国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

風雲急を告げる朝鮮半島情勢

2006年10月29日 | 韓国・北朝鮮
●北朝鮮メディア、韓国軍を「毎日戦争演習」と非難   2006/10/28 13:21

【ソウル28日聯合】北朝鮮のメディアが、韓国軍の演習事実を強い非難とともに伝えた。
 朝鮮中央通信と朝鮮中央放送は28日、韓国の海兵隊が19日から米軍と連合上陸訓練を実施し、25日からは陸軍が護国訓練として京畿道全域で大規模な軍事演習を敢行したと報じた。韓国各地で北朝鮮を目標にした戦争演習がほぼ毎日露骨に行われているとした。米国の対北朝鮮圧殺策動に便乗した韓国軍の好戦勢力が、各種の対北朝鮮攻撃演習により朝鮮半島情勢を激化させていることを実証するものだと主張した。
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=142006102800400&FirstCd=06





●在韓米軍、非戦闘要員の日本脱出訓練を実施   2006/10/27 21:45

【ソウル27日聯合】在韓米軍が有事に備え、将兵の家族をはじめとする非戦闘要員を日本に脱出させる「疎開訓練」を実施していることが分かった。在韓米軍の消息筋が27日に明らかにした。在韓米軍は26日から4日間の日程で、航空機や高速船を動員して訓練を行っている。訓練には民間人1万4000人余りが参加しているが、実際に航空機や船舶で日本渡ったのは数十人という。
 昨年4月に実施された訓練では、非戦闘要員163人を乗せた高速船が海上でクジラとみられる物体に衝突し、座礁する事故が発生した。そのため在韓米軍は、作戦司令部や医療チームを大幅に補強し、24時間非常体制にしたほか、高速船や航空機に韓国人の通訳を同乗させ、衛星電話で通信体制を強化するなど訓練の手続きを大幅に改善させた。
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=432006102701000





●里帰りの金前大統領、PSI参加に慎重さ求める  2006/10/28 16:31

【木浦28日聯合】金大中(キム・デジュン)前大統領は28日、「大量破壊兵器の拡散安全保障イニシアチブ(PSI)を朝鮮半島周辺で実施すれば、武力対決や戦争が起きる可能性もある」と述べ、朝鮮半島の平和に逆行することがないよう、政府に対しPSI参加に慎重な態度を取ることを求めた。
 金前大統領はこの日、大統領退任後初めて故郷の全羅南道・木浦を訪ね、木浦駅前の広場で市民に呼びかけた。今後政治には一切介入しないと明言する一方で、国がうまくいき、国民が幸せで平和を享受するためにはどんなことだろうと努力するとした。北朝鮮の核問題は必ず平和的に解決しなければならないと強調し、米国に対しては米朝直接対話を再度促すとともに、韓国を中心に据えた対朝鮮半島政策を立てるよう求めた。
 また、金前大統領は国民と木浦市民のこれまでの声援と激励に感謝の言葉を述べ、「戦争を防ぎ平和を守り、南北統一と歴史発展のために微力ながら最善を尽くす」として、祖国と民族、故郷への献身を誓った。
http://japanese.yna.co.kr/service/article_view.asp?News_id=012006102800800&FirstCd=01




●岐路に立つ韓国:前例なき外交・安保人事総入れ替え 2006/10/28 15:03

 韓国政府の外交・安全保障部門の人事が一度に入れ替わるのは、韓国政府樹立以来前例のないことだ。北朝鮮の核実験によって外部的に深刻な状況にあり、また盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領がこれまで展開してきた外交・安全保障政策が限界に達しているためだともいえる。
 次期外交通商部長官への就任が確実とされる大統領府の宋旻淳(ソン・ミンスン)安全保障政策室長の、新しい安全保障担当グループ内での力がさらに増大する可能性も次第に高まってきている。大統領府内外では「イ・ジョンソク(統一部長官)体制」から「宋旻淳体制」に移行するという見方や、「宋旻淳ワンマン体制」になるだろうという見方も多く出ている。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/10/28/20061028000022.html


