国境問題解決探る 北大スラブ研が研究書 2006/06/03 00:15
北大スラブ研究センターは、日本が抱える北方領土、尖閣諸島、竹島の三つの国境問題について、ヨーロッパやアジアの他の国境問題と対照しながら多様な視点で考える「国境・誰がこの線を引いたのか」(北大出版会)を出版した。編著者の岩下明裕・北大スラブ研教授は「冷静かつ広い視野で問題をとらえることにより、合理的な解決を目指すきっかけになれば」と話している。
「国境-」は、北大スラブ研が昨年五月、七回にわたって行った公開講座の内容をまとめた。北大や京大、広島大などの国際関係の専門家が、東西分裂を解消したドイツ、英国統治下で国境を画定したインドとパキスタンなどを例に、歴史的、民族的観点から、さまざまな解決策を紹介している。
北方領土問題については、岩下教授が中国とロシアとの国境紛争の解決策を紹介しながら、従来の政府の「四島返還論」から離れ、日ロ双方が妥協して折り合いをつける「フィフティ・フィフティ」方式を提案した。問題解決には、四島への自由往来など日ロ共同利用の道を探り、協調関係を築いていくことが必要だと訴えている。
A5判、百九十二ページで、千六百八十円。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060603&j=0031&k=200606033390
http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/books_new/border-flier/border-flier.pdf
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