映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX 』(2011年12月公開 95分 東映)
映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX 』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズの第22作『仮面ライダーフォーゼ』と第21作『仮面ライダーオーズ』の劇場版作品。
キャッチコピーは「2011年冬、MOVIE大戦が進化する。」、「この冬、最大の興奮、キターッ!!」、「大地で、大海原で、大宇宙で! 時空も超えるメガ盛りスーパーバトル!」。
仮面ライダー生誕40周年記念作品。放送中の仮面ライダーと前作の仮面ライダーが共演するクロスオーバー作品『 MOVIE大戦シリーズ』の第3弾。『フォーゼ』としては初の、『オーズ』としては4作目にあたる劇場版作品。と同時に、仮面ライダーシリーズ生誕40周年記念企画の最後を締めくくる作品でもある。
従来の3部構成ではなく、本作ではゲストキャラである、栄光の7人ライダーと仮面ライダーW をメインに据えた2つの副章「幕開け(序章)」と「風都 暗躍する陰謀(ブリッジ)」がさらに用意され、『序章(7人ライダー編)』→『オーズ編』→『ブリッジ( W編)』→『フォーゼ編』→『 MOVIE大戦』の5部構成となり、各パートが時系列順に進行する様になった。
敵側では、『仮面ライダーW 』に登場した敵組織「財団X 」が登場する他、宇宙をテーマにしたつながりとして、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場したサドンダスと銀河王が、リファインされる形で財団X の幹部として再登場する。
本作は、『仮面ライダーW 』の TVシリーズ本編や Vシネマ、劇場版と、『仮面ライダーオーズ』の TVシリーズの後日談として描かれている。『仮面ライダーフォーゼ』に関しては具体的な時期系列こそ不明だが、TVシリーズに組み込まれた作りになっており、本作の後に放送されたエピソードや劇場版に、財団X やフォーゼ・ロケットステイツ・ロケットスイッチスーパーワン、美咲撫子が登場している。
全国301スクリーンで公開され、2011年12月10・11日の初日2日間で興行収入約3億8千万円、動員約33万3千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。最終的な興行収入は約15億1千万円。
あらすじ
「幕開け 戦え!伝説の7人ライダー(序章)」
宇宙から隕石群が飛来し、落下地域で異常事態が次々と発生。隕石の一つに付着していた宇宙生命の種「 SOLU 」をめぐり、伝説の7人ライダーと財団X は世界各国で激闘を繰り広げるが、SOLU は財団X の手に渡ってしまう。
財団X は次なる目的を、メダル・スイッチに向ける。
「仮面ライダーオーズ アンク復活と未来のメダルとつながる希望」
夢見町の港に落ちた隕石によって時空が歪み、40年後の未来につながるワームホールが発生。そこを通じて未来のコアメダルを使用して変身した悪の仮面ライダー「仮面ライダーポセイドン」が現代に現れた。
「戦い」の欲望に突き動かされるポセイドンは、この時代の仮面ライダーであるオーズ・バース・プロトバースとの交戦を望み暴れ回る。鴻上ファウンデーションは事態収拾のため、それぞれの日常に戻っていた火野映司(オーズ)・後藤慎太郎(バース)・伊達明(プロトバース)の3名を夢見町に呼び戻す。
バースとプロトバースはポセイドンに敗北し戦闘不能となるが、グリードとの戦いの末に消滅したはずのアンクが出現し、持ち前の策略でポセイドンが所持していたコアメダルを奪取。これによって映司がオーズとして復帰を果たし、ポセイドンと対決する。
「風都 暗躍する陰謀 颯爽!仮面ライダージョーカー(ブリッジ)」
左翔太郎(仮面ライダーW / 仮面ライダージョーカー)は、風都で SOLUを移送中の財団X と遭遇。翔太郎はジョーカーに変身し、ヤミーを使って応戦する財団X を蹴散らすも、その戦いの最中で SOLUが行方不明になってしまう。
一方、7人ライダーは財団X の保有する秘密空港「空港X 」に辿り着き、財団X の幹部レム・カンナギと対峙するが、カンナギの罠にはまり、それぞれコアメダルとアストロスイッチに変換されてしまう。
「仮面ライダーフォーゼ 撫・子・降・臨」
天ノ川学園高等学校は学園祭の時期を迎え、仮面ライダー部の面々も伝説の7人ライダーに関する調査結果を発表し、学園祭を楽しんでいた。そこへ突如、上空から昴星高校の制服を来た謎の美少女・美咲撫子が降ってきた。撫子を間一髪抱き止めた如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)は、撫子に一目惚れしてしまう。
仮面ライダー部が撫子に事情を聞く中、突如撫子を狙ってホロスコープス配下のダスタードが多数襲来し、撫子を守るため弦太朗はフォーゼに変身して交戦。すると撫子も唐突に仮面ライダーなでしこへと変身し、フォーゼと共闘を開始する。
「 MOVIE大戦 MEGA MAX 」
隕石群によって起こった一連の事件がつながると共に、カンナギが財団X を離反し、未来のコアメダルだった SOLUと、それをアストロスイッチに変換した「 SOLUスイッチ」の2つを独占する。
カンナギを追う W・オーズ・フォーゼの3大ライダーは一同に会して決戦に臨むも、カンナギが差し向けた怪人大軍団が彼らの前に立ち塞がる。オーズとフォーゼの力で元の姿を取り戻した7人ライダー、40年後の未来から現れたオーズの仲間「仮面ライダーアクア」も加わり、オーズとフォーゼは共に戦いを終局させるため、カンナギが SOLUスイッチの力で変身した「超銀河王」との大気圏上での最終決戦におもむく。
主な登場キャラクター・用語
如月 弦太朗 / 仮面ライダーフォーゼ …… 福士 蒼汰(18歳)
仮面ライダーフォーゼに変身する主人公。天ノ川学園高等学校2年B組に転入してきた男子生徒。17歳。一人称は「俺」。
学園内では規定の制服を着用せず、短ラン・Tシャツ・ボンタン(冬場はスカジャン)、つぶして薄くした革製の改造学生鞄にリーゼントという昭和時代の不良のような格好にアイデンティティを持つ。
転入初日にゾディアーツと遭遇し、賢吾から奪ったフォーゼドライバーで変身。当初は賢吾と対立するもユウキのアドバイスにより、自分がフォーゼに変身する肉体労働、彼に分析や助言を任せる頭脳労働という関係を成立させ、仮面ライダーフォーゼとして闘うこととなった。その後フォーゼの力で学園を守るべく、独断で「仮面ライダー部」を創立、高校生活をエンジョイするかたわら、仲間を集めてゾディアーツから生徒を守る闘いをくり広げる。
歌星 賢吾 …… 高橋 龍輝(18歳)
2年B組在籍の男子生徒。17歳。一人称は「俺」だが、第12話で一度だけ「僕」を用いていた。
明晰な頭脳の持ち主だが生まれつきの虚弱体質で、「保健室の先生より長く保健室にいる」という噂があるほどだが、それを口実に授業のサボタージュも多いため、優秀な成績にも関わらず進級に支障が出かねないほど内申点は著しく低く、教師からは問題児扱いされている。本来ならば自らフォーゼに変身したいが、その体質のために変身できずにおり、自身の虚弱さに憤りを抱いている。
内向的で他者に対して心を開くことは滅多にない。更に毒舌家でもあり、思った事は歯に衣着せずにズバズバと言い、価値観のそぐわない相手に辛辣な言葉をぶつけたり、「時間の無駄」としてしばしば物事を否定する。弦太朗の編入以前は、ユウキ以外にはほとんど友人もいなかったが、その物言いが的確なアドバイスになることもあるため、他の生徒からは一目置かれた存在であるほか、彼を慕う女生徒も少なからずいる。
自分の生まれる前後にアストロスイッチの開発者だった父・緑郎を失っており、現在は一人暮らしである。1年前の誕生日に贈られたゲートスイッチの力でラビットハッチへのゲートを手に入れて以来、父親の遺した資料を元にアストロスイッチとフォーゼドライバーに関する研究を行っていた。
無断でラビットハッチを使用していた「仮面ライダー部」を部活と認めていなかったが、月面に取り残されたところを弦太朗に助けられた一件から考えを改め、月面でライダー部の旗を立て「学園と地球の自由と平和を守る仮面ライダー部」の正式なスタートを宣言する。
名前は「本郷猛(仮面ライダー1号)」のアナグラム。
城島 ユウキ …… 清水 富美加(17歳)
2年B組在籍の女子生徒で、弦太朗の幼馴染。17歳。髪は黒のロングヘア。一人称は「あたし」。
天真爛漫でノリのいい性格は弦太朗と馬が合い、彼を「ゲンちゃん」と呼んでいる。天高の生徒の中では、唯一最初から彼に理解を示しており、仮面ライダー部設立に賛同し、部員第1号となる。また、フォーゼの変身時に居合わせた場合には、フォーゼの後ろで一緒にポーズを取っている。1年生の頃、宇宙科学者である歌星博士の息子であるという理由で賢吾と接触して協力し、フォーゼドライバーの使用方法も熟知していた。幼い頃に「星からの声」を聞いた経験から宇宙に憧れを抱き、宇宙飛行士になって宇宙へ行くこと夢見る宇宙オタク。
名前は結城丈二(ライダーマン)の苗字と名前を入れ替え、「ま」を加えたアナグラム。企画段階では理系のオタクっぽいキャラクターであったが、演じる清水富美加にあわせて明るいキャラクターとなった。
風城 美羽 …… 坂田 梨香子(18歳)
18歳の財閥の令嬢で、天高ではチアリーダー部部長だった。一人称は「私」。
美人だが「学園の女王」と呼ばれているのを鼻にかけ、それを隠そうともしない高いプライドを持つ傲慢な性格。しかし影では自己鍛錬を怠らないなど、1年でクイーンの座を手に入れた、芯の通った努力家でもある。それゆえに努力を怠り他者に頼りがちな者には厳しく、どんな状況に陥ろうとも、他者からの同情を極度に嫌う。その性格のため、突拍子もない行動に出る無鉄砲な一面もある。また、時にはゾディアーツをも出し抜く程の巧妙な作戦を考案するなど、知略家な一面も見せる。口癖は「 Oops!」)。
当初は弦太朗をトラッシュと見下していたが、クイーンフェスの事件を通して、彼を認めたうえで仮面ライダー部に入部する。入部当初から勝手に部長を名乗ったが、程なく他のメンバーから追認されている。一方で、チアリーダー部は取り巻き(サイドキックス)のジュンに任せて事実上引退した。恋人である隼とはクイーンフェスの事件で疎遠になったが、彼が改心して仮面ライダー部に入部したことで、恋人ではなく仲間として受け入れている。
名前は風見志郎(仮面ライダーV3)のアナグラム。
大文字 隼 …… 冨森 ジャスティン(22歳)
元アメフト部部長。制服はブレザーではなく学園のスタジャンを着用していた。一人称は基本的に「俺」だが、両親といるときは「僕」になる。
腕っ節が強く、どこかキザな言動を見せ、敬礼のポーズをする癖があるエリート。
当初は美羽と同様に弦太朗をトラッシュと見下しており、父親から学んだ帝王学に基き、「キング」(一般的なジョックのトップ)という立場を盾に独善的かつ横暴な振舞いをしてきた。だがそれは父親の期待に応えなければならないという精神的呪縛から来るものであり、本来はシャイで寂しがり屋な性格で、仲間と支え合う学園生活に憧れていた。そのため、他者から反発され周囲から孤立することに人知れず心を痛めていた。反発した部員に対する暴行の一件で参加した補習を通して、その本心を弦太朗たちにさらけ出したことがきっかけで和解し友人となる。
名前は「大」の字を「一」と「人」に分けて並べ替えると、「一文字隼人(仮面ライダー2号)」になる。
野座間 友子 …… 志保(19歳)
1年生の女子生徒。16歳。一人称は「私」。下まつげの黒メイクが特徴で、他人にノーメイクの顔を見られることを極度に嫌うが、その素顔は弦太朗からも美人と言われるほどのなかなかの美少女。無口で他者と話すことが苦手なため、たどたどしい話し方をする。
