くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

年の暮れ

2009年12月31日 | 日常あれこれ
ひたすら、穏やかに、私の2009年が終わろうとしている…。

健康で、働けて、楽しめて、総じて幸せだった一年に感謝。

丸い月が穏やかな光を放つ年の暮れ。

カウントダウンまであとわずか。

新しい年を静かに待つ…。


ANJIN

2009年12月31日 | 藤原竜也
今年、最終公演、またまた行ってしまった。ガラガラかと思いきや、ほぼ満席じゃないの。行定監督、大瀧マネさん、部長さん、金森プロデュサーなんぞもおでましだ。この後、納会とかあるのかしらね。一年の締めだものね。

見るたびに、良くなっているこの舞台。どこが?って言われると困るのだけど、役者がいいんだろうね。英国人キャストがのってきている。日本における、間の取り方とかテンポとかをつかんだみたいだ。オーウェンさんが素晴らしい。あなたが主役だもの、市村家康に負けてられないよね。

竜也ドメニコだが、3番手と言えども、今回は完全に脇役。初日、ラストシーンを見た瞬間、近くにすわっていたマダムが「これじゃあ、客寄せパンダじゃないっ」と捨て台詞を残し、ものすごい剣幕で出て行ってしまった…。ファンクラブ席だったから、この方も熱烈な竜也ファン。そこまで怒らなくてもって思ったが気持ちはわかる。竜也ファンは、たぶんまたか…って思った人が多かったんじゃないかな。でもシーンとしては冒頭とつながる大事なシーン。息を止めて微動だにしない竜也くんはお見事、そして美しい…。

脚本の中で“ちぐはぐ感”を感じてしまうところは、ドメニコが「北条の血」を騒がせて信仰を捨てるところ。血はそんなに騒ぐものか??ホラ貝、陣太鼓の響きなんぞで?あいまいが嫌いな西欧人にとってはこのくらいわかりやすくないといけないのかもね。竜也君も「北条の血がさわぐ」という台詞を強調して、笑いをとっていた。

もうひとつ、お雪が「ワイフ」と言われて、これまた、ロザリオを手放すところ。それまでのいきさつがあるにしても、今さら「ワイフ」と言われて感動するなんて何年、ANJINと連れ添ったんだ?そして、それをドメニコに渡してしまうところ。あんたが、渡さなければ、ドメニコはつかまらなかったのに。さらにそのロザリオをぶらぶらと手に持って逃げているドメニコもアホか?最初から隠しておかなくっちゃ。まあ、ドメニコがつかまらなくちゃお話は終結しないからだけどさ。ラストシーン、「甲冑パンツをはいて、諭吉(Bee-TVで出てきた蛇)を巻いていたら笑える~」なんて不謹慎なことを想像してしまう私って、かなり変…、ごめんなさい。

私のお気に入りはなんてったって、ジェイミーアントニオくん。日本語、上手くなった。ドメニコより、悪役アントニオの心情の方がとても感情移入できる。人間弱い物。命が惜しければ信仰も捨てる。武士の血よりも説得力がある。

そして、期待通り、いや期待以上の植本さん。とても器用な役者さん。6役もやっているのにどれ一つとして同じ風なものがない。武将役から女形までなんでもこなす。英語も上手。「江戸の青空」では吉田鋼太郎さんのお守役だったなんて言ってらしたけど、なんかわかるわ~。いろいろお世話してあげたんだろうなあって。とっても繊細で細やかなんだもん。圧巻は、家光役。世界を見たかったという祖父の意に反して日本を鎖国の時代に導いていく。扉を閉じるシーンがなんとも象徴的で印象に残る。一気に注目度アップだわ~。

この作品、もし、英国へ行ったとしたら、竜也くんは逆の立場になる。英国の空気をつかまなきゃいけない。それはそれで面白そうだし、日本でのしがらみがないから伸び伸びやるんじゃないかなあ。たとえ、そこで叩かれてもいい経験になるだろうしね。竜也くんにとって、役柄云々よりも、英語で芝居するということが今回は大きな収穫だし、新たなステップにつながっていくことだろう。

↓ドメニコストラップ、鼻がないっ!

