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長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

今さらですが……  『ぬらりひょんの孫』にささげるバラード  毎度おなじみ資料編 Part Ⅱ!!

2013年09月20日 12時30分40秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
 どうもこにゃにゃちは!! そうだいでございまする~。
 あ~んそれじゃあもう、四の五の言わずにちゃっちゃとまとめちゃいましょうかい!


マンガ『ぬらりひょんの孫』について(2011年以降のいろいろ、つづき)

重要なキャラクターたち

奥州遠野一家
赤河童(あかがっぱ)
声優 …… 宮内 敦士(42歳)
 奥州遠野一家の総大将。奥州妖怪を統率する巨大な顔の河童。ぬらりひょんとは古い付き合い。

かまいたちイタク
声優 …… 岸尾 だいすけ(37歳)
 バンダナを頭に巻いた青年の姿をしている。昼は小さなイタチになってしまうが、こちらが本来の姿らしい。6本の鎌を使い、あらゆるものを薙ぎ払う。また、自分の意志で両腕に大鎌を備えた人間大のイタチの姿になることもできる。頑固で無愛想だが責任感は強く、仲間思い。
 遠野におけるリクオの修行で、指導係に抜擢された。遠野の仲間以外の妖怪は基本的に信用しておらず、リクオと張り合うことが多い。プライドも高く、首無と一時険悪な仲だったが、京都編でリクオや首無の実力を次第に認めるようになった。
 京都編の後から半年間、東京の奴良組本家に出向いてリクオの修行を手伝っていた。その後、百物語組の鎮圧に協力、青森県の恐山へも同行する。葵螺旋城には土蜘蛛と共にいち早く駆けつけ、戦った。
 晴明戦後は、遠野一家の次期総大将となる。

天邪鬼淡島(あわしま)
声優 …… 柚木 涼香(37歳)
 さばさばした性格の好青年。夜は肉体が女性になるが、基本的に男として振舞う。鬼神の父と天女の母を持ち、鬼神の破壊力と天女の包容力の両極をあわせ持つ。「淡島」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第二子「あはしま」に由来している。

河童雨造(あめぞう)
声優 …… 水島 大宙(35歳) 
 マイペースでお気楽な性格。遠野を出たことはないようだが、何かと外部のことに詳しい物知りで、奴良組の首無のファン。
 人間らしい姿をしている奴良組の河童と違ってトカゲのような風貌で、時折「ケケケ」という奇声をあげる。

雪女冷麗(レイラ)
声優 …… 豊口 めぐみ(33歳)
 ピンク色の髪をお団子に結っている。落ち着いた性格で敵に厳しく味方に優しい。

座敷童子紫(ゆかり)
声優 …… 折笠 富美子(36歳)
 可愛らしい童女の姿をしているが毒舌。「運を引き込む」妖怪で、遠野の妖怪からは全幅の信頼を寄せられている。リクオ達が恐山に向かう際に同行し、イタクをサポートした。

江戸百物語組
山ン本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)
 百物語組の組長。「魔王」とも呼ばれる巨大な妖怪。
 もともとは江戸時代の人間で、材木問屋の大富商だった。生前から自らが創作した怪談を広めることで、人々の恐怖心「畏(おそれ)」を自身の所有する「百鬼の茶釜」に集めることを愉しみとしていた。その釜から作られた毒茶を江戸幕府の要人に飲ませて国家を支配しようと企み、さらに世の中の畏を吸収することで、生きながらにして神仏になろうとしていた。野望達成の目前で鯉伴に追い詰められ、いったんは死亡する。しかし、奴良組への激しい恨みから、自身が百物語の第百話「奴良組を滅ぼすまで決して滅びない妖怪」魔王・山ン本五郎左衛門に変貌した。またこの時、飛び散った彼の肉体から、圓潮や鏖地蔵ら多数の大幹部妖怪が生まれている。鏖地蔵によると、山ン本は百の妖怪に分かれているという。
 その姿は、肉体は朽ち果て頭部は髑髏となり、口からは内臓がはみ出している。この肉体に山ン本としての意識はなく、ただ畏を求めて徘徊する妖怪でしかなかった。人間としての山ン本の魂は常に地獄に居るが、山ン本の「脳」である三ツ目八面を通じて、他の妖怪たちに指示を出している。
 江戸時代に鯉伴と黒田坊の共闘によって倒されたかに見えたが、彼の身体から分裂した妖怪たちは再び集結し、百物語組と名乗って暗躍するようになる。以後300年にわたり力を蓄え、復活と奴良組への復讐を企てていた。その後、安倍晴明と結託して鯉伴を殺害し、現代では奴良組に三ツ目八面として潜伏していた。四国八十八鬼夜行の組長・玉章に「魔王の小槌」を与えて奴良組を襲わせ、さらに鏖地蔵を使って京妖怪連合を利用し、晴明を地獄から完全に復活させるなど、物語中の全ての事件の裏で暗躍していた。
※現代では、山ン本の「口」「耳」「腕」「骨」「面の皮」「鼻」「脳」である7人の大幹部がいる。

圓潮(えんちょう)
 百物語組の大幹部で、山ン本の「口」。真っ黒な瞳が特徴的な和装に短髪の男。山ン本亡き後の百物語組のリーダー格。
 柔和な笑顔と独特の語り口調で人を惹きこみ、心を捕える言霊使い。普段は噺家として活動している。柳田が集めてきた怪談を語る役目を担い、数多くの都市伝説を生み出してきた。
 山ン本の復活を前に、百物語組の妖怪が東京中の人間を襲うことで、その恐怖心や憎悪を奴良組に向けさせようと企んだ。
 しかし実は、安倍晴明の再誕を語る者となるために百物語組を利用していた。その後、復活した山ン本に吸収されかかるが、安倍有行に助けられた。その後は御門院一族のもとに身を寄せていたが、敗戦後に柳田に刺殺された。

柳田(やなぎだ)
 百物語組の大幹部で、山ン本の「耳」。キツネ目の青年で、左耳に山ン本の「鼻」である鈴を付けている。この「鼻」は、怪談や妖怪を匂いで追うことができる。
 江戸時代から生前の山ン本の側近として仕えてきた妖怪。その忠誠心を山ン本に買われ、引き続き怪談を集める「耳」としての役割を与えられた。以降、怪談、都市伝説の類を聞き集める役割を担い、圓潮や鏡斎に提供している。山ン本を裏切った黒田坊を強く憎んでいる。
 百物語組抗争の終結後はいずこかへと姿をくらました。その後、葵城の地下道で圓潮を後ろから刺殺し、今後も山ン本復活のため怪談を集め続けることを誓う。

鏡斎(きょうさい)
 百物語組の大幹部で、山ン本の「腕」。和装に髪を後ろで結った色黒の青年。「狂画師(きょうえし)」の異名を持つ。
 人や妖怪が朽ち果てる様、殺し合う様を「芸術」と呼び、それを描写することに陶酔する。
 怪談を画に描いて本物の妖怪を生みだす力を持つ。柳田が聞き、圓潮が語り、鏡斎が生むという関係である。描く対象を全て妖怪に変貌させることができ、人間も妖怪にすることができる。造った妖怪たちをけしかけたり、筆を用いた妖術を操る間接的な戦闘を得意とする。
 百物語組抗争では、多くの少女や無機物を妖怪に変えてリクオを襲わせた。さらに「九相図」を用いてリクオの肉体を消滅させようとするが、リクオの強力な畏に呑まれて斬り伏せられ、ビルの屋上から転落していった。
※九相図(くそうず)
 人が死んで滅びてゆく様を描いた九枚からなる画図。対象者の血を混ぜた墨で描くことで、その者を徐々に腐らせていく強力な呪術。全ての画が完成した時、相手は腐りきって消滅する。

三ツ目八面(みつめやづら)
 百物語の大幹部で、山ン本の「脳」。表向きは奴良組系妖怪組織「三ツ目党」の党主。
 その正体は、頭蓋骨の上半分から脳がはみ出したような頭部を持っており、山ン本自身の意識や感覚を宿している。身体の各部位の妖怪たちに意識がつながっていて、妖怪が倒されると彼自身も痛みを感じる。
 百物語組を動かす鍵として、圓潮に利用されていた。圓潮に裏切られて瀕死の重傷を負うが、最期の力で「百鬼の茶釜」に集められた畏を吸収し、魔王・山ン本五郎左衛門として復活を果たした。百物語組の妖怪たちを吸収しながら奴良組本家を襲撃するが、最後はリクオに一刀両断されて滅びた。

雷電(らいでん)
 百物語組幹部で山ン本の「骨」。筋骨隆々の肉体を持った、若い巨漢。
 普段は快活な性格だが、幹部中でも最も好戦的であり、どんな相手も叩き潰し粉々にする。だが物覚えは悪く、圓潮の作戦や自分の能力もあまり覚えていなかった。
 巨大なコンクリートを指で弾き飛ばす怪力と、物理攻撃をものともしない頑丈な骨の身体を持つ。巨大な木槌を持っているが、戦闘は基本的に素手で行う。
 百物語組抗争では、幹部クラスの一番手としてリクオと戦うが、修行を積み新たな力を手に入れたリクオに斬られ、身体が粉々に爆ぜた。

珠三郎(たまさぶろう)
 百物語組幹部で山ン本の「面の皮」。中性的な顔立ちをしている。人を欺いて惑わし、その心をズタズタに引き裂くことを好む。人質をとったり部下を身代わりにするなど卑劣な性格の持ち主。
 液状になった「面の皮」を使って相手の姿を複写し、それを被ることで擬態する。戦闘時は歌舞伎役者のような姿をしていることから、「狂役者(きょうやくしゃ)」の異名を持つ。
 百物語組抗争では奴良組の毛倡妓(けじょうろう)になりすまし、奴良組の本家に潜入してリクオの母・若菜に襲いかかるが、首無に阻まれて敗北した。奴良組の妖怪に捕らえられるが、復活した山ン本に吸収される形で消滅した。

黒田坊(くろたぼう)
声優 …… 鳥海 浩輔(38歳)
 現在はリクオの側近の一人。黒い袈裟をまとい笠をかぶる旅僧の姿をしている。
 奴良組の青田坊とは仲が良く、出入りの際には常に勝負を競っている「もう一人の突撃隊長」。美形で女性に人気があるが、人間、妖怪を問わず女性関係においてトラブルを起こすことが多く、天邪鬼淡島からは「エロ田坊」というあだ名で呼ばれる。基本的に人間には無関心であるが、情には厚い。
 手にしている錫杖以外にも、法衣の中に200種類以上の暗器(暗殺用の武器)を仕込み、連続攻撃や隙を突いた不意討ちなど多彩な技を持つ。
 元々は戦乱や飢饉の中、野盗や野武士に苦しめられる子どもたちの恐怖心が、「自分たちを護ってくれる存在」として創造した正義の妖怪だったが、山ン本の「百鬼の茶釜」によって操られ、百物語組の幹部として暗殺を担当していた。江戸時代に鯉伴とも交戦している。山ン本から生まれた妖怪たちが子どもを襲っているところを救出したことで自我を取り戻し、鯉伴と盃を交わし共闘して山ン本を倒した。その後奴良組に入る。
 リクオが正式に跡目候補となってからは、人間のビジネスマンに擬態して登下校の護衛に回ることになった。後にリクオとも七分三分の盃を交わした。リクオの三代目襲名と同時に、青田坊共々、幹部に昇格した。

滝夜叉姫(たきやしゃひめ)
 鏡斎がリクオの友人・鳥居夏実を妖怪に変えたもの。モデルは平安期に存在し、父親である大怨霊・平将門(たいらのまさかど ?~940年)の無念を晴らすため魔道に堕ちた将門の長女(本名・五月姫)。般若の面のような顔を持ち、巨大な薙刀を武器とする。
 鏡斎に操られるままにリクオに攻撃を仕掛けるが、リクオの刀によって妖怪としての肉体のみを斬られ、核となった鳥居は解放された。

青行燈(あおあんどん)
 巨大な鎧武者の姿をした妖怪。百物語組の切り札にして、圓潮の語る怪談の最終話。
 「百鬼の茶釜」に集められた、東京中の人間の恐怖心や憎悪を原動力として動く妖怪マシン。離れた相手にはビームで攻撃する。また、口腔内に隠された茶釜を破壊しない限り、無限に再生し続ける身体を持つ。
 リクオ、氷麗、イタクを相手に圧倒的な力を見せつけるが、茶釜を破壊され、リクオによって頭部を真っ二つにされて倒れた。

水戸 光圀(みと みつくに 1628~1701年)
 権中納言、前水戸藩主。江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の孫で、「水戸黄門」こと徳川光圀その人。ぬらりひょんの茶飲み友達であり囲碁友達。ぬらりひょんが居城の水戸城に忍び込んだ時に知り合ったという。
 山ン本の百物語完成を阻止するための鯉伴の作戦に協力した。事件の後、毒茶取り締まりの中心的役割を担った。

柳沢 吉保(やなぎさわ よしやす 1658~1714年)
 江戸幕府大老格兼将軍側用人(老中に就任したことはない)、左近衛権少将、武蔵国川越藩主。山ン本の毒茶を飲み、「覇者の味」の中毒に侵された。百物語組の壊滅後、畏に飢えて数々の悪行を働いたが、光圀に成敗された。

花開院家
蘆屋 道満(あしや どうまん ?~?)
声優 …… 高岡 瓶々(47歳)
 花開院家の開祖である播磨国出身の陰陽師。平安時代前期に安倍晴明とライバル関係にあった。

花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 緑川 光(43歳)
 戦国時代後期から江戸時代初期にかけて活躍した花開院家十三代目当主。異能の陰陽師と言われた天才で、兄の是光(これみつ)を差し置いて当主になった。
 才能、実力ともに高いが性格は飄々として子供っぽい。陰陽師だが妖怪への態度は馴れ馴れしいほどに好意的で、ぬらりひょんとは顔馴染みで、酒を飲み交わす程の仲となっていた。妖刀「祢々切丸」や京の「慶長の螺旋封印」を創った。なお、彼自身は羽衣狐の呪いを受けていないため長命だった。
 現代では「破軍」で召喚された先神(花開院家の歴代当主)の一人として登場。他の先神とは異なり、ほぼ生前の姿のままで登場した(花開院竜二は霊力が高いためではないかと推測している)。花開院家や奴良組に助言し、普段の態度とはうって変わって優秀な指揮能力を見せる。

