国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

迫り来るドル・ポンド・国際金融資本の崩壊

2011年02月17日 | イスラエル・ユダヤ・国際金融資本
●モルガンS不動産ファンド、大型物件のローン返済困難との見方も | Reuters 2011年 02月 17日

[東京 17日 ロイター] 複数の業界関係者によると、米モルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)の不動産ファンドが保有する東京都内の大型物件2件のローンが夏までに返済期限を迎える。期限までに返済できない場合、物件を売却する権利が同ファンドからローンの貸し手に移る見通し。

 レバレッジを効かせて取得した物件だが、取得後に不動産価格は大幅に下落しており、ローン返済の行方に業界関係者は注目している。

 モルガン・スタンレーは08年までの世界の不動産ブームに乗り、大型物件を積極的に取得したことで知られるが、日本でもモルガン・スタンレー不動産ファンド(MSREF)を通じて複数の物件に投資した。

 そのうち42億ドル規模の「MSREF V」ファンドが04年に1400億円で購入した品川グランドセントラルタワーについては、ローンの返済期限が4月15日に迫っている。また、88億ドル規模の「MSREF VI」ファンドが08年に1180億円で取得した千代田区内幸町の新生銀行(8303.T: 株価, ニュース, レポート)旧本店ビルも7月にローンの返済期限を迎える。

 「MSREF V」ファンドは、品川グランドセントラルタワーの融資のリファイナンスを07年に実施しており、その際、モルガン・スタンレーが2780億円の商業用不動産ローン担保証券(CMBS)を組成した。

 現在の物件価値は融資額を大幅に下回っており、アナリストや業界関係者は、ローンの返済や借り換えは難しく、ビルの売却権はファンドがローンの貸し手に移譲するとの見方を強めている。米商業不動産のシービー・リチャードエリス(CBG.N: 株価, 企業情報, レポート)によると、どちらの物件も07年のピーク時に比べ、価格は6割程度まで下落している。

 業界関係者によると、プライベートエクイティのブラックストーン・グループ(BX.N: 株価, 企業情報, レポート)は品川グランドセントラルタワーに関わるローンの最劣後部分を保有しており、「MSREF V」ファンドが4月にローンを返済できなければ、返済期限後の7カ月間、物件を売却する権利を持つことになる。

 一方、ドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)は「MSREF VI」に対し、927億円のローンを提供しており、新生銀行旧本店ビルの貸し手となっている。ただ、727億円分をCMBSの形で他の投資家に既に売却している。

 「MSREF VI」ファンドは昨年、全日本空輸(9202.T: 株価, ニュース, レポート)から07年に取得した13のホテルのローンが満期を迎えた際、借り換えを実施し、現在も物件を継続保有している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-19597620110217?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&utm_content=Twitter




●米国金利の先行きに不穏な影 中国の米国債購入が減り続けたら・・・ JBpress(日本ビジネスプレス) 2011.02.17
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5478




●きたるべきドル崩壊とG20 田中宇の国際ニュース解説 会員版(田中宇プラス)2011年2月16日
http://tanakanews.com/110216dollar.php (会員のみ閲覧できます)






【私のコメント】
「モルガンS不動産ファンド、大型物件のローン返済困難との見方も」とのロイター通信の報道が注目される。2008年のリーマンショック以降の東京の商業不動産の価格下落により、不動産ファンドが返済不能となり、ローンの貸し手に物件を売却する権利が移るという。ただ、売却しても大幅な損失が出ることは確実であり、結局は貸し手がその損失を償却することを余儀なくされるだろう。同様の膨大な損失を欧米の金融機関や機関投資家は抱え込んでいると思われ、彼らは事実上破産状態にある。現在の株高は米国が量的緩和と連銀による国債買い支えと国際金融資本による米国株買い支えで維持されているものと思われるが、これが永遠に継続することは考えられず、近い内に破綻する可能性が高いだろう。その時には、破綻した欧米の大手金融機関を欧米諸国が国有化することになり、金融業の割合が大きく国際金融資本の本拠地である米英両国は致命的打撃を受け、両国の通貨は暴落することになると思われる。国債の債務不履行か、あるいは猛インフレによる米英の事実上の債務踏み倒しも避けられないと思われる。