ABBAの想い出

2009年12月30日 | 日常あれこれ
仕事納めも忘年会も無事終わり、スポクラもお休み。軽~く、大掃除をして、録画しておいた「マンマミーア」を観た。ABBAのヒット曲が目白押し。ABBAの曲ありきでストーリーが進んでいく。舞台は、とあるギリシャの島で、主人公は結婚間近の娘を持つアラフォー(たぶん)の母と彼女を取り巻く男たち。

もう全てが明るい。たぶん、地中海であろう海の色、空の色、アフロディーテさながらブロンズの髪をなびかせる娘とちょっと年取ったけどかっこいい母。そしてマッチョでハンサムな母の元恋人たち。ほんと、これはおとぎ話だね。頭をからっぽにして観られるし、思わず口ずさみたくなるし踊りたくなった。



地面が割れて水が噴き出すシーン。そういえば、昔、日本でもディスコの床が抜けたっけね。映画の方は深刻な事故になるはずもなく、みんながシャワーの中で踊りまくる。なんともパワフルで開放的。日本だけじゃない、世界的にアラフォーは元気溌剌なんだね。輝かしい、80年代。バブル景気に浮かれながらみんなやりたい放題だった。今思えば活気があったよなあ。ついこの間だった気がするのにもう20年かあ。不況と共に迎えた中年、なおさら、我が青春時代が古き良き時代になってしまうじゃん。

高校生になったころ、私には『おばこ』『はにわちゃん』『まっちゃん』という仲良しがいて、4人で交換ノートをしていた。『おばこ』は4月生まれでと~っても落ち着いている子。『はにわちゃん』はそのものずばりお顔がかわいい。『まっちゃん』はおとなしくてと~っても頭が良くて勉強ができる子だった。いや、みんな賢くて一流大に進学していったんだよな。私だけ落ちこぼれた。『おばこ』は大学を卒業してすぐに結婚した。彼女の結婚式で会ったきりこの3人とは会っていない。みんな元気かなあ。

で、その交換ノートだが、みんなてんでに好き勝手なことを書いていた。ただ、ちょっとばかし“おたく”だった私らは漫画がすきで、「ベルばら」「オル窓」「エースをねらえ」「パタリロ」そして「はみだしっこ」の話題が多かった。そして、共通してハマったのがABBAで、新曲がでると英語の訳詞を調べて教えあった。刺激的だったのが「アンダンテ アンダンテ」で…、「ゆっくり私の中に入ってきて~」みたいな歌詞があり、みんなで「やっぱりそういう意味のことだよね~っ」って赤面してた。なにせ、ウブだったもんで。



その年の冬、ABBAが来日した。おこづかいをはたいて武道館コンサートに『おばこ』と行ったんだよなあ。ヒールのあるブーツを履いて精一杯おしゃれしてさ。あの頃、東京へ、それも夜でかけるなんて大冒険だったもの。地下鉄なんてどこをどう通っているのかわからない。しっかりものの“おばこ”のお陰で武道館にたどり着けた感じ。開演時間がせまり外が暮れてくる。二松学舎が見える、北の丸?公園で時間をつぶしていたら、周りにいたカップルたちがみんな抱き合いはじめちゃって、びっくりした。夕刻のアバンチュールね。見てはいけないもん見ちゃった気がしたよ。

今でさえ、アリーナやドームがあるから武道館なんてちっぽけだけど、当時の武道館はとても大きな会場だったのよ。左ブロックの席から、本物のABBAが登場して歌うのをドキドキしながら観ていた。周りが立ち上がると、つられて立ちながら…。英語は…、当時もあんまりわからなかったなあ。ただ、彼らもスウェーデン出身で英語が母国語でないから、比較的発音が聞き取りやすい。歌詞カードを見ながら、高校生レベルでもかなり理解できたんだよね。