「面白いから」という理由で弦太朗を気に入り、最初の協力者となって以降は、陰ながら彼らの活動に力を貸す。一方で、独特かつズレた感覚の持ち主であることから、周囲から孤立しており、「自分に居場所がない」「自分を変えなければいけない」と思い込んでいたが、弦太朗から「今のままのお前を受け止める。」と諭され、考えを改めて仮面ライダー部に加入する。
フォーゼを「仮面ライダー」と呼んだ最初の人間であり、仮面ライダー部設立のきっかけを作った。「正義の味方」としての仮面ライダーに憧れを持っている。
苗字の「野座間(のざま)」は、仮面ライダーアマゾン( AMAZON )の綴りを逆読みしたもので、名前の「友子」は、アマゾンがまさひこ少年と「アマゾン、トモダチ。」と言って友情を交わしたことから来ている。
JK(ジェイク)…… 土屋 シオン(19歳)
1年生の男子生徒。16歳。本名は神宮海蔵(じんぐう・かいぞう)だが、気に入っていないため普段は名乗っていない。両手をクロスさせて自分のイニシャルを手先で作る「 J、K。」が決めポーズ。一人称は「俺」。
学園一の情報通を自称するお調子者で裏地を派手な色づかいにした制服のブレザーの前を開け、ネクタイを緩め、ワイシャツは襟元を開け裾を外に出すなど、だらしなく見える服装をしている。ブレイクダンスが得意であり(演じている土屋の特技であり、スタント無しで技を披露することもある)、その要領で敵の攻撃を回避したこともある。
あだ名の由来は、神敬介(仮面ライダーX)の頭文字( Jin Keisuke )から。本名の「海蔵」はカイゾーグから来ている。
湊 ミハル / 仮面ライダーアクア / 仮面ライダーポセイドン …… 荒井 敦史(18歳)
40年後(西暦2051年)の未来において、仮面ライダーとして人々を襲うモンスターと戦う使命を課せられた青年。
戦闘能力は高いが、消極的で弱々しい性格で勇気がない。当初は仮面ライダーアクアに変身することが決まったが、その性格に加えて水が苦手であったせいで、アクアシステムとの相性が悪く葛藤に苛まれる。そんな中、年老いた鴻上からポセイドンドライバーと未来のコアメダルを受け取ったことで、仮面ライダーポセイドンとして戦うことになった。
だが、ポセイドンの能力をうまく使いこなせずにモンスターとの戦闘に苦戦していたところ、40年前から飛ばされてきた無数のオーメダルが体内に侵入。ポセイドンの真の力が解放されるも、同時にコアメダルに自我が芽生えてしまい、身体の主導権を奪われ暴走、時空の歪みから生まれたワームホールを通じて強者を求めて現代に現れた。
戦いの中で映司の呼びかけに応え、ポセイドンの意思をはねのけ意識を取り戻す。その後は単独でも活動できる程に成長してしまったポセイドンから弾き出される形で解放された。
「 MOVIE大戦 MEGA MAX編」では、フォーゼと共にカンナギと対決するオーズの前に現れ、オーズに未来のコアメダルを託して、7人ライダーに加勢してダミー怪人軍団と戦った。
美咲 撫子(みさき なでしこ) / 仮面ライダーなでしこ …… 真野 恵里菜(20歳)
SOLU が、昴星高校に通う生徒「美咲撫子」の姿をコピーした姿。高い所を気に入っている他、食べ物を噛まずに吸い込んだり自分の身体の一部を別の物に作り変えたりできる。
本来 SOLUには知能がなく、周囲の言動を模倣するのみだったが、弦太朗との交流で感情を得るまでに急速進化した。カンナギに捕えられ肉体を失うも、最終的に「意思を持った高エネルギー体」となって宇宙に帰っていった。エンディングでは本物の美咲撫子も登場している。
苗字の美咲は字は、異なるが『仮面ライダーストロンガー』の電波人間タックル / 岬ユリ子から採られている。
財団X
『仮面ライダーW』に登場した、闇の組織にして死の商人。世界のエネルギーを支配するため、時空を越えた未来のコアメダルとコズミックエナジーを制御できるアストロスイッチを手に入れようと世界各国で暗躍を再開する。
世間では都市伝説とされている歴代仮面ライダーが実在することも把握しており、以前から彼らと敵対していたらしい。1号からストロンガーまでの仮面ライダー7人と死闘を繰り広げる最中、「オーメダル」(『オーズ』より)の運用技術(怪人ヤミーやグリードの生成、変身機構、ドライバーの製造など)を入手している。
本作では、『W』におけるガイアメモリと同様に人間を怪物化させるキーアイテム「ゾディアーツスイッチ」を開発した組織「ホロスコープス」に資金援助を行っている姿が描かれている。
なお、劇中で語られることはないが、『真・仮面ライダー 序章』(1992年)で仮面ライダーシンを生み出した組織「財団」との関係も推測される。
レム・カンナギ / 超銀河王 …… 益岡 徹(55歳)
財団X の幹部で、アンノウンエネルギー開発担当。自身が「銀河の王」となるために財団への裏切りを画策し、未来のコアメダルの回収や SOLUを使ったアストロスイッチの作成を狙う。本作ではすべてのエピソードに登場している。
人間を強制的に突然変異へと促した超進化生命体「ミュータミット」を研究しており、側近にその能力を与えている。自身にもその処置を施しており、口から強烈な振動波を放つ。
最終決戦では、SOLUスイッチと未来から来たポセイドンの3枚のコアメダルを装着した「ギンガオードライバー」を用いて「超銀河王」に変身する。
未来のコアメダルから引き出した「時間を超越する力」を利用し、わずかな間だが時を停止させる能力を持っており、それを駆使することでフォーゼ・オーズの2大ライダーを圧倒する。コズミックエナジーをその手で凝縮して強烈な破壊光線として放つ能力も持つ。SOLUの能力を転用してコズミックエナジーで精製したローブ状の装甲は防具としての役目に留まらず、戦況に応じて適した形状の武器に自在に変形させることが可能で、自分の意思で遠隔操作もできる。
