かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

タイミング良し

2010年08月21日 17時44分29秒 | 医者仕事
新棟に移って初めての週末。移ってからなかなか皆の姿を見にくくなったが、今日はさらにそれに拍車がかかった。ほとんど姿を見なかった。
今日やるべきことは週明けの検査のチェックと処方漏れの見直し。それに採血が1件。採血の結果を確認して、今日から入った患者の処方と注射をチェックしてそれで終わり。
時間も迫ったので、今日は寮の部屋のテレビで決勝戦を見た。去年は見られなかったが、今年はせめて決勝戦と閉会式を見られたのはいい巡り合わせであった。ちなみに、開会式もその気になれば見られたのだが、うっかり忘れて見逃してしまったのは残念なことだった。
それとともにいくつかやっておいたほうが良かったことができたので、ちょうどいい時間だったかもしれない。
昨日の夜から続くバックアップ時間は今夜まで続く。あともう少しなのだが・・・

荒れる一日

2010年08月20日 23時47分10秒 | 医者仕事
先週の金曜日はショッキングな一日だったが、今週は別の意味で衝撃的な一日になった。自分に入ったわけではないが、動脈瘤破裂と心筋梗塞による心原性ショックが来て、どちらも危険きわまりない状態だったが、前者は亡くなり、後者は緊急でPCPSを回して何とか助かった。恐ろしいことに前者は歩いてきたとのことで、破裂一歩手前だったのが病院で診察待ちのところで破裂してしまったのだろう。直接診たわけではないのだがあっという間の経過だったという。後者の心筋梗塞はまさに突然死一歩手前だった。病院に運ばれて治療が辛うじて間に合ったというべきで、その点では幸運であった。もっとも、心マしながらのカテーテルなどそうそうあるものではない。
受け持ち患者は今のところ落ち着いてはいるのだが、どことなく不穏な気配も感じないわけではない。その点はちょっと心配である。

夏の夜空に咲く花

2010年08月19日 23時27分30秒 | 医者仕事
今日は仕事を早く終わらせようと頑張った。なぜか。花火大会があったからである。
幸いというのか、住んでいるところから花火を見ることができるので、時間さえ間に合えば見るのは容易なことである。
さて、仕事の内容はというといくつかあったものの多くはなかった。最後にカルテ記載をしてそれで終わりである。大した問題ではなかった。なんとなく落ち着いてきているのは大変ありがたいのだが、やはり気になるところはいくつかあって、それがためにそこまで話は簡単にはならない。頭を悩ませることは常にいくつかあるものである。
だからこそ、夜空に一瞬現れて消える花火が、考え事ばかりしている頭に鮮烈なイメージを残してくれて、いい気分転換になるのかもしれない。

当直明け

2010年08月18日 22時06分21秒 | 医者仕事
朝方からふたたび当直の仕事が始まり、朝の業務開始時間までそれは続いた。そして、その後はいつも通りの仕事。朝なのであいさつは当然「おはようございます」になるわけだが、自分の感覚としては全くそんな感じはない。ではあるが、それはそれ、あいさつはあいさつである。
が、あまり眠っていないことによるダメージは少なくなく、本人はしっかり起きているつもりでも受け答えが鈍かったり、わかったつもりでわかっていないということがあったようで、何度も少し寝たほうがいいとは言われた。だが、やることが残っている状況で寝る時間をとるのは惜しい。
今日はカテ室のこけら落とし。受け持ち患者が記念すべき第1号になった。
結局早めに仕事が終わり、早めに帰って寝ることになった。とはいっても、決して端折ったわけではない。

慣れない新システム

2010年08月17日 23時55分45秒 | 医者仕事
今日は当直の日なのだが、場所がすっかり変わってしまってどこに行ったものやらまったくわからない。救急外来自体が移動していて、少し余裕を持って向かい1階をうろうろしてようやく見つけた。
新しい建物はいい部分もあるが、使いにくくなった部分も少なくない。たとえば、これまで内科当直が休憩につかっていた部屋がなくなったことなどはそのいい例である。空いているブースで食事をするというのはあまりほめられたものではないのだが、場所がなければしょうがない。他にもおかしなところはいくつかあるが、実用をあまり考えていない設計だったのだろうか。
文句ばかり言っていても始まらないので、とにかくそれぞれのブースで診察をすることになった。最初というのはとかく勝手がわからないもの。やっていくうちになれるしかないのだろう。

本格始動

2010年08月16日 21時32分51秒 | 医者仕事
いよいよ今日から本格的に新病棟が動き出す。
ダウンした注射システムはいまだに復旧せず、明日以降に大いに不安を残す内容となったのだが、実際に復旧したのは昼前。そして、4時までに明日の点滴を入れておけという。4時間というのは結構時間があるようだが、昼前に復旧したという連絡が昼過ぎに届く保証はどこにもなく、実際問題としてはせわしない。
始めて電子カルテで記録を付けた。なかなか慣れないせいで入力に手間取り、定型的な文章をできるだけ早くセットにしておく必要がありそうだ。早く使いこなせればそれに越したことはない。
もう一つ、困ったのは場所がわからないこと。1年ちょっとかけて磨き上げてきた土地鑑がまるまる意味を失ってしまったため、しばらく迷子を繰り返す必要がありそうである。
今日は幸い何も起こらなかったため、それだけで済んだのだがそうでなければこうはうまくいかないだろう。

システムダウン!?