花開院 ゆら(けいかいん ゆら)
声優 …… 前田 愛(36歳)
 花開院本家の陰陽師。次期当主候補であるが現在は修行中の身であり、修行の為に奴良組の本拠地である東京の浮世絵町の中学校に転校してきた。おっとりとした性格だが、感情の起伏が激しい面もある。
 陰陽師としてのプライドが高く、悪い妖怪は全て滅するという信念を持つ。花開院家の陰陽師の中でも特に並外れた精神力の持ち主で、式神を使役し妖怪を滅する能力についてはぬらりひょんも驚愕する才能の持ち主。一度に複数の式神を使役できるなど、修行中の身でも陰陽師としては優秀な方らしいが、肝心要の所で失敗をすることがある。
 京都から兄の花開院竜二らが来た事により、リクオの正体を知る。氷麗とは妖怪であると分かってからは反発しあっているが、人間に危害を加えないからか、リクオ同様に退治しようとは考えていないようで、共闘したこともある。京都編の後は、京都の中学校へ転校していった。
 御門院一族による清浄が始まる直前に復活した土蜘蛛にさらわれ、無理やり道案内をさせられる。2度にわたって御門院水蛭子と交戦し、土蜘蛛やリクオを援護した。
 のちに28代目花開院家当主に就任した。

花開院 竜二(けいかいん りゅうじ)
声優 …… 小西 克幸(38歳)
 花開院本家の陰陽師で、ゆらの実兄。高校3年生。
 ゆらと同様に「久しぶりに本家から才ある者が出た。」と高く評価される実力者で、周囲からは秋房と共に当主候補と目されていた。知識、経験共に誰よりも優れているとされるが、本人は「自分の才能はゆらや魔魅流には及ばない。」と語っている。発想、アイディア、知識量によって左右される結界に興味を持ち、幼いころは御門院天海に憧れていた。
 陰陽師を「白(正義)」、妖怪を完全な「黒(悪)」とみなし、妖怪を徹底的に滅するという思想に傾倒している。また、リクオや秋房といった中立的な「灰色」の存在もあまり快く思っていない。刃向かうものは妹ですら容赦しない冷徹さを持つ。ゆらをよく騙したりからかったりしており、彼女には邪険に扱われる事が多い。しかしゆらの才能は認めており、兄として彼女のサポートも行う。背が低いことを気にしていて、話題に出した者は酷い目に遭わせる。
 常に携帯している竹筒に入れた液体の式神を操る。嘘と真実を織り交ぜた巧みな話術で言霊を操り、敵を惑わせる戦法を得意とする。
 都市伝説の発信源が東京であることを突き止め、百物語組との抗争で奴良組に協力する。その後もリクオ達に同行する。清浄で天海と交戦し敗北するも、東京で葵螺旋城の謎を解きリベンジを果たす。
 ゆらが28代目となってからは彼女の補佐に徹しており、現在は、呪いの商品を生み出す「闇の狩人」たちを追っている。

花開院 秀元(けいかいん ひでもと)
声優 …… 秋元 羊介(67歳)
 花開院家二十七代目当主。現代の当主であり、竜二とゆらの祖父にあたる。十三代目当主と同名。
 しょうけらとその一軍に本家を襲撃された際、花開院家の精鋭と共に戦うが、敵わず倒された。しょうけらが倒され、他の妖怪たちが撤退した後、ゆらに花開院家の未来を託して死亡する。

花開院 魔魅流(けいかいん まみる)
声優 …… 野島 健児(35歳)
 花開院分家の陰陽師。最近本家に養子入りした。竜二に従って行動を共にしている。高校生。
 ロボットのように感情を表さない。禁忌を犯して体内に式神「雷獣」を宿している。妖怪を絶対悪とみなし、容赦ない攻撃を繰り出す。陰陽術の才能はゆら以上らしく、雷獣から得られる雷の力を操る。水を操る竜二と連携攻撃を行うこともある。

花開院 秋房(けいかいん あきふさ)
声優 …… 森久保 祥太郎(37歳)
 妖刀制作の名門である花開院分家「八十流(やそりゅう)」の次男。第一の封印「弐條城」の守護者。
 幼い頃から才能を見せ、次期当主になると自他共に疑わなかったが、破軍を使うゆらに対抗心を抱いていた。「不敗の槍」と呼ばれる妖槍「騎億(きおく)」を操る。自らの陰陽術に対し絶対的な信念を持つが、本来は穏やかな性格である。
 京都の鹿金寺で破戸や雅次と共に羽衣狐と対峙するが、ゆらに対するコンプレックスを鏖地蔵につけ込まれて憑依されてしまった。京妖怪と共に相剋寺を襲撃するが、花開院ゆらにより解放された。その後、本家にてしょうけらと交戦し追い詰められるが、青田坊に助けられ、彼と共闘して京妖怪を退けた。
 京都での戦いが終わった後、安倍晴明に砕かれてしまった「祢々切丸」を、恐山の最も畏の強い場所で刀を鍛えなおしていた。その間、御門院泰世の協力を受けていたが、リクオ達が山に入ってきたことで変貌した彼に襲われる。しかし、駆けつけてきたリクオに新生した祢々切丸を託し、それを退けた。晴明戦では、晴明の天文操作から人々を守るために4振りの結界剣を使用した。

花開院 破戸(けいかいん ぱと)
声優 …… 真田 アサミ(33歳)
 花開院分家「愛華流(あいかりゅう)」の陰陽師。第二の封印「相剋寺」の守護者。自らが創り出した式神を操り、「創造式神使い」とあだ名される。小柄で自由気ままな性格。常に空中に浮いているが、仕組みは不明。
 鹿金寺で秋房、雅次と共に羽衣狐と対峙するが勝負にならず、その後は雅次と共に京妖怪連合の人質にされてしまう。事件が終結した後に救助された。

花開院 雅次(けいかいん まさつぐ)
声優 …… 野島 裕史(38歳)
 結界術を得意とする花開院分家「福寿流(ふくじゅりゅう)」の陰陽師。第三の封印「鹿金寺」の守護者。眼鏡をかけており、冷静な性格。
 鹿金寺で秋房、破戸と共に羽衣狐と対峙するが、がしゃどくろによって結界を破られてしまった。

花開院 灰吾(けいかいん はいご)
声優 …… 稲田 徹(39歳)
 花開院分家「井戸呂流(いどろりゅう)」の陰陽師。第五の封印「清永寺」の守護者。43歳。
 結界を狙う京妖怪に対し、「陽力投与即神剤(ようりきとうよそくしんざい)」を飲み、肉体を異常に強化して戦おうとしたが、羽衣狐に瞬殺された。

御門院家
安倍 晴明(あべのせいめい 921~1005年)
声優 …… 小山力也(46歳)
 御門院家の始祖。鵺(ぬえ)とも呼ばれる羽衣狐の「やや子」。鵺の出産は、羽衣狐を始めとして、京妖怪すべての悲願とされている。
 千年前の京の闇を支配した陰陽師。京の都で蘆屋道満と互角と評される程の名高い陰陽師だったが、その裏では平安京の妖怪を統べる主として、人と妖の共存を目指していた。京の「光と闇の共存」という秩序を永遠に保つため、死という運命から逃れるべく反魂の術の完成を目指していた。そのために母である羽衣狐の胎内に還り転生するという方法を導き出すが、その矢先に母を人間に殺された。このために、人への怒りと憎しみから「闇が光の上に立つ世界」へと傾倒していき、いつしか妖怪「鵺」と呼ばれるようになる。自身の復活のために羽衣狐の遺骸に秘術を施したうえで、彼女の死から40年後に死亡した。
 死後も地獄で自らの復活を画策し続ける。現代になって、羽衣狐出産の障害となる鯉伴を抹殺するために魔王・山ン本五郎左衛門と手を組む。反魂の術で鯉伴の死んだ妻・山吹乙女を蘇らせ、彼女を羽衣狐の依代としてあてがった。
 力を蓄えた羽衣狐の手により、羽衣狐の敗北の直後に現代に復活、母を地獄へと葬り、自ら現世を闇で支配することを誓った。土蜘蛛を軽くあしらい、リクオの「祢々切丸」を造作もなく破壊する圧倒的な強さを見せつけるが、自身の肉体がまだ現世に適応していなかったため、地獄へ一時撤退した。祢々切丸によって負わされた傷のため、復活が遅れている。
 御門院一族の清浄後、地獄から鬼の眷属を従えて東京の葵螺旋城に降り立つ。そこで復活した羽衣狐と再会するも対立。最後は、羽衣狐を鬼纏ったリクオの一撃を受けて消滅した。

安倍 吉平(あべのよしひら 954~1027年)
 御門院家二代目当主。安倍晴明の長男。
 父・晴明の不在中、不老の肉体を得て千年もの間、御門院家を纏めてきた男。陰陽術の基本であり最終目標たる「天候制御」の術を操る。羽衣狐の血を4分の1引いており、リクオと同じ妖怪と人間のクォーターであるため、多尾の狐のような姿に変化できる。
 人でも妖でもない自分の血を呪い、清浄を果たすことを運命として受け入れ、父の作る世を見届けることを目的として生きていた。最後は葵螺旋城離宮でリクオと戦い敗北、人と妖との架け橋となるという言葉を父に伝えるようリクオに頼んだ。

安倍 雄呂血(あべのおろち)
 御門院家三代目当主。在位期間は1185~1333年。
 ローブのような衣をまとった長身の女性。「この世で最も偉大な式神使い」を自称し、強力な式神を何体も同時に操ることができる。
 清浄では式神「雄呂血(八岐大蛇)」を操り、御門院一族を援護する。その後、鬼の眷属と共に奴良組本家を襲撃するが、ぬらりひょんに敗北する。

安倍 有行(あべのありゆき)
 御門院家四代目当主。在位期間は1334~92年。
 小柄な少年の姿をしている。常に笑みを浮かべており、とらえ所の無い性格をしている。南北朝時代の当主で、2つの都(京と吉野)を守るために、鏡を使って同時に式神を飛ばせる「暗闇鏡」を編み出した。幼い姿は、若くして当主になった才能の証である。
 百物語組抗争の黒幕で、圓潮が花開院竜二に追いつめられた際に駆け付け、彼の窮地を救っている。
 葵螺旋城では、隠神刑部狸・玉章と対峙。暗闇鏡の中に彼を連れ込んで追い詰めるが、晴明が滅んだことで肉体が崩壊して消滅した。
※史実でも、晴明のひ孫に当たる四代目に「安倍有行」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有行との関連は特に見られない。

御門院 泰長(ごかどいん やすなが)
 御門院家五代目当主。在位期間は1393~1476年。安倍有行の実子。
 晴明の復活のためだけに存在する一族の方針に疑問を抱き、一族の姓を「御門院」へ変える。朝廷の一機関という陰陽寮の本来の役目に戻ろうとしたが、父親を始めとする一族の心を変えることはできず、失意のうちに一族を去る。隠棲した地に「半妖の里」を造った。
※史実でも、安倍有行の実子である五代目に「安倍泰長」がいたが、平安時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰長との関連は特に見られない。
※ちなみに、御門院家のモデルとなった「土御門(つちみかど)家」が安倍姓から改姓したのは、室町幕府第3代征夷大将軍・足利義満に重用された十四代目の安倍有世(1327~1405年)が、歴代で初めて「公卿」に昇進したことがきっかけとなっている(ただし、有世自身が生前に「土御門」姓を名乗ることはなかった)。

御門院 心結心結(ごかどいん ゆいゆい)
 御門院家六代目当主。在位期間は1477~1568年。
 ゴスロリ風の格好をした女性。吸引器をつけた熊のぬいぐるみを使い、相手を傀儡のように操る能力を持つ。
 清浄では山陰地方を担当。岡山県の妖怪を壊滅させたほか、隠神刑部狸・玉章の命を狙った。葵螺旋城では最初にリクオ達を迎え撃つ。奴良組の面々や九十九夜行を手玉に取って戦いを優位に進めるが、駆けつけた首無に圧倒され、さらに青田坊と黒田坊の加勢もあって敗北した。
※御門院家のモデルとなった土御門家は、応仁大乱(1467~77年)の戦火を避けて、江戸時代初期まで若狭国(福井県南部)に移住していた。

御門院 天海(ごかどいん てんかい 1536~1643年)
 御門院家七代目当主。在位期間は1569~1643年。
 表向きは天台宗の高僧で江戸幕府初代征夷大将軍・徳川家康の側近でもあった天海僧正として知られていた人物。宇宙服のような不気味なマスクを付け、頭には縁の広い笠をかぶっている。徳川幕府を裏から支配していた。花開院竜二が理想の陰陽師として憧れるほどの実力者。しかし老いてから当主となった(呪術「泰山府君祭」の習得が遅かった)ため、醜く老いた自分の素顔を嫌っており、顔を見た者は敵味方関係なく皆殺しにする。
 結界術を得意とし、螺旋状の結界陣を張って入り込んだ者の自由を奪う。その範囲は日本全国に及ぶほど広大。鏖地蔵によれば、江戸幕府三百年の治世は、天海が施した「螺旋封印」(花開院秀元のものと同型)によるものだという。罠にかけたり騙し討ちをしたりと卑怯な手段で敵に襲いかかる。
 京都を襲撃し、京妖怪や竜二らを相手にその力を見せ付けるが、羽衣狐に返り討ちにされ撤退した。後に葵螺旋城に乗り込んできた竜二らと直接対決。竜二の式神・水龍により葵螺旋城の結界を破られ、自身もそれに呑まれて死亡した。
※当然ながら、史実の安倍晴明と天海僧正とのあいだに直接の関係はない。

御門院 泰忠(ごかどいん やすただ)
 御門院家八代目当主。在位期間は1644~1852年。
 モアイ像のような非常に大きい顔を持つ男。方角の禁忌を利用した領域型秘術「方違え(かたたがえ)」を操り、妖怪を滅する能力を持つ。
 清浄では中部地方を担当。青田坊、黒田坊を相手に善戦するが敗れた。
※史実でも、安倍晴明から数えて八代目の子孫に「安倍泰忠」(泰長のひ孫で有弘の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰忠との関連は特に見られない。

御門院 水蛭子(ごかどいん ひるこ)
 御門院家九代目当主。在位期間は1853~67年。
 ドレッドヘアのような長髪を後ろで束ねた少年。性格は短気かつ好戦的。壮絶な修行の結果、右腕が「水」、左腕が「火」に包まれ、右脚が「金」、左脚が「土」、頭部が「木」と、五行で構成された身体を手に入れた。相性の悪いもの同士の性質を組み合わせ、爆発的な破壊力を生み出す攻撃を放つ。自称「御門院家最強」で、江戸幕末期を生き抜いたその実力は他の当主たちからも認められている。
 清浄では九州地方を担当し、九十九夜行をほぼ壊滅に追い込んだ。土蜘蛛を返り討ちにし、さらに九十九夜行の生き残りの抹殺を図るが、リクオらによって阻止される。死闘を繰り広げるものの、最後は「祢々切丸」によって延命の術を断ち切られてしまい、肉体が朽ち果てて崩れ落ちた。
 「水蛭子」の名は『古事記』にあるイザナギとイザナミの第一子「ひるこ」に由来している。

