高校生カップル

2008年01月26日 | 健康・病気
土曜日の通勤電車は空いている。
所沢駅で、新木場行きの地下鉄有楽町線に乗ると、
(西武線に乗り入れている)
かなり座席が空いていて坐れた。
おれは、さっそく文庫本を開く。

左隣は男子高生だった。
清瀬駅で乗ってきた女子高生が、
男の子の前に立った。
知り合いのようで、2人は話し始めた。

女子高生はそれほど背が高くなかった。
本から目を上げて、正面の窓の外を見ながら、
左目の端のほうで女の子をちょっと見ると、
なかなか可愛い顔をしていた。

視線を文庫本に戻し、
小説を読もうとしたおれはハッとした。
足を大きく開いた男子高生は、
両手を太ももにおいている。
それに女子高生は、短い制服の
スカートから伸びたおさない足を押しつけていた。
男の子は指を動かし、女の子の足を撫でたりしている。

もうおれは、文庫本の活字がバラバラに踊ってしまって、
小説のストーリーなんてどうでもよくなってしまった。
それからおれは、活字を追えなくなった。

女子高生が電車の揺れに合わせて、体を前に倒す。
男の子の両手がスカートに隠れる。
その中で男の子の手がどうなっているのか?
しばらくして女の子が体をもとに戻す。
男子高生の手は女子高生の足に触れている。

何度かそういうことが、
なんでもないことのように繰り返された。
2人の会話は、学校や友達のことで
たわいもないことだった。
そんな高校生カップルの横で、
“純情”なおじさんはハラハラ、ドキドキしていた。

練馬駅で、高校生カップルは、
仲良く連れ添って降りた。
おれはそれから、
きめ細かい女の子の足の肌を
撫でていた指の映像が頭に残ってしまった。
こりゃダメだと、i-Podを取り出して、
フォルクローレの曲をかけた。
ケーナの音が、
おじさんの興奮した心を静めてくれた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする