くらげのごとく…

好きなことを考えてふわふわ漂ってるような
時間が心地良かったりする。
たとえ時間の無駄遣いだったとしても…。

うれしひ

2005年09月11日 | 観劇
スポクラのエアロ仲間の一人に、小劇場に詳しい人がいる。マイナーな劇団の中からキラリと光る人を見つけるのが楽しいそうだ。とにかく、かっとんでいる人で劇団の人とお友達になってしまうくらい熱心なのだ。

そんな彼女に誘われて、“帰ってきたゑびす”2005年度秋公演「うれしひ」というお芝居を下北沢「劇」小劇場で観た。120席ほどの小さな劇場。舞台と客席が密接しているので、役者さんたちの息遣いが伝わってくる。

お芝居のテーマは投身自殺(かな?)出演者達は過去を語りながらお化けと化す。作・演出の進藤則夫さんが15年前に書き下ろした作品を、オフィス怪人社IKKANさん(友達はこの方を追っかけている。)を客演に迎えてリメイクしたらしい。それが、現代社会を反映しててなかなか面白い。不倫あり、ひきこもりあり、自殺サークルあり、薬物依存ありで。こう書いていると、暗くて重たい作品みたいだが、それがそうでもない。結構ライトな感じ。時々、テーマソングのように流れるユーミンの「私のフランソワーズ」が妙にノスタルジックだった。

『振り返ってみれば、何が絶望的かって、学校の休憩時間に何もやることが無くて、誰とも話すことが無くて、机に突っ伏して、寝てるフリしてる。あの時間が絶望的だったんじゃないかな。あの机に突っ伏している時、オレは何を待っていたのかなぁ』

『やっぱり私には「やさしさのかけら」も無いみたいです。私は意地の悪い女だから、もうこれでいいのかもしれないなって……。でも、いざこうして、あなたに優しくしてもらうと、わたし思うの。……「うれしひ」って』


面白かったのは自殺サークルのチャットシーン。「かっこわらい」とか言う台詞が出てきちゃう。今、流行りの電車男みたい。あと、役者さんたちのスローでんぐりがえし。投身自殺を表現してるのかなあ。あれだけゆっくりひっくり返るには相当、腹筋が必要だ。みんながんばって筋トレもしてるんだなあって感心してしまった。

先日観た、「天保十二年のシェイクスピア」の様な華やかな作品もあれば、小さな劇場でのアングラチックな作品もある。私は両方好き。(節操なくてすみませんっ。)少ない予算の中で必死にがんばっている若者達も素敵。第一線で戦い続けるプロフェッショナルさも素敵。舞台は生物、いつも真剣勝負。ごまかしがきかない本音の世界。だから、面白いのだ!

↓公演特設サイト
http://www.h6.dion.ne.jp/~shinpei/tokubetu/interview.htm