長岡京エイリアン

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これから読もうと思ってんだけどさぁ2  ~前勉強をつらつら~

2013年10月17日 23時07分23秒 | すきな小説
『エアリアルシティ』(1997年7月 メディアワークス電撃文庫)

 小説家・川上稔の代表作「都市シリーズ」の第2作で、異世界の都市ロンドンを描く長編ファンタジー小説。
 1995年の第2回電撃ゲーム小説大賞(現在の電撃小説大賞)にて、2次選考を通過。その後落選したが、翌96年の『パンツァーポリス1935』の金賞受賞を受けて、改稿された上で、1997年7月にデビュー後第1作として刊行された。
 次作である『風水街都 香港』(1998年6~7月)に直接通じる作品で、「自動人形(ザイン・フラウ)」や「言詞砲(バベル・カノン)」が登場するなど、都市シリーズの世界観を初めて前面に大きく打ち出した作品でもある。前作『パンツァーポリス1935』(1997年1月)に比べて設定などが難解になっている。
 文庫版のイラストはイラストレーターの中北晃二が担当した。

あらすじ
 15世紀後半以来、書物の中に封印されて魔物たちの国となったイギリス王国の架空都市ロンドンで、次々に異族たちが殺される事件が発生する。

物語の時間設定について
 作中で具体的に時系列が記されることはなかったが、「十数年前に発生した神と悪魔との戦争(神魔戦争)の影響で、人間界でも第一次世界大戦が勃発した。」という内容の会話があったり、ドイツ出身のラルフ神父が、「鉄血主義の我が国でも、あと少しで宇宙へ出ることが可能になるところでした。」と発言しているため、前作『パンツァーポリス1935』よりも過去、冒険家フーバー=タールシュトラーセの有人気圏外探査船の打ち上げ実験失敗よりも未来の、「1920年代後半」あたりが本作の時間設定であると考えられる。
※その後、「都市シリーズ」の第6作『機甲都市 伯林』の第2巻(2000年)で、本作が「1933年」に起こった出来事であることが明記された。う~ん……当たらずとも、遠からず?


主な登場キャラクター

アモン
 翼を持たない魔族。周囲からは「ニアデス(死にたがり)」と呼ばれている。
 もともと街頭孤児だったが、2年前の異族虐殺事件に関係して逮捕され、現在は酒屋店主の人狼ジョナサンのもとで保護観察期間中。

クラウゼル
 アイレポーク式自動人形。ロンドン警察庁の警察官。常に目を閉じていて視覚機能を持たない。

警部
 ロンドン警視庁に住む謎の男。言実化(オーバーライド)と言影化(オーバーロス)の能力に優れる。

フィルアス
 猫人。もともとは街頭孤児のリーダーで、現在は警部の部下。アモンのことをよく知る。

リックラント=ヴァレス
 人間。本名ライクル=ボルドーゾン。魔族と対等に闘うことができる「幻崩の衛士(ハウンド)」。欧州五行総家の生き残りである。
 1921年に魔物の襲撃を受けて妻を亡くしている。その際に魔物の血を浴び、悪魔契約術「駕契約(オーバーコントラクト)」を会得している。

モイラ=テルメッツ
 人間。本名エリス=テルメッツ。魔女の能力を持つ幻崩の衛士。
 かつてボルドーゾン家に仕えていた小間使いの生き残り。詠唱式魔術や結界術を用いる。

ラルフ=グルト
 人間。幻崩の衛士。神父でありながら神と天使を憎んでいる。長銃(ライフル銃)・散弾銃・短機関銃といった火器を駆使して異族を狩る銃師。

フランドル=アイレポーク
 ロンドン警視庁の地下室に住む自動人形技師。クラウゼルの親。

ジョナサン=ホランド
 人狼。酒屋「満月酒庫」の店長。アモンの保護観察を行っている。
 第一次世界大戦中に右腕を戦車砲で吹き飛ばされ、義腕を装着している。

グロース
 天使。ジョナサンの親友だが、アモンを苦手としている。

アイレン(故人)
 女性の木霊。2年前の異族虐殺事件で死亡している。アモンとは深い関係にあったらしい。

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