御門院 有弘(ごかどいん ありひろ)
 御門院家十代目当主。在位期間は1868~1926年。
 口髭を蓄えた長髪の男性。多重式神使いで、鷹型の式神を無数に召喚することができる。式神は攻撃だけでなく探索にも使える。
 水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。獺祭と対決するが、彼の炎に式神もろとも焼き尽くされ、死亡する。
※史実でも、安倍晴明から数えて十代目の子孫に「安倍有弘」がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の有弘との関連は特に見られない。

御門院 長親(ごかどいん ながちか)
 御門院家十一代目当主。在位期間は1927~45年。
 長い髪を後ろで束ねた若い男。生まれながらに弱視で、周囲2.5メートル以内のものしか見えない。自らの周囲を妖刀「仏及羅(ぶぎゅら)」で薙ぎ払うことで結界を作り、そこに入り込んだもの全てを滅する「結界眼」を持つ。
 水蛭子らと共に九州地方の清浄を担当。隠神刑部狸・玉章と対決するが、敗れて死亡。その後、死体が心結心結に操られ再び玉章を襲うが、獺祭によって焼き尽くされた。
 有弘、長親の両名が他の当主に比べてあっけなく敗れた理由について、心結心結や玉章は「妖の闇が薄れた平穏な時代を治めていたため」と述べている。
※史実でも、安倍晴明から数えて十一代目の子孫に「安倍長親」(有弘の実子)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の長親との関連は特に見られない。

御門院 泰世(ごかどいん たいせい)
 御門院家の一族。青森の恐山にいる修験者。妖刀作りの名手であり、八十秋房を指導していた。晴明に忠誠を誓う厳格な人物。頭髪の色がなぜかショッキングピンク。
 恐山に侵入したリクオ一行を襲い、さらには秋房を「祢々切丸」もろとも始末しようとするが、完成した祢々切丸により敗北した。
※史実でも、安倍晴明から数えて十二代目の子孫に「安倍泰世」(やすよ 長親の実子で有世の祖父)がいたが、鎌倉時代の人物であり、『ぬらりひょんの孫』の泰世との関連は特に見られない。
※作中では、長親以降の当主(十二代目以降)については明言されておらず詳細は不明だが、名前のモデルとなった安倍氏系図から推測しても、この御門院泰世が十二代目当主(在位期間は1946~2012年?)に限りなく近い存在だった可能性が高い。



 う~ん……よく完結したね、これ。いや、完結してはいないんだろうなぁ。
 欲張りすぎなんですよ……なにはなくとも欲張りすぎなんですよ!!

 そんなこんなで、詳しいつれづれは、まったじっかい~!
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今さらですが……  『ぬらりひょんの孫』にささげるバラード  毎度おなじみ資料編 Part Ⅰ!?

2013年09月18日 22時19分14秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
マンガ『ぬらりひょんの孫』について(2011年以降のいろいろ)


連載雑誌『週刊少年ジャンプ』2008年4月~2012年8月、『季刊少年ジャンプNEXT!』2012年8~12月
ジャンプコミックス全25巻、全210話

 妖怪の総大将ぬらりひょんの血を継ぐ少年を主人公とする怪奇ファンタジーマンガ。現代の日本を舞台に、百鬼夜行が激突する任侠妖怪の世界を描く。登場する妖怪に関する参考文献として、鳥山石燕『画図百鬼夜行』シリーズ(1776~84年)、竹原春泉『絵本百物語』(1841年)、河鍋暁斎『暁斎百鬼画談』(1889年)の3作が示されている。
 『季刊赤マルジャンプ』2006年春号に掲載された後、『週刊少年ジャンプ』2007年35号(9月)に読み切り掲載、第32回金未来杯を受賞した。『週刊少年ジャンプ』で2008年15号より連載開始、2012年30号連載終了。その後、2012年の『季刊少年ジャンプNEXT!』に完結編『葵螺旋城・最終決戦編』が3号連続掲載され、完結した。単行本は累計1100万部を発行している。2013年8月に、スマートフォンアプリ専用増刊号『ジャンプLIVE』にて番外編『ぬらりひょんの孫・外伝 花開院夜話・眼球蒐集鬼』を連載した(全3話)。
 2010年7~12月に TVアニメシリーズ第1期が、2011年7~12月に第2期『千年魔京』が放送された(ともに東京MX テレビなど)。また2011年11月にはXbox 360とプレイステーション3で対戦アクションゲーム『ぬらりひょんの孫 百鬼繚乱大戦』発売された(コナミデジタルエンタテインメント)。


「京都編」(コミックス第10~16巻)
 東北地方・遠野の妖怪を味方につけ帰還したリクオは、奴良組の面々と共に京都へ進撃する。京妖怪連合の侵攻に対し、花開院(けいかいん)家の陰陽師たちは守勢に回っていた。リクオたちは花開院家と共同戦線を張り、伝説の妖怪「鵺(ぬえ)」を復活させんとする羽衣狐(はごろもぎつね 九尾狐)と対決する。

「対百物語組編」(第16~21巻)
 京都での戦いを終え、リクオは奴良組三代目総大将を襲名。来たるべき鵺との戦いに備え、奴良組は力を蓄えていた。そんな中、百物語組が姿を表し、先代の二代目総大将・鯉伴(りはん)との因縁が明らかになっていく。

「対御門院家編」(第22~25巻)
 百物語組との抗争を経て、安倍晴明の子孫である陰陽師一族・御門院(ごかどいん)家の存在が明らかになる。彼らは、晴明の生み出した秘術により不老の肉体を手に入れていた。晴明の完全復活を前に、妖怪を粛清せんとする御門院家に対し、リクオは日本全国の妖怪たちと同盟を組み立ち向かおうとする。


京妖怪連合
 奴良組のような任侠妖怪の組織ではなく、京都に巣食う妖怪達の総称。千年前から安倍晴明に付き従う妖怪たちを中心として、晴明の実母・羽衣狐を主君に置く。晴明を復活させ闇の世界を作るという宿願を果たすために連合している。京都の弐条城を新たな居城とする。構成妖怪は約900匹。妖怪としては怨念や怨霊といった、「陰」に属する妖(あやかし)がほとんどで、「陽」に属する奴良組の妖怪とは対を成す関係にある。

奥州遠野一家(おうしゅうとおのいっか)
 東北地方の武闘派妖怪の総元締。本拠地は遠野の里(岩手県遠野市)で、妖怪世界においては「妖怪忍者の里」として知られている。構成妖怪は96匹。畏(おそれ)を強化する技に磨きをかけ、多くの戦士を生んだ。全国の組織に人材を派遣しているが、中立・独立の立場が強いため、どの妖怪組織とも盃を交わすことはほぼない。

江戸百物語組(えどひゃくものがたりぐみ)
 江戸時代に魔王・山ン本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)によって作られた妖怪の組織。怪談を集め、百物語によって新たな妖怪を生み出し、勢力を拡大していった。
 元禄年間(1688~1704年)に鯉伴によって山ン本は地獄に追放されたが、山ン本の肉体から生まれた妖怪たちが中心となり、奴良組と江戸の覇権を争った。明治時代以降、抗争は途絶えていたようで、奴良組からは滅んだものとみなされていた。しかし京都の戦いから半年後、奴良組を滅ぼすべく、再び抗争を仕掛けてくる。
 幹部は口(圓潮)、耳(柳田)、腕(鏡斎)、骨(雷電)、面の皮(珠三郎)、脳(三ツ目八面)、鼻(柳田の耳飾り)の7名で構成される。
※魔王の小槌(まおうのこづち)
 山ン本の心臓が変化した魔刀。斬りつけた妖怪の畏を奪い、吸収する能力を持つ。

瀬戸悪鬼組(せとあっきぐみ)
 中国地方の妖怪組織。構成妖怪約3000匹。
※方相氏(ほうそうし)
 瀬戸悪鬼組の若頭。共闘を呼び掛けるリクオの要請を一時は断るが、岡山県の妖怪が御門院一族によって壊滅したことを受けて協力を申し出る。
 後にはリクオの快気祝いにも顔を出していた。

天下布武組(てんかふぶぐみ)
 岐阜県の妖怪組織。構成妖怪約700匹。

酒呑愚連隊(さけのみぐれんたい)
 山口県を拠点とする妖怪組織。構成妖怪約500匹。
※獺祭(だっさい)
 酒呑愚連隊の若頭。かわうその妖怪。リクオに賛同し、九州の御門院一族討伐に向かう。
 常に酒を飲んでいる。酔っ払っている間は酔拳のように敵の攻撃を回避したり、口から火を吹くことができる。九州では安倍有弘をくだし、葵螺旋城では隠神刑部狸・玉章の窮地を救った。
 後にはリクオの快気祝いにも顔を出していた。

九十九夜行(つくもやこう)
 九州地方の妖怪組織。熊襲(くまそ)妖怪を抱える西日本の最大勢力。御門院一族の妖怪清浄の第一の対象となり、壊滅的な打撃を受ける。
※仰慕窟(ぎょうほがいわや)
 高千穂峡(宮崎県北部)の奥地にある、土蜘蛛一族の隠れ里。御門院一族の清浄から生き延びた者たちが逃れている。

東海道五十三鬼夜行(とうかいどうごじゅうさんきやこう)
 東海地方の妖怪組織。構成妖怪約1500匹。
※百目(ひゃくめ)
 東海道五十三鬼夜行に所属する妖怪。一つの目で見たものを他の目を通して見ることができるため、情報の共有に役立つ。

花開院家(けいかいんけ)
 京都府京都市に本家を置く、妖怪退治を専門とする陰陽師の一族。安倍晴明のライヴァルだったという平安時代の伝説の陰陽師・蘆屋道満を始祖とする「蘆屋家直系京守護陰陽師」。構成陰陽師数は約3000名。数多くの分家がある。
 400年前の羽衣狐の呪いにより、十三代目以降、本家の男子は必ず早世してしまう。そのため、常に分家の優秀な者を養子として本家に迎え入れている。最も才のある者が当主となる。花開院家の過去の歴代当主を式神として呼び出す術「破軍」を扱える者は、陰陽師の中でも別格とされる。
※おもな分家……八十流(やそりゅう)、愛華流(あいかりゅう)、福寿流(ふくじゅりゅう)、井戸呂流(いどろりゅう)

慶長の螺旋封印(けいちょうのらせんふういん)
 慶長年間(1596~1615年)に花開院家十三代目当主・秀元が施した、京を守る排魔の封印。京の都千年の怨念が通う重大な地脈を塞ぐ、らせん型の強力な結界陣。8ヶ所の寺社・城郭に封印の杭を施し、強力な妖を封じ込めて「栓」とすることで、妖が京都に侵入するのを400年間防いできた。各封印は花開院家の陰陽師達が代々守ってきた。
 妖怪は封印の杭に触れることができないため、京妖怪連合の中で唯一人間の肉体を持つ羽衣狐のみが杭を抜くことができる。現代になってから羽衣狐により全ての封印が解かれ、京は魔都に戻った。
第一の封印「弐條城(にじょうじょう)」
 守護者は八十秋房。全ての封印が解かれたのち、京妖怪積年の怨念の生んだ巨大な天守閣が現れ、京妖怪連合の拠点となる。
※鵺ヶ池(ぬえがいけ)
 弐條城の地下にある池。封印で解き放たれた京の怨念が流れ込む。羽衣狐が最初に鵺を産んだ地。
※覚(さとり)、鬼一口(おにひとくち)
 サトリは人の心を読む妖怪。鬼一口は巨体の鬼で、首の皮一枚で繋がるほどに上顎と下顎を大きく開け、あらゆるものを飲み込んでしまう。
 平安時代から安倍晴明の配下だった。400年前に珱姫を大坂城に連れ去った。現代にも生存して活動している。
 弐條城の大手門でリクオたちの侵攻を阻むが、花開院ゆらの猛攻を受け、最後は共にリクオに倒された。
第二の封印「相剋寺(そうこくじ)」
 守護者は愛華破戸(ぱと)。土蜘蛛が封じられていた。
第三の封印「鹿金寺(ろくきんじ)」
 守護者は福寿雅次。
第四の封印「西方願寺(にしほうがんじ)」
 守護者は布(ひさ 生死不明)。
※がしゃどくろ
 京妖怪大幹部。巨大な骸骨の妖怪。第四の封印「西方願寺」に封印されていた。
 陰陽師の結界を易々と破ることができる強力な妖怪。羽衣狐を乗せて京を蹂躙した。
第五の封印「清永寺(せいえいじ)」
 守護者は井戸呂灰吾。
第六の封印「龍炎寺(りゅうえんじ)」
 守護者は豪羅(死亡)。のちに花開院ゆらにより再封印された。
※陰摩羅鬼(おんもらき)
 茨木童子の部下。死霊の集合体。カラスのような姿をしていて、集団で活動する。
 羽衣狐に捧げる生き肝を集めるため、第六の封印「龍炎寺」にて修学旅行生に襲いかかるが、首無によって全滅させられた。
第七の封印「柱離宮(はしらりきゅう)」
 守護者は是人(死亡)。再封印された。
第八の封印「伏目稲荷神社(ふしめいなりじんじゃ)」
 守護者は秀爾(死亡)。羽衣狐が封印を解いた後、二十七面千手百足(にじゅうななめんせんじゅむかで)が守護していた。
※二十七面千手百足
 千手観音のような姿をした、無数の顔と腕を持つ妖怪。口からはムカデが顔を覗かせる。
 無数の腕に矛や斧、短刀などを持ち、無数の鳥居を経由して相手を攻撃する。
 天邪鬼淡島に倒され、花開院竜二に封印された。

御門院家(ごかどいんけ)
 平安時代の大陰陽師・安倍晴明(921~1005年)の子孫。古えより時の権力者の元で日本の中枢を守り、暗躍してきた陰陽師一族。「鵺」こと晴明の復活する場所を守るために存在し続けてきた。晴明の復活と妖怪清浄を目的とし、表舞台に現れる。
 秘術「泰山府君祭」により延命した歴代の当主が幹部を務める。古い当主は白装をまとって「安倍」姓を名乗り、5代目を境に新しい当主は黒装をまとって「御門院」と名乗っている。当主の交代は大きな歴史の変動期に起こっている。歴代当主は単身で大妖怪に匹敵する実力を誇る。
 復活した晴明の消滅と共に消え去った。
※葵螺旋城(あおいらせんじょう)
 東京の葵城と共に御門院天海が上空に建造した「鵺の城」。二重螺旋構造からなる強力な結界が施され、人間には発見することすら容易ではない。最終決戦を前に、花開院竜二の手で封印が破られ、その姿を現した。
※半妖の里(はんようのさと)
 御門院家第5代当主・御門院泰長が隠棲した地に創られた里。のちに人の世でも妖の世でも住みにくい半妖たちが住み着くようになった。


