の中に取り込んでいく少年たちが登場する。

エイジは自分の中にも犯人と同じものがあると気づく。あまり好きではないガールフレンドに幻のナイフを突き刺したりする。“向こう側”へいってしまった友だちと“こちら側”にとどまっている自分たち。そこに共通するものを感じ理解することで、自分は、犯人にはならないという確信を得ていく。

“「キレる」って言葉、オトナが考えている意味は違うんじゃないか。
自分と相手のつながりがわずらわしくなって断ち切ってしまうことが、「キレる」なんじゃないか。キレたい。あとで結び直してもいいから、いまは、ぼくにつながれたものぜんぶ切ってしまいたい。”

自分を取り巻くすべての存在を断ち切って、自分の存在さえも断ち切ってしまいたい。だけど、それは絶対に断ち切れないものでもある。

今の中学生はこういう思考回路をしているんだね。存在さえ気にしない「シカと」で仲間を外していく。外された側もそれを認めずに当たり前に過ごしていく。

そんな子どもたちを育てるのは私たちの世代なんだよな。“ことなかれ主義”“三無主義”と言われ人と関わることに煩わしさを感じ始めたこの世代。自分の家庭は円満で幸せで、子どもには理解があって…、絵に描いた餅を必死に演じようとする。なんの問題もないから大丈夫だよって。だから、エイジは時に、自分をホームドラマの登場人物のように客観視したりする。

そこに愛がないわけじゃない。だけど、敢えてぶつかっていかない何かを私たち世代が植えつけてしまった気がする。表面的に綺麗なものだけをスプーンですくいとるように、何事もなくその時が過ぎてさえしまえばいいように。

私たち自身も考えなきゃいけないのは、反省しなきゃいけないことがたくさんある…。だけど、何がいけなかったのか、どこで間違えてしまったのか、そしてこれからどうしていけばよいのかがよくわからないのも事実なのだ。


エイジ (新潮文庫)
重松 清
新潮社

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