エクソダスで大気圏を突破してコズミックエナジーをフルチャージしてしまうと、全世界のエネルギーを支配下におき、時間停止能力も更なる進化をとげ、何者も手出しができない程の絶対的な力を得てしまう。その野望を阻止するために仮面ライダーたちが決戦を挑む。
原典は映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場した銀河王だが、もともと人間であるため、地球外の機械生命体だった原典との直接の関係はなく、デザインも大きく異なる。
カタル / サドンダス …… ダンテ=カーヴァー(34歳)
カンナギの直属の部下の黒人男性。超進化生命体ミュータミットで、ドラゴンのような姿をした怪人サドンダスへの変身能力を持つ。寡黙な人物で、本編中で喋ることはほとんどない。「フォーゼ編」でサドンダスに変身し、フォーゼの足止めのために立ち上がる。
サドンダスは、その口から高熱線を吐くなど高い戦闘能力に加え、翼を使った飛行能力やフォーゼ・ファイヤーステイツの「ライダー爆熱シュート」にもビクともしない耐久力を持つ。
ただし、彼に施されたミュータミット技術は試作段階のものであったため、サドンダスに変身しければその能力を発揮することはできない。
原典は、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』に登場した、銀河王の擁する最強怪人サドンダス。
のちにオリジナル DVD『仮面ライダーフォーゼ 超バトルDVD 友情のロケットドリルステイツ』(2012年6月)では、改良型としてサドンダスβ(ベータ)が登場し、仮面ライダーアマゾンやフォーゼと長期戦を繰り広げる。
ソラリス / ユニコーン・ゾディアーツ …… 人見 早苗(29歳)
カンナギの直属の部下の女性。超進化生命体ミュータミットで、常人離れした身体格闘能力を持つ。本作ではすべてのエピソードに登場している。
最終決戦ではゾディアーツスイッチを使用してユニコーン・ゾディアーツ(進化形態)に変身し、部下たちが変身したゾディアーツを率いて Wと対決する。
キイマ統制官 …… 渡辺 梓(42歳)
財団X の幹部で、カンナギの上司にあたる。カンナギの裏切りを見抜けず、彼が財団を離反する際に殺害される。
ダミー怪人
カンナギが作り出した歴代怪人の複製(ダミー)で、エクソダスを追うフォーゼとオーズの前に立ち塞がる。
テラー・ドーパント、クレイドール・ドーパント、スミロドン・ドーパント、Rナスカ・ドーパント、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズール
戦闘員
財団X が各組織との提携により得た技術で生み出した戦闘員。冒頭で世界中に飛来した SOLUを狙い、7人ライダーと戦った。マスカレイド・ドーパント、屑ヤミー、星屑忍者ダスタードの混成部隊。
SOLU(ソル)
細胞核にコズミックエナジーを内包した生命の種。SOLUとは「 Seeds Of Life from the Universe(宇宙から来た生命の種)」の頭文字。
液体金属状の宇宙生命体で、反射的に物質をコピーすることで変化や精製を行うことができる。その本来の姿から、劇中で弦太朗などには「スライム」とも呼ばれる。
知性や感情を持たない生命体と考えられていたが、弦太朗と接触する中で急激な進化を果たし心を持つようになった。
SOLU スイッチ
カンナギが、生命を物質化する装置で撫子( SOLU )を再構成したアストロスイッチ。SOLUの能力やエネルギーだけを純粋に変換したものであり、元となった SOLUの意志や記憶は消失するらしい。
ミュータミット
カンナギが研究していた超進化生命体。強制的に生物を突然変異させることで、通常の進化ではありえない形や速度で能力を発現させる。人間のままで特殊能力や高い身体能力を発揮するものから、変身能力を持つものまで様々。
未来のコアメダル
鴻上ファウンデーションが、失われた本来のコアメダルに代わって自ら開発を始め、40年後に完成させたもの。グリード発生を防ぐために不純物を排し、純粋な欲望のみで構成されている。
7人ライダーのスイッチとメダル
カンナギによって、生命体を物質化する特殊な装置で7人ライダーが変換されたもの。1号、2号、V3、ライダーマンはアストロスイッチに、X、アマゾン、ストロンガーはコアメダルにされた。それぞれリミットブレイクとスキャニングチャージを行うことで、物質化されていたライダーたちは解放された。
エクソダス
カンナギが極秘に開発させた宇宙船で、彼の拠点。スペースシャトルのような垂直発射ではなく、滑走路からマスドライバーで離陸し順次ブースターを切り離す形式をとる。
衛星軌道上でコズミックエナジーを得ることを狙っており、大気圏から出てしまうまでがカンナギを止められるタイムリミットとなる。後の『フォーゼ』の単独劇場作品『みんなで宇宙キターッ!』(2012年)では、財団Xの所有する同型機の「エクソダス・マークII」が登場する。
登場する仮面ライダー
仮面ライダー1号(声・稲田徹)、仮面ライダー2号(声・藤本たかひろ)、仮面ライダーV3(声・田中大文)、ライダーマン(声・増田隆之)、仮面ライダーX(声・千葉一伸)、仮面ライダーアマゾン(声・戸部公爾)、仮面ライダーストロンガー(声・石川英郎)、仮面ライダーW(演・桐山漣&菅田将暉)、仮面ライダーオーズ(演・渡部秀)、仮面ライダーバース(演・君嶋麻耶)、仮面ライダープロトバース(演・岩永洋昭)、仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダーメテオ(演・吉沢亮)、仮面ライダーアクア、仮面ライダーポセイドン、仮面ライダーなでしこ
……以上、昭和ライダー7名、平成ライダー3名、平成サブライダー6名の、合計16名
主なスタッフ
本編&アクション監督 …… 坂本 浩一(41歳)
脚本 …… 中島 かずき(52歳 「フォーゼ編」、「 MOVIE大戦 MEGA MAX 編」)、小林 靖子(46歳「オーズ編」)
音楽 …… 鳴瀬 シュウヘイ、中川 幸太郎(42歳)
