国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

南オセチア紛争:国家存亡の危機に直面するグルジア

2008年08月18日 | ロシア・北方領土
●南オセチア6日目で停戦へ 仏提案の原則で合意 2008/08/13  共同通信

 【トビリシ13日共同】グルジアからの分離独立を主張する南オセチア自治州をめぐるグルジアとロシアの軍事衝突で、グルジアのサーカシビリ大統領は12日深夜から13日未明にかけ、首都トビリシを訪問した欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領と会談、同大統領が示した紛争解決に向けた原則に合意した。同原則は既にロシアも同意しており、双方の戦闘は開始から6日目で停止する見通しとなった。
 サーカシビリ大統領は共同記者会見で「(恒久的な紛争解決には)国連安全保障理事会の決議と国際的な平和維持軍が必要だ」と強調。サルコジ大統領も「EUが停戦を保証する」と述べており、今後は紛争解決に向けた米ロを含む国際協議が焦点となる。
 合意した原則は(1)軍事行動停止(2)グルジア軍の常駐地域への撤退(3)ロシア軍の戦闘開始前の地域への撤退(4)難民・避難民の安全な帰還確保-など。
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081301000091.html





●南オセチア衝突:EU内に温度差 独伊、ロシアに一定の理解 毎日新聞 2008年8月12日

 【ブレゲンツ(オーストリア西部)中尾卓司】ロシアとグルジアの戦闘の早期終結を目指し、欧州連合(EU、加盟27カ国)が停戦に向けての仲介外交を本格化させている。だが、EU内では、グルジアに親近感を抱く旧東欧のポーランドや旧ソ連・バルト3国と、ロシアと関係の深いドイツなどとの間で対露姿勢に温度差が表面化している。EUは13日にブリュッセルで開かれる緊急外相会議で対応を協議するが、加盟国が足並みをそろえられるかどうかが焦点だ。

 ポーランドのシコルスキ外相は10日、「EUが戦闘の拡大を防ぐ役割を果たすべきだ」と南カフカス地域へのEU部隊の派遣を提案、参加の用意を表明した。カチンスキ大統領もサルコジ仏大統領との電話協議で、リトアニア、ラトビア、エストニア、ウクライナとの5カ国共同提案として国際部隊の展開を提唱した。

 これに先立ち、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアの4カ国大統領は9日、ロシアの軍事介入を「帝国主義的な政策」と非難、「小国への攻撃を看過できない」と指弾する共同声明を発表した。4カ国は冷戦時代に東側陣営に属していた歴史的経緯があり、ロシアへの警戒感が強い。

 一方、ドイツのメルケル首相は10日、無条件・即時停戦をグルジア、ロシア双方に呼びかけた。しかし、ドイツ政府内には「武力行使に突き進んだ方が責めを負うべきだ」として、戦闘拡大の責任をグルジア側に問い、ロシアに一定の理解を示す声も根強い。イタリアのフラティニ外相も「反ロシア連合の形成は良くない」とポーランドなどの動きをけん制した。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080812dde007030014000c.html



●仏高官、グルジア大統領は「低俗な罠に落ちた」 国際ニュース : AFPBB News 2008年08月13日

【8月13日 AFP】フランスのニコラ・サルコジ大統領に随行している仏政府高官は13日、グルジアが同国からの分離独立を目指す南オセチア自治州を攻撃したことについて、ミハイル・サーカシビリ大統領は「低俗な罠(わな)に落ちた」と述べた。

 ロシアとグルジアの調停のためモスクワとトビリシを訪問しているサルコジ大統領の随行記者団に対し、同高官は匿名で、「追い詰められていたサーカシビリ大統領は、賭けに出て負けた」と指摘。「サーカシビリ大統領は真夜中に(南オセチアを)攻撃するほど頭がおかしかった」とし、それにロシアが反撃した結果、「グルジアは自らの過ちのために攻撃を受け、粉砕された」と語った。

 グルジアが攻撃を開始した際、ロシアのウラジーミル・プーチン首相は北京五輪開会式に出席するため中国・北京入りしていたが、同高官によるとサーカシビリ大統領は「プーチン首相は五輪期間中には反撃しないだろうと考えていた」という。

