国際情勢の分析と予測

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「昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ」報道の目的は何か?

2006年07月22日 | 日本国内
●昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ

 昭和天皇が1988年、靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と、当時の宮内庁長官、富田朝彦氏(故人)に語っていたことが19日、日本経済新聞が入手した富田氏のメモで分かった。昭和天皇は1978年のA級戦犯合祀以降、参拝しなかったが、理由は明らかにしていなかった。昭和天皇の闘病生活などに関する記述もあり、史料としての歴史的価値も高い。 (07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060720AT1G1700819072006.html


【私のコメント】
 さて、今ニュースで話題の冨田メモである。昨日夜に入ったラーメン屋で主人が「天皇こそ戦争の最高責任者でA級戦犯そのものなのに、死刑になったA級戦犯を批判するとは何事か!」と息巻いていた。このメモがもし真実ならば、全くの正論である。「天皇陛下万歳」と叫んで死んでいった皇軍兵士たちの霊は嘆き悲しんでいることだろう。天皇として言ってはならない言葉であった。

 ネット上では、メモが一枚だけ張り付けられていること、紙やインクの経年劣化が少なすぎるなどの理由から捏造説もささやかれている。さらに、天皇ではなく徳川侍従長や藤尾元文部大臣の発言であり、意図的な誤報という説もあるようだ。しかし、私はこのメモが本物かどうかということには余り興味がない。偽物であっても大々的に報道すると真実と受け取られるようになることは、アウシュビッツのガス室でのユダヤ人虐殺問題や従軍慰安婦強制連行問題で明らかだ。それよりも重要なのは、日本政府が何故今この時期にこのメモについて報道することを許可したかということだ。最近の日本マスコミへの強い報道管制から考えて、このような重大なニュースが政府の許可なしに報道できるとは思えない。

 靖国参拝問題に関するこれまでの経緯を見ると、日本国民の多くは一貫して中韓両国からの内政干渉に激怒しており、現在の米国政府も中韓に同調しないことから、靖国問題は今や日本にとって有利なカードとなりつつあった。しかし、今回のニュースは靖国問題で日本政府側の主張を弱めるものであるとともに、天皇の政治介入という国内政治上好ましくない事態をもたらすものである。決して日本には有利とは思えないこのニュースはその真偽だけでなく意図もまた謎である。この謎を解明するために、陰謀論の立場から幾つかのシナリオを予測してみたい。


1.<強力な靖国反対派が日本国内に存在するように見せかけて、中韓両国の参拝反対論者を元気付け、靖国問題を政治問題化させる。その上で、後日「このメモは誤報であった」と日本経済新聞に謝罪させ、中韓両国の参拝反対派政治家の梯子を外して孤立化させて敗北させる。>


2.<日中両国の間で、首相の靖国神社公式参拝を取りやめる見返りに台湾の独立やチベット・ウイグルの分離独立を中国が承認する、あるいは朝鮮半島の中立化・非核化を日中共同で推進するなどの秘密合意ができた。首相の公式参拝を取りやめるために、首相より格上の昭和天皇という権威を持ち出す必要があった。この場合は天皇の発言は真実でも捏造でもどちらでもよい。>


3.<昭和天皇の不適切な発言が真実である場合だが、それをあえて公表することで、明治維新以来の天皇神格化と決別するとともに、昭和天皇の戦争指導者としての責任をとって昭和天皇の子孫が皇位継承権を放棄、昭和天皇以外の系列の旧宮家が新たに皇位を継承する。皇太子が長年独身であったこと、結婚後もしばらく子供を作らなかったことも、皇太子妃が適応障害であるとの噂が流されたことも、永らく皇族に男子が生まれていないことも、全ては戦争責任者である昭和天皇の子孫が皇位継承を放棄するための伏線であった。8月中旬の皇太子夫妻のオランダ滞在もそれに関連する。>


1のシナリオは従来の靖国政治問題化路線の継続である。ただ、昭和天皇よりも当時の有力政治家を使った方がより効果的であると思われるし、天皇の政治介入という政治問題をもたらす点で決して日本政府にとって有利ではない。天皇という存在に強い劣等感を持つ韓国を刺激するために天皇の発言捏造という禁じ手を使ったという可能性もないわけではないが、当時の有力政治家でも良かった気がする。また、天皇の発言を捏造したということになれば、日本経済新聞社にとっては自殺行為であり、経営陣総退陣は避けられない様にも思われる。やはり腑に落ちないが、もしこのシナリオが正しいとすれば、韓国を対象にしたものということになる。


2のシナリオはあり得る話である。ユダヤ金融資本の世界覇権が消滅に向かい、東アジアでも台湾や朝鮮半島を巡って日中両国の間で何らかの手打ちが必要になっている。首相の靖国参拝中止は日本にとっていつでも簡単に反故にできるカードであり、そんな明目だけのカードと引き替えに朝鮮半島や台湾を巡って大きな譲歩を中国から勝ち取るというのは決して愚かな選択枝ではない。中国政府も対日譲歩に対して形式だけでも何らかの見返りを手に入れないと国内が持たないからだ。そして、後日に政治家が勝手に靖国参拝を再開してしまえばいいのである。それに対抗して中国が台湾やチベット・ウイグル等を再併合するのは不可能なタイミングを選べばよい。つまり、これは中国を対象にしたシナリオである。


3のシナリオは、私も真相を知らない真珠湾攻撃の裏に隠された真実次第である。真珠湾攻撃は二正面作戦開始という点でヒトラーのソ連攻撃と同様に愚かな戦略的自殺行為であり、それを実行した帝国海軍にユダヤ金融資本の手先がいたことはかなり疑わしいが、事実かどうかはまだわからない。そして、その真珠湾攻撃について昭和天皇がどう考えていたか、昭和天皇とユダヤ金融資本の関係はどうだったかが重要である。それをうやむやにして未来に先送りすることも出来なくはないが、外国にその秘密をつかまれて脅迫の材料を与える危険を考えると賢明でない。日本国民は真実を知っても動揺せず、過去を許容できるだけの民度がある。外国に知られると不味い様な秘密があるのならば、今の内に国民に公表してしまうというのも一つの方法だろう。これは日本国民を対象にしたシナリオである。


 私の独断と偏見で予測すると、1の対韓国シナリオの可能性が15%、2の対中国シナリオの可能性が30%、3の対日本国民シナリオの可能性が5%、私の想定外のシナリオの可能性が50%といったところだろうか?何が目的なのか正直なところ見当が付かない。あっと驚くような筋書きがあるのかもしれない。


【関連情報】
◎日本軍の中枢が米国派(ユダヤ・フリーメーソン)だった太平洋戦争◎
http://hiroshima.cool.ne.jp/h_sinobu/yamamoto1.html

●楽韓Web - 日経新聞 昭和天皇A級戦犯合祀に不快感 疑惑まとめサイト
http://vortex.milkcafe.to/nikkei.html
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1 コメント

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う~ん・・・ (enki)
2006-07-23 17:36:49
冨田は策士の後藤田の手下みたいな人でしたから、裏に何が有っても驚きはありませんね。
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