特撮監督 …… 佛田 洋(50歳)
キャラクターデザイン …… 早瀬 マサト(46歳)、阿部 統(37歳)
クリーチャーデザイン …… 麻宮 騎亜(48歳)、出渕 裕(53歳)、篠原 保(46歳)
主題歌『 SAMURAI STRONG STYLE 』(歌唱・綾小路翔)
映画『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX 』は、特撮 TVドラマシリーズ『仮面ライダー』シリーズの第22作『仮面ライダーフォーゼ』と第21作『仮面ライダーオーズ』の劇場版作品。
キャッチコピーは「2011年冬、MOVIE大戦が進化する。」、「この冬、最大の興奮、キターッ!!」、「大地で、大海原で、大宇宙で! 時空も超えるメガ盛りスーパーバトル!」。
仮面ライダー生誕40周年記念作品。放送中の仮面ライダーと前作の仮面ライダーが共演するクロスオーバー作品『 MOVIE大戦シリーズ』の第3弾。『フォーゼ』としては初の、『オーズ』としては4作目にあたる劇場版作品。と同時に、仮面ライダーシリーズ生誕40周年記念企画の最後を締めくくる作品でもある。
従来の3部構成ではなく、本作ではゲストキャラである、栄光の7人ライダーと仮面ライダーW をメインに据えた2つの副章「幕開け(序章)」と「風都 暗躍する陰謀(ブリッジ)」がさらに用意され、『序章(7人ライダー編)』→『オーズ編』→『ブリッジ( W編)』→『フォーゼ編』→『 MOVIE大戦』の5部構成となり、各パートが時系列順に進行する様になった。
敵側では、『仮面ライダーW 』に登場した敵組織「財団X 」が登場する他、宇宙をテーマにしたつながりとして、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場したサドンダスと銀河王が、リファインされる形で財団X の幹部として再登場する。
本作は、『仮面ライダーW 』の TVシリーズ本編や Vシネマ、劇場版と、『仮面ライダーオーズ』の TVシリーズの後日談として描かれている。『仮面ライダーフォーゼ』に関しては具体的な時期系列こそ不明だが、TVシリーズに組み込まれた作りになっており、本作の後に放送されたエピソードや劇場版に、財団X やフォーゼ・ロケットステイツ・ロケットスイッチスーパーワン、美咲撫子が登場している。
全国301スクリーンで公開され、2011年12月10・11日の初日2日間で興行収入約3億8千万円、動員約33万3千人を記録し、映画観客動員ランキングで初登場第1位を獲得した。最終的な興行収入は約15億1千万円。
あらすじ
「幕開け 戦え!伝説の7人ライダー(序章)」
宇宙から隕石群が飛来し、落下地域で異常事態が次々と発生。隕石の一つに付着していた宇宙生命の種「 SOLU 」をめぐり、伝説の7人ライダーと財団X は世界各国で激闘を繰り広げるが、SOLU は財団X の手に渡ってしまう。
財団X は次なる目的を、メダル・スイッチに向ける。
「仮面ライダーオーズ アンク復活と未来のメダルとつながる希望」
夢見町の港に落ちた隕石によって時空が歪み、40年後の未来につながるワームホールが発生。そこを通じて未来のコアメダルを使用して変身した悪の仮面ライダー「仮面ライダーポセイドン」が現代に現れた。
「戦い」の欲望に突き動かされるポセイドンは、この時代の仮面ライダーであるオーズ・バース・プロトバースとの交戦を望み暴れ回る。鴻上ファウンデーションは事態収拾のため、それぞれの日常に戻っていた火野映司(オーズ)・後藤慎太郎(バース)・伊達明(プロトバース)の3名を夢見町に呼び戻す。
バースとプロトバースはポセイドンに敗北し戦闘不能となるが、グリードとの戦いの末に消滅したはずのアンクが出現し、持ち前の策略でポセイドンが所持していたコアメダルを奪取。これによって映司がオーズとして復帰を果たし、ポセイドンと対決する。
「風都 暗躍する陰謀 颯爽!仮面ライダージョーカー(ブリッジ)」
左翔太郎(仮面ライダーW / 仮面ライダージョーカー)は、風都で SOLUを移送中の財団X と遭遇。翔太郎はジョーカーに変身し、ヤミーを使って応戦する財団X を蹴散らすも、その戦いの最中で SOLUが行方不明になってしまう。
一方、7人ライダーは財団X の保有する秘密空港「空港X 」に辿り着き、財団X の幹部レム・カンナギと対峙するが、カンナギの罠にはまり、それぞれコアメダルとアストロスイッチに変換されてしまう。
「仮面ライダーフォーゼ 撫・子・降・臨」
天ノ川学園高等学校は学園祭の時期を迎え、仮面ライダー部の面々も伝説の7人ライダーに関する調査結果を発表し、学園祭を楽しんでいた。そこへ突如、上空から昴星高校の制服を来た謎の美少女・美咲撫子が降ってきた。撫子を間一髪抱き止めた如月弦太朗(仮面ライダーフォーゼ)は、撫子に一目惚れしてしまう。
仮面ライダー部が撫子に事情を聞く中、突如撫子を狙ってホロスコープス配下のダスタードが多数襲来し、撫子を守るため弦太朗はフォーゼに変身して交戦。すると撫子も唐突に仮面ライダーなでしこへと変身し、フォーゼと共闘を開始する。
「 MOVIE大戦 MEGA MAX 」
隕石群によって起こった一連の事件がつながると共に、カンナギが財団X を離反し、未来のコアメダルだった SOLUと、それをアストロスイッチに変換した「 SOLUスイッチ」の2つを独占する。
カンナギを追う W・オーズ・フォーゼの3大ライダーは一同に会して決戦に臨むも、カンナギが差し向けた怪人大軍団が彼らの前に立ち塞がる。オーズとフォーゼの力で元の姿を取り戻した7人ライダー、40年後の未来から現れたオーズの仲間「仮面ライダーアクア」も加わり、オーズとフォーゼは共に戦いを終局させるため、カンナギが SOLUスイッチの力で変身した「超銀河王」との大気圏上での最終決戦におもむく。
主な登場キャラクター・用語
如月 弦太朗 / 仮面ライダーフォーゼ …… 福士 蒼汰(18歳)
仮面ライダーフォーゼに変身する主人公。天ノ川学園高等学校2年B組に転入してきた男子生徒。17歳。一人称は「俺」。