 グルジア政府の予測に反し、ロシアのプーチン首相とドミトリー・メドべージェフ大統領は「完全に不釣合いな対応」をした。同高官は、「メドべージェフ大統領とプーチン首相を刺激してしまった。彼らはロシア軍を送り込み、敵軍を一掃してしまった」と述べた。
http://www.afpbb.com/article/politics/2505397/3213644





●グルジア紛争、EUが停戦監視団派遣の方針 2008年8月14日 読売新聞

 【ブリュッセル=尾関航也】ロシアとグルジアによる南オセチア紛争解決のための和平案受諾を受け、欧州連合(EU)は13日、ブリュッセルで外相理事会を開き、グルジア領内に停戦監視団を派遣する方針を決めた。

 EUは今後、グルジアの領土問題の完全解決への道筋を探る役割を担うことになるが、係争地の地位や平和維持部隊の駐留をめぐり、ロシアからどこまで譲歩を引き出せるかが焦点となる。

 外相理事会では、議長国フランスのクシュネル外相が、グルジア、ロシアによる6項目の合意内容を土台に国連安全保障理事会決議案をまとめる意向を示し、他の加盟国も支持した。決議案には、停戦監視団の派遣を盛り込みたい意向で、採択には常任理事国ロシアの同意が必要となる。

 停戦監視団は警察官など非軍事要員から成る可能性が高い。ただ、ロシアの了承が必要で、監視団の規模や時期など詳細は定まっていない。EU内には、グルジア領内に駐留するロシア平和維持部隊に代わる部隊派遣を求める声もある。

 外相理事会は、同紛争の恒久的な解決へ向け、EU主導で両国間の調停を担う方針も承認。今後は軍事衝突の再発防止のため、南オセチアなど係争地の地位確定を含めた本格的和平案作りに着手することになる。

 グルジアは、カスピ海周辺から欧州へ運ばれる石油や天然ガスの中継拠点。欧州諸国にとり、エネルギー資源の長期的な安定供給に欠かせない戦略的要衝。EUが調停役として、旧ソ連崩壊の「負の遺産」である領域外の難題と向き合う道を選んだのはそのためだ。

 EUは、旧ユーゴスラビアの民族紛争を巡り、今年2月にセルビアから独立宣言したコソボのアルバニア人勢力を支援してきた。セルビアの主権や、国際法上の正当性はあいまいで、ロシアの反対を強引に押し切る形で独立を支援した。

 ロシアもグルジア領内で「同じことを主張できると判断した」(独誌シュピーゲル)と指摘されており、EUの積極関与には、自らまいた軍事衝突の火種をつみ取る意味合いもある。

 ただ、長期的な和平実現には、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国に平和維持の名目で駐留する露軍の存在が立ちはだかる。

 ポーランドなど一部のEU加盟国は、露軍に代わりEUが平和維持部隊を送る案を提唱。サルコジ仏大統領も前向きの姿勢を示しており、その方向でロシアを説得する意向と見られる。

 露軍がグルジア領内に侵攻した際、サルコジ大統領は「これ以上の軍事力行使はEUとの関係を損なう」と警告した。EUロシア間の交易促進へ向けた新協力協定や、渡航者の査証免除をめぐる交渉の遅滞を示唆したものと見られる。

 しかし、こうした交渉カードが、ロシアの説得にどれほどの効果を持つのかは未知数だ。EUは、域内で消費する天然ガスの40%をロシアからの輸入に依存していることもあり、ロシアに強く譲歩を迫れる立場にはないのが実情だ。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080809-3758656/news/20080813-OYT1T00945.htm







●グルジアへの米軍派遣表明、米露の対立激化へ
8月14日2時24分配信 読売新聞


 【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ大統領が13日、米軍による対グルジア人道支援を発表したのは、グルジア情勢への関与姿勢を明確にし、「民主化のモデル」と自賛してきた親米のサアカシビリ政権を脅かすロシアを強くけん制する狙いがある。米露間の対立の激化は避けられない。

 ブッシュ大統領によると、ライス国務長官はトビリシ入りに先立ちフランスを訪問し、ロシアとグルジアの仲介を進めているサルコジ仏大統領と協議する。

 ブッシュ政権としてはあくまで外交的解決を優先させる構えで、現時点ではロシアとの軍事対決を避ける姿勢を堅持している。が、人道支援の形とはいえ米軍を現地に派遣したことは、ロシアに対し、軍事的選択肢を完全排除したわけではないとの「強い警告」を発しているのは明白だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080814-00000005-yom-int






●露軍が停戦条件に違反し侵攻 米は支援本格化 グルジアで火花 2008.8.15 産経新聞

【モスクワ=遠藤良介】グルジア紛争は14日、ロシア軍が先に合意した停戦条件に反し、グルジア中部まで部隊を侵攻させ続けていることが明白となった。国際社会が調停の動きを本格化させている中、停戦合意の実効性に大きな疑問符がつけられた形だ。一方、グルジアの首都トビリシには人道支援物資を積んだ米軍のC17輸送機が到着。米国が本格的なグルジア支援に乗り出したことで、グルジア領内で米露両軍が対峙(たいじ)する構図が鮮明となった。

 ロイター通信などによれば、ロシア軍は14日の時点で首都から北西約60キロのゴリのほか、西部のポチ、セナキ、ズグディディに駐留しているもようだ。ポチからは撤退を開始したとの報道もあるが、情報は錯綜(さくそう)している。ポチには14日に戦車部隊が入ったほか、ズグディディには戦車や装甲車など100両以上が集結しているという。

 メドベージェフ露大統領は12日、サルコジ仏大統領の停戦調停に応じ、交戦前の位置まで部隊を撤収させることに同意していた。グルジアは、ロシア軍が停戦合意に違反し、ゴリなどで略奪行為を働いていると批判している。

 他方、メドベージェフ大統領は14日、クレムリン(露大統領府)でグルジアの独立派地域であるアブハジア自治共和国と南オセチア自治州の指導者と会見、「住民のいかなる決定も支持する」と述べ、独立を承認する用意があることを言明した。

 【パリ=山口昌子】フランスのサルコジ大統領は14日、仏南部ブレガンソンでライス米国務長官と会談、グルジア情勢を討議した。ライス長官は15日にトビリシ入りする。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080815/erp0808150043000-n1.htm






●South Caucasus Pipeline - Wikipedia, the free encyclopedia


http://en.wikipedia.org/wiki/South_Caucasus_Pipeline




●なんでグルジアは、オリンピックの開会式直前に南オセチアを攻撃したのか? - 株式日記と経済展望
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/e0e95585b97faa5f1d0233361dbb239a


●日々是勉強 グルジア=アメリカvsロシア、仁義なき戦い
http://roronotokoro.blog113.fc2.com/blog-entry-158.html


●国際戦略コラムno.3016.南オセチア紛争で変わる世界
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/200809.htm


●国際戦略コラムno.3017.ロシアの失地回復戦略
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/200812.htm


●皆さんとディスカッション(続x222)核武装と日本の軍事戦略-防衛省OB太田述正ブログ 

 コソボについては、以前(コラム#2375、2391、2417で)、お答えをさせていただいたことがあります。
 私としては、分離独立しようとしている側に対し、母国側が非人道的行為をどれだけやったか、そしてその母国側と分離独立しようとしている側の相互の相対的自由・民主主義度が、分離独立しようとしている側をわれわれが支持、支援すべきか否かのメルクマールだと思っています。
 最後のご質問についてですが、グルジアのサカシヴィリ大統領は次のように言っています。
 「・・・先週、ロシアは、その手先の分離主義達を使って、南オセチアのグルジアがコントロールしている、いくつかの平和な村々を攻撃し、無辜の一般住民を殺しインフラを破壊しました。
 8月6日、南オセチアをグルジア高官が交渉を試みるために訪れた数時間後に、グルジア人集落に対する大々的な襲撃が始まりました。
 この攻撃にもかかわらず、私は、事態のエスカレーションの回避を希望して一方的停戦を宣言し、いかなる形であれ、分離主義者達と話し合いがしたいという意思を表明しました。
 しかし、分離主義者達と彼らの主人であるロシアはわれわれの平和への呼びかけに答えませんでした。
 グルジア政府は、その時、ロシアのたくさんの戦車と火砲がグルジアの国境(南オセチアとロシアとの境界(太田))を越えたことを知ったのです。何千もの部隊、戦車、火砲が国境線近くに終結していたのですから、これは、ロシアがいかに長期間にわたってこの侵略を計画してきたかを証明しています。・・・」

 ここにはウソは全く出てきません。
 しかし、重大な欠落があります。
 最後の一つ前の段落の後、8月8日未明(7日深夜?)、グルジア軍は南オセチアの「首都」ティンヴァリに大攻勢をかけたのです。
 さまざまな報道がこれを裏付けているだけでなく、以下のような状況証拠があります。
 「先月、・・・グルジアの指導者は米国務省幹部達に<南オセチアでの>戦争計画について話したのに対し、米国務省幹部達は、コーカサスにおける複雑な民族紛争に軍事的解決はありえないと警告した」という経緯があるからです。
 つまり、グルジアは機会をとらえて南オセチアを軍事的に席巻しようとしていたのに対し、ロシアもまた機会をとらえて南オセチアとアブハジアを軍事的に席巻するとともに両地区に対するグルジアの軍事的脅威を除去しようとしていた、ということであり、先に手を出したグルジア側が、ロシア側の罠にかかった、と思われるのです。
 なお、グルジアとロシアを比べれば、グルジア自身、到底成熟した自由民主主義国とは言えませんが、非自由・民主主義的なロシアとは比べものになりません。
 また、非人道的行為についてですが、グルジア軍によるティンヴァリへの大攻勢の際、南オセチアの一般住民2,000人が殺されたとのロシア側の発表は著しい誇張であった可能性が高い(コラム#2729。未公開)一方、ロシア軍が反転攻勢に出た後、南オセチア「政府」軍がティンヴァリ北方のグルジア人の4つの村を焼き討ち、掠奪した(コラム#2729)だけでなく、「ロシア軍は<停戦合意がなった直後、南オセチア領域外のグルジア本体内のゴリを制圧した後、>ゴリから隊列を組んで<更にグルジアの首都トビリシに向けて進み、>30マイル進んだところでようやく停止した。周辺の村々から避難してきた<グルジア人の>人々の証言によれば、このロシア軍の隊列の後方に、ロシア正規軍に加わったチェチェンと<北?>オセチアの志願兵達が続いていた。目撃者達の主張によれば、この志願兵達は、掠奪、砲火、殺戮と強姦を繰り返した上、これら非正規兵達は<グルジア人の>若い男女達を拉致していった。」というのですから、ロシア側・・すなわち、南オセチア(とアブハジア)側・・の非人道的行為の方が段違いにひどかったと言えるでしょう。
http://blog.ohtan.net/archives/51250343.html




【私のコメント】
北京でのオリンピック開催と同時に勃発したロシアとグルジアの戦争は世界に衝撃を与えた。小国グルジアが超大国ロシアに対して戦いを挑むとは、常識的に考えれば正気の沙汰ではない。開戦に踏み切ったサーカシビリ大統領の目論見としては、NATOの支援を得て停戦に持ち込み、南オセチアの平和維持部隊にNATO軍の派遣を勝ち取ることで分離独立の動きに歯止めをかけるつもりだったのだろう。しかし、欧州ではロシアに一定の理解を示す国も多く、グルジアを強く支援している国は主要国ではポーランド・ウクライナしかない。NATO軍の派遣も望み薄である。ロシアはグルジア領内に軍隊を進軍させており、軍事的圧力でサーカシビリ政権を転覆することを狙っていると思われる。

欧州にとってのグルジアの最大の価値は、石油を運ぶBTCパイプラインよりも、アゼルバイジャンからトルコ東部へと天然ガスを運ぶ、南カフカスパイプラインにあると思われる。現在は中央アジア産の天然ガスはロシアのパイプライン経由で欧州に輸出されている。ロシアのガスパイプライン網はランドパワーそのものであり、ポーランドとウクライナはその圧力に屈しない為にもバイパスとしてのグルジア経由パイプラインを必須としているのだ。また、消費地である西欧諸国にとっても、ロシアのパイプラインに万一の事があった場合の保険としてこのパイプラインは有用である。既にこの南カフカスパイプラインはアゼルバイジャンのバクーからグルジアのトビリシを経てトルコ東部のエルズルムまでの区間が完成しており、グルジアはそのガスの5%を通行料として得るなど大きな収益を手に入れている。いまはまだ中央アジアから欧州まで繋がっていないが、カスピ海を経てトルクメニスタンに至るカスピ海横断ガスパイプラインや、トルコ東部からギリシャを経てイタリアに至るナブコガスパイプラインなどの延伸計画が実現すればグルジアは欧州のエネルギー供給の要衝としてその地位を一挙に高めることになるだろう。そのような観点から、ロシアの立場に一定の理解を示す西欧の国々もグルジアの領土の保全を主張しているのだと思われる。

米国・ポーランド・ウクライナが危機に瀕したグルジアを支えきれるか、事態はまだ流動的である。もしロシア軍が首都トビリシに突入するならばサーカシビリ政権はあっけなく倒れるだろう。それは米国の威信の凋落の象徴となり、日本の安全保障にも暗雲がたれ込めてくることは間違いない。日本政府はグルジアに対して緊急支援を表明したが、これは日本の国益から考えて正しいことだと思われる。私は基本的には親露派なのだがそれは中国の脅威に対抗するためであり、南オセチア問題ではグルジアを支持する。危機に瀕したグルジアを救うためには、米国・ポーランド・ウクライナなどによる軍隊の派遣以外の方法はないのではないか。





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10 コメント

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待っていました (面白い発想だが)
2008-08-18 23:21:22
この記事を待っていました。

いろいろと疑問な点があるのですが、
グルジアはこの時期に戦端を開いたのは、どうも米国の情報筋の影がちらちらとしています。
2chなどでの読みでは、グルジアの南オセチア侵攻を囮としてロシアの軍事介入させ、現在のグルジア政権を倒す。しかし、ロシアにはグルジア全土は掌握できず、グルジアに米国に都合の良い政権を立てる。国連のPKOないしPKFを駐留させ、ロシアに簡単に手出しできないようにする。駐留部隊としては米軍は駐留しないです。これであれば大成功の図ですが、ロシアが本気でグルジア全土を掌握してしまえば、すべてを失うことになる。1)果たして米国の意図は何だったのか?です。

しかしグルジアを失うことでロシアにパイプラインをロシアに握られて、直接困るのはヨーロッパです。田中宇的な見方をすると、勢力拡大を図るようにみせてわざと失敗し、東欧圏を再びロシアの影響下におくという意味かもしれません。また新冷戦となった場合に、ロシアは悪の帝国となりロシアと深い関係にあるドイツが苦況に立たされることになります。東欧諸国は米国に頼れずロシアの勢力下に入りたくなければEUの助けを借りたいところですが、EUは軍事同盟的な性格を持っていないので、EU内で議論することになるがこの問題は独仏で相当な温度差が出る可能性があります。新冷戦といっても米国は遠からず破産状態ですので、何もできない。ロシアからするとウクライナまで西欧を向いていますので、ポーランドまでドミノ倒しをするには短い時間ではそんなに簡単ではない。東欧は親西欧政権のまま、ロシアに圧力をかけられEUに助けを求めるということが考えらます。米国はこの展開が望みだったのかと。

ロシアプーチン首相は徹底した反撃を指示したそうですが、2)果たして最初からこの程度の軍事行動に出るつもりだったのか?実は、現場の暴走があったので、しかたなくその上に戦略を構築したのではないか?という疑問が出ます。これは3)北京五輪初日に事件が起こり、プーチン首相がロシアに不在だったことにもつながります。しかし、中途半端にやれば先ほどの米国大成功の図が浮かびますから徹底的にやらないといけない。逆にこの点がこの謀略の優秀な点です。

どうもEUを分断すべく、米国あるいは国際金融資本が巧妙な罠をかけたように思えます。フランスとドイツの首脳がロシアとグルジアで外交をやっていますが、困ったことは避けたい。しかしフランスのサルコジは悪意かもしれない。狙いはドイツでしょう。

グルジアは地政学上の要衝であるため、さらに中東、トルコ方面にも分析が必要です。
3)から東アジア方面への影響もです。実に難解です
返信する
Unknown (Unknown)
2008-08-19 12:17:38
連山から遅れること28時間、ニューヨークタイムズが報道した。

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/world/jiji-080818X943.html
南オセチアに戦術核ミサイル発射装置=ロシア軍が配備-米紙
2008年8月18日(月)14:30
 【ニューヨーク17日時事】18日付の米紙ニューヨーク・タイムズ
(電子版)は、米政府筋の話として、グルジアに侵攻したロシア軍が南
オセチア自治州に短距離弾道ミサイルの移動発射装置を配備したと報じ
た。
 配備されたのはSS21の発射装置で、南オセチア州都ツヒンバリの
北約16キロの地点に設置された。首都トビリシを含めグルジア領土の
大半が射程圏内に入るという。 
返信する
グルジア問題について (Aletheiajp)
2008-08-20 01:19:22
 ロシアがグルジアの全土を掌握しなくても、
東西を分断し、パイプラインを止めることができる状況になれば大きなことである。
 また、ロシア占領地がアルメニアとつながれば、大きな展開が生まれると思われる。
返信する
「面白い発想だが」さんへ (princeofwales1941)
2008-08-20 19:56:34
●グルジアのNATO加盟を強く支持=独首相
2008年08月17日23時49分 / 提供:時事通信社

写真拡大【トビリシ17日AFP=時事】ドイツのメルケル首相は17日、グルジアの首都トビリシを訪れ、サーカシビリ大統領との会談に先立ち、同国の北大西洋条約機構(NATO)加盟を強く支持する考えを表明した。 メルケル首相はこの中で「グルジアは望めばNATO加盟国になれるし、現に同国はそう望んでいる」と語った。ロシアがグルジアのNATO加盟に強く反対する中、同首相の発言はグルジアに対するこれまでで最も強い加盟支持表明の一つだ。
 NATO諸国はグルジアの加盟問題で意見が割れているものの、加盟の是非ではなく時期が問題であることをにじませている。
 メルケル首相のグルジア訪問は、南オセチア自治州をめぐる紛争でグルジア側を支持し、同国領内にとどまっているロシア軍部隊の撤退を促すのが目的。軍事介入したロシア軍はグルジア北部、西部に展開したままで、トビリシに30分で到達できる位置にも部隊を配置している。ロシア側は18日に撤退を開始すると表明したが、平和維持部隊はとどまるとしている。〔AFP=時事〕
http://news.livedoor.com/article/detail/3779969/






米露の対立が深まる中で、親露的と見られていたドイツのメルケル首相がグルジアを訪問し、グルジアのNATO加盟を支持しています。EUで最も反露的なポーランドやバルト三国に足並みを揃えたことになります。これはロシアにとって大きな痛手でしょう。

ロシアはドイツの天然ガス消費の多くを供給していますが、これを対独交渉の材料に使うとドイツ国民を完全に敵に回してしまうことになり、なかなか踏み切れないでしょう。

首の皮一枚で繋がっているグルジアのサーカシビリ政権が生き延びることができるかどうか、今後も危機的状況は続きそうです。
返信する
princeofwales1941さんへ (面白い発想だが)
2008-08-20 22:29:50
princeofwales1941さんへ

>ロシアはドイツの天然ガス消費の多くを供給していますが、これを対独交渉の材料に使うとドイツ国民を完全に敵に回してしまうことになり、なかなか踏み切れないでしょう。

これをロシアが望んで行うことはないはずです。ロシアはそんな馬鹿ではないです。
しかし、ロシアがとある反露的な国にパイプラインを国益のためには閉めてしまうことを独国民が目撃すればそれで十分です。

