井上ひさしと蜷川幸雄が初タッグを組んだ「天保十二年のシェイクスピア」は演劇史に残るお祭りの様な作品だった。ひょっこりひょうたん島以外の戯曲家井上ひさしを知ったのもこれがきっかけで、アマゾンでお高い原作本を買って予習をしたもんだ。
この本の中に、「日の浦姫物語」がちゃんと入っていた。「たいこどんどん」も「雨」もあった。で、改めて「日の浦」をぱらぱらと読んでみたら、見事に、本当に寸分もたがわないくらい見事に、戯曲と舞台が一致しているのがわかって驚いた。井上さんの細かいト書きのすみずみまで蜷川さんは再現したんだね。そして、役者陣も一言も台詞を違えることなく演じている。
「鯉!」「ス…鯉!」
「鰓、鰓、鰓ィ!」なのだ~。
さて、初日から早くも三週目に突入だ~!今回、唯一の良席X某席のセンターで、竜也くんとしのぶさんとガン見してきたぞ。前髪の15歳がかわいい~。バカ兄弟のいちゃつきぶり、しのぶさんもとばすとばす。その間で叔父役のたかお鷹さんのすっとぼけぶりがなんともおかしい。
それにしても、物語を語る説教聖夫婦の木場勝己さんと立石涼子さんは何度見ても圧巻だ。主演二人とのバランスも良く日の“裏”と“表”を回転させる。木場さんの台詞量は半端ない。それを自在に操り観客を物語の世界に誘ってしまう。木場さんは井上さんのメッセンジャーだとつくづく思った。井上さんの言葉を正確に伝えられる貴重な存在だね。リズム感もいいし歌も上手い。何気に三拍子そろった凄い人なのだ。
立石さんも役柄によってがらっと雰囲気が変わる。その昔、ロミジュリでは高貴なジュリママで、古畑では音弥くんお叔母様で、かと思えば娼婦っぽい役も見たきがするし、今回も三味線を弾いたり、歌ったり、日の浦姫の侍女になったりと大活躍だ。日の当らない熟年夫婦(兄弟)が、なお一層、夢の世界を生きる日の浦と稲若&魚名を輝かせている気がした。
暗転して幕が上がると、まず井上ひさしさんのお写真が掲げられている。素晴らしい戯曲をありがとうって素直に拍手できた。このエネルギーに負けない人間になりたい。たどろもどろ…と歩みつつね。
初日は、A席で観にくかったけど、今日は、真ん中よりチョイ後ろのセンター寄りで正面から竜也くんを拝めた~。15歳の前髪の稲若、かわいい。血気盛んな魚名もかっこいい。あっと驚かされた魚岩も大いに笑った。
思えば、「日の浦姫物語」上演の知らせは、「シレンとラギ」の公演中に届いた。へっ?また近親相姦がテーマ、なんか被り過ぎじゃなかろうかって思ったもんだ。でも、蓋を開けたら全くの別物だった。
「シレンとラギ」の方は、劇画チックな展開で若者向けな感じ。作者の中島さんも若く戦後世代だもんね。もちろん、とてもきれいでドラマチックな舞台だったけど、なんかラストに物足りなさを感じたのも否めない。血の贖いだけで納まるものだろうかと。でもあれはあれで納得していた。
今回の「日の浦姫」は文字通り“裏”があり、観客自身に突き返される“罪”が衝撃的で、井上ひさし氏の凄さを感じた。こういうひとひねりがあるからこそ面白い。年配向けの作品かもね。日の浦と稲若&魚名の禁断の恋は、説法聖の“夢物語”で、高貴な身分、美しい容姿、そして最後の救い等全てが理想とする願望なのだ。現実はこうはいかない。白い目で見られ、石を投げつけられる…。
奇跡の場面で、日の浦と魚名の目が見えるようになり晴れて親子が抱き合うところに観客は涙を誘われる。そこをすかさず涙をしてくださった皆様なら、私達のこともわかってくれるはずと説法聖夫婦(兄弟)が懇願する。日の浦の罪の大きさに比べたら、皆さまの罪なんて取るに足らないと安心もしたでしょうとチクリと皮肉りながら…。