学園内では規定の制服を着用せず、短ラン・Tシャツ・ボンタン(冬場はスカジャン)、つぶして薄くした革製の改造学生鞄にリーゼントという昭和時代の不良のような格好にアイデンティティを持つ。
転入初日にゾディアーツと遭遇し、賢吾から奪ったフォーゼドライバーで変身。当初は賢吾と対立するもユウキのアドバイスにより、自分がフォーゼに変身する肉体労働、彼に分析や助言を任せる頭脳労働という関係を成立させ、仮面ライダーフォーゼとして闘うこととなった。その後フォーゼの力で学園を守るべく、独断で「仮面ライダー部」を創立、高校生活をエンジョイするかたわら、仲間を集めてゾディアーツから生徒を守る闘いをくり広げる。
歌星 賢吾 …… 高橋 龍輝(18歳)
2年B組在籍の男子生徒。17歳。一人称は「俺」だが、第12話で一度だけ「僕」を用いていた。
明晰な頭脳の持ち主だが生まれつきの虚弱体質で、「保健室の先生より長く保健室にいる」という噂があるほどだが、それを口実に授業のサボタージュも多いため、優秀な成績にも関わらず進級に支障が出かねないほど内申点は著しく低く、教師からは問題児扱いされている。本来ならば自らフォーゼに変身したいが、その体質のために変身できずにおり、自身の虚弱さに憤りを抱いている。
内向的で他者に対して心を開くことは滅多にない。更に毒舌家でもあり、思った事は歯に衣着せずにズバズバと言い、価値観のそぐわない相手に辛辣な言葉をぶつけたり、「時間の無駄」としてしばしば物事を否定する。弦太朗の編入以前は、ユウキ以外にはほとんど友人もいなかったが、その物言いが的確なアドバイスになることもあるため、他の生徒からは一目置かれた存在であるほか、彼を慕う女生徒も少なからずいる。
自分の生まれる前後にアストロスイッチの開発者だった父・緑郎を失っており、現在は一人暮らしである。1年前の誕生日に贈られたゲートスイッチの力でラビットハッチへのゲートを手に入れて以来、父親の遺した資料を元にアストロスイッチとフォーゼドライバーに関する研究を行っていた。
無断でラビットハッチを使用していた「仮面ライダー部」を部活と認めていなかったが、月面に取り残されたところを弦太朗に助けられた一件から考えを改め、月面でライダー部の旗を立て「学園と地球の自由と平和を守る仮面ライダー部」の正式なスタートを宣言する。
名前は「本郷猛(仮面ライダー1号)」のアナグラム。
城島 ユウキ …… 清水 富美加(17歳)
2年B組在籍の女子生徒で、弦太朗の幼馴染。17歳。髪は黒のロングヘア。一人称は「あたし」。
天真爛漫でノリのいい性格は弦太朗と馬が合い、彼を「ゲンちゃん」と呼んでいる。天高の生徒の中では、唯一最初から彼に理解を示しており、仮面ライダー部設立に賛同し、部員第1号となる。また、フォーゼの変身時に居合わせた場合には、フォーゼの後ろで一緒にポーズを取っている。1年生の頃、宇宙科学者である歌星博士の息子であるという理由で賢吾と接触して協力し、フォーゼドライバーの使用方法も熟知していた。幼い頃に「星からの声」を聞いた経験から宇宙に憧れを抱き、宇宙飛行士になって宇宙へ行くこと夢見る宇宙オタク。
名前は結城丈二(ライダーマン)の苗字と名前を入れ替え、「ま」を加えたアナグラム。企画段階では理系のオタクっぽいキャラクターであったが、演じる清水富美加にあわせて明るいキャラクターとなった。
風城 美羽 …… 坂田 梨香子(18歳)
18歳の財閥の令嬢で、天高ではチアリーダー部部長だった。一人称は「私」。
美人だが「学園の女王」と呼ばれているのを鼻にかけ、それを隠そうともしない高いプライドを持つ傲慢な性格。しかし影では自己鍛錬を怠らないなど、1年でクイーンの座を手に入れた、芯の通った努力家でもある。それゆえに努力を怠り他者に頼りがちな者には厳しく、どんな状況に陥ろうとも、他者からの同情を極度に嫌う。その性格のため、突拍子もない行動に出る無鉄砲な一面もある。また、時にはゾディアーツをも出し抜く程の巧妙な作戦を考案するなど、知略家な一面も見せる。口癖は「 Oops!」)。
当初は弦太朗をトラッシュと見下していたが、クイーンフェスの事件を通して、彼を認めたうえで仮面ライダー部に入部する。入部当初から勝手に部長を名乗ったが、程なく他のメンバーから追認されている。一方で、チアリーダー部は取り巻き(サイドキックス)のジュンに任せて事実上引退した。恋人である隼とはクイーンフェスの事件で疎遠になったが、彼が改心して仮面ライダー部に入部したことで、恋人ではなく仲間として受け入れている。
名前は風見志郎(仮面ライダーV3)のアナグラム。
大文字 隼 …… 冨森 ジャスティン(22歳)
元アメフト部部長。制服はブレザーではなく学園のスタジャンを着用していた。一人称は基本的に「俺」だが、両親といるときは「僕」になる。
腕っ節が強く、どこかキザな言動を見せ、敬礼のポーズをする癖があるエリート。
当初は美羽と同様に弦太朗をトラッシュと見下しており、父親から学んだ帝王学に基き、「キング」(一般的なジョックのトップ)という立場を盾に独善的かつ横暴な振舞いをしてきた。だがそれは父親の期待に応えなければならないという精神的呪縛から来るものであり、本来はシャイで寂しがり屋な性格で、仲間と支え合う学園生活に憧れていた。そのため、他者から反発され周囲から孤立することに人知れず心を痛めていた。反発した部員に対する暴行の一件で参加した補習を通して、その本心を弦太朗たちにさらけ出したことがきっかけで和解し友人となる。
名前は「大」の字を「一」と「人」に分けて並べ替えると、「一文字隼人(仮面ライダー2号)」になる。
野座間 友子 …… 志保(19歳)
1年生の女子生徒。16歳。一人称は「私」。下まつげの黒メイクが特徴で、他人にノーメイクの顔を見られることを極度に嫌うが、その素顔は弦太朗からも美人と言われるほどのなかなかの美少女。無口で他者と話すことが苦手なため、たどたどしい話し方をする。