そんなことに想いをはせながら…、どっぷり映画の世界に浸る。ABBAの歌詞がこんなにも前向きで、夢があったことを改めてかみしめながら…。みんな、元気になろうよ!不景気なんてふっとばせ~。



クライマックスは元恋人と結ばれる母だけど、その後、不細工(役柄だけど)な母の友人が、恋に落ち、なりふり構わず果敢にも猛アタックするところが爽快だ。ここぞと思ったら押しまくれってね。「Take a chance on me」の曲がもうハマりまくっていて思わずガッツポーズだった。



そして…、ABBAと言えば、「Dacing Queen」を、エンディングでおばさん3人がバッチリメイクと衣装で歌いまくる。かっこいい~。夢よもう一度いや、もう2度、3度って感じ。ちょっとばかし、しおれて枯れてくる頃、また面白くなるのが人生なのかもよ~。


スタジオの色

2009年12月27日 | スポーツクラブ
スポクラのスタジオでは、みなさん、おおむね勝手な服装をしている。要は動き安ければいいだけだから、黒白の組み合わせが多いかな。でも女性は、特にアラフォー以上はファッショナブル。最近は、カプリパンツ系、UFOパンツ系が流行りだからカジュアルな感じがかわいい。GAPのキャミを組み合わせたりしながら、おしゃれを楽しんでいる人もいる。私も、スタジオだと結構、大胆になれちゃうので、ウェアーは冒険して変わった柄とか形にこだわった。でも、最近は、金欠なのでめっきり買わなくなったなあ。昔のを引っ張り出しながら今日はどれにしようかなあと考えている。

不思議なことに、スタジオのカラーが統一する日が時々ある。示しあわせているように、オレンジばかりとかピンクばかりとか。その日の気候、気分、体調…、みんなバラバラなはずだけど、何かが一致するのかもね。で、昨日は何故かパープルデー。自分がその中に入らない日もあるのだけど、昨日はバッチリ入った。気候的には暖かくて爽やかだったよな。クリスマスが終わって仕事納めまであとわずか、年賀状も出さなくては、大掃除もしなくてはという心理状態が紫につながったのかな。ほら、紫って、“欲求不満”色ってよく聞くじゃない?私は大好きな色だけどさ。

さて、仕事納め後は何色系にしようかな~。

マレーヒルの幻影

2009年12月26日 | 観劇
作・演出 :岩松了
出演:麻生久美子、ARATA、三宅弘城、荒川良々、市川美和子、松重豊 他
本多劇場

割引優待チケットが出ていたので、ARATAファンのお友達を誘って観に行った。幻想的、レトロ、美しくも悲しい恋のトライアングル。精神的に病んでいる妻はなんか“千恵子抄”のようだ。ガラスのように繊細で一気に崩れさる。

さすが、岩松了さん、延々と続く会話劇の中で、パズルのようにモチーフが組み合わさり1場が終わるころにやっとこさ物語が見え始めた。舞台はアメリカだから外国人も登場し、字幕もなして英語が飛び交う。ほえ~っ、「ANJIN」顔負けじゃん。でもこちらは、アメリカンイングリッシュね。陽気でなめらか~な感じ。英語はスパイス的に使われているからわからなくても物語は進んでいくのだが、なんだか頭が疲れる~。時々、睡魔に襲われた~。

お話の方はS・フィッツジェラルエドというアメリカの作家の世界が元になっているそうだ。この作家の妻は実際に精神を病んでいた。時代背景は、世界恐慌前夜。全てが混沌としており、やがて破滅へと向かう。ラストシーンの銃声が全てを終わらせる。お互いの噛み合わなさは、「かもめ」みたいだなとも思った。

麻生久美子さんも、ARATAくんも初舞台にして、岩松氏の新作とはたいしたものだ。特に、麻生さん、透明感のなかに、ぶれずにしっかりとしたものを持ち合わせていて魔性を感じる。滑舌も良いしこれからが楽しみな女優さんだ。ARATAくんも無色で清潔感があり、いろいろな役に対応できそうな役者さんだ。その他、松重豊さんの存在感(実際にどでかい)や三宅弘城さんの演技派ぶりも目立っていた。

