くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

天保大阪大楽!

2005年11月08日 | 観劇
大阪日帰りの旅に出発。新横浜9時50分発ののぞみに乗り12時09分に新大阪に到着。お腹がすいたのでマーメイドカフェというパンやさんで腹ごしらえ。なかなかおいしいパンだった。JRに乗り換えて大阪へ。さらに環状線で大阪城公園まで15分あまり。7月の近代以来、4ヶ月ぶりだ~。大阪城ホールではオレンジレンジのコンサートがある模様。こちらは若者が長蛇の列。一方、目指す、シアターブラバにもマダム達が集合!ポスターには完売御礼の赤札が!

9月の初日から数えて61公演。最初はホントにできるのかしらと心配だったがついに終わってしまうのね。5月のチケ取りから天保に明け暮れた夏だった。もう秋になってしまったけど。

大阪公演は今日しか観ていないのでなんともいえないのだけど、なんか全体的にきっちりとよくまとまっている気がした。東京公演は暴走してたがが外れそうになったりしたけど、そこら辺が正統的に軌道修正された感じ。演出が変って、芝居のポイントが明確化されてよりわかりやすい。たとえば…、三世次のお光への恋心をお里が冷やかす場面なんかも、三世次の心情がよく伝わってきた。そこだけじゃないのだけど、群像劇として主役の三世次の存在感がぼやけがちだったのが、しっかりしてメリハリがついた。蜷川さん、最終コーナーを回って手綱を締めなおしたのかなあ。この人も職人気質だ。いじらずにはいられない。こうと思ったらどんどん変えていく。だから、何度も観たくなってしまうのだけど。

これだけのすごい役者さんたちが61公演も続けると、もう作品が極まってしまう。だからといって、東京公演より小さくまとまっているわけではない。皆さん、全力を尽くしていらっしゃる。自分の役割をよく理解した上で。だから、才能がぶつかりあってもけんかにならずに調和する。力の押し引きというか間が絶妙。勘だけで通じてしまう。それは、日々、繰りかえし演じ続ける舞台だからこそ出来たものだ。この瞬間を観れただけでも、往復5時間かけて大阪へ行ってよかったと思った。

以下、私の独断の採点…
良くなったのは唐沢くん、涼子ちゃん、そして高橋恵子さん。
唐沢くん、涼子ちゃんは蜷川さんとは久しぶりというのもあって最初、探っていた部分もあったんじゃないかなあ。だんだん、余裕が出てきた。
恵子さんは初の悪女役で苦労したみたい。啖呵が切れなくて泣いたってインタビューで言ってた。あれだけのベテランの大女優が、泣くほど悩むんだなあってびっくりした。高みを目指し続けているんだなあ。恵子さんのドス声とたべっぷりは素晴らしかった~。

最初から120点で走り続けたのは…
夏木さん、白石さん、そして我らが竜也くん 蜷川舞台をよく知っているからこそ手を抜くことがない。それができる集中力って凄いなあ。だって、気持ちがなえるときや体調が悪いときだってあるでしょう。凄いエネルギーの持ち主たちだ。やっぱ、こいつらただものじゃないっていうのは本当だ。

キラリと光っていたのは…
洋さん、勝村さん、鞠谷さん、お代官様に隊長さんも良かった。

でかくて高いプログラム。迷ったけど、記念にと購入。写真が舞台写真で迫力。あと字が大きくて読みやすい。記事の内容はレイアウトが違うだけど東京公演のと同じだった。

さてさて、カーテンコール。色とりどりの風船が降ってきたかと思えば、花火が上がる。そして、笑顔、笑顔に大拍手!で、竜也くんはやっぱり控えめ。というかこの舞台はみんなが主役なんだよね。唐沢さんも前に出ない。最後に蜷川さんと一緒に演出部の人や裏方さんが中央に出てこられたのを見て納得できた。こういう陰で支えた人達のおかげで61公演の長丁場を乗り切ることが出来たのだ。作品以上に人と人の力の結集を見せつけられた。

蜷川さんあなたは偉大です。これからも疾走し続けるジジイでいてください

帰りは駅弁を楽しみしていたのにちょうど、ラッシュ時にぶつかり全て売り切れ 仕方がないからおみやげやさんで焼きさば寿司を買った。焼いてあればあたらないかなあって。でも、これ、ボリューム満点でおいしかった

午後10時過ぎ、無事に新横浜に到着。出発から12時間、なんか夢のような一日だったなあ。