● 「韓国、巡航ミサイルを実戦配備中」…東京・北京も射程内 2006/10/25 11:55


 韓国軍当局や国防科学研究所(ADD)が射程距離500-1,500キロの巡航ミサイル4種類を開発中か、もしくは開発を終え実戦配備中であることが分かった。
 現在、韓国軍が開発中または実戦配備しているいわれる射程距離500キロ以上の巡航ミサイルは、地対地の「玄武Ⅲ(ヒョンムⅢ、射程距離1,000キロ)」と「玄武ⅢA(同1,500キロ)」、空対地の「若鷹(ポラメ、同500キロ以上)」、艦対地・潜対地の「天竜(チョンリョン、同500キロ以上)」とのことだ。韓国軍が独自開発した巡航ミサイルの種類や射程距離が確認されたのは初めてのことだ。
 韓国政府消息筋は24日、「1、2年前に射程距離1,000キロの地対地巡航ミサイル“玄武Ⅲ”開発に成功、すでに一部はある基地に実戦配備中と聞いている」としている。同消息筋によると「射程距離が玄武Ⅲより500キロ長い“玄武ⅢA”も開発がかなり進んでいる」とのことだ。
 これは、北朝鮮全域はもちろん、東京や北京などかなりの数の周辺諸国主要地域を射程に入れたもので、北朝鮮と周辺国への戦略打撃能力を大幅に向上させたものとして評価できる。
 韓国製巡航ミサイルは正確度5キロ以内と優れており、巡航ミサイルの代名詞となっている米国のトマホークに劣らない性能とのことだ。韓国政府は2001年にアメリカと合意したミサイル指針により、「射程距離300キロ、弾頭重量500キロ」以上の弾道ミサイル開発は制限されている。しかし巡航ミサイルの場合は、無人航空機(UAV)と同系列に分類され、「弾頭重量500キロ」を越えなければ射程距離の制限がない。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/10/25/20061025000027.html




●【社説】政府見解に反し「常識」を主張する統一研究院 2006/10/28 17:01

 統一研究院は27日、「北朝鮮の核実験と国際社会の対応」という報告書を発表し、その中で「北朝鮮制裁決議の履行が韓半島(朝鮮半島)の不安要員を拡大させるという(政府の)解釈に対し、断固反対する。米朝2カ国のみによる直接対話は行わないという米国立場が明白な状況で、北朝鮮の主張するとおり6カ国協議の枠組みから外れる米朝対話を米国に説得し続けるのは非現実的」とした。報告書はまた、金正日(キム・ジョンイル)総書記が最近中国の特使に対し「追加の核実験を行う計画はない」と語ったことについて、「これを北朝鮮が今後核実験を行わないとしたと解釈してはならない。北朝鮮に対する国際的な圧迫が強まっている状況で、北朝鮮に不利な現状を緩和しようというその場しのぎとみるべきだ」とした。

 こうした内容が出てきたことについては、ある種の驚きを禁じ得ない。このところ韓国では与党議員らが「国連の北朝鮮決議を履行すれば戦争が起きる」と騒ぎ立て、統一部の官僚は追加の核実験を行わないという北朝鮮の一言に「大きな峠を越えた」と興奮し、現政権が受け継いだ「太陽政策信仰」の創始者である前大統領は連日、「米国は北朝鮮との直接対話に乗り出すべきだ」と講演して回っている。こうした状況で、統一部傘下の国策研究機関が上層部の意向とは完全に正反対の報告書を出すとは、すべてを覚悟した上での行動としか思えないほどだ。実際、この報告書に含まれている内容は、国際社会の雰囲気を少しでも読み取れば容易に理解できる「常識的な」解釈だ。

 先日も、安保分野の国策研究機関である国防研究院が「むやみな戦時作戦統制権の移管推進は、米国内に韓米同盟は必要ないという世論を拡散させる恐れがある。強固な信頼関係が存在していない状況で戦時作戦統制権を移管させれば、同盟の解体と見なされる可能性がある」という内容の報告書を出していた。しかし現政権は、まっとうな同盟の論理を示した同報告書には目もくれなかった。現政権の関係者は、そろいもそろって非常識な主張のみを繰り返し、何かのはずみに1,2カ所の国策研究所からまともな報告書が提出されれば、それがむしろ驚きを持って受け止められるほどに、偏向しきっている。そしてこれが今の大韓民国の現実なのだ。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/10/28/20061028000025.html





●横須賀異変、米艦隊消えた…空母など主力相次ぎ出港  ZAKZAK 2006/10/30

 北朝鮮の核実験で軍事的な緊張が高まる中、神奈川・横須賀基地が不穏な雰囲気に包まれている。艦船の大半が港から姿を消しているのだ。今月に入り、空母「キティホーク」やイージス艦といった主力戦闘艦の相次ぐ出港は確認されていたが、もぬけの殻となった「横須賀」の意味するものは何か。

 29日は海上自衛隊の観艦式が神奈川県の相模湾で行われた。北の不審船対策のミサイル艇が高速航行したほか、観閲官の安倍晋三首相も訓示の中で北の核実験を「重大かつ深刻な脅威」と断罪した。

 3年ぶりの観艦式には艦艇48隻、航空機9機、隊員約7900人が参加。北の不審船に対抗すべく配備されたミサイル艇「おおたか」(200トン)が時速約80キロで高速航行するなど、北の有事を想定した演習が繰り広げられた。

 安倍首相は海上自衛隊のヘリコプターで護衛艦「くらま」(5200トン)に到着。訓示では「北朝鮮は弾道ミサイルの発射を強行し、核実験の実施を発表した。わが国の安全保障はもとより北東アジアおよび国際社会に対する重大かつ深刻な脅威」と強く批判した。そして「防衛庁を省に移行させ、国際平和協力活動などを自衛隊の本来の任務とする」と国連安保理の制裁決議を意識した訓示を行った。

