【七段花】
この花を眺めていると、思い出す二人の男性がいる。
ひとりは、幼馴染みのお父様。
「真理ちゃん、六甲の幻の花と呼ばれるアジサイをお客様から頂いたけ~、あげるわ」
と、ひと枝下さった。
挿し木にしたその枝から育った苗は、毎年可憐な花を咲かし続ける。
もうひとりは、父。
6月生まれだからだろうか、紫陽花が好きだった。
庭で数種類の紫陽花を育てていた。
あれから10年になるだろうか。
(絶対に似合うわ!)と見つけた七段花が描かれたシャツを、誕生日に贈ったことがある。
父はとてもお洒落だったので、プレゼント選びも楽しませてもらった。
幼馴染みのお父様と、私の父。
ふたりとも緑の手を持っていて、本当に花を咲かすのが上手だった。
今頃きっと、空の上で園芸話に花を咲かせていることだろう。
今年も、七段花の咲く季節になりました。
七段花の絵のシャツが似合うお父様も、本当にお洒落さんだったのですね。
数ある紫陽花の中から七段花を選んでデザインした、というのが素敵ですよね!
見つけた時は本当に嬉しかったです。
シャツの地色は、結構渋い色を選びました。紺にグレーが混ざったような色合いなんですよ。
アロハではなく、着物っぽい和の雰囲気です。
父はこだわりのあるお洒落さんでした。
「流行に左右されるのでなく、自分に合うものを身に付けなさい」というタイプだったんですよ。