長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

沈静! バットマンざんまい ~人生いろいろ、ジョーカーもいろいろ~

2011年06月20日 23時55分06秒 | マンガとか
 こんばんは~、そうだいです。いよいよムンムンムシムシしてまいりましたね~。気温が上がって寒くなくなったら寒くなくなったで、今度は不快指数があがってきちゃうんだよねぇ。キビシ~っ!


 いやーまったく、最近はアイドルのことしか考えてない日々が続いておりまして。
 いよいよハロプロに入っちゃいましたからねぇ。21世紀も近くなってきたし、2011年の終わりに向けて最後のきばりどころにさしかかってきたな~という心境なんですけれども。

 ……これ、私が勝手にやってるだけなんだよねぇ。なんのむくいもねぇんだよ。
 なんだろねぇ。別にやりたくないことをイヤイヤやってるわけでもないんで後悔は1ミクロンもないのではあるのですが。

 2ヶ月かかっても終わりそうになくなってきたね……まぁ確実に進んでるからいいんだけどさぁ!
 イヤーほんと、先月の私もとんだくわだてをしてくれたもんですよ。くわだてた先月の私も阿呆なら、それをやり続けてる今月の私も阿呆ですよ!

 バカなのね~、バカなのよ~ってなもんでい。へへ~んだ!!


 ということでして、今回は気分転換にまたしても「バットマン」関連の話をつづってみたいと思います。
 先月あたりから私の中で突如として始まった、アメコミの「バットマン」シリーズ読みあさりブームだったのですが、さすがにそろそろ終わりが近づいてきたようです。

 早くも買い尽くしてしまったというわけでもなく、まだまだ書店に買いたいタイトルは残っているのですが、サイフと相談しつつチマチマと買い集めた結果として、あと2~3本といったあたりで値段がけっこうするものしか残ってない状態になっちゃったんですね! まぁ当然よ。
 何度も言うように、アメコミの日本語訳単行本はちゃんと高いだけのクオリティが保証されているものなのですが、それでも1冊3千ウン百円のコミックスが前後編て。
 いや、いつかは買うよたぶん!? 買うけどさぁ……ちょっとは落ち着きたいじゃない?

 私が買おうとしているバットマンものの中でも、特に最後にゲットするぞと想定しているラスボス的存在は、そのビッグスケール前後編で発売されている『バットマン ロング・ハロウィーン』。
 これは楽しみですね。まずは一流の推理小説にも匹敵すると評されている、謎の連続殺人犯「ホリデイ・キラー」を追うというサスペンスフルな内容に惹かれるんですけど、なによりも来年に公開される予定の『バットマン ダークナイト・ライゼズ』にそのホリデイ・キラーが現れるらしいんですよ。
 ということは、バカ正直に考えれば『ライゼズ』の直接の原作が『ロング・ハロウィーン』になるはずなので、来年までにはなんとか予習をすませておきたいんですなぁ~!

 しかし、ここはクールダウンして物事を考えなければ。おそらく、すぐに絶版になるということもないでしょうし、今すぐに本能のおもむくままにすべてを買い集めて破産するわけにはいかんのです。アメコミで給料日前の空腹は満たされねぇんだよ。

 ということで、今月の「バットマン」は次の2本でいったんストップということにあいなりました~。


『バットマン アーカムアサイラム』(1989年10月 原作・グラント=モリソン 作画・デイヴ=マッキーン)
『ジョーカー』(2008年10月 原作・ブライアン=アザレロ 作画・リー=ベルメホ)


 まったく、レベルたけぇなぁ~どっちも。存分に堪能させていただきました。

 別にそんなことを前もって考えて買ったわけではないのですが、この2作はバットマンシリーズの無数のタイトルの中でも特に対称的な、描かれた時期もテイストもまったく違うものではあるものの、意外や意外、実に運命的な共通項があったんですね。いや、私も読み終わったあとに気づいたんですけど。

 この2作は、どちらも作品のラスボスというか「悪側の主役」というポジションにあのジョーカーさまが選ばれているのですが、どちらも、ハリウッドで大々的に映画化された「実写版のジョーカーが活躍する『バットマン』」が世に出た直後に発表された作品だったんです。
 『アーカムアサイラム』の場合ですと、その4ヶ月前の6月には、あのジャック=ニコルソンがアゲアゲアッパーなジョーカーを演じきった『バットマン』が公開されていましたし、『ジョーカー』の3ヶ月前、7月に公開されていたのはかの有名なヒース=レジャーによるカオス系ダウナーなジョーカーが映画全体を乗っ取ってしまった『ダークナイト』だったのです。

 要するに、『アーカムアサイラム』と『ジョーカー』は、時代こそおよそ20年ものひらきはあるものの、お互いどちらも発表された時期に、
「さ~て、本家アメコミのほうのジョーカーはどんな感じなのかナ~!?」
 というハードルがん上がりの状況に直面していた作品だったわけなのですよ。苦労人ね~!!