OVA
コミックス第24巻(2012年12月発売)、および第25巻(2013年3月発売)の限定版に同梱されていた OVA。
監督 …… 福田 道生(アニメ第2期の監督を担当)
脚本 …… 子安 秀明(アニメ第2期のシリーズ構成を担当)
アニメーション制作 …… スタジオディーン
第24巻『零・涙・雪(コボルルナミダノユキトナリ)』(24分)※二代目総大将・奴良鯉伴と雪女雪麗が主人公のサイドストーリー
第25巻『奴良組事始』(24分)※ぬらりひょんが奴良組を結成する経緯を描いたサイドストーリー


重要なキャラクターたち

三ツ目八面(みつめやづら)
 奴良組系組織「三ツ目党(千葉県が拠点、構成妖怪316匹)」の党主。
 実は四国八十八鬼夜行の組長・玉章(たまずき)に「魔王の小槌」を与え、奴良組との抗争を招いた張本人。正体は魔王・山ン本五郎左衛門の脳である。
※モデルとなった妖怪「三目八面(みつめはちめん)」は、高知県高知市にいたとされる三つ目に八つの頭を持つ巨大な蛇で、八岐大蛇に類似した妖怪だったという。

夜雀(よすずめ)
 四国八十八鬼夜行の幹部クラス「七人同行」の一人で組長・玉章の側近だが、実は魔王・山ン本五郎左衛門のはなった密偵でもあった。
 しかしそのさらなる正体は、陰陽師・安倍有行の式神。
 頭部に狐文字が書かれた布を巻いた、女の姿をした鳥の妖怪。武器は薙刀。
 四国八十八鬼夜行の敗戦後、「魔王の小槌」を三ツ目八面(山ン本の脳)に返還した。
 その後は京妖怪連合の大幹部を装っていた鏖地蔵(みなごろしじぞう)に仕え、弐条城に乗り込んできたぬらりひょんと鴉天狗を襲った。百物語組との抗争で初めて主人・安倍有行について姿を現し、葵螺旋城では玉章と対峙する。

羽衣狐(はごろもぎつね)
声優 …… 能登 麻美子(31歳)
 京妖怪連合を統べる狐の大妖怪。「信太(しのだ)の狐・葛の葉」であり「九尾の狐」。かつて魑魅魍魎の主と呼ばれた大妖怪であり、花開院家の宿敵であると同時に、奴良組にとってはリクオの父親である二代目総大将・鯉伴を殺した仇敵。
 「転生妖怪」と呼ばれる特殊な妖怪。乱世に現れ、幼年期の人間を依代(よりしろ)にして世に溢れる負の感情を吸収しながら成長する。肉体は通常の人間である為に、肉体が滅びれば次の依代を求めて彷徨う。転生を重ねれば重ねるほど妖力はより強大になり、転生する度に巨大な狐の尾が一本増える。実子・安倍晴明をふたたび出産することを悲願としている。
 千年前の平安時代から存在していたが、この時代に、安倍保名という人間の貴族との間に実子・晴明をもうけた。「羽衣狐の体内から再び生まれる」ことで反魂(はんごん)の術を完全なものにしようとする晴明の申し出を受け入れるが、儀式の直前に人間に討たれた。しかし反魂の術を達成せんとする晴明の法術により、晴明の死の40年後に転生妖怪として復活した。
 400年前に、淀殿(浅井茶々)として7度目の転生を果たし、豊臣秀頼の母親として秀吉亡き後の豊臣家を支配した。大坂城でのぬらりひょんとの激戦の中、妖刀「祢々切丸(ねねきりまる)」で斬りつけられ、さらに花開院秀元の援護もあって敗北。2人に一族の血筋を絶やす呪いをかけていったんは死亡した。
 現代では、安倍晴明の反魂の術によって復活した山吹乙女(鯉伴の亡妻)の肉体を得て、大企業の経営者一族の令嬢として生活している。リボン以外は全て黒一色のセーラー服に身を包み、男女を問わず魅了する魔性の力を手に入れており、人間の生き肝の採取も容易に行っている。
 慶長の螺旋封印を次々と破っていき、第一の封印「弐條城」地下の鵺ヶ池で晴明を出産した。晴明を封印しようとした花開院竜二を退けリクオと対決。一時は圧倒するが、肉体に残っていた山吹乙女の魂が覚醒して混乱し、花開院ゆらの援護を受けたリクオに反撃されて敗北した。その直後に復活した晴明にすがるが、その晴明の手によって地獄に落とされた。
 その後はぬらりひょんの手により、「母性」の妖怪として半妖の里で復活する。葵螺旋城で晴明と再会して対立。リクオに力を貸した。晴明戦の後は、リクオを半妖の里へと連れていく。リクオ復活後は、狂骨たち京妖怪の残党と共に、いずこかへと消える。

鏖地蔵(みなごろしじぞう)
声優 …… 茶風林(49歳)
 京妖怪連合の大幹部。羽衣狐の側近で参謀的存在。
 実は魔王・山ン本五郎左衛門の左目から生まれた妖怪。長い頭の老人の妖怪で、額に巨大な一つ目があり、本来の両目は常に閉じられている。山ン本の完全復活を目論んで安倍晴明と手を組み、現世を支配しようとしていた。
 催眠能力を持つ目玉を使って人間に乗り移り、その身体を自在に操ることができる。粉々に吹き飛ばされても復活する再生能力も持つ。
 京妖怪の記憶を操作して、鞍馬山の大天狗が本来いるべき大幹部の立場にいた。弐条城で夜雀から「魔王の小槌」を受け取り晴明に手渡したが、直後にリクオの「祢々切丸」に貫かれ消滅した。

狂骨(先代)
 400年前の京妖怪大幹部。千年前より羽衣狐母子に仕えていた。顔の片側を包帯で隠した槍の使い手。
 大坂城では奴良組の鴉天狗と交戦した。その後の消息は不明で、現代には登場していない。
狂骨(娘)
声優 …… 日笠 陽子(26歳)
 京妖怪連合の大幹部。幼い少女の姿をした妖怪。主君である羽衣狐を姉と呼び慕っている。
 がしゃどくろと共に行動することが多い。羽衣狐によると先代の父親よりも有能らしい。
 京都編では花開院家の陰陽師を殺害したり、弐条城に侵入したぬらりひょんを追い詰めたりと随所で活躍する。終盤では雪女氷麗(つらら)と対決した。羽衣狐の敗戦後は山吹乙女の肉体を回収し、京妖怪の残党をまとめ上げ撤退した。のちに京都が御門院天海による清浄を受けた際には、京妖怪を率いて花開院家と共闘した。葵螺旋城では晴明に顔の半分を消し飛ばされるものの、後に半妖の里で復活する。

土蜘蛛(つちぐも)
声優 …… 小杉 十郎太(53歳)
 京妖怪連合大幹部。復活する安倍晴明と戦うことのみを目的として、京妖怪連合に手を貸している。般若の面の様な顔をした、六本腕の巨人。
 九州地方の妖怪組織・九十九夜行の首領の弟だが、強敵を求めて九州を出た。太古から存在する妖怪で、人・妖怪はおろか神仏ですら喰らい尽すと言われる。羽衣狐には、彼が大坂城にいれば400年前の敗戦はあり得なかったと評される。花開院秀元ですら、彼を封印するにとどめていた。身体を真っ二つにされても全く動じない驚異的な生命力を持つ。
 400年前から京都の相剋寺に封印されていた。解放された後、リクオと対決して撤退、晴明が復活するまで潜伏していた。弐条城では晴明を封印しようとする花開院竜二を妨害し、復活に貢献する。その後晴明と対決するが、軽くあしらわれ地獄に落とされかけた。
 半年後に弐條城から復活し、療養のために花開院ゆらを連れて九州の阿蘇へと向かい、そこで御門院一族の水蛭子と対決する。雄呂血を圧倒するが、右半身を失い行動不能になる。その後、仰慕窟で水蛭子と再戦するが、大地の力を借りて九十九夜行の生き残りを守りぬいた。温泉で肉体を完治させ、かまいたちイタクと共に東京の葵螺旋城に駆けつけた。

鬼童丸(きどうまる)
声優 …… 黒田 崇矢(46歳)
 京妖怪連合の大幹部。千年前より羽衣狐母子に仕えていた。鬼族の頭領。強面の中年男性の姿をした妖怪。400年前には奴良組の狒々と交戦した。
 酒呑童子の実子で、人間の女性との間に生まれた半妖怪。安倍晴明を親のかたきと狙っていたが、逆に彼の配下となった。
 400年前に晴明の復活を妨害した奴良組や花開院家を強く憎み、遠野でリクオを殺そうとした。剣術に長けている。
 弐條城に乗り込んできたリクオの最初の相手となって敗北するが、晴明が復活する時間を稼いだ。羽衣狐の敗戦後は、晴明に従った。

茨木童子(いばらきどうじ)
声優 …… 津田 健次郎(40歳)
 京妖怪連合の大幹部。千年前より羽衣狐母子に仕えていた。かつての主君・酒呑童子(しゅてんどうじ)の遺骸を吸収した左半面を卒塔婆で隠している。400年前には奴良組の雪女雪麗(せつら)と交戦していた。
 口が悪くかなり短気で好戦的な性格であり、現在の主君である羽衣狐にもタメ口をきく。酒呑童子の顔部分は普段は卒塔婆によって隠されているが、妖力が上がるとこの卒塔婆が外れ、真の力を発揮する。
 平安時代に鬼の総大将である酒呑童子に従い、彼を親と慕っていた。しかしのちに、彼を討伐した安倍晴明の配下にくだる。その際に酒呑童子の亡骸を切り刻んで自分の左半面に埋め、そこを酒呑童子の墓場にした。
 京都編では龍炎寺にて首無・毛倡妓のタッグを相手にし、顔の卒塔婆を外してこれを圧倒するが、増援の出現により撤退した。その後、弐条城で再び首無と対決する。羽衣狐の敗北後は晴明に従った。最終決戦で、奴良組の猩影に倒される。

しょうけら
声優 …… 斎賀 みつき(38歳)
 京妖怪連合の幹部。人間を断罪する虫の妖怪。普段は十字架のネックレスを身に付けた青年の姿をしている。
 その言動はナルシスティックであり、それを嫌う茨木童子とは仲が悪い。
 戦闘の際にはネックレスを変化させた巨大な槍を武器に戦う。400年前には奴良組の木魚達磨と戦った。
 京妖怪の大軍を率いて花開院本家を襲撃し、大きな損害を与えた。たまたまそこに居合わせた青田坊と交戦して敗北した。その後の生死・動向は不明。

白蔵主(はくぞうす)
 京都の鞍馬山上空を守護する京妖怪連合の門番。僧衣を身にまとった妖狐。
 巨大な三又の槍「荼枳尼(だきに)」を武器に持つ。
 羽衣狐の敗北後は、狂骨らと共に去った。
火間虫入道(ひまむしにゅうどう)
 白蔵主の部下。全身に縞模様があり、自由自在に首を伸ばすことができる。
 降伏した白蔵主に代わって奴良組の宝船を破壊しようとするが、かまいたちイタクの鎌で切り裂かれた。

鞍馬山の大天狗(鞍馬山魔王大僧正)
 400年前の京妖怪大幹部。鞍馬山に棲む大天狗。奴良組の牛鬼とは旧知の仲。
 現代では、他の幹部たちの記憶が改変されて彼のいた地位に鏖地蔵がいるため、羽衣狐の配下ではない。自分を追放した京妖怪連合に復讐しようとして牛鬼と結託し、リクオの修行の師となった。
凱郎太(がいろうた)
 400年前の京妖怪幹部。京の羅城門に千年棲んでいた鬼。巨大な金棒を振り回して攻撃する。ぬらりひょんに一刀両断にされた。
塗り壁
 400年前に登場した京妖怪。ぬらりひょんに斬られた。



 どっほほ~いい!! こんだけの文量になったのに、資料編がまだ終わらないぃいい~。

 でも、細部にわたるまで、妖しいモノ好きには無視できないキーワードが本当にいっぱいなんですよね、『ぬらりひょんの孫』って。ショートカットするわけには行かないおいしい要素のオンパレード!
 そりゃあ、伏線全部回収できないまんま終わるわ……「欲張りすぎ」とは、まさしくこのことよ。

 っつうことで、「資料編の」続きはまた次回!

 本文はいつになったら始められんの……? あの「ぬらりひょんサーガ」の楽しい悪夢、ふたたび!?
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おトクねぇ~!!  『ゲゲゲの鬼太郎 DVDマガジン』を観る  アニメ第2期 第14~17話の段

2013年09月03日 22時40分39秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
 どうもこんばんは~、そうだいでございます。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました!
 いや~、世間では小中学校や高校も2学期が始まったようですし、夏もいよいよ終わりに近づいてるらしいんですが、まだまだ暑い気候は続きそうですなぁ。いい加減に涼しくなってほしいんですけど、今年は残暑がなんと10月まで続くんじゃないかという見通しもあるのだとか。いやいや、もうカンベンしてくだされい……

 最近ね、実は2009年の第1巻の発売以来、4年ごしにわたくしにとっての悲願となっていた、村上春樹の『 1Q84』の読破に、今ごろになってやっと挑戦し始めました。いや、別にいつ読んだって世間様にはなんの関係もない話なんですが、な~んか、ず~っと後回し後回しになっちゃってたんですよね。
 そんで、家にあるのが重たい単行本サイズのもの3冊なので、通勤途中に読むのはキツいということで、家に帰ってからの寝る前の読書にこれを使うことにしたんですが、これがまぁ~読み進められないのなんのって。ひと晩で見ひらき2ページが限界! 全然お話が進みゃあしません。
 こりゃ一体、いつになったら読み終われるのやら。さらに言えば、その次の『色彩がどーたらこーたら』いうほうにはいつになったらたどり着けるのやら……でも、別に好きってわけでもないのになんだかんだ言って読んじゃう小説家なんて、私にはこのお人くらいしかいないんですよね。他の人たちは純粋に好きだから読んでるわけなんですが。決して世間の波に遅れまいとしてるわけじゃないんですが、なんか読まなきゃと思っちゃう。思えば今現在の日本のエンタテインメント文化でこういう域にいっちゃってるのって、村上春樹とスタジオジブリくらいなんじゃないのでしょうか? 『少年ジャンプ』もそう? 私はぜんぜん門外漢ですけれども。


 さてさて、そういった近況はそこまでにしておきまして、今日も今日とて、私の大大大好きな世界の探訪にのめりこんでいきたいと思います。
 あ~そういえば、ジャンプの『ぬらりひょんの孫』もコミックス20巻前後からまったく読んでないんだよなぁ。あれ、今年に完結したんですよね? まとめ買いして最後まで読まないとなぁ。でも、陰陽師の子孫がどうこうって、興味がないんだよなぁ~。「困ったときの安倍晴明」という安易な選択がまったく気にいらない! 「困ったときの鬼太郎」だろうが、そこは!! 大人の事情があるんだったら、鬼太郎っぽいオリジナルキャラクターをひねり出さんかい、自分の創意工夫で!! 外野が好き勝手にわめいております。