問題は、この国際金融資本の破綻時に世界戦争が起きるかどうかである。東アジアと中近東で何らかの戦争が起きるのではないかと思われる。私が予想しているのは北朝鮮の南進による韓国滅亡と、イスラエルの滅亡である。ただ、日本・中国やペルシャ湾岸地域にも戦争が拡大する危険もあると思われる。現在、バーレーンなどのシーア派地域で起きている混乱はその前兆である可能性があり注意を要する。また、日本としては、国家滅亡を回避するために日中戦争だけは回避せねばならない。





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8 コメント

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いよいよ正念場? (CatShitOne)
2011-02-18 06:26:45
>日中戦争だけは回避せねばならない。

これはまったく同意なんですが、どの中国(北京閥、上海閥、広州閥、福建閥?、etc)と話をつければいいんでしょうかね?

また仮にいくつかの勢力と話をつけて多数派の動きを抑えたとしても、残りの跳ね上がりが米英の一派と手を握って戦争を起こしたら?

なにせ「中国」は一つのまとまった国ではありませんから。
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CatShitOneさんへ (princeofwales1941)
2011-02-18 06:57:31
>これはまったく同意なんですが、どの中国(北京閥、上海閥、広州閥、福建閥?、etc)と話をつければいいんでしょうかね?また仮にいくつかの勢力と話をつけて多数派の動きを抑えたとしても、残りの跳ね上がりが米英の一派と手を握って戦争を起こしたら?



私は最近、清末~中華民国の歴史を読み直しています。軍閥が割拠していた時代の事情を知るためです。日本としては、中国国内の全ての勢力と話をつけていくしかないと思います。また、揚子江の河口という地政学的要地に位置する上海閥を最も重視し、味方につけて支援していくべきだと考えています。第二次大戦の様に日本軍が大挙して中国大陸に進出するのではなく、中国国内の親日勢力を経済的・軍事的に支援して、日本自らは血を流さない方向性が望ましいと思います。
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お返事ありがとうございます (CatShitOne )
2011-02-18 09:36:07
>揚子江の河口という地政学的要地に位置する上海閥を最も重視し、味方につけて支援していくべき

やはり上海がキモになりますか!

しかし小生の理解しているトコロでは、
①.現在の上海閥はアメリカのゴールドマン・サックスの盟友(使いっ走り)であり、
②.上海閥の首領である江沢民一派は「反日」で味を占めた前科があり、
③.揚子江沿岸エリアは日本が大陸に進出する以前から大英帝国の権益地帯であった歴史的経緯がある。

という日本にとって凄まじく厄介な場所のような気がするのですが。
もちろん一番厄介なところを何とかできればあとは楽なのでしょうけれども。


>日本軍が大挙して中国大陸に進出するのではなく、中国国内の親日勢力を経済的・軍事的に支援して、日本自らは血を流さない方向性が望ましい

これもまったく同意ですね。
残念ですが現在中国に進出している日本企業および日本人がかなりの被害を蒙るのはあきらめるしかないと思います。


>日本としては、中国国内の全ての勢力と話をつけていくしかないと思います。

気が遠くなりそうだとしか・・・・。しかし戦争を避けるためには(泣。

(ところで↑のお言葉ですが、「現在の中国の実質的な宗主国は日本」と読めないこともないような・・イヤ妄想ですけどね。それくらいの任務のような気がします。でも誰も感謝などしないんだろうなぁ)
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Unknown (もんたろう)
2011-02-19 04:06:21
私は日中戦争が起こった方が良いと思います。

中国が内戦分裂するのはもう既定事項であり、そこから発生する難民をどう処理するかが今後一番の問題だと思います。交戦状態にも無い国から来た難民は普通の難民扱いをしなければ成らない。そうなるとまた在日朝鮮人の繰り返しです。だから今回の朝鮮戦争でも戦争当事国である必要が有ると思います。

交戦国で有れば、難民とは言え敵国民として扱えます。戦争終了時の強制送還も容易でしょう。

自分が良いと思う方法は、尖閣諸島を占領させ侵略の事実を作る。外国企業の没収をさせ、経済封鎖の理由を作る。そして中国の分裂工作と米軍による中国攻撃。米日中戦争による圧力で日本国憲法改正で自衛隊を日本軍に。