今回の出演陣、モデルさんをやられている方が多いせいか、みなさん独特の雰囲気がある。それがシンプルな舞台美術に生えて、場面場面がまるで絵のように感じられた。あとから、じわじわくる作品、まさに幻影だ。

ところで、マレーヒルってなんぞやと思って検索したら、ニューヨークにマレーヒルホテルというのがあるらしい。

人身事故

2009年12月26日 | 日常あれこれ
クリスマスの夜も、懲りずに下北へ芝居を観に行く。花束を大切そうにかかえて電車に乗り込んでくる男性。彼女へのプレゼントかな。みんなそれぞれのクリスマスを過ごそうとしているんだね。

と、途中、突然、町田で電車が止まった。たまたま早番で、運よく快速急行にも乗れて、席にもすわれて、これは寝ていける~とリラックスしていた時だった。新百合ヶ丘で人身事故が発生というアナウンスが流れる。今回は優待割引きチケットでなおかつ当日引き換え券だったから少し早目に行きたかった。でも、まだ時間があるし、そのうち動くだろうと思ってそのまますわっていた。

がっ…、まるで動く気配はない。事故に関係あるのかないのかわからないがサイレンが聞こえて不安を掻き立てる。そのうち、快速急行は、運休になってしまい降車せざるを得ない状況になる。救助はできたが、警察による現場検証中なので復旧のめどがたたないという。渋谷にでて井の頭線という考えが浮かぶが、中央林間までもどるのも大回りだ。とりあえず、このまま行けるところまで行こうと思った。

そうこうしているうちに、新百合ヶ丘まで電車が動き始めたが、ここでまた降ろされる。「お急ぎの方は多摩線に乗り換えて、京王線で新宿にでてください」と質問責めに対して、駅員さんが延々と説明する。ここで、「え~~~っ」とかなりブーイングが起きていた。多摩線に乗るか乗らないか迷っているうちに、現場検証が終わったので電車が動くというアナウンスが入った。一斉に反対側のホームに乗客が移動する。私もその流れについっていった。1時間遅れで動きはじめた急行はラッシュ時のように満員だ。だけど、これに乗らなきゃ間に合わない。おばさん根性を発揮してぐいぐいと中へもぐりこむ。

というわけで、思わぬ足止めをくらいながらも開演前に下北に到着しチケットを引きかえられた。つくづく早番で良かったと胸をなでおろす。

でも、今日の新聞によると…、亡くなったみたいだ。それも中学生が…。救助されたって言っていたのに。冬休みが始まった日に命を落とすなんて。お休みは楽しいはずでしょ。なして、生き急ぐ?何千人もの乗客を混乱させて消えていった命。悲しすぎるよ、全く。とりあえず、生きてみなきゃいけないよ。

ご冥福をお祈りします。

ウン○効果…

2009年12月23日 | 日常あれこれ
ウンがついたお陰か否か、クリスマス会が無事終了!例年のごとく、乳児クラスはいつもと違った雰囲気に驚いて、みんな固まってしまったが、それでもクラス発表の頃には少しはリラックスしていつもの姿を見せていた。

でもハプニングはやっぱりあった。2歳児の子が出番前にゲ○~
さては、ノロウィルスかと子どもたちを遠ざけて、窓を開けて、塩素系消毒剤をドバドバまいが、ノロの場合は3メートル四方に飛び散るから、その場にいたら感染の可能性大だ。休み明けが心配だったけど、誰も具合が悪くなるこはおらす、単なる普通のゲ○だったらしい。聞くところによると、この日の朝、いつもよりたくさん朝食を取ったそうだ。それも甘いケーキをね。うん、確かに甘いにおいがしていた。クリスマス会だから張り切っちゃったのかなあ。お母様方、行事の前といえども食事は“いつも通り”にしましょうね~。