いろいろな井上ひさし作品があるけれど、「日の浦姫物語」はとてもわかりやすいし、笑いどころもあるし、良くまとまっている感じがする。34年前、杉村春子さんが演じた時は評判がいま一つだったというのが不思議だ。演出とか解釈が違ったのかな。今回、新たなキャスト、スタッフを得て鮮やかに蘇ったこの作品を、井上ひさしさんも天国から嬉しそうに眺めていそうだ。もしかして海外公演があるのかな?蜷川さんが、“世界一の稽古場”って自画自賛しているからなんとなくありそうな気がしないでもない。「ムサシ」が受け入れられたんだもの、英国に持っていきそうだね。
「日の浦姫物語」初日に行ってきた。
さすが、井上先生、近親相姦で笑いをとるとは想像だにしなかった。かたかたとひっくり返るからくり人形のようだった。そして、言葉の中から浮かび上がる皮肉たっぷりのブラックユーモアに、どすんと本質を突かれた。グレゴリオ聖歌が流れる中、木場さんの挑むような歌声に背筋がぞくっとしちゃったよ。「雨」に匹敵する恐さを感じた。
竜也くんと大竹しのぶさんの相性はばっちりで、心地良いバランス具合だった。衣装も豪華、年齢ごとにいろいろな変化が見れてもう場面ごとに凝視しちゃった。初々しさを取り戻せとダメだしされたという15歳の少年役の竜也くん、声質なんかも変えているみたいで麗しかったわ~。ニュースになっていた“まさぐり方”の方はなかなか激しい。大竹さんのリアクションが最高なのよね~。
というわけで、またまた大楽までおっかけます。
新境地の竜也君、期待大だよ~。
今年も常連のお友達に誘ってもらい、益子陶器市へ行ってきた。神奈川より秋が早い栃木は木々がだいぶ紅葉し始めていた。お天気に恵まれさほど寒くもないので大勢の人が来ていたよ。
今回は、母が急須をリクエスト。年を取ると、お茶っ葉で入れた熱いお茶をすすりたくなる。ティーパックじゃダメらしい。そんな私も最近、お茶を良く飲むようになった。日本茶はおいしいよね~
数件目で早くも、気に入った品を発見した。年寄りには持ち手が付いている方がいいかなあと思い、急須じゃなくて土瓶にした。
ちなみに、土瓶は火にかけられるもので急須はかけられないものらしい…。
こちらは、私の晩酌用タンブラーだよ~。紫色の方はすわりが良くないとのことで格安だった。日替わりでビールを楽しむんだ~
いつもは日帰りだけど今回はお泊り付き~
お友達がネットで佐野のカンデオホテルを手配してくれた。ビジネスホテルだけど、シンプルできれいでなかなか良い。値段も安く一泊二食付きでなんと7500円だよ。その二食も夜は居酒屋のしゃぶしゃぶ付き定食、朝はメニュー豊富なバイキングと豪華で和洋折衷、いろいろな味が楽しめた。栃木のお野菜が新鮮でおいしかったよ。屋上の露天風呂は風がびゅんびゅん吹いていて寒かったけど、お部屋もそこそこの広さがあるし、ベッドがシモンズベッドで快適だった。これは、スーパーホテルを超えているかもしれないって思った。
さて、二日目は佐野プレミアムアウトレットと見る。ワタクシ、恥ずかしながらアウトレットは初めてで、いろいろ見て回るうち、リーボックのシューズ、フィットネスウェア、サザビーのバッグ、セオリーのコート…と調子に乗ってお買いもの~
はあ、楽しかった。これで、また危機感持って働けるって居直ってみる…ははは。
佐野と言えば、厄除け大師。お正月間近になるとよくCMで宣伝しているよね。静かで良いところだったよ。
丹精込めた菊展が開催されていた。菊の世界も奥が深そうだ。
はあ、深いお言葉です。だいぶ、丸くなってきたお年頃だけどね。
バッチリ、リフレッシュして、またまたお仕事ね。今度はお楽しみ発表会だ。衣装、可愛くしてあげたいなあ。