返信する
Unknown (もんたろう)
2011-02-19 04:21:00
中国分裂はどの様な形に分裂するか。

そんな感じの地図を見た事がありますが、チベットウイグルは普通に分裂しますが、多分上海以下の沿岸部も分裂して中国から独立すると思います。

チベットウイグル以外の分裂の要因は経済格差です。
事実上沿岸部の先進国と内陸部の後進国ですから。

中国共産党が財産没収と分配をすると言う話もありますが、富裕層が既得権益を手放すとは思えませんし、内戦に成れば内陸部の貧困層に富裕層は殺されるでしょうから。

沿岸部が分裂すれば、韓国の様に沿岸部は日本と友好関係に成るでしょうから、後の直接の戦争継続は沿岸部がやるでしょう。

工場の大半は沿岸部ですから、没収された工場の返還等もされやすいのではないでしょうか?
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横から失礼します (なも)
2011-02-19 07:41:46
>私は日中戦争が起こった方が良いと思います。

それでは欧米の思う壺ではないでしょうか。目障りなアジアの黄猿共が勝手に潰しあってくれるのですから、欧米の高貴な連中はほくそ笑むことでしょう。(日本人の平和ボケには効くでしょうが。)それに今の米国に、中国と表立って戦争する余力があるとも思えません。 台湾のことも気がかりです。


>チベットウイグル以外の分裂の要因は経済格差です。
事実上沿岸部の先進国と内陸部の後進国ですから。

そうなる可能性は高い。ですから尚の事、日中での戦争は避けねばならないと思います。今は中国の大衆の目を、「共通の敵日本」として「外」に目を向けさせるのは得策ではありません。生活水準が向上した沿岸部の中国国民を、このままぬるま湯につからせて、今の生活を手放せなくさせるのです。最後の敵は「内」にいるのだと中国人に抱かせることが必要です。


アメリカが日本から本当に撤退するかどうかはまだわかりませんが、日本の軍備の再編(まだまだ時間がかかる)を淡々と進めるためにも、中国との関係には慎重になるべきだと考えます。
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なもさんへ (もんたろう)
2011-02-19 09:24:40
日中戦争と書きましたが、実際に日本は殆ど戦わないと思います。日本の自衛隊は海外には基本行けませんから尖閣諸島奪還位でしょう。もしやっても、潜水艦による中国軍艦の撃沈。実際に行くのは米軍でしょうし、日米だけじゃなくてロシアとインドも加わるでしょう。
それと尖閣奪還で交戦した後は直ぐに分裂工作で内戦に突入させるので、実際には殆ど戦わないと思います。というか、既に内戦に成ってる状態で尖閣に乗り込んでくるかもしれません。中国が尖閣に来るのはバブル崩壊で人民の不満爆発している時ですから。既に今の中東みたいなデモの嵐が吹き荒れている状態かもしれません。
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追記 (もんたろう)
2011-02-20 10:36:04
それと、今度の大戦後の国際社会では戦勝国が世界秩序のルールを作ります。日本が今世界で弱い立場なのは敗戦国だからです。長期の日本の安全と日本の国際社会での繁栄を考えるなら、是が非でも戦勝国に成り、ルールを作る側に回り中国朝鮮に強い制限を掛けアメリカと対等の立場になる事が重要だと思います。

もう中国の内戦は定事項です。最優先で考えるべきは中国の難民処理だと思います。今は朝鮮戦争の時より簡単に大量に難民が押し寄せるでしょう。沖縄に1000万人の難民が来て居座ったらどうなりますか?50年後独立させろとでも言いだすでしょう。在日朝鮮人より非道い事に成るのは目に見えています。

この戦争は逆に日本にとってチャンスだと思います。戦後の国際社会での立場の回復と中国朝鮮分割と制限を掛け日本の安全を守り、アメリカの楔を断ち切る。

戦勝国に成る事と中国朝鮮難民処理。この事を考えれば戦争は是非参加すべきでしょう。コストは安く済むんですし。
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