 とはいうものの、さすがはアートの域にまで達しているクオリティをほこるアメコミの世界。世間を騒がせている映画のイメージなんぞにはピクリとも動じません。ちゃんとそれぞれの独立独歩の「ジョーカー像」をたちあげてくれているんですなぁ。

 『アーカムアサイラム』のジョーカーは、もうまさに「悪役とか人間とかじゃない神の域にいるジョーカー」。もうバットマンにさえ倒せる存在ではなくなっています。いや、バットマン「だからこそ」、自分の正真正銘のネガとなっているジョーカーは永遠に倒せないのか。
 タイトルにもなっている「アーカムアサイラム」とは、凶悪犯罪の多いゴッサムシティ(バットマンシリーズの物語の舞台となる架空のメガロポリス)の中でも特にタチの悪い、しじゅうバットマンと闘っているような極悪・異常な犯罪者たちが特別に収監されることとなっている収容施設の名前です。ありていに言えば精神病院の役割を持った監獄、ということになるでしょうか。
 で、『アーカムアサイラム』は、ある日突然にアーカムアサイラムを不法占拠してしまったジョーカーが、解放した凶悪犯罪者たちがウヨウヨしているアサイラムにバットマンを呼び出し、彼が無事に生き残って出られるかどうかをニヤニヤしながら見つめる、という内容の物語となっています。ここでのジョーカーの目的は、バットマンの精神をおいつめて自分たちと同じような「悪の異常者」に仕立てあげることらしいので、別にジョーカーみずからがバットマンと正面切って殴り合うことはありません。

 いや~、この『アーカムアサイラム』はとんでもねぇよ。
 だってマンガじゃないんだもん、1コマ1コマがほんとに「絵画」なんだもん! コラージュとか点描とか、油彩水彩なんでもござれという、何度観ても必ず何かの新発見がある約120ページものクレイジーな万華鏡が展開されているのです。
 これで3000円弱っていうのは、本当に安い。結局、今の私の家には10タイトルくらいの「バットマンもの」があるのですが、これはダントツに1位ですね。

 なんてったって、作品の中に出てくる登場人物のうち、警察側のボスであるゴードン本部長以外、全員そろいもそろって「きち×い」だけしかいないんですからね。バットマンだって、真剣な顔をしてコウモリの格好をして歩き回ってるんですから正気じゃないでしょう。
 恐ろしいです……まった、この作品のジョーカーの顔がほんとに恐い恐い! 笑ってる表情が底なしに恐いんだからどうしようもないっす。30歳すぎてからこの本に出逢って実に幸運でした。高校生までだったら確実に夢に出てきてます。

 とにかく、この作品の「戦い」とは、バットマンがジョーカーのいざなう「黒い狂気の世界」に堕ちてしまうかどうかの戦いなのですが、それだけに、ジョーカーが解放した凶悪犯罪者たちとバットマンが繰り広げるバトルも、それ以外のアメコミや実写映画では絶対に描写されないような常軌を逸した次元のものとなっているのです。
 見よ、この壮絶なる「アーカムアサイラム10番勝負」のありさまを!!


第1戦 バットマンVS「犯罪界のプリンス」ジョーカー
 ……ジョーカーがバットマンのおしりをさわってびっくりさせたのでジョーカーの勝ち

第2&3戦 バットマンVSプロフェッサー・マイロ&ブラックマスク
 ……マイロもブラックもバットマンに会うことができなかったのでバットマンの不戦勝

第4戦 バットマンVS「悲劇の泥人間」クレイフェイス
 ……バットマンが「私にさわるな!」とクレイフェイスの脚を蹴ってバットマンの勝ち

第5戦 バットマンVS「夢をあやつる死神」ドクター・デスティニー
 ……バットマンがまだ気づいていないデスティニーを階段の上から突き落としてバットマンの勝ち

第6戦 バットマンVS「恐怖を司るかかし」スケアクロウ
 ……スケアクロウが気づかないうちにバットマンが逃げたのでスケアクロウの不戦勝

第7戦 バットマンVS「予測不能の狂気の帽子屋」マッドハッター
 ……マッドハッターが言いたい長ゼリフを言って満足したので戦いにならずドロー

第8戦 バットマンVS「神の国を創るのだ」マキシー・ゼウス
 ……バットマンがゼウスの長ゼリフの途中で去ったのでバットマンの勝ち

第9戦 バットマンVS「怪力のワニ男」キラークロック
 ……やっと戦いらしい戦いが展開されるが、ギリギリで機転を効かせたバットマンの勝ち

最終戦 バットマンVS「2つの顔を持つ男」トゥーフェイス
 ……生か死か、果たしてバットマンの運命や、いかに!?