『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン 第4巻』(2013年7月9日発売 講談社)の収録内容

第14話『怪自動車』 1972年1月6日放送 脚本・三芳加也、演出・山本寛巳
 原作……非鬼太郎もの短編『怪自動車』(1967年1月掲載)
 ゲスト妖怪……すねこすり(声・矢田耕司)、怪自動車(正体は人喰い藻屑)、一反木綿、つるべ火
 他シリーズでのリメイク……なし

 雨の降る夜など、視界の極端に悪い野山の道で人の足にまとわりついて歩行を妨害するという、犬っぽい外見の妖怪すねこすりがゲストとして登場するエピソードなのですが、水木しげるの原作マンガに登場するのは最終的に乗った人間を喰い尽してしまう正体不明の怪自動車だけで、すねこすりはおろか、怪自動車の正体だと暴露される人喰い藻屑といった設定も存在していません。
 いちおう、すねこすりという妖怪そのものはその後のアニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』でも、第3シリーズの劇場版第4作『激突!!異次元妖怪の大反乱』(1986年)や、第4シリーズ版の『妖怪反物』にも登場しているのですが、この『怪自動車』のようにメインゲスト扱いされることはありませんでした。水木しげるの手によってコミカライズされた、実写映画の『妖怪大戦争』(2005年)ではけっこうメインの役割で活躍していましたけどね。
 余談ですが、この「歩行者を妨害する」という属性は、さきに取り上げたアニメ第2シリーズの第5話に登場したタヌキ妖怪あしまがりと共通しています。でも、妨害した上に山道で行く方向を迷わせてしまうあしまがりのほうが、犯行は悪質ですね。

 原作マンガは、中古車セール会場で値札もついていない不気味な自動車を2万円というとてつもない安値で購入した(1970年代前後の新車の価格は、安いものでも60万円前後だった)夫婦が、勝手に走り出したその自動車に文字通りに喰われてしまうという、なんの救いもない7ページほどのシュール&ブラックな超短編でした。なんだかよくわかんないんだけど、なけなしのへそくりでようやくマイカーを手に入れた貧しい夫婦が容赦なくされてしまうという部分に、「のうのうと生き延びていることだけで、もう罪」という当時の冷徹な水木イズムが垣間見えるような気がします。無差別すぎ……

 そんなわけで、原作マンガの本来の持ち味はそのあたりの冷血っぷりにあったはずなのですが、さすがにそれをそのまんま『ゲゲゲの鬼太郎』でアニメ化するのはちょっと……という判断からか、原作どおりに怪自動車に襲われた貧乏夫婦は「もう二度と自動車を購入しないと約束するのなら、赦してやる!」というすねこすりの寛大な処置によって生還し、その一連の事件に立ち会っていたねずみ男が鬼太郎に報告するというかたちで、鬼太郎ものに再編されていきます。

 結局、怪自動車の正体はすねこすりに使役された、山奥の湖沼に棲む極小サイズの人喰い藻屑の集合体がプラスティックや鉄板のように擬態したものだったということが判明し、すねこすりは自分のような小動物たちが、日本で当時巻き起こりつつあった第1次マイカーブームによって無数の轢き逃げ事故の犠牲者になっていくことに我慢できずに今回の犯行に及んだと告白するのでした。
 つまり、このエピソードはアニメ第2シリーズで鬼太郎ものにアレンジされるにともなって、原作マンガにまるでなかった「高度経済成長によって弱者が犠牲になることへの警鐘」という立派なテーマをオリジナルに盛り込んだことになるのですが、これはまんま、第1シリーズでアニメ化もされたマガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』の第77話『ばけ猫』の繰り返しになっちゃうんですよねぇ。
 まぁ、「大事なことなんで2回言いました。」という意図もあったのかもしれませんが、ここらへんのオリジナリティの弱さに、のちのアニメシリーズでリメイクされたことがない原因があるのかもしれませんね。

 でも、このエピソード自体は、原作の陰鬱さを払拭するかのように、前半で展開される夫婦の貧乏トークのおかしさや、後半の怪自動車の追跡シーンでの鬼太郎サイドの機転のよさと、それにおもしろいようにひっかかって翻弄されてしまう怪自動車といったコミカルなバトルがとても印象的なお話になっていました。ディズニー映画のように擬人化された怪自動車のアクションが楽しいです。
 特に、「丸メガネに出っ歯」という水木ワールドの定番キャラクター「山田」の八面六臂の冷や汗演技が堪能できるのが最高でして、本作で彼の声を好演したはせさん治(2002年没)さんのきめ細かな仕事が本当に素晴らしいですね。

 お話自体は地味で目立たないコンパクトさがあるのですが、それこそすねこすりのように愛すべき魅力の詰まった好エピソードにまとまっていたと感じました。
 それにしてもすねこすり、クライマックスの自白シーンでどさくさにまぎれて、

「人間どもは、おいらかわいい犬族を轢き殺してるんだぞ!」

 と発言しているのは、さていかがなものなのだろうか……なんか、爆笑問題の田中裕二さんに通じる異常性をはらんだキャラクターでしたね。


第15話『牛鬼』 1月13日放送 脚本・安藤豊弘、演出・西沢信孝
 原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第109・110話『牛鬼』(1968年12月掲載)
 ゲスト妖怪……牛鬼、天龍八部衆迦楼羅(かるら)天(声・柴田秀勝)
 他シリーズでのリメイク……第3・4・5シリーズ


第16話『南からの招き』 1月20日放送 脚本・辻真先、演出・山口康男
 原作……非鬼太郎もの短編『世界怪奇シリーズ 南からの招き』(1968年8月掲載)
 ゲスト妖怪……ガマ人間(声・はせさん治)
 他シリーズでのリメイク……なし


第17話『縁切り虫』 1月27日 脚本・雪室俊一、演出・設楽博
 原作……非鬼太郎もの短編『現代妖怪譚 縁切り虫』(1969年9月掲載)
 ゲスト妖怪……縁切り虫
 他シリーズでのリメイク……なし


スペシャル特典映像『ゲゲゲの鬼太郎ゆかりの地・東京都調布市探訪 後編』(約9分)


《レビューまだまだよ~!!》9900
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おトクねぇ~!!  『ゲゲゲの鬼太郎 DVDマガジン』を観る  アニメ第2期 第10~13話の段

2013年08月31日 23時12分28秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
 ヘヘヘイヘ~イ、どうもこんばんは! そうだいでございますよ~。みなさま、今日も一日お疲れさまでした。
 8月も、もうおしまいでございます。今年の夏も暑かったですねぇ。っていうか、たぶんこれからもしばらくは暑いですよねぇ、ええ。
 ほんとにまぁ、私に関しましても例年以上に忙しい8月になっちゃったんですが、やっぱりこれは、忙しくさせていただいているだけ、ありがたいということで! 幸せなことに、身体もそれに耐えられるだけまだまだ丈夫ですからねぇ。

 暑い夏よ、今年もありがとう! そして、クーラーのない我が環境よ、ファッキュー!!

 そういった万感の思いを込めながら、今回は『ゲゲゲの鬼太郎』アニメ第2シリーズの DVDマガジンの鑑賞記の第2弾をつづっていきたいと思います。温故知新! 今やっている『風立ちぬ』は、まだ当分上映しているだろうから、もうちょっとあとになってから観ることにしよう。

 あぁ、そうそう。本日公開になった『タイムスクープハンター』の劇場版ね。これも観ないわけにはいかない作品なんですが……なんか脚が重いゾ~!? なんでかしらねぇ、不思議ねぇ。


『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン 第3巻』(2013年6月25日発売 講談社)の収録内容

第10話『アンコールワットの亡霊』 1971年12月9日放送 脚本・雪室俊一、演出・西沢信孝
 原作……非鬼太郎もの短編『世界怪奇シリーズ アンコールワットの女』(1968年4月掲載)
 ゲスト妖怪……アンコールワットの亡霊オイン(声・柴田秀勝)、オインの娘、謎の老人トンボ(声・大竹宏)
 他シリーズでのリメイク……なし

 前回に扱った第7話『猫又』に引き続いて、東南アジアを舞台にした水木しげるの『世界怪奇シリーズ』の一篇を鬼太郎ものにアレンジした、異国情緒のやけに豊かなエピソードになっています。
 ただし、「猫又」という妖怪の伝承自体が日本由来のものだったことからくる、「それがなんでインドネシアの話なの?」という違和感については特になんの説明もなくスルーされていた前話にくらべて、本作はカンボジアのまぎれもない世界的遺産アンコールワットになぜか日本の戦国時代のような兜甲冑を着込んだ落ち武者の亡霊集団が出現するという違和感自体が意図的にクローズアップされているぶん、鬼太郎ファミリーが事件に興味を持ち、はるばる日本からやって来て解決に乗り出す必然性のようなものは無理なく強化されていたと感じました。

 それはそうなんですが……やっぱりこのお話も、な~んかピンとこないんですよねぇ。
 なにがピンとこないって、この作品における「敵」と「味方」が誰なのかが、わざとだったとしてもクライマックスまでモヤモヤのまんまになりすぎなんですよ。
 いや、これが原作マンガのような怪奇ロマンスふう抒情詩だったのならば、そんなに明確なキャラクター配置がなくとも「アンコールワットに鎧武者と美女」というヴィジュアルだけで充分にいいのでしょうが、これを『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソードにしちゃったからなぁ。

 要するに、鬼太郎ファミリーが出てくる以上は鬼太郎のヒーロー然とした超能力アクションが必要になってきてしまうわけで、それを引き出すためには無念をもってさまよう亡霊の群れだけでは力不足だったというわけです。だって、亡霊たちは戦わなくとも、その無念の原因をつきとめてねんごろに弔えば消えてくれちゃうんですから。
 そういうわけでしゃしゃり出てきたのが、亡霊集団の棟梁である武将オインを成仏させまいと暗躍する策士トンボの亡霊なんですが、そのトンボっていうのがはっきりしないんだよなぁ~! 生きてるのか死んでるのかもわかんないし、鬼太郎にケンカを売ったり(それでけっこういいところまで鬼太郎を殺しかける)オインを恨む理由もあんまりわかんないんですよね。ただただ、物語をかきまわすためだけに出てきたって感じ。ともかく悪役としての説得力がなんだか足りないんですね。

 あと『猫又』もそうだったんですが、「前半に悪役だと思われていたキャラクターが実は悪役じゃなかった」という展開は、その疑惑の対象にある程度の魅力がなければ話を引っぱる要素にはならないと思うんですが、今回のオインの亡霊もまた、何もしゃべらずにさまようだけで今ひとつ牽引力にならないんですよね。悪人だろうが善人だろうが、どっちでもいいやって感じになってしまうんです。柴田秀勝さんの美声はいいんですが、やっぱり「鬼太郎サーガ」の一員になるには、亡霊になった理由がいかにも地味すぎるんですよね……

 ということで、中盤の猫娘の潜入捜査とか、日本からやって来たヘンな格好のガキンチョに対しても異様に低姿勢で協力的な現地の刑事とか、いろんなおもしろ要素のあった本作だったのですが、またしても鬼太郎ものになるにはもうひと工夫が足りないという結果になってしまったと感じました。
 でも、カンボジアのアンコールワットに落ち武者の亡霊っていうミスマッチきわまる絵には、捨てがたい魅力があると思います。次の第6シリーズで改めてリメイクされたら、すごいね!


第11話『土ころび』 12月16日放送 脚本・安藤豊弘、演出・白根徳重
 原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第127話(連載最終話)『土ころび』(1969年6月掲載)
 ゲスト妖怪……土ころび(声・富田耕生)
 他シリーズでのリメイク……第3・4・5シリーズ

 『妖怪城』や『妖怪大戦争』といった伝説的なエピソード群が目白押しのマガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』の中では、あまりパッとしない印象がいなめない原作なのですが、これこそが実質的なマガジン版の最終エピソードであることはまぎれもない事実です!(ただし、『月刊マガジン』への掲載)
 いちおう、マガジン版としては読み切り作品『その後のゲゲゲの鬼太郎』が1年後の1970年7月に発表されて完結となるのですが(その次のシーズンとなるサンデー版『ゲゲゲの鬼太郎』はアニメ第2シリーズと連動して1971年から)、「鬼太郎と妖怪が対決する」という形式のエピソードは、この『土ころび』でしばしの休養ということになりました。

 そういう経緯をふまえて原作マンガを読むと、このエピソードは細かい部分で確かに意味深なポイントがあります。それはなにはなくとも、鬼太郎と対峙する土ころびという敵キャラクターが、厳密な意味では妖怪ではなく「限りなく妖怪土ころびに近くなっちゃった人間」である、ということ! ものすごい話ですよね……
 このエピソードに登場する土ころびは、実は「電工会社の工場が垂れ流し続ける排水を含んだ川の水を飲み続けた農民が変質してしまった成れの果て」だったという衝撃の事実が、マンガの途中でさし込まれる「字幕解説コマ」によって唐突にさらっと暴露されてしまうわけなのですが、水木しげるの筆はそれによって別に土ころびが普通の人間の姿に戻ってめでたしめでたしとかいう都合のいいハッピーエンドを用意することもなく、土ころびは土ころびらしく鬼太郎を喰べようとしてあえなく爆死する(鬼太郎のエネルギーを吸収しきれず)という「いつもどーり」な最期をとげます。「工業排水による犠牲者」という真相を提示しながらも、その犠牲者をまったく救済しないという水木先生の毘沙門天のような苛烈さがここでも炸裂していますね。厳しすぎるよ、ホント……

 さらに言うと、このエピソードは事件解決後に「事態を悪化させたねずみ男を鬼太郎が懲らしめる」という恒例のパターンでしめくくられるのですが、今回ばかりはねずみ男がトラブルメイカーどころか「明確に鬼太郎を抹殺しようと土ころびをけしかけている」ことによって事件が進行しているため、鬼太郎はかなり静かにブチぎれた口調で「おまえとはもう絶交だ。」と言い捨て、「鬼太ちゃん そんなつれないこというもんじゃないよ。」とすがるねずみ男を尻目に去っていきます。
 この感じで(いったんの)最終回を迎える2人の関係って、いったい……少なくとも親友じゃないし、本エピソードに関してはまごうことなき敵妖怪として鬼太郎に殺されてもおかしくなかったねずみ男の行動は、ちょっとアニメのレギュラーキャラの定義にはおさまりきらない「冷酷な悪の論理」がありました。

 そういえば、このアニメ第2シリーズをおさらいして改めて思ったんですけれど、アニメのねずみ男と原作マンガのねずみ男って、行動のスタイルというか、生き方の温度がまるで違うんですよね。アニメのほうはいかにも道化役といった感じで極端にコミカルで陽性なんですけど、原作のねずみ男はもっと無口で、クールで怖いんですよ。

ねずみ男 「人間は現在だけをたのしめばいいのだ。なぁ鬼太郎 そうは思わねぇか。」
鬼太郎  「どうも おめぇとは思想があわねぇな。」

 こんな会話をしょっちゅうしてるんだぜ、原作の2人は!? これはアニメ化はムリ!!
 個人的な感触なんですが、ねずみ男というキャラクターのこういった幅の広さは、あの広汎なる『バットマン』サーガにおけるバットマンの「永遠のあいかた」ジョーカーに通じるものがあると思います(ロビンはいろいろ乗りかえられてるでしょ)。時にお笑い担当、時に悪魔っていう、あの自由な感じ。
 だから好きなのよねぇ~。言うまでもなく、アニメ第2シリーズで大塚周夫さんが演じた若々しいねずみ男もねずみ男です。でも、大塚さんが40年後に再び演じた『墓場鬼太郎』のねずみ男もまごうことなきねずみ男なのよね。この、年齢という次元を軽々と超越した許容量。その枠を創った水木先生も、それに応えられる大塚さんも双方仲良く妖怪(=神)である、ということなんですね。フハッ!