さて、怒涛のウン○攻撃のあおりは週明けにやってきた。右肩がコリコリじゃ~。たぶん、左腕でがしっと抱えてお尻を洗っていたから右に出たらしい。加えて、左のこめかみが時々、ズキズキと痛む。念のために久しぶりに頭痛薬を飲んでみたが効果なし。これは肩凝りからくるものに違いない。こういう時は動いてしまえ~とピラティスとエアロを思いっきりやったら、はたと頭痛は消えた。でも肩凝りはなおらない~~。今年のお仕事もあと残すところ3日だから、がんばって乗り切らねば…なんて言うほど深刻な状態ではなく、明日から夜遊びもラストスパートよ~。

銀河劇場、下北本多劇場、とどめは忘年会~
目指すは寝正月だ~

ウンがつく日♪

2009年12月18日 | 保育園
朝は冷え込んだが、日差しが出てきて穏やかな冬晴れになった。0,1歳児、ひさびさの全員出席でにぎやかだ。インフルエンザにも負けない元気な子どもたちを引き連れて近くの田んぼに散歩に出た。少し寒いけど、寒気に触れることも大切なことだ。「冬は寒い」ということを感じてもらわなくてはね。

稲刈りが終わった冬の田んぼは、草に覆われているが、稲株の間にぼこぼこと凹凸がある。0,1歳児が歩くには難度が高い場所だ。どこに穴がある予測できないから数歩、歩いてはズコッと転ぶ。懲りずに立ち上がりまた転ぶ。やがてどこを歩けば転ばないかがわかり走り始める子もいれば、転んだ先の稲株に興味を持ち、ひっぱり続ける子もいる。子どもっていろんなことを発見するもんだ。

さて、給食をおいしく頂いて、お昼寝の準備が始まる頃から、なんだか、ここかしこで臭ってきた~。皆、次々とウ○チをもよおしたのだ。こんな日、たまにあるのよね。ウ○チデーの始まり、始まり~。

Nちゃん、Eちゃん、Aくん、Jくん、Kくん(2回目~)、Hくん…

ホイ、私、今週は雑用担当だったもので、延々とトイレに籠って、かわいいお尻を洗ってた。はあ、ここまで続くと、なんだか楽しくなって、♪き~よし、この夜~♪と歌も歌いたくなる。快食快便、たくさん食べて、いいウ○チが出て良かったね~。

明日はクリスマス会だ~。
これだけ、ウンをつけたんだから、みんな、泣かないでね~。

ANJINバテ…

2009年12月13日 | 観劇
初日あけて、4公演目のチケットも取れてしまったものだから…、またまたいっちゃった、銀河劇場へ。品川からバスで“す~いす~いっ”とね。行きはいいのだけど、帰りはバスがなくなっちゃう。浜松町へ出るのは面倒くさいんだよなあなんてぼやいてみる。

初日よりもだいぶ落ち着いて観れたかな。もちろんハプニングはすべて修正されていた。首もゴロンゴロンと落ちないように、二人で運ぶようになったし、その黒子さんもちゃんと傘をかぶって現代人じゃなくなったし、エラーメッセージも出なかったし。何よりも、このカンパニーのチームワークの良さが早くも出ている。さすが、世界レベルの方々は人間性もできているのね。なんかみんな清々しいんだよね。

このお芝居、日本の『大河ドラマ』と比較すると、「あれれ?」ってところも多々あるが、『シェイクスピア劇』と思うと妙に納得できる。何気に家康はリア王みたいだし、淀君みたいな悪女はタイタスのタモーラとかマクベス夫人みたいだしさ。ドメニコが武家の血筋を騒がせちゃうところもありかなって。実際、そんな単純に信仰は捨てられるもんじゃないと思うけど。で、ドメニコはやはり道化役に当たるのかな。年齢的にも経験的にも当然といえば当然の立ち位置だよね。まさに等身大。でもこの位置に立てる日本の若手はやはり竜也くんしかいないのよね。すっかり先輩司祭役のジェイミーくんとは意気投合しているようで、今日も、カテコのはけ際、スキップして飛びついていた。観客の反応に相反して、こんなに楽しそうな竜也くんもめずらしいもんだ。信仰をすてて、武士に戻るドメニコ竜也にアントニオジェイミーが叫ぶんだよね。「Baby boy!」って。ここ何気にツボだわ~。