2010年08月15日 16時27分39秒 | 医者仕事
新しいオーダリング&電子カルテシステム、通称「メガオーク」が稼動を始めて1日。何か起こるのではないかと思っていたが、やはり起こった。点滴のシステムダウンで紙運用になってしまった。単純な点滴であればまだいいが、そうは問屋がおろさないことが多く、そうなると処方箋を書くのだけでもかなり面倒である。
おまけに、完全電子カルテ化によって指示をあらためて打ち込まなければならず、指示を打ち込むのはどこになるのかと思えば、「処置」の項目にあったりする。まとめて条件をいくつか入れることもできず、不便きわまりない。感じている不便はある程度は習熟が足りないがためのものと思うが、それにしてもかなりひどい。この病院の導入するシステムなので最初からたかがしれているのはもちろんだが、こういう想像はまず裏切らない。
まったく大したシステムである。どんな人が設計したのか見てみたいものだ。きっと、単純なことを難しくさせる達人であろう。
病棟は落ち着いていて、そのためある程度はこういうことも許容できるくらいの余裕はあった。

引っ越し大作戦!

2010年08月14日 22時15分01秒 | 医者仕事
この時期に、いやこの時期だからこそだろうが、新病棟への引っ越しが敢行された。今日一日で全ての入院患者を移動させ、新病棟と電子カルテシステムを稼働させる大作業である。
当然のことながら我々末端は労働力として駆り出されるわけで、面白かろうはずがない。この週末は移行期間であり、これまでのオーダリングシステムは前日の夜で停止し、今日の夜までは紙運用になっていた。紙のカルテは今後なくなるわけだが、入院中の人についてはまだ移行措置としてしばらく紙のカルテでの指示が生きるとのことである。
何度か新しいシステムの講習は受けたが、こんなものでは熟練などおぼつかないことはいうまでもない。
さて、実際の中身だが、順番通りに患者を新病棟に搬送していくだけである。幸いというか滞りなく搬送は進み、予定通りに全て終了したらしい。まだ新しい電子カルテに触れていないのだが、休みのうちにできるだけ習熟しておきたい。

急転直下の結末

2010年08月13日 23時59分52秒 | 医者仕事
今日は13日の金曜日。
だからというわけではないが、朝から受け持ちの1人の様子がどうもおかしい。発熱があり血圧が下がったという。尿も出ていない。見てみると、確かに熱くてしかも肌が若干黄色い。採血と血培採取して、レントゲンをオーダーして、外液を少し負荷することにした。
肺はきれいだったが、CRPは著増し、肝不全は起こりかけで腎不全はかなり深刻になっていた。すぐに抗生剤とノルアドレナリンを始めたが、血圧はいっこうに上がる気配がなく、ノルアドレナリン増量で末梢を締めてもまったく上がる気配がない。それどころか下がる一方だった。家族にすぐに連絡を取り、病院に来てもらうことにした。
2時前に呼吸の間隔が延び始め、下顎呼吸になった。対光反射をとってみると、瞳孔は散大して対光反射は消失。しばらくしてついに呼吸停止。辛うじて保っていた酸素飽和度も一気に下がり、ペースメーカーで心臓は辛うじて脈打つのみ。リズムは完全にペーシング。最後に呼吸音と対光反射を診て、最後の宣告。
昨日までは予想だにしなかった展開で、進展の速さは恐ろしいものだった。発症からほぼ8時間で急転直下、手を尽くしたが生命を守ることはできなかった。医者として忸怩たる思いがする。
初めて自分の名前で死亡診断書を発行した。丁重に病棟から見送り、霊安室で線香をあげ、最後にお見送りをして、それで一日が終わった。
きっと、今日のこの一日のことはこれから忘れられない出来事になるだろう。

ドタバタ劇

2010年08月12日 23時41分15秒 | 医者仕事
大したことではなく、採血一つとってみてもうまくいかないことが重なるとなかなかうまくいかないということである。おそらくは寝不足も関与しているだろうが、最初に必要な分より小さいシリンジでうっかり採血してしまったことが始まりだった。こちらは平謝りで追加で採血をしたが、なぜかわからないが小さいシリンジを付けていたことに気がつかなかった自分がどうにも許せない。
その後は点滴の差し替えでまたやらかした。むくんでいて駆血してもぜんぜん静脈が出てこないためにまったく入らない。結局肘の近くでごまかしたが、あまりほめられたものではない。
さらに動脈採血を試みたが、あたったのは静脈というのが2回もあった。自分がへたくそになったようで情けない。
まったくもってしょうもない一日であった。