 とまぁ、さんざん原作マンガのお話が長くなってしまったのですが、肝心のアニメ版のほうはどうなのかといいますと、実は最大の特徴だったはずの「土ころび=人間」という構図がさっさと放棄されてしまい、ふつうに工業排水によって凶悪化してしまった「本物の妖怪」土ころびを鬼太郎が退治するという流れになってしまいました。
 また、発端こそ原作どおりに土ころびを鬼太郎にけしかけるという悪役をになったねずみ男でしたが、後半では強大化した土ころびに裏切られて大ケガを負ってしまい、そもそも土ころびに加担したのも土ころびがあげると約束した金塊に目を奪われたから、という設定に変更になり、微妙ながらもちょっとは情状酌量の余地のある感じになっています。当然、次週からも引き続きねずみ男はアニメに出演するわけなので、レギュラーキャラとしては当然の修正となったわけですね。

 ただし、それらのアレンジによって、内容が「いつもの鬼太郎+社会風刺」といった印象以上の特徴を持たない、なんだか味気ないものになってしまったことは否定できず、ちゃんとそれなりにバトルも展開されるし鬼太郎もピンチにおちいるものの、かなり予定調和な雰囲気になってしまいました。
 アニメでは、鬼太郎に同行した猫娘がまず土ころびに襲撃されて、エネルギーを奪われて『ルパン三世 ルパン対複製人間』のマモーそっくりなしわくちゃ婆さんにされてしまうというオリジナル展開もあったのですが、そういうふうに身体をはった彼女も土ころびの爆死後になぜか何の説明もなく少女スタイルに戻ってるし、全体的に「甘口になりすぎた」感のある無難なアニメ化になってしまったのでした。

 でも、闇夜にまぎれて人家の発電装置を襲うシーンで、電線のスパークによってチラチラと浮かび上がる土ころびの不気味な姿とかは、けっこうよかったなぁ。確かに、深山幽谷に棲む妖怪という恐ろしさは出ていましたね。


第12話『やまたのおろち』 12月23日放送 脚本・辻真先、演出・茂野一清
 原作……非鬼太郎もの短編『やまたのおろち』(1966年12月掲載)
 ゲスト妖怪……呼子(声・富田耕生)、八岐大蛇(やまたのおろち)、解放石の中の妖怪
 他シリーズでのリメイク……第3・4シリーズ ※第4シリーズでは八岐大蛇(やまたのおろち)はぬらりひょんによって復活させられる

 私がこの DVDマガジン第3巻を購入したメインの目的が、このエピソードであります。

 原作マンガは鬼太郎ものではなく、主人公である正太という少年が古文書をたよりに、「伝説の邪神・八岐大蛇の遺跡」があるという斐伊川(鳥取・島根の県境)の上流を目指して山奥に入ってゆき、脚が木になって動けない妖怪・呼子に出会って「解放石」という宝石の中の異様な世界に引きずり込まれていくというストーリーになっています。そして、正太は自分の足が木になって新しい呼子になり、呼子だった男は人間の姿に戻って人里へ帰っていくという、この救いようのないラスト……
 この筋を読んでもおわかりのように、水木しげるの原作は解放石の中に棲む八岐大蛇よりも、むしろ解放石を持って人を呼び続ける呼子の方に焦点を当てた物語になっており、呼子だった男が「40年ぶりに人間に戻れた。」と語っているように、「必ず誰かが犠牲者になっていく」という「七人みさき」的な無限ループの恐ろしさを見事に活写した短編作品になっています。これは怖いよ~。

 でも、新しい呼子になってしまった正太の表情にはそれほど絶望の色がないというか、もともと正体不明の古文書を持ってひとりで2~3日も山奥を遺跡を捜し求め続けていたという異常すぎる設定の正太少年は、「お~い お~い」と人を呼び続ける呼子ライフを淡々と送りはじめるのでした……なんなんでしょうか、この不気味でうらやましすぎるマイペース感。まさに水木しげる。

 そんな原作にたいして、アニメ版もだいたいそれに準拠した流れになっているのですが、正太のポジションがねずみ男に変わったことによって、いつものようにヒーロー鬼太郎が呼子になりかけたねずみ男を助け出して一件落着という結末になり、原作マンガのようなバッドエンドは免れるかっこうになりました。
 ということでこれも、う~ん……普通のエピソードになっちゃいましたね。

 ただ、途中まで進行していく「呼子にされるかもしれない恐怖」とか、問答無用に襲いかかってくる八岐大蛇と鬼太郎・猫娘ペアとの総力戦アクションは見どころ満載ですごくおもしろかったですね。まぁ八岐大蛇が、その圧倒的なヴィジュアルのカッチョよさの割りにあまりにも弱すぎるんですけれども……鬼太郎の武器1コにたいして首1本がもれなく退治されていくって、どういうことよ。シューティングゲームの戦闘機かおまえは。

 原作マンガにおける八岐大蛇のデザインは、1コマでも見たら瞬時にわかるのですが、まんま東宝ゴジラシリーズの永遠のヒールスターこと宇宙超怪獣キングギドラ様(もち初代)の画像をまるパク……いやいや、インスピレーションを受けたものになっています。おおらかな時代だったのねぇ。
 それに対してアニメ版の八岐大蛇はといいますと、デザインはいかにも東映アニメの昔話に登場するような古典的な「2本角にどじょうヒゲ」の龍の首がそれぞれ8色に塗り分けられているというわかりやすいデザインになっており、原作マンガでは威勢よく引力光線……に酷似した火炎を吐いて主人公を追い詰めるのですが、アニメ版はただただゴジラとかラドンにそっくりな鳴き声で叫びながら食いかかってくるだけという若干のパワーダウン仕様となっております。

 まぁ、『ゲゲゲの鬼太郎』のエピソードである以上は鬼太郎に負けなきゃいけないんでね、八岐大蛇としても「見た目の割りにけっこうヤワい」という相当に不本意な演出になってしまったわけなのですが、お話を最後まで観ていきますと、VS 鬼太郎戦で一度敗れたはずの八岐大蛇はその直後にすぐに息を吹き返しており、おそらくは解放石の中にいる限り不死身な存在になっているとも解釈できる部分があります。
 にしても、「斐伊川の上流に八岐大蛇の遺跡がある」とか、ねずみ男に「捕まえて見世物にしてやろう」と企てられるとか、このお話の中で語られる八岐大蛇はどうにも『古事記』に記された伝説の邪神とは別物のようなチープ感があります。ツチノコじゃねぇんだから!

 このエピソードは、根本にある妖怪・呼子の見た目に似つかわしくない恐ろしさがけっこう効いているのと、なんといっても八岐大蛇が巣食っているミステリアスな宝石といった神秘的な展開が功を奏して、息をもつかせぬスリルを生み出すスペクタクル作に仕上がっているのですが、やはり「最後は鬼太郎が勝つ。」という鉄則によって原作マンガが持っていた持ち味が半減してしまったきらいがあります。それはまぁ、『ゲゲゲの鬼太郎』なんだからせんかたないことなんですけどね。

 ひとつだけ言えるのは、鬼太郎ものにならなかった原作マンガのほうがどう観ても断然おもしろいし恐ろしいということなんですよね。
 特に、アニメ化された際には技術上の都合で簡略化せざるを得なかった八岐大蛇と解放石の中の異次元世界の描写なんですが、これはもうなんといっても「頭がおかしい」としか言いようのないレベルの高さで細密画のように描かれていた原作を、機会があったらぜひとも一度は観ていただきたいと思いますね! 陸でもない、空でもない、海でもない、不気味で甘美な悪夢の空間……行ってみたいけど行ったら確実に帰ってこられなくなる世界を、水木先生はなんでこんなに説得力豊かに描けるんだろうか!?

 それはもう……知ってるからなんだろうねぇ。本当に観たことがあるからなんだろうねぇ。そういう世界を。


第13話『かまぼこ』 12月30日 脚本・柴田夏余、演出・設楽博
 原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第124話『かまぼこ』(1969年3月掲載)
 ゲスト妖怪……半魚人(声・兼本新吾)、巨大イカ、砂かけ婆(声・山本圭子)、子泣き爺、一反木綿
 他シリーズでのリメイク……第3・4シリーズ ※第4シリーズでは半魚人はぬらりひょんと共謀する

 半魚人と言ってもユニヴァーサルモンスターの一員になっている『大アマゾンの』半魚人さんではなく、日本の出雲地方の漁村に伝わる妖怪「海女房(うみにょうぼう)」をモティーフとした、「真ん中わけ長髪に全身ウロコ、両足の先が尾びれのような形状になっている」デザインの半魚人が活躍するエピソードですね。ただし、『かまぼこ』に登場する半魚人は男性です。そして、かまぼこの加工が職人なみにうまい! さらには人間と堂々と渡り合って商売もできるかなり高スキルな妖怪です。

 こういう妙に人間くさい妖怪がゲストであるだけに、本エピソードはいつものパターンとはひと味違う展開が多く、まず第一には、鬼太郎の敵となる半魚人が「人間世界に対しては」なんら悪事を働いていないという大きな特徴が挙げられます(労働者に対する契約違反はしてるけど)。
 なにはなくとも、この半魚人は「おいしいかまぼこを販売する」という活動で人間側から強い支持を得ており、その勢いに乗って次々と販売域を拡大し、ついには商都大阪にまで手を伸ばして莫大な利益を獲得、立派な豪邸を建ててみずからは上下スーツを着こなし、まるで人間の実業家のような生活を送るという驚異的な順応性を発揮するのでした。

 それじゃあ、そんな半魚人がどうしてまた『ゲゲゲの鬼太郎』の敵役になるのかといいますと、それはいきがかりで半魚人と偶然にケンカになった鬼太郎が半魚人の用心棒の巨大イカと闘って同化してしまい、それに乗じた半魚人が、「人間に戻してやるからかまぼこの原料になる海産物をとっつかまえてくるノルマを達成しろ。」という悪魔のような肉体労働を鬼太郎イカに課したからだったのでした。それで最初は馬鹿正直に半魚人に滅私奉公する鬼太郎イカだったのですが、いっこうに人間に戻してくれない半魚人に業を煮やして直談判したところ、半魚人はダイナマイトを持ち出してきて……というのが前半のだいたいの筋です。
 それはそうとして、このお話の半魚人は妖怪らしいことは最初の登場時にカメをかじっていたことくらいしかしておらず、あとはひたすらかまぼこを加工しているか売り歩いているか、無駄にモダンな豪邸で大好物のみつまめを食べてニヤニヤしているかで、闘うとしてもダイナマイトを使ったりして人間くさいことこの上ありません。

 よくよく考えてみれば、本件における鬼太郎はどう見ても、「正義のヒーローが平和のために戦う!」といった立場とはまるで無縁の、「プライベートで因縁をつけられてひどい目に遭った……」というスタンスで行動しており、鬼太郎も半魚人も双方ともにミョ~にほのぼのした死闘を繰り広げています。
 死闘、死闘! そりゃ死闘ですよ! だって鬼太郎はバラバラに粉砕されて妖怪再生病院送りになっちゃうし、結成して間もない鬼太郎ファミリーは総出でフル回転の活躍をするし。はっきり言って『妖怪反物』レベルの非常事態だったんですよね、この『かまぼこ』事件は。

 さて、バラバラに爆破された上に100本ぶんのかまぼこに加工されて売りに出されるという日本マンガ史上屈指の猟奇的敗北を喫した鬼太郎だったのですが、鬼太郎ファミリーの尽力によって無事、3ヵ月後に復活するのでしたが、半魚人に対する復讐のしかたは、なぜか「女装して半魚人のメイドになりすましてだまくらかす」という倒錯しまくり回り道しまくりのファニーなものとなります。

 しかしその結果、半魚人は鬼太郎から「そんなに人間になりたいんだったら、なってみろや。」という冷酷なアドヴァイスを受けてのんきに「人間改造手術」を受けてしまい、人間になったとたんに襲いかかる「納税」「経営」「老い」「死」の恐怖におびえる日々を送ることとなってしまったのでした……

 この、「妖怪よりも人間社会のほうがよっぽど怖い」というテーマをこれ以上ないくらいにわかりやすく提示したラストによって『かまぼこ』事件は一件落着とあいなるのでしたが、水木作品らしい淡白な語り口が皮肉さを強調していた原作マンガに対して、アニメ化された本作は前半の巨大イカのスペクタクルや後半の人間社会のキビしさをわかりやすく絵にした構成がとても楽しくまとまっており、これも理想的なアニメ化のお手本のような出来になっていると感じました。
 まぁ、なにはなくとも半魚人の声を実に活き活きと演じていた兼本新吾さんのおもしろさですよね! 実はこのエピソードは珍しくねずみ男がそれほど目立った活躍をしないお話なのですが(鬼太郎のプライベートな事件だから?)、その分をおぎなって余りある半魚人のコミカルかつ狡猾きわまりない言動が最高です! いいキャラクターなんですよね~。

 余談ですが、前回の『やまたのおろち』といい今回といい、斐伊川だの大阪だのと、このへんのエピソードは舞台の範囲が西日本に限定されているきらいがありますね。もちろんこれ以外のエピソードで東京を中心としたものもいっぱいあるわけなのですが、やっぱりゲゲゲの森は鳥取県にあるのだろうか……?


 まぁ、そんなこんなでこの『かまぼこ』は、いろいろと異色作の多い『ゲゲゲの鬼太郎』サーガの中でも特に異彩を放つ「番外編」のような作品で、アニメ版もそこを十二分にくみ取った仕上がりになっていたと感じました。
 決して目立つお話ではないけど、おもしろいよ~!


スペシャル特典映像『ゲゲゲの鬼太郎ゆかりの地・東京都調布市探訪 前編』(約6分)

 うん、ご当地紹介映像といった感じで、特に感想なし。



 こんな感じで観てきましたが、この DVDマガジン第3巻って、収録されてる4話中3話という異常な確率で鬼太郎が敵妖怪に喰べられちゃってるんですけど!?(土ころびと八岐大蛇と巨大イカ)
 「また胃の中かよ!!」って、当時のチビッ子たちも呆れてたんじゃないでしょうか。まさしく「敵の攻撃を受けるだけ受けつつ反撃の機会をうかがう」という、ロッキー=バルボアのような「どM戦法」が見て取れるエピソード群でした。反則的な打たれ強さ……

 そんな感じで、また次回~ぃいん。
 やっぱり文章が長ぇよ、この企画も……
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おトクねぇ~!!  『ゲゲゲの鬼太郎 DVDマガジン』を観る  アニメ第2期 第5~9話の段

2013年08月20日 23時00分41秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
 ヘヘイヘ~イ! どうもこんばんは、そうだいでございますよ~ん。みなさま、今日も一日、暑い中ほんとうにお疲れさまでございました。
 8月もなかばを過ぎまして、前半にくらべればいくぶん気温もおとなしくなってきた感じはあるんですが、相変わらず暑いもんは暑いということで! 熱帯夜はホントにカンベンしてほしいですね。

 さて、今年の夏最大の山場だった資格試験もいちおう終わったわけなんですが、家にたまった DVDの山の鑑賞処理が、いっこうに進んでおりません!!
 理由は「暑くて観る気にならない!」ということも含めていろいろあるんですが、やっぱり仕事が忙しい! という大問題が第一であります。ありがたいことでございますけどねぇ。
 世間一般でいう夏休みの時期、私のお仕事は忙しいのなんのって。現在、私の担当している部署は平常時の5~8倍忙しくなっています。それが来月9月の第1週くらいまでは続くわけよ。月例の報告会のときに、自分で報告しててビックラこいたよ、あたしゃ……

 そんなわけで、家に帰っても即効で眠りについて、早朝に起きて出勤するという健康的な日々を送っているので、晩酌でもたしなみながら楽しみにしていた DVDをゆっくりと眺めるなんていう余裕なんか、土台あるわけがないっつうのよ! 毎晩、『日曜洋画劇場』とか『金曜ロードショー』を見つめながらウイスキーの水割りを飲んでいた我が父よ、あなたは強かった。

 まぁそれに加えまして、やっぱり個人的には大いに不本意な結果に終わった資格試験のこともありまして、しかもその正式な成績通知が来月にならないとわからないということなので、どうにもこうにも気持ちが落ち着けられない状況が続いているところでして、なんだかのんびりと作品を楽しむ気になれないんですよね、今。おちおち『風立ちぬ』も観に行けない精神状態なんですよ。必ず映画館で観るつもりではいるんですけどね。
 もうね、こんな私の気分は、おそらく来月上旬の一大イベント「℃-uteの日本武道館初コンサート」まで晴れない感じなんでしょうねぇ。おそらくその決戦に臨場してやっと心の重しがずっしんと落ちる流れになるんじゃないのでしょうか。そこで私の夏は終わるんでしょうが、振り返れば、今年もオレの夏休みはまるでなかったぜ、コンチクショー!! できれば9月にささやかなお休みをいただきたいねぇ。

 あっ、そういえば、家の DVDは観れていないんですが、仕事のなりゆきで、前からいつか観よう観ようと思いながらおざなりになってしまっていた、細田守監督のアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)をやっと観ました。
 ちょっと仕事の一環として観たので画面に集中することができず、はっきり作品全体を把握したとは言えない状態だったんですが、おもしろかったですね、はい。主人公が自分の理想の通りに行かなかった現実をはっきりと受容して肯定するという、ものすごくアニメ的でないクライマックスにやけに感動してしまいました。単純なハッピーエンドでないという時点で、もう私としては100点満点。なんてったって「家族」がテーマの物語なんですからね、そりゃそうです。

 物語のスケールでいったら、どうしても『サマーウォーズ』に比べて見劣りしてしまうのかも知れませんが、監督が明らかに今までのキャリアの中で自分の作品に入れていた「きれいごと」に満足していないという攻めの姿勢が観られたのが本当に気持ちよかったですね。前半の恋愛関係の甘ったるい雰囲気が、子どもの誕生と突然の別れでどんどん生臭くなっていく展開も、細田監督一流の構成センスと作品世界で非常に味わいやすくなっていたと思います。
 まぁ、なんてったって後半の自然描写の水墨画のようなシンプルさと美しさですよね。子どもの名前だけでなく「雨」と「雪」がとても効果的に作品に入り込んでいたのが素晴らしかったですわ。「夏」だけじゃあない細田ワールドの新境地!

 ちょっぴり怖くもあるんですが、細田監督の次回作に大いに期待したいと思います。いったいどんな次元のアニメになるんだろうか? アニメの「きれいごと」と闘いながらもアニメであり続けるという厳しい選択肢を、ぜひともこれからも貫いていってほしいと思います。今度は必ずスクリーンで観ます。すいませんでしたァ!


 さて、そんなこんなでやっと今回の本題に入るんですが、同じアニメでもむっちゃくちゃクラシックなアニメ作品のお話。

 何を今さらって感じなんですが、今年の5月から、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の第2シリーズ、第1シリーズの全話を収録対象とした DVDマガジン『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン』(隔週刊 講談社)の刊行が開始されました。第2シリーズが全話ぶん刊行された後に第1シリーズの刊行が始まるというヘンな順番なのですが、来年までまる1年続いていく予定のようです。

 そんでもって、『ゲゲゲの鬼太郎』といえば「猫娘ヒストリー」だとか「ぬらりひょん・妖怪総大将への道」だとかいう実に自己マンな企画をやらかしていた私も黙ってはいられないということで、フハッと鼻息を荒くしたわけだったのですが、いくら安くてもさすがに全巻全話をチェックするのはしんどすぎるし観る時間もないということで、自分の特に興味のあるエピソードが収録された巻だけを購入しておくということにしていました。
 こういう DVD主体の隔週刊雑誌に注目するのは、『ゴジラ』シリーズとか「変身人間シリーズ」とか『血を吸う』シリーズとかが2000円という脅威の価格で限定販売されていた『東宝特撮 DVDコレクション』(2009~12年 全65巻 ディアゴスティーニ)以来なんですが、それよりもさらにお得な1600円! 映画の VHSビデオが平気な顔して1本1万5千円とかで売られていた私の青春時代からしたら、実にいい世の中になったもんです…… THE・隔世。

 現在、随時刊行されているのは初カラー作品となったアニメ第2シリーズなのですが、それではざっと、第2シリーズの基本情報をまとめてみましょう。


アニメ版『ゲゲゲの鬼太郎』第2シリーズ とは
 1971年10月~72年9月放送。全45話。前作アニメ第1シリーズ(1968年1月~69年3月放送 全65話)から2年半後の製作。スタッフ、キャストはほぼそのままで初めてカラー作品となり、前作と同様に高い支持を得た。平均視聴率は17.0%。
 第1シリーズの完全な続編という位置づけであるため、エピソードのリメイクは行われなかった。そのため、マンガ『ゲゲゲの鬼太郎』以外の水木しげる作品を原作にアレンジしたエピソードが全体の約半分を占める(第1シリーズでは終盤の第62話『海じじい』、第63話『なまはげ』の2エピソードのみが非鬼太郎もの原作だった)。これらの作品はもともと単体で物語が完結しているために鬼太郎がストーリーに介入する余地が少なく、「正義のヒーロー鬼太郎が悪い妖怪をやっつける」という子ども向け番組としての基本コンセプトから外れて、鬼太郎が単なる傍観者で終わってしまう話や、非常に怖く救いのない話も続出した。その反面、風刺色や怪奇色の強い大人向け作品を取り上げたことにより、水木作品の持つピュアなエッセンスの忠実な映像化に成功した。原作の意図をよく理解したスタッフは当時の風俗や世相などを取り入れ、風刺やアイロニー、人間の業の深さなどを描き切り、他のシリーズには見受けられない強いメッセージ性と独特の深い味わいを持ったシリーズとなった。
 また、東映動画のアニメ『タイガーマスク』(1969~71年)を終了した製作スタッフが合流していることなどにより、第1シリーズに比べて劇画調のタッチの作画が増え、異色のエピソード群をさらに特徴あるものに仕上げている。
 モノクロ作品であるために再放送の少なかった第1シリーズと違い、第2シリーズは夏休みの子ども向けアニメの定番作品としてその後何度も再放送され、リアルタイムでない世代のファンも多く生み出した。

おもなキャスト
ゲゲゲの鬼太郎 …… 野沢 雅子(35歳)
目玉の親父   …… 田の中 勇(39歳 2010年没)
ねずみ男    …… 大塚 周夫(42歳)
猫娘      …… 小串 容子(?歳 猫娘の声優としては2代目)


 とまぁこんなわけなんですが、周知の通り、この第2シリーズは今や鬼太郎ファミリーにとって必要不可欠な「萌え担当」要員となった猫娘が、初めてレギュラー出演することとなった重要な作品でありながらも、と同時に、先の第1シリーズで原作マンガどおりのあっさり感でリタイアしてしまったために我がいとしのぬらりひょん様が1秒たりとも出演していない唯一の作品でもありました。であるがゆえに、私としても「なんだ、第2シリーズかよ……」というがっかり感もないと言えば嘘になっていたのですが。

 だが、しかし。思い起こせば私が生まれて初めてアニメの鬼太郎に出会ったのは、親か児童館の先生がレンタルビデオ店から借りてきた第2シリーズがきっかけでした。その素地があった上で、リアルタイムの吉幾三な第3シリーズの洗礼を浴びて現在にいたるわけ。それじゃあ軽視するわけにはいきませんやね。
 しかも、上の解説にもあるように、第2シリーズはその「第1シリーズの直接の続編」という縛りがあったがゆえに、深刻な原作不足を解消するために水木しげるの「非鬼太郎もの」を苦心して鬼太郎ものに変換するという努力が大いになされたシリーズでもありました。その中には多くの異色の傑作が生まれ、それ以降の第3~5シリーズで他の原作マンガと同じようにリメイクされたエピソードも少なくありません。

 それじゃあ、なるべくチェックしなくっちゃあね!

 というわけで、自分が購入した巻だけを扱うのではなはだ穴だらけな感じにはなってしまうのですが、だいたい「非鬼太郎もの」を原作とするエピソードを収録した巻を観た簡単な感想のようなものを、これからぽつぽつと我が『長岡京エイリアン』でつづっていきたいと思います。

 これぞ温故知新! 予定通りに刊行されていけば、第1シリーズのモノクロぬらりひょん様がおがめるのは11月のころですか。遠いようであっという間なんだろうなぁ……


『ゲゲゲの鬼太郎 TVアニメ DVDマガジン 第2巻』(2013年6月11日発売 講談社)の収録内容

第5話『あしまがり』 1971年11月4日放送 脚本・柴田夏余、演出・高畑勲(36歳)
 原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第126話『妖怪あしまがり』(1969年6月掲載)
 ゲスト妖怪……タヌキ妖怪あしまがり(声・富田耕生)、あしまがりの使役する気体妖怪、妖怪花の精(声・杉山佳寿子)
 他シリーズでのリメイク……第3シリーズ(1985~88年)※あしまがりはぬらりひょんの用心棒として登場する

 第1シリーズの製作に間にあわなかったマガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』の末期エピソードをアニメ化したものですが、1話だけで完結していながらも鬼太郎をけっこういいところまで苦しめる妖怪あしまがりとの激闘を非常にうまく30分の内容にふくらませた名編だと感じました。
 なんといっても、肝心のバトルシーンを無駄に長くするという安易な演出を避けて、第2シリーズのオリジナリティともいえる猫娘の活躍を前半に用意して、自然破壊のむなしさや妖怪花のミステリーの描写に時間を割いたのが実にうまいですね。猫娘のロマンチックな部分が早くも全開になっていたと思います。ねずみ男とのツンデレ関係がしっかりできあがっているのも、なんという先見の明か!

 原因はどうであれ、現実にホテルの営業を妨害されて困っている人間側の味方にならずに、同じ「滅びゆく種族の生き残り」である妖怪花の精に一も二もなく力を貸す鬼太郎。その行動原理が非常にはっきりと言及されているエピソードだと思います。正義の味方が必ずしも人類の味方であるわけではないという重要なお話ですね。
 「正義」に正直な鬼太郎、「金」に正直なねずみ男、「酒」に正直な妖怪あしまがり。それぞれの原理がぶつかりあう後半の展開はとても手に汗握るものがあるのですが、しょせんは鬼太郎のゲタを見落としてしまったあしまがりの完敗ということで一件落着となります。鬼太郎強すぎ……

 この戦いで、人類の立場につけいってあしまがりに鬼太郎退治を依頼した張本人は他ならぬねずみ男。はっきりいって鬼太郎に殺されてもおかしくない戦犯っぷりなんですが、あしまがりとの決戦のあいまにゲタでビンタをしたり、落下時にクッションにしたりするくらいのお仕置きで許してやっているようです。この第2シリーズって、ねずみ男がいなければ成立しないエピソードが多いんですよね。死んでもらっては困るということなんでしょうか。寛大だ!