>EUで最も反露的なポーランドやバルト三国に足並みを揃えたことになります。これはロシアにとって大きな痛手でしょう。

ロシアがこうした国に表だってどうしても圧力をかけなくてはいけない状況こそが大きな痛手です。だれがみても「悪の帝国」になってしまいます。
西欧に向いているこうした反露的な国にロシアが圧力をかけざるを得ない状況というのが、米国の望みではないかということです。

田中宇氏が新作を書いています。
http://tanakanews.com/080819georgia.htm

>ドイツは親露的で、独露が隠然と組んでポーランドに邪険をする傾向が強まっている。現状は、米ソ対立が始まった1940年代ではなく、独ソがポーランドを分割した1930年代に似てきている。

実は同じ意見を持っています。独露で東欧をことを決めてしまわないために、ロシアに外交軍事的なエネルギーを使わせ、くさびを打ち込む。そんなところでしょうか。まだ先の話ですが、ポーランドの問題が浮上したときに、この構図が見えてくると思います。独仏関係を重視するのであれば、そもそもポーランドの問題を浮上させてはいけないはずですが。
返信する
米大統領選がらみか? (名無しの経営者)
2008-08-21 11:54:46
8月20日付のcnn.co.jpで米大統領特集をしており、「オバマ氏の支持率リード、急速に縮小」したと報道している。以下要約
-------------
http://www.cnn.co.jp/campaign2008/CNN200808200022.html
[CNN]米大統領選でバラク・オバマ上院議員は、ジョン・マケイン上院議員を支持率でリードしているものの、ここ数日で差が半分に縮小した。

これまで支持率はオバマ氏がリードしてきており、7月中旬に8ポイントリードで、1週間前には6ポイントリード、それが現在、3ポイントリードに減少してきている。

マケイン氏は、グルジア紛争を受けてオバマ氏の安全保障への取り組みを問題にし、支持を広げだしたことになる。CNNの政治記者は、「グルジア紛争で外交政策が新たに注目を集めた」とコメントした。

ーーーーーーーーーーーーー
新米でイラク派兵までしているグルジア・サーカシビリ大統領の攻撃指示は、いかにも不可解千万である。グ・南オセチア間は、15年戦争状態であり、サ大統領は、露の装備状況もその動向も熟知しているのに何故侵攻したのか。

cnn報道は、グ・露戦争が、米大統領選をマケイン有利にするためだと、言わんばかりである。果たして、こんなに簡単な理由によるものなのだろうか。
返信する
Unknown (けんじ)
2008-08-21 19:06:43
ロシアが自国は敵国に包囲されて、緩衝国が無いと考えると
、事の正否は別として、精神的に不安定になるのではないだろうか。
その昔学校でロシアはヨーロッパで押されると、極東へ出てくると習ったが、どのような行動を、彼等は描いているかと思うこの頃である。
 極東での小競り合いは無いだろうか。
またロシアを之で抑止できるなら、イラン攻撃は可能だろう。
迎撃ミサイルシステムをイランの供給できるのはロシアだからである。
返信する
Unknown (寝太郎)
2008-08-23 23:28:25
まだ本文は読んでませんが、久しぶりの更新ありがとうございます。
返信する
樂官軍X007 (樂官軍X007)
2009-01-25 04:00:34
我是孤獨的幽靈
悄悄的影子
其實我們並不偉大
我們只是奉行正義的使命
今天的中國並不代表過去

樂官軍X007



http://search.yahoo.com/search?p=%E6%A8%82%E5%AE%98%E8%BB%8D&vc=&fr=yfp-t-501&toggle=1&cop=mss&ei=UTF-8&fp_ip=CN

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樂官軍X007 (樂官軍X007)
2009-01-25 04:01:24
我是孤獨的幽靈
悄悄的影子
其實我們並不偉大
我們只是奉行正義的使命
今天的中國並不代表過去

樂官軍X007



http://search.yahoo.com/search?p=%E6%A8%82%E5%AE%98%E8%BB%8D&vc=&fr=yfp-t-501&toggle=1&cop=mss&ei=UTF-8&fp_ip=CN

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