「面白いから」という理由で弦太朗を気に入り、最初の協力者となって以降は、陰ながら彼らの活動に力を貸す。一方で、独特かつズレた感覚の持ち主であることから、周囲から孤立しており、「自分に居場所がない」「自分を変えなければいけない」と思い込んでいたが、弦太朗から「今のままのお前を受け止める。」と諭され、考えを改めて仮面ライダー部に加入する。
フォーゼを「仮面ライダー」と呼んだ最初の人間であり、仮面ライダー部設立のきっかけを作った。「正義の味方」としての仮面ライダーに憧れを持っている。
苗字の「野座間(のざま)」は、仮面ライダーアマゾン( AMAZON )の綴りを逆読みしたもので、名前の「友子」は、アマゾンがまさひこ少年と「アマゾン、トモダチ。」と言って友情を交わしたことから来ている。
JK(ジェイク)…… 土屋 シオン(19歳)
1年生の男子生徒。16歳。本名は神宮海蔵(じんぐう・かいぞう)だが、気に入っていないため普段は名乗っていない。両手をクロスさせて自分のイニシャルを手先で作る「 J、K。」が決めポーズ。一人称は「俺」。
学園一の情報通を自称するお調子者で裏地を派手な色づかいにした制服のブレザーの前を開け、ネクタイを緩め、ワイシャツは襟元を開け裾を外に出すなど、だらしなく見える服装をしている。ブレイクダンスが得意であり(演じている土屋の特技であり、スタント無しで技を披露することもある)、その要領で敵の攻撃を回避したこともある。
あだ名の由来は、神敬介(仮面ライダーX)の頭文字( Jin Keisuke )から。本名の「海蔵」はカイゾーグから来ている。
湊 ミハル / 仮面ライダーアクア / 仮面ライダーポセイドン …… 荒井 敦史(18歳)
40年後(西暦2051年)の未来において、仮面ライダーとして人々を襲うモンスターと戦う使命を課せられた青年。
戦闘能力は高いが、消極的で弱々しい性格で勇気がない。当初は仮面ライダーアクアに変身することが決まったが、その性格に加えて水が苦手であったせいで、アクアシステムとの相性が悪く葛藤に苛まれる。そんな中、年老いた鴻上からポセイドンドライバーと未来のコアメダルを受け取ったことで、仮面ライダーポセイドンとして戦うことになった。
だが、ポセイドンの能力をうまく使いこなせずにモンスターとの戦闘に苦戦していたところ、40年前から飛ばされてきた無数のオーメダルが体内に侵入。ポセイドンの真の力が解放されるも、同時にコアメダルに自我が芽生えてしまい、身体の主導権を奪われ暴走、時空の歪みから生まれたワームホールを通じて強者を求めて現代に現れた。
戦いの中で映司の呼びかけに応え、ポセイドンの意思をはねのけ意識を取り戻す。その後は単独でも活動できる程に成長してしまったポセイドンから弾き出される形で解放された。
「 MOVIE大戦 MEGA MAX編」では、フォーゼと共にカンナギと対決するオーズの前に現れ、オーズに未来のコアメダルを託して、7人ライダーに加勢してダミー怪人軍団と戦った。
美咲 撫子(みさき なでしこ) / 仮面ライダーなでしこ …… 真野 恵里菜(20歳)
SOLU が、昴星高校に通う生徒「美咲撫子」の姿をコピーした姿。高い所を気に入っている他、食べ物を噛まずに吸い込んだり自分の身体の一部を別の物に作り変えたりできる。
本来 SOLUには知能がなく、周囲の言動を模倣するのみだったが、弦太朗との交流で感情を得るまでに急速進化した。カンナギに捕えられ肉体を失うも、最終的に「意思を持った高エネルギー体」となって宇宙に帰っていった。エンディングでは本物の美咲撫子も登場している。
苗字の美咲は字は、異なるが『仮面ライダーストロンガー』の電波人間タックル / 岬ユリ子から採られている。
財団X
『仮面ライダーW』に登場した、闇の組織にして死の商人。世界のエネルギーを支配するため、時空を越えた未来のコアメダルとコズミックエナジーを制御できるアストロスイッチを手に入れようと世界各国で暗躍を再開する。
世間では都市伝説とされている歴代仮面ライダーが実在することも把握しており、以前から彼らと敵対していたらしい。1号からストロンガーまでの仮面ライダー7人と死闘を繰り広げる最中、「オーメダル」(『オーズ』より)の運用技術(怪人ヤミーやグリードの生成、変身機構、ドライバーの製造など)を入手している。
本作では、『W』におけるガイアメモリと同様に人間を怪物化させるキーアイテム「ゾディアーツスイッチ」を開発した組織「ホロスコープス」に資金援助を行っている姿が描かれている。
なお、劇中で語られることはないが、『真・仮面ライダー 序章』(1992年)で仮面ライダーシンを生み出した組織「財団」との関係も推測される。
レム・カンナギ / 超銀河王 …… 益岡 徹(55歳)
財団X の幹部で、アンノウンエネルギー開発担当。自身が「銀河の王」となるために財団への裏切りを画策し、未来のコアメダルの回収や SOLUを使ったアストロスイッチの作成を狙う。本作ではすべてのエピソードに登場している。
人間を強制的に突然変異へと促した超進化生命体「ミュータミット」を研究しており、側近にその能力を与えている。自身にもその処置を施しており、口から強烈な振動波を放つ。
最終決戦では、SOLUスイッチと未来から来たポセイドンの3枚のコアメダルを装着した「ギンガオードライバー」を用いて「超銀河王」に変身する。
未来のコアメダルから引き出した「時間を超越する力」を利用し、わずかな間だが時を停止させる能力を持っており、それを駆使することでフォーゼ・オーズの2大ライダーを圧倒する。コズミックエナジーをその手で凝縮して強烈な破壊光線として放つ能力も持つ。SOLUの能力を転用してコズミックエナジーで精製したローブ状の装甲は防具としての役目に留まらず、戦況に応じて適した形状の武器に自在に変形させることが可能で、自分の意思で遠隔操作もできる。
エクソダスで大気圏を突破してコズミックエナジーをフルチャージしてしまうと、全世界のエネルギーを支配下におき、時間停止能力も更なる進化をとげ、何者も手出しができない程の絶対的な力を得てしまう。その野望を阻止するために仮面ライダーたちが決戦を挑む。