 上のように、本作での妖怪あしまがりは、人間語を話し衣服を着た化け狸と、それが鐘と太鼓と銅鑼を鳴らして使役する気体妖怪とのペアなのですが、さすがは約20年後に『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年)を世に問うた高畑勲監督だけあって、少ないセル画ながらも、不敵な戦巧者である化け狸が実に活き活きと描かれていました。酒を呑むしぐさが本当においしそうなのよね~! 富田耕生さんは、こういう自信過剰気味な悪党の役がうまいうまい。


第6話『死人(しびと)つき』 11月11日放送 脚本・安藤豊弘、演出・茂野一清
 原作……非鬼太郎もの短編『妖怪魍魎の巻 死人つき』(1967年2月掲載)
 ゲスト妖怪……魍魎(声・渡辺典子)、土精、魍魎の仲間、つるべ火
 他シリーズでのリメイク……第5シリーズ(2007~09年)

 第2シリーズで、初めて「非鬼太郎もの」が原作となったエピソードです。鬼太郎ものにも魍魎が登場するエピソードはあるのですが(マガジン版第69話『モウリョウ』)、こちらは別の個体の魍魎が出てくる話ですでに第1シリーズでアニメ化されていました(第31話『もうりょう』)。
 『死人つき』の原作マンガは、19世紀のロシア帝国の文豪ニコライ=ゴーゴリがロシアの魔女伝説をもとに著したという短編『ヴィイ』(1835年)を日本の物語にリライトしたもので、魔法陣に隠れた人間が妖怪の目に見えないという設定や、それを見破る邪眼を持った土精の存在は濃厚にヨーロピアンな香りをおびていますね。とはいっても、完全にキリスト教的でないところに、スラヴ民族文化ならではの豊潤なミックス感があると思います。

 何を隠そう、今回この DVDマガジンの第2巻を購入した私のいちばんの目的はこの『死人つき』でありまして、萌え萌え作画に加えてかなりコメディ要素の強かった第5シリーズの中でも異様に怖いエピソードに仕上がっていた第64話『もうりょうの夜』のオリジンが第2シリーズの本作だということを知り、どうしてもこの目でしかと観たいという思いがあったのでした。

 それで満を持して観たわけだったのですが、まぁやっぱりそこはそれ、いくら怖い話だといっても『ゲゲゲの鬼太郎』ですからそんなにドギツい描写はなかったのですが、真夜中の森をほほえみながら歩いてくる白装束の娘だとか、実は彼女が3日前に死亡していたということが判明する展開、そして毎晩その彼女の死体がむっくりと起き上がって婚約者(ねずみ男)を探しさまよい、ついに現れる魍魎の本性!
 たしかにいちいち古典的でベタではあるのですが、あぁ、私はいま正真正銘の怪奇譚を楽しんでいるのだなぁ、という充実感がひしひしと湧いてくる素晴らしい傑作になっています。

 いうまでもなく、このエピソードの原作はゲゲゲの鬼太郎のような万能ヒーローの活躍しない、実録怪談的な伝承であるはずなのですが、後半に実にうまく鬼太郎と魍魎軍団との大立ち回りが差し込まれているため、鬼太郎サーガの一編としてまったく破綻のない構成になっているのも見逃せないポイントですね。鬼太郎の出番もちゃんとあり、死人に求婚されるという絶妙な役回りにねずみ男も大いにハマッています。そして誰よりも、魍魎から人間を守る魔法陣の知識を駆使するのが目玉の親父であるという役割分担がものす~っごくしっくりきてるんですよね!
 う~ん、ヒーローとトラブルメイカーとマスター。鬼太郎ファミリーは本当に完成されているうまいメンバー構成なんですよね。猫娘は……このお話ではあんまし出番がなかった。


第7話『猫又』 11月18日放送 脚本・雪室俊一、演出・新田義方
 原作……非鬼太郎もの短編『世界怪奇シリーズ 猫又の恋』(1968年7月掲載)
 ゲスト妖怪……猫又ジーダ(声・千葉順二)、ボロゴン島の妖狐
 他シリーズでのリメイク……なし

 前話の魍魎と同じように、本作の主要な存在となる妖怪「猫又」もまた、鬼太郎もの原作の中ではマガジン版第77話『ばけ猫』(アニメ第1シリーズ第41話ですでにアニメ化)や、のちの『鬼太郎の世界お化け旅行』第13話『ベルサイユの化け猫』(1976年7月)や『新ゲゲゲの鬼太郎』第8話『猫町切符』(1978年8月)など、数え切れないほど多くの名エピソードに登場しているモティーフですね。水木先生はほんとうに猫が好きねぇ!
 ただし、先の『ばけ猫』に登場した化け猫の正体が、人間の自動車社会の発展によって急増した轢き逃げなどで非業の死を遂げた動物たちの死霊の集合体であった、つまりは「猫」とも言いがたい存在であったのに対して、本エピソードに登場した化け猫は50年生きて妖力を持つようになった、尻尾の二股に分かれた正真正銘の「猫又」であるということからも、むしろこっちのほうが正統派の「化け猫もの」であるという印象が強いですね。

 ちなみに、私そうだい自身は猫どころかペットを飼育した経験がまったくないので猫に関する知識は皆無なのですが、ちょっと調べてみたら現代日本における飼い猫は平均寿命がおおよそ15歳で人間でいう70歳代くらい。野良猫になると体力が衰え始めてきた4~5歳くらい(人間でいう30歳代後半)が寿命なんですって。シビアねぇ~!
 それで猫の寿命の公式ギネス記録が「34歳」で、だいたい20歳くらいが人間でいう100歳代だっていうんですから、猫の尻尾が分かれるらしい50歳という猫又認定ラインがどんだけハードルの高い厳しいものなのかということがわかります。そりゃあまぁ、人間語を話したり2本足で立つくらいはできなきゃあ割に合いませんよね。

 『世界怪奇シリーズ』の一篇として発表された原作マンガを鬼太郎ものにアレンジするため、物語は東南アジアのインドネシアの奥地にあるボロゴン島に住む猫又ジーダが自分の娘エリーメにつきまとうので何とかしてほしいという依頼のために、島の有力者バンダがはるばる日本の鬼太郎のもとにまでやって来るという発端となります。原作では、猫語の研究家である男が、「投げても木に絶対に当たらない糞」を探すために自分からボロゴン島にやって来るという筋なのですが……もうなんか、原作はどこからツッコんだらいいのかわかんない!! こんなストーリーを思いつく人のことを「天才」と呼ばずしてどう呼んだらいいのでしょうか。きぃちがいじゃがしかたがない。

 物語を見ていくと、鬼太郎一行が「エリーメにつきまとう猫又ジーダの謎を追う」という展開から、実はジーダの行動はエリーメを独占したいという欲望からきたものではなかったという意外な真実が発覚し、クライマックスでは身の丈数十メートルはあろうかという怪獣級の巨大妖怪・妖狐と鬼太郎とのバトルアクションが繰り広げられるという息をもつかせぬ内容になっていました。

 ただ、展開は文句なしにおもしろいのですが、このエピソードを『ゲゲゲの鬼太郎』の一篇として観たときにどう感じるのかと考えてみると……どうにも印象が散漫になっちゃうんですよね。
 要するに、この作品はやっぱり『猫又の恋』という原題の示すようにあくまでも猫又が中心となった物語であるがために、最終的に妖狐を倒していいところを持っていくのは猫又なんですよね。鬼太郎はどう脚色されて登場しても、どうしても添え物になってる感がいなめないんです。日本ではあんなに無敵なちゃんちゃんこもゲタも妖狐の息を止めるにはいたっていないし、ただ妖狐の強大さと猫又ジーダの身を挺した勇気ある行動を強調する説明役にしかなっていないという物足りなさが残るんですよね。
 「猫又」ということでそれを擁護するような立場につく猫娘も、発言は確かにオリジナリティがあっていいんですが文句を言うにとどまる中途半端な扱いになっているし、ねぇ。

 ともかく、この作品はシリーズ初の海外ものエピソードということでヴィジュアルは新奇さに満ちていて見飽きないのですが、ただでさえ成立しているひとつの物語に鬼太郎ファミリーが混ざってしまったことで、ちょっと話がこんがらがってしまってどこを楽しんだらいいのかがわからない混線をまねいてしまった感じがしました。考えてみたら、この事件の解決者は中盤に突然登場してくる「謎の老僧」で充分なわけでして、日本からわざわざやって来た鬼太郎さまご一行の立ち位置はどこにもなかったのよね……

 ゲゲゲの鬼太郎というキャラクターをどう作品にからませるのかというポイントを考えた場合、この『猫又』は前話『死人つき』とかなり好対照な結果を招いていたと思いました。
 物語自体はおもしろかっただけに、非常に残念! のちのアニメシリーズでもリメイクされることが絶えてないという事実も、非常に賢明な判断かと。原作どおりの鬼太郎ものでないスタイルがいちばんいいお話ですよね、やっぱ。


第8話『マンモスフラワー』 11月25日 脚本・辻真先(39歳)、演出・蕪木登喜司
 原作……非鬼太郎もの短編『マンモスフラワー 巨大な花』(1965年10月掲載)
 ゲスト妖怪……マンモスフラワー、あかなめ(声・北川米彦)、つるべ火、一反木綿、塗り壁
 他シリーズでのリメイク……第3シリーズ、第4シリーズ(1996~98年)

 これまた非鬼太郎もの原作のアレンジエピソードであるわけなのですが、社会風刺以外の何者でもなかった物語の中に、「マンモスフラワーを発生させた妖怪あかなめ」というキャラクターを差し込んだのは、鬼太郎ものへのアレンジという意味で大正解だったと思います。明確なマンモスフラワー大量発生の原因を作らないと、事件がまるで解決しないですもんね。
 このエピソードに登場する、「ちょっとベロが長いくらいのいかついおっさん」という体格の妖怪あかなめは、水木しげるのマンガにもイラストにも出てこないアニメオリジナルのデザインなのですが、同じ第2シリーズで第28話『あかなめ』(1972年4月放送)、ひいてはその原作となったサンデー版『ゲゲゲの鬼太郎』第9話『あかなめ』(1971年11月掲載)に出てくる巨大あかなめとはまったく関連のない知的なキャラクターになっていて、けっこうかっこいいです。鬼太郎に退治される対象ではなく、現代日本文明への警告者になってるんですね。

 鬼太郎が出てきても、原作の通りにこの作品の持ち味は、都会の日常に「悪夢のような」非日常が現出するというハプニングにこそ意味があるわけなので、冒頭に異常な力の入れ方をもって克明に描写される「マンモスフラワーの気持ち悪さ」は実に的を得た演出だと感じました。
 いいおとぎ噺を観た、っていう感触でしたね。

 でも、私としてはこの作品もまた、鬼太郎ものになってしまったことで失われてしまった原作マンガの「衝撃のラストコマ」オチこそが最高にして至高の終わり方だと思うのよね……あれはやっぱ、水木先生だからこそできる締めかたですよ、うん。


第9話『髪さま』 12月2日放送 脚本・柴田夏余、演出・山口康男
 原作……マガジン版『ゲゲゲの鬼太郎』第113・114話『髪さま』(1969年1月連載)
 ゲスト妖怪……髪さま(声・北川米彦)、毛目玉(声・矢田耕司)
 他シリーズでのリメイク……第3シリーズ、第5シリーズ

 この作品はまさしく原作マンガからして鬼太郎ものの充実した傑作エピソードであるし、20分ほどのアニメ作品にするのに最も無理がない(と私が勝手に解釈している)週刊連載2話ぶんというサイズがとっても的確な、原作にかなり忠実な一編に仕上がっていたかと思います。

 なので、特に記すこともないわけなのですが、相変わらず淡々としたノリの原作の中から、島を支配する地方神「髪さま」のいけにえにされてしまった少女(「美」はつかない)とそれを嘆き鬼太郎に事件解決を依頼するカラスのカー坊、そのいっぽうで因習に従い少女を積極的に髪さまに捧げようとする島民の不気味な忠実さ、そして髪さまの使いとして暗躍する謎の生命体「毛目玉」のコミカルさといったあたりがひとつひとつ実に丁寧に抽出されてバランスよく配置されていたのが素晴らしかったです。後半に活躍する「まったく役に立たない警察機動隊」のなぜかニセ外国人口調な隊長もいい味出してます。

 いけにえという実にじめじめした因習が残る島の物語ということで前半こそ確かに重苦しい雰囲気が続くのですが、怒り狂った髪さまが発現するたたりが「人間の頭髪を奪い去って島民総ツルッパゲ地獄にする」という恐ろしすぎる能力であったがために、後半になってどうにも笑うしかない展開におちいるという、実に水木しげる的なカオスが炸裂するのは、まさしく素晴らしいの一言に尽きますね。
 人間の頭部から鳥のように飛びたっていく黒髪を老若男女がおろおろと追いかける大混乱といい、集合してひとつの巨大な怪物となった髪が機動隊のヘリや船を襲撃するアクションの見事なアニメ化は文句の言いようがなかったのですが、私はそれもともかくとして、浮遊する自分の髪の毛を追いかけて外にまろび出る大人たちの後ろに、ひときわ小さな髪のかたまりをハイハイでおいかけるハゲた赤ちゃんがしっかりいるという芸の細かさにやけに感動してしまいました。これがまた、一瞬画面の隅にいるだけの扱いなんだけど、かわいいんだよなぁ~!! 神は細部に宿る。まさしくその証左を観た思いでした。

 実はその後あっさりと鬼太郎に退治されてしまう髪さまなんですが、そういう部分をアクションの継ぎ足しではなく、原作の持ち味のふくらませでカヴァーする製作陣の心意気に非常に感じいった傑作エピソードでした。これこそ、マンガの理想的なアニメ化のかたちなんじゃないんでしょうか!


スペシャル特典映像『水木しげる最新撮り下ろしインタビュー 後編』(約7分)

 ちょっと DVDマガジンの第1巻を購入していないのでインタビューの全編を観たわけではないのですが、少なくともこの後編における水木先生のアニメ第2シリーズへの言及は、7分間におよぶ内容の中でも、

「別になんとも思わないですね、別にね。」
「結局、ある程度金ができればねぇ、別にどうでもいいんですよ。その……評判が悪かろうがなにしようが、別に平気です。」

 これくらいでしたね。っていうか、これも特に第2シリーズについての発言じゃあないね。

 もう、まっとうな水木しげるファンならば、現在の水木先生に『ゲゲゲの鬼太郎』に関するサービス的なコメントは期待しないのが当たり前ですし、ともかく今年収録のこのインタビュー映像で元気なお姿が観られた。それだけでいいんじゃないでしょうか。
 それ以上に、まったく DVDマガジンに関係のないいつもの昔話や近況報告で、

「戦争でもう私は、死に合うところにばっかりいたからね。」
「バナナはあれ、神の果物ですよ。きっとね。」
「人が馬鹿に見えるよね、もうね。」

 といった爆弾発言がポンポン飛び出ていたのが、毎度おなじみのことながらもやっぱりうれしかったですね。
 現在の水木先生を見ると、いつも「そういう老後を迎えたい!」と感じてしまうんですが、そうなるためには若い頃の地獄のような苦労と天才的センスが必要なんですよね。結局は、時間を無駄にしなさんなってことなんですな。

 多くの先生のファンキーな答えの中でもひときわ力強かったのは、『ゲゲゲの鬼太郎』が誕生から半世紀を超えた今現在でも絶大な人気を集め続けている、その秘訣を尋ねられたときに答えた、

「自分がおもしろいと思うことを、描く。
 人におもしろく思われようとかなんかっちゅうことは、三流です。すぐ消えます。一年以内に消えます。」

 という言葉でした。
 すっごく重たいですよね……今は1年どころか、3ヶ月くらいで消えるアニメ作品が氾濫してる環境が常態になってるんですからね。
 とにかく確かなのは、アニメ第2期『ゲゲゲの鬼太郎』が、製作後40年を経た今でも十二分に楽しめるアニメ作品になっているということ。これを超一流と言わずになんと言えましょうか。

 そして、それは水木しげるという巨大すぎる山にいどんだ多くのプロフェッショナルたちの登攀の記録でもあるわけなのです。


 本来ならば鬼太郎ものではなかった原作マンガの換骨奪胎という道を選んだ、アニメ第2期『ゲゲゲの鬼太郎』の数々のエピソード群。
 そのひとつひとつを噛みしめる旅に、これからもしばしお付き合いくださいませ~。
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