 すごいでしょ~!? これ、『ピューと吹く!ジャガー』じゃないですからね。大まじめなアート系アメコミですから。
 こわいね~。バットマンも必死ですよ。全然かっこよくありません。

 『アーカムアサイラム』。とてもじゃないですが万人向けとは言えません。言えませんが! 万人に1度はのぞいていただきたい狂気の傑作でございます。


 約20年前につくられた『アーカムアサイラム』にくらべると、2008年に世に出た『ジョーカー』は、だいぶ今風で読みやすい作品になっています。

 タイトルのとおり、『ジョーカー』は完全に最初っから最後まで約120ページにわたってジョーカーが悪の限りを尽くすという内容で、物語はジョニーという、運悪くジョーカーの下っ端になることになったチンピラからの視点でつづられています。
 この作品のジョーカーは殺人でも強盗でもなんでもこなす「現実的」な悪人で、その点では『ダークナイト』のジョーカーとも非常に通じるところのある人格になっています。
 しかしながらヒースの演じたジョーカーよりはもっとテンションの高い凶暴性もあって、力ずくで対抗勢力をツブしながらゴッサムシティの夜を支配していくという、ある意味『仁義なき戦い』か『龍が如く』に出てきてもおかしくないようなリアルなすごみと魅力のある「漢(おとこ)」でもあるわけなんですね。
 またねぇ、セリフをひとっつも言わずに黙ってジョーカーについていく「情婦(おんな)」ハーレイ・クイン姐さんがカッコイイんだ! キャラクターが他の作品とであまりにも違いすぎるんですが、ここでのハーレイは実にいい仕事をしてくれています。

 そう。この『ジョーカー』におけるジョーカーの魅力とは、まさに『アーカムアサイラム』とは正反対の「人間らしさもある極悪人」というところなんです。

 「人間らしさ」。それはつまり、「どたんばにリアルに弱い」ってこと!!

 ここでのジョーカーは確かにカリスマ性にあふれた名悪役なのですが、敵の鉄砲玉に銃をつきつけられたらとたんに思いっきり情けない顔になるわ、自分にしたがわないトゥーフェイスの態度にキレたと思ったらその夜にはハーレイに抱きついてオイオイ泣いてるわで、なんだかとっても憎めないところのある人なんですね。全然かわいくないけど。
 そして、数々の悪行の果てにはバットマンとの対決が待っているという70年ものの定番パターンとなるのですが、まぁ~このジョーカーはバットマンをこわがるこわがる。

 この『ジョーカー』の中でバットマンが活躍するのは、ほんとにラストの10ページにも満たないくらいなのですが、限られたコマ数をムダなく有効利用して、きわめて計画的にジョーカーの手下であるハーレイやキラークロックをコテンパンにのしていくバットマンに親玉ジョーカーはオロオロするばかり。しまいには、悪の帝王に君臨していた頃の貫禄とのあまりのギャップになんだか笑えてきてしまったジョニーを「シャラップ!」とブン殴るしまつ。ボス、あんたもうおしまいだよ。


 こうして比較してみると非常におもしろいのですが、『アーカムアサイラム』では神になったジョーカーと人間らしい情けなさのにじむバットマンという対比がきわだっていたのに対して、『ジョーカー』では徹底的に人間的なジョーカーと神のように無敵なバットマンというまったく逆の構図になっているのです。

 ジョーカー。深いですね~!! まさに主人公バットマンとは「陰と陽」、「闇と光」の関係にあるのですな。そりゃ簡単には消えないわ。

 さぁ、私たちが次に出逢うジョーカーは、いったいどんな表情を浮かべて笑ってくれるのでしょうか。
 早く次なる勇姿が見たい! そしていい加減、相方のハーレイ・クインにも銀幕に登場するチャンスをあたえてあげたりーな、ワーナーのおえらいがたは~ん。

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