かつてのひまな野球人の記

野球が好きだった医者が書きたいことを書き散らすブログ。今は保健センター教員をしつつ神経内科医と研究者もやっています。

ノコギリ奮闘

2008年01月25日 20時48分52秒 | 実習
今日は頭頸部と骨盤部の続きである。まず頭頸部は舌骨上筋群を剖出するところから始まった。顎二腹筋をめくって裏にあった顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋をみつけだし、茎突舌骨筋も含めて全ての舌骨上筋群を見つけた。この先は咽頭なのでとりあえずここで頭頸部は中断して、骨盤部に移った。まるで全て一人でやっているかのような記述であるが、実際に四人班なのにもかかわらず一人でやっていることがままあるのが実状である。
骨盤部は昨日の最後に片方の大腿骨を外したために、会陰部が見やすくなっていて作業もわりと容易になっていた。まず陰茎の解剖を行った。根本の坐骨海綿体筋を剥がしていくと、陰茎が根本ごと取れた。そこで、割を入れて横断面を作ってみると、きれいに2つの陰茎海綿体と尿道海綿体を見てとることができた。ついで骨盤の折半を行った。腰椎・仙骨・尾骨をすべてノコギリで真っ二つにするのだが、これが難物だった。しばらくノコギリを動かし続けたところきれいに中心から二分できたのでよかった。そして、骨盤臓器を片方に移す作業をやった。直腸が少し裂けていて、内容物が少しはみ出ているのが気になりながらもなんとか片方の血管や神経を切って、作業は完了した。そして、その後は内腸骨動脈の枝の同定をやったが、これまた大変だった。内腸骨動脈は分枝が9本もあってえらく大変なのである。骨盤の半分を何度もひっくり返して、ゾンデで骨盤の穴を探りつつ、アトラスとにらめっこを続けた結果、腸腰動脈・閉鎖動脈・上殿動脈・下殿動脈・内陰部動脈・臍動脈・上膀胱動脈・下膀胱動脈・中直腸動脈を無事同定することができた。

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