原典は映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』(1980年)に登場した銀河王だが、もともと人間であるため、地球外の機械生命体だった原典との直接の関係はなく、デザインも大きく異なる。
カタル / サドンダス …… ダンテ=カーヴァー(34歳)
カンナギの直属の部下の黒人男性。超進化生命体ミュータミットで、ドラゴンのような姿をした怪人サドンダスへの変身能力を持つ。寡黙な人物で、本編中で喋ることはほとんどない。「フォーゼ編」でサドンダスに変身し、フォーゼの足止めのために立ち上がる。
サドンダスは、その口から高熱線を吐くなど高い戦闘能力に加え、翼を使った飛行能力やフォーゼ・ファイヤーステイツの「ライダー爆熱シュート」にもビクともしない耐久力を持つ。
ただし、彼に施されたミュータミット技術は試作段階のものであったため、サドンダスに変身しければその能力を発揮することはできない。
原典は、映画『新・仮面ライダー 8人ライダー VS 銀河王』に登場した、銀河王の擁する最強怪人サドンダス。
のちにオリジナル DVD『仮面ライダーフォーゼ 超バトルDVD 友情のロケットドリルステイツ』(2012年6月)では、改良型としてサドンダスβ(ベータ)が登場し、仮面ライダーアマゾンやフォーゼと長期戦を繰り広げる。
ソラリス / ユニコーン・ゾディアーツ …… 人見 早苗(29歳)
カンナギの直属の部下の女性。超進化生命体ミュータミットで、常人離れした身体格闘能力を持つ。本作ではすべてのエピソードに登場している。
最終決戦ではゾディアーツスイッチを使用してユニコーン・ゾディアーツ(進化形態)に変身し、部下たちが変身したゾディアーツを率いて Wと対決する。
キイマ統制官 …… 渡辺 梓(42歳)
財団X の幹部で、カンナギの上司にあたる。カンナギの裏切りを見抜けず、彼が財団を離反する際に殺害される。
ダミー怪人
カンナギが作り出した歴代怪人の複製(ダミー)で、エクソダスを追うフォーゼとオーズの前に立ち塞がる。
テラー・ドーパント、クレイドール・ドーパント、スミロドン・ドーパント、Rナスカ・ドーパント、ウヴァ、カザリ、ガメル、メズール
戦闘員
財団X が各組織との提携により得た技術で生み出した戦闘員。冒頭で世界中に飛来した SOLUを狙い、7人ライダーと戦った。マスカレイド・ドーパント、屑ヤミー、星屑忍者ダスタードの混成部隊。
SOLU(ソル)
細胞核にコズミックエナジーを内包した生命の種。SOLUとは「 Seeds Of Life from the Universe(宇宙から来た生命の種)」の頭文字。
液体金属状の宇宙生命体で、反射的に物質をコピーすることで変化や精製を行うことができる。その本来の姿から、劇中で弦太朗などには「スライム」とも呼ばれる。
知性や感情を持たない生命体と考えられていたが、弦太朗と接触する中で急激な進化を果たし心を持つようになった。
SOLU スイッチ
カンナギが、生命を物質化する装置で撫子( SOLU )を再構成したアストロスイッチ。SOLUの能力やエネルギーだけを純粋に変換したものであり、元となった SOLUの意志や記憶は消失するらしい。
ミュータミット
カンナギが研究していた超進化生命体。強制的に生物を突然変異させることで、通常の進化ではありえない形や速度で能力を発現させる。人間のままで特殊能力や高い身体能力を発揮するものから、変身能力を持つものまで様々。
未来のコアメダル
鴻上ファウンデーションが、失われた本来のコアメダルに代わって自ら開発を始め、40年後に完成させたもの。グリード発生を防ぐために不純物を排し、純粋な欲望のみで構成されている。
7人ライダーのスイッチとメダル
カンナギによって、生命体を物質化する特殊な装置で7人ライダーが変換されたもの。1号、2号、V3、ライダーマンはアストロスイッチに、X、アマゾン、ストロンガーはコアメダルにされた。それぞれリミットブレイクとスキャニングチャージを行うことで、物質化されていたライダーたちは解放された。
エクソダス
カンナギが極秘に開発させた宇宙船で、彼の拠点。スペースシャトルのような垂直発射ではなく、滑走路からマスドライバーで離陸し順次ブースターを切り離す形式をとる。
衛星軌道上でコズミックエナジーを得ることを狙っており、大気圏から出てしまうまでがカンナギを止められるタイムリミットとなる。後の『フォーゼ』の単独劇場作品『みんなで宇宙キターッ!』(2012年)では、財団Xの所有する同型機の「エクソダス・マークII」が登場する。
登場する仮面ライダー
仮面ライダー1号(声・稲田徹)、仮面ライダー2号(声・藤本たかひろ)、仮面ライダーV3(声・田中大文)、ライダーマン(声・増田隆之)、仮面ライダーX(声・千葉一伸)、仮面ライダーアマゾン(声・戸部公爾)、仮面ライダーストロンガー(声・石川英郎)、仮面ライダーW(演・桐山漣&菅田将暉)、仮面ライダーオーズ(演・渡部秀)、仮面ライダーバース(演・君嶋麻耶)、仮面ライダープロトバース(演・岩永洋昭)、仮面ライダーフォーゼ、仮面ライダーメテオ(演・吉沢亮)、仮面ライダーアクア、仮面ライダーポセイドン、仮面ライダーなでしこ
……以上、昭和ライダー7名、平成ライダー3名、平成サブライダー6名の、合計16名
主なスタッフ
本編&アクション監督 …… 坂本 浩一(41歳)
脚本 …… 中島 かずき(52歳 「フォーゼ編」、「 MOVIE大戦 MEGA MAX 編」)、小林 靖子(46歳「オーズ編」)
音楽 …… 鳴瀬 シュウヘイ、中川 幸太郎(42歳)
特撮監督 …… 佛田 洋(50歳)
キャラクターデザイン …… 早瀬 マサト(46歳)、阿部 統(37歳)
クリーチャーデザイン …… 麻宮 騎亜(48歳)、出渕 裕(53歳)、篠原 保(46歳)
主題歌『 SAMURAI STRONG STYLE 』(歌唱・綾小路翔)