かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

うなるノコギリなまるメス

2008年01月28日 22時01分38秒 | 実習
解剖実習で使う道具は主にピンセット・メス・ハサミで、時にノミやノコギリを使う。普段はピンセット二刀流が基本である。メスはだんだんなまってくるので時々研いでやらなければ、ただのうすい板になってしまう。そういうわけで、手入れも解剖を進める上では大事なのである。
今日は骨盤の残り、すなわち骨盤周囲の筋を確認した後に次々と剥がしていった。ようやく血管や神経の走行も見えやすくなった。そのために骨盤内に血管・神経・筋肉が網の様にめぐらされている様子もわかった。これで骨盤は終わりで、残るは頭だけになった。
頭は昨日の続きで、咽頭と喉頭から始まった。メスで切り離すときにうっかり深く切ってしまい、喉頭蓋周囲まで切ってしまって冷や汗をかいた。寝不足もあってか今日はどうも頭の切れが鈍くていろいろミスをした。そのあと手分けして、こちらは頭蓋内の観察に移った。硬膜を引きはがして、わずかに残る脳神経をピンセットでほじくったりつまんだりして見つけた。三叉神経が枝分かれするところをようやく見ることができた。
そして、頭の折半に入った。これがかなりの重労働で、ノコギリとメスを駆使して何とか二分したところで、気力も尽きてしまった。副鼻腔をざっと確認したところで、続きはまた明日ということになった。
明日から脳が出てくるということなので、脳解剖も始めるつもりである。

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