 ただ、対岸の米海軍横須賀基地に式典ムードはなかった。

 海自横須賀基地は観艦式に参加する艦艇でいっぱいとなったが、米海軍横須賀基地は、事実上の母港としている空母・キティホークはじめ、艦艇や原潜の大半が出港し、がらんとした雰囲気となっていた。

 同基地には主要な艦艇だけでも11隻が配備されているが、イージス巡洋艦1隻と、ほとんど戦闘能力を持たない第7艦隊旗艦で揚陸指揮艦「ブルーリッジ」(1万9177トン)のみが停泊。地元の軍関係者は「ここまで多くの艦艇が一度に出港するのはここ数年、見たことがない」と話しており、艦隊が日本近海で“異常事態”に備えている可能性が浮上している。

 また、9月下旬から停泊していたミサイル巡洋艦「シャイロー」(9600トン)も数日前に出港した。同艦は今年6月、弾道ミサイル迎撃実験に成功。北の「ノドン」級弾道ミサイルの迎撃に対応できる迎撃ミサイル「SM-3」を搭載し、8月に横須賀へ配備されたばかり。「伝家の宝刀」も姿を消し、怖いぐらい静かな横須賀。米海軍は北の次なる核実験、はたまたミサイル発射に備えて作戦展開しているのだろうか。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006103027.html





【私のコメント】
 米国が表向きは米韓軍事同盟維持を主張しながら脱出訓練を繰り返して事実上韓国から撤退する意志を表明する中で、韓国は単独で中国や北朝鮮、あるいは日本といった周辺国と対抗せざるを得なくなっている。韓国陸軍の演習は、米国の撤退に伴う韓国の軍事力低下を挽回するための示威行為と考えるべきであろう。東京や北京を射程に入れた巡航ミサイルの開発も日本及び中国の軍事力に対抗する手段と考えられ、近い将来に米韓軍事同盟が消滅した際には更に弾頭重量の大きな弾道ミサイルの開発に向かうことは確実であろう。

 金大中前大統領は政府見解と同様、大量破壊兵器の拡散安全保障イニシアチブ(PSI)を朝鮮半島周辺で実施することは戦争に直結すると批判する。その一方で、統一研究院や国防研究院などの国策研究機関は、北朝鮮制裁決議の履行を支持し、戦時作戦統制権の移管推進を批判している。日本や中国、あるいは米国と言った超大国と比べて遙かに小国である韓国は、政府内部でも意見が分かれ分裂状態にあると言える。クーデターが実行出来れば、国民の支持を失った盧武鉉政権を倒して新たな政府を作ることは容易であると思われるが、今クーデターを行うと盧武鉉大統領が北朝鮮軍に支援を要請して戦争が始まる可能性が高いために軍部はクーデターを実行できない。また、トンネルや地雷、化学兵器などが設置されており攻略困難な陸上国境を避けて韓国軍が北朝鮮の海岸に電撃的に上陸するという作戦(仁川上陸の北朝鮮版)はもし実行できれば北朝鮮政府は一瞬にして崩壊して韓国による統一が可能となると思われるが、その場合も38度線の北側からソウルへの攻撃でソウルが火の海になることは避けられない。朝鮮戦争を体験した老人を除く韓国国民の多くは同一民族である北朝鮮と戦うという事に賛成しないと考えられ、仮に韓国軍がクーデターを起こしても韓国が国連決議に賛成して北朝鮮との軍事対決に踏み込むことはできないだろう。

 このまま事態が進めば、来月中にも北朝鮮と日米の間で何らかの衝突が発生し、韓国はこの戦争で中立を守るか、あるいは日米側について北朝鮮と戦うかという踏み絵を迫られることになるだろう。そして、韓国が中立を宣言することで米韓軍事同盟が崩壊すると共に、北朝鮮支援国として韓国もまた国連の非難決議の対象となることだろう。次期事務総長を出した韓国が北朝鮮と共に国連から除名されるという冗談のような事態もあり得る。その後、シナリオどおりに北朝鮮国内で親中国派によるクーデターが実行されて新政権が中国や日本との友好関係を樹立、梯子を外されて孤立した韓国は北朝鮮に吸収合併されて丸く収まるのではないだろうか?

 韓国としては上記の悪夢のシナリオを避けるためには、国連事務総長選挙で使った賄賂攻勢をパワーアップして国際社会からの追放をなんとしても阻止するしかないだろう。ただ、韓国が滅亡せずに存続することを絶対に容認しないと思われる中国が安保理の常任理事国であり、日中関係が急速に改善していることを考えると、韓国がどこまで中国と対決できるかは疑問である。韓国の生き残りは不可能ではないが困難な道のりであることは間違いない。
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1 コメント

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Unknown ()
2006-10-29 21:36:06
韓国が負け組みになることが日本にとってプラスですね
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