 

夜の銀劇と運河。初日の喧騒はどこへやら、静かで良いもんだった…。

一夜明けて、いつも通り、ジムへ行き、エアロへ出たら突然バテた。昼を抜いたわけでもないのに、ヘロヘロ~。連日の東京通いのつけかな?でも、懲りずに通ってやる~。

ANJIN~初日~

2009年12月12日 | 藤原竜也


ロビーにはたくさんのお祝いの花、華々しい、業界関係者と会場は独特な雰囲気でざわついている。特に、センター席に陣取る、演出家のドーラン氏とプロデュサーのホルト女史を取り巻く英国軍団がひと際目立っていた。



壮大なる戦国絵巻の大作。昔、同じく按針を扱ったドラマ『将軍』がそうだったように、“外国人から観た日本の戦国時代”という印象を受けた。でも、『将軍』ほどの違和感はない。日英のバランスが良く日本的解釈も存分に入っている気がした。

主要人物3名が背負う十字架

母国を妻子を捨てざるを得なかった按針
権力者ゆえの孤独をかかえる家康
武士の血と信仰の狭間で揺れるドメニコ

それぞれの苦悩が絡み合う。一番背負うものが大きいのは家康かもしれない。日本の歴史を変えた人物だものね。親子の葛藤、秀頼との交流などがドラマティックに描かれていた。演じる市村さんの存在感はさすがだ。トニー賞受賞のオーウェン氏にひけをとらないのが何気に嬉しかった。

悩めるドメニコの竜也くんもかっこいい。あのBee-TVの素の竜也くんと修道士は似ても似つかぬキャラだけど、ビジュアル的イメージはばっちりでとても敬虔なクリスチャンにみえた。英語の方は、よくぞここまでがんばったなあと思えるほど、流暢にしゃべっていた。ただ、字幕が舞台中央上にあり、前方席だと、首が痛くなる~。字幕なしでわかったらどんなに良かろうかって思ったよ。今回は、少し後方の席の方が絶対観やすいと思う。ま、初日、Daさんで取っていただいた貴重な前方席だから文句はいいませぬ。はい、数メートル前に竜也くんがいたもんね。相変わらず、スリムだった。ラストシーンは“お約束”の姿だったし。

先輩司祭役でもう一人、通詞役の英国人俳優がいる。ジェイミー・バラードさんというシェイクスピア俳優さんで、この方はたくさんの日本語台詞をしゃべる。竜也くん同様かなり苦労したんじゃないかなあ。発音には多少の難があるけど芝居の内容がわかるようにちゃんとしゃべっていたもの。竜也くんの英語も英国人が聞くと同じようなのかなあなんて思ったりして。この二人、カテコでポンポンと肩をたたき合い、健闘をたたえあっていた。

3時間30分の大作だが、テーマほど、重い作品ではない。場面転換も多いし、ところどころユーモアが溢れ、肩がこらずに観られた。今回はセットも豪華でお金がかかっていそうだけど、どことなくアナログ的な素朴感がある。伝統のRSCが昔から積み重ねてきた職人気質のようなものだろうか。立ち稽古が遅いというドーラン氏の現場。途中、ちょっとしたハプニングもあった。プロジェクターだかパソコンだかのエラーメッセージが日本語でしばらく出続けていたのには、「イメージブチ壊れじゃ~」と辟易したけど、逆にこれからも進化がおおいに期待できそうなだなって思った。

休憩時間に、蜷川さんがひょろひょろと歩いてらした。英語をしゃべる竜也くんをどう思ったかなあ。おりしも、「ムサシ」海外公演、詳細が発表。噂通り、小次郎は小栗くんではなく勝地涼くんに決定だって。カイジ一転、急激に